思想学部

ケーキ

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一年生

過去⑤

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子供の頃、自分を知って、相手を知れば負けない。

その言葉を知って、それは真理だと思った。

相手とはきっと、人以外でもそう…。

周りの子供たちは、みんな、有名人になりたい。きらきらしたい凄い人になりたい。

そう言う人ばかりだった。

けれども、僕は違った。

平凡な職業につきたい。

内容と理由はよく覚えていないが、そう思っていた。

それから、それを後押しするように、理由が追随してくる。

理想の人間関係とはなんだろうか…?

それは避けられない話題。

噂によると、いきなり巨万の富を得た人は、人生の歯車をくるわせる

有名大学に入学できた人は、とてもそれに喜ぶと、入学後がダメになる。

有名人は嫉妬されたり、うらまれることも多くなるという。

逆もまたしかり。

マイナス面で偏ってる人は、虐められたり、避けられてしまう。

それらをノートに書いて続けた。

極端と中庸の2つ。その言葉を聞いて、すぐに中庸がいいものだと確信していた。

勿論、中庸がいいものとされるのが事実だろう。

僕は普通になりたいという自分のこと、そして、相手を知る。

その2つのことを駆使し、今まで生きてきた。

小学校の頃は、ノートを使わず、なるべく浮かないよう、小学生よりも普通の小学生を目指した。

自然とそれになっていたの方が正しいかもしれない。

そして、次に、中学生で、少しずつノートを使って、他の人を理解した。

見返すと、ビッシリと書かれている。我ながら頑張ったと思った。

そのおかげで、中学校は、普通の生活ができた。

高校はもっと早い段階で情報集めしようとその時思う。

ところで、僕には弟が居る。

弟は、僕の普通を目指す思想にとても強く賛成している。

しかし、僕よりも偏りが多くあった。それは、得意なことがいくつかあるからだ。

あくまで普通を目指す僕とは対照的。

僕は普通に対してとても強い熱意がある。心の底からなりたいと願う強い思いが。

統計の、この国、他の国、全ての国での普通を調べ、なるべくそれらにあわせる。

勉強も、落とせないところだけは確実に覚え、スポーツも平均を目指すため手加減したり。

だが、こんなことを誰かに求めるのはおかしい。

そんなことは分かっていたので、弟にそれを求めることはなかった。

しかし、普通を目指すこと、僕はそれがとても大事なことだと思っている。

中心極限定理、平均値、中央値。統計には普通を重視する言葉が多く、さっきのように、中庸という言葉、それ以外にも沢山ある普通であることを肯定するもの。

それらが、この道が正しいものだと後押しする。

統計とは、きっと、普通がいいものとされている場所では、最強の学問だろう。

しかし、僕は普通を目指しながら、唯一、普通だと思えない場所。

それがあり、どうしても消せなかった。

真理である場所、それが同時に足を引っ張ることになったのだ─────

ある時のこと。

教室に1冊のノートが置いてあった。

近くにいた人はなんだろうと傍に行ってみると、強い風が吹いた。

そうして、ノートが1枚1枚とめくられていく。

そこに書かれていたのは、学校の生徒、趣味、どんな性格かなど、色々な情報がビッシリと。

中には自分のことも書かれていた。

その人は窓を閉めて、ノートをとじると、荷物を持ってすぐに帰る。

僕は忘れ物をしたと、クラスに戻った。

すると、ノートはそこにあって、とりあえず安心した。

誰にも見られてないかなと、クラスの中を見渡すが、誰もいない。

これだけは見せられない。僕の中での武器であり、弱点。

唯一偏った場所だから────────
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