思想学部

ケーキ

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一年生

それでもいい

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集めるのは残り3人に。

そして、ふと僕は考えた「すすむくん、そういえば、なんで5人集めようと思ったの?」

「そうしないと、部として認められないからさ。」

「でも、部活にならなくても、何か使う必要ないよね。

だからそのままでもいいんじゃない?」

「ギクッ」

彼は慌てながら続ける。

「君の言うことには一理あるけど、思想学大会にでるためには資金が必要なんだ!」

「思想学大会?」

「僕のノートに書いてある全国規模の大会さ。毎回多くの参加者が色々な思想を持ち寄って、主張を繰り広げる」

「つまり、すすむくんの創作ね~」

すると彼は「確かに今はないけど、いつかは絶対できると思うんだ」と上を見上げた。

「君ってなんだか、いつも根拠ないのに自信あるよね…」

「まぁ、いいや。メンバー集めるの協力するよ。」

「そうか、間くんありがとう。」

───────

「まず、僕の調べによると、同学年でまだ部活に入ってないのは7人くらい。」

「おお!間くんすごい!」

「まぁね。」

そして、心の中で呟いた。

普通でいるためには、不安要素は全部省いておきたいからね。

「男子は3人、女子が4人だよ」

「その人たちあたってみようか。」

彼は男子の名前を全部聞いて、すぐに向かった。

だけど…

「思想学部~?誰がそんなの入るの?

てか、そんな物好き居ないよ」

「昨日もスルーしてたよね。

僕は勉強のため、時間を無駄に過ごしたくないんだ。」

と男子には全員断られてしまった。

しかも、僕にとっても心苦しい物言いが…。

「大丈夫だよ。」

すすむくんをなぐさめた。

しかし彼は
「ははは!まだ大丈夫だ」と元気そうだ。

だが、「怪しい宗教には入らないので…ごめんなさい。」や、「そんな場所にしずくを入れようとするなんて悲しい」と断られたり、泣いてしまう人まであらわれ、5人集める計画は途絶えてしまった。

しかし、彼は「まだ2人残っている!」と何故か変わらず元気。

「分かったよ、最後まで付き合うよ。」

残りの2人は期待値少ない。

おとねさんとみちかさん。おとねさんの方は、吹奏楽部に入っていたらしい。

だから、無理だろうと考えている。みちかさんは…

直後、名前を聞かれたので言うと、彼は少し悩んだ表情を浮かべた。

「よし!まずはみちかさんからだ!」

彼はそう言って走り出した。

すると、前からやってきた人にぶつかる。

「いたた…」

女の子の声。僕がそこへ向かうと、そこに居たのはおとねさんだった。

「彼女はすすむくんを見ると、すぐに立ち去ろうとする。」

「待って」

彼はそう言って彼女を止める。

すると、彼女は止まった。そして体を震わせている。

「僕の事が嫌いか?」

彼女は彼の方を見て「私はすすむくんのことが嫌い!」と言った。

「それでいい。そのままの気持ちで、思想学部に入ってくれないか?」

彼女は驚く「どうしてあなたはそんなことが言えるの…?」

「僕は未来に理想を信じるから。」

彼女はただ何も言わずにそこに居た。

すると、かなでがやってくる。

「すすむ!おとねに近付かないでって言ったよね」

おとねの前に守るように立つ。

「僕は思想学部に彼女を入れたいと考えている。」

「あなた…中学の頃、おとねに怪我をさせたの忘れたの?」

かなでは怒るように言う。

「覚えているさ。だからこそ、彼女が必要になる。」

「どういうこと…?」

「思想と言うのは、いつでも偏りがうまれるもの。だからこそ、否定的に見る立場が必要。

彼女はとてもそれに適している。」

「自分のことしか考えてないんだね…。」

すると、彼は言った。

「ピアノ、弾けなくなったんだろう。夢を僕に奪われたんだろう」

「どうして言うの…?」おとねは泣きそうになる。

「夢と言うのは終わらない。思想学とは、どんな夢だろうと叶えられると信じて疑わないもの。」

僕はすすむくんのそれにドキッとした。

「だから、僕はおとねさんを支え続ける。君は夢を否定しなくていいんだ。」

かなでは言う

「すすむはいつも何も根拠ない自信を持ってるよ…。信用ならない」

しかし、おとねは「分かった。思想学部に入るよ…」と。

かなでは困ってしまった。

「かなでちゃん、ごめんね…。私も変わりたいんだ…。」

「ううん。おとねがそう言うのなら、私は止められないよ。」

そして、かなではすすむの方へ向かった。

「おとねに何か嫌なことしたら、私が承知しないからね」

すすむくんは「うん、分かった」と軽く言う。

ただ見ていただけの僕は、先がおもいやられる…と思ったものの。

これからどうなるか少し楽しみでもあった。

─────────
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