思想学部

ケーキ

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一年生

出来事

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ボウリング部の件から少し経った。

その間、色々なことをする。

比喩部、フルーツ観察部など色々な部活を助けてきた。

いいや、今まで、思想学部は言葉しか使って来なかったので、何もしなかったとも言える。

しかし、何かが大きく変わったのは事実だった。

そうしてきた甲斐あってか、思想学部はようやく部活として認められる。

校長先生の了承らしい。

どんな理由はあれ、僕はすすむくんを凄いなと心の中で思った。

特に頑張ったのはすすむくんで、自分で書いた文章をクラス回ったりして読んだ。

心に残ってる言葉がある。

「誰かを喜ばせるための恥なら、いくらだってかく。

思想学部のある目的は、活動の皆、そして、学校の全員を笑顔にするため。」

彼のその言葉にはとても強い何かがあった。

僕はそれに惹かれた。

ところで、こうして部活が認められたのは良かったが、未だに解決していないこともある。

それが…。

「間、聞いたぜ。」

「かけるくん。」僕は彼の方を向く。

「思想学部っていい部活なんだってな。」

「うん、そうなってるみたいだね。」

「お前なんかが居たら、印象悪くなっちまうんじゃねーの?」

彼は嘲るように笑った。

「だよね。みんな個性的で、いい人達で凄いんだよ。

自慢の部さ。」

彼の方をみると、面白くなさそうにする。

「行かないといけないところがあるから。じゃあね。」

僕はそう言って、かけるくんの元から離れた。

そして、見えなくなると、ふうと息をつく。

彼はスポーツや、勉強がそれなりにできて人気があるが、性格が良くないらしい。

先生や、色々な面で、よく見られるからと言う理由で集まると聞いた。

けれども、僕に対してのヘイトは極端だ。

僕が人に聞いた話によると、ここまでは酷くない。

何故、言われるのか、その理由は分からなかったが、一つだけ分かっていることがある。

人を嫌うと、苦しむのは自分だけだということ。

何はどうあれ、僕のために苦しまないでいて欲しい。

そう思うと、彼のことを考えるのを辞めた。

そうして、部活動に向かった。

初日の午後の部活動、何をするのかと言うと、帰宅部と同じ家に帰ること。

おとねさんや、みちかさん、しずくさん達は、それぞれ遊ぶ約束や、用事がある。

更にはすすむくんは、最近、動きすぎて疲れて今日は休んだ。

残ったのは、受験を控える青野くんと、僕の2人。

最近、勉強で、殆ど顔を出さなかった彼とすれば、部活動できないのが自明の理だった。

僕がそう思って帰ろうとすると、青野くんが僕の元へとやってくる。

「やぁ。聞いたよ。部活動認められたんだってね」

「そうなんだ!すすむくんの頑張りのお陰だよ。」

「すすむくんって凄いよね。」

「うん。」

青野くんはそう顔を伏せると、打ち明けるように言った。

「あのさ…!」

「どうしたの?」

「前の絵本のこと。君に渡そうと思って」

「そうなんだ。」

彼は僕に『真ん中のうさぎ』と書かれた本を手渡す。

「それだよ!」

僕は思わず大きな声で言った。

「うん。うさぎの話は沢山あったけど、前に持ってきた話の中なら、これかなって。」

僕は青野くんにありがとうを告げる。

今日はいいことがあった。悪いことの後にはいいことがある。

その噂は本当なのかもしれない。

心の中でそう思って、家に帰った。

あの絵本には、なんだか、真理が書かれている気がする。

自分の向かおうとしている先が…

そう思うと、家に帰ってはやく見たくて仕方がなかった。

とても長い時間のように感じた後、ようやく家に着く。

すると、弟がもう帰ってきたようで、僕に話しかけてきた。

「この漫画面白いよ!」

その手に握られていたのは、『スタンダード』という本だった。

僕は感謝を告げて、自分の部屋へ。

今日はいいことが多かった。

悪いことの後には、いいことがあるその言葉もあながち間違いではないと思った。

僕はとりあえず、真ん中のうさぎを見る。

すると、うさぎが橋の真ん中に居た。

そして、走りたくてうずうずしていたので、左側を見てみると、走れそうなスペースがある。

うさぎは左の方に行って、楽しく走り回った。

疲れてしまって、お腹が空いたうさぎが、元の橋の先を見てみる。

すると、橋の向こう側には、うさぎの好物の食事が置いてあった。

うさぎは向こう側に。

それを満足いくまで食べると、橋の真ん中に戻って行った。

ところで向こう側には猿が…

僕はそこまで読んで、絵本を閉じた。

最後まで読みたいところだったが、勉強がまずい。

最近、部活動のこともあり、平均を目指すことが大変になっている。

今日も少しずつ進めて、平均点近くを目指さなければ…。

その日は勉強を終えると、ゆっくり眠った───────

次の日、ある噂が耳に入ってきた。かけるくんが事故にあってしまったと。

僕はそれを聞いて驚く。

しかし、そっと心の中で、きっといつか良くなると言って、深く考えるのを辞めた────────

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