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一年生
完成
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練習試合が終わってから少し経ったある日のこと。
いつものように部活へ行く。
すると、全員揃っていた。
泣いていたしずくさんは、もう元気そう。
笑顔でみちかさんと喋ってる。
僕はそれを見てホッとした。
あおのくんは、勉強に集中して取り組んでいた。
周りを見ていた僕に、すすむくんが話しかけてくる。
「あいだくん来た!」
「すすむくんこんにちは。」
「実は君に聞きたいことがあったんだ」
「なに?」
何かあったか…考えたが思いつかなかった。
「前の練習試合で思ったんだけど、自分の考えを言われてて、平気そうで凄かったなって。」
「それは、すすむくんもじゃないか。」
「僕はそういうのになれてるから。」
そうか…。すすむくんはしずくさんを見て…
僕は笑顔で言った。
「実は、僕には1つ考えがあって!」
「考え?」
「うん。今まで普通を考えてきて思ったんだ。」
すすむくんは頷く。
「傷つかないのは誰かって。」
「僕とか?」
「ううん。傷付く、傷つかないの立場にない第三者さ!」
「?」
「言われてる内容が的外れなら、苦しくない。
そのことから、僕は、昔の考えを持ち出した。」
「そうなんだ。」
「うん!でも、昔に真面目に考えてたこと…。苦しくないわけなかったけどね。」
「だから、僕にまわしたんだ。」
「そういうこと!」
「頑張ったんだ。ありがとう。」
僕は少し照れた。
「ところで、この事で、僕の思想は完成したんだ!」
「おぉ!おめでとう!良ければ聞きたい!」
そして、夢中になって話した。
前に家で弟に話を聞いた時のこと。
ホメオスタシスっていう言葉を聞いたんだ。
恒常性、暑い時に汗をかいて涼しくし、寒い時はシバリングなど。
それはつまり、寒い時に暑くし、暑い時には寒くするってことなんだ。
それを抽象化すると、一方に偏った時は、反対の要素を取り入れる、その逆もまた然り。
ずっと悩んでたことがこれで解決したんだ。
それは、困ってる人を助けること。
やりにくい事を、普通というのはおかしいことだと思っていたが、この考えなら、普通であることも頷ける。
困っているという偏った状態の人を、助けるというまた偏ったものをそこに加えることで、相手の人は普通の状態に戻る。
「僕はこれを中立主義と呼んでるよ」
僕はハッとした。
「ごめん、話しすぎた。」
「大丈夫。話してくれて嬉しかったよ。」
彼は嬉しそうに笑った。
「こちらこそ。聞いてくれてありがとう。」
「最初に話したのがすすむくんでよかった。練習試合の前の日に、考えてて思いついて、人に言うの不安だったから。」
「いえいえ。」
穏やかに言う。
「ところで、それってどんなことに使えるの?」
「えーっと!僕は人に関係することならどんな事でも使えると思ってるよ!」
「凄いね!例えば?」
「物語で言えば、正義の味方が居れば、悪役も必要みたいに!」
「僕は偏ったものにそのまた逆の偏ったものを入れるからこそ、人が好きだって感じるものができると思うんだ!」
それから、すすむくんと少し話していた。
しずくさんがその中に入ってくる。
「すすむくん!あいだくん!」
とても大きな笑顔で見つめる。
「今日は何をするの?」
すすむくんは「どうしようかな」と上を見た。
「また誰かの思想を…とかかな。」
しかし、ここに居るみんな、僕が叶ったことで全員が思想を達成していた。
すすむくんは少し暗いトーンで「夢が叶ったならいいこと」と言う。
僕はいつもより元気がないのでは…?と思った。
前はそっとしておけば…とも思ったが、最近考えてた思想的にはそれは反することになってる。
ここで、中立主義を使うんだ!
僕はそう思って、すすむくんに話しかけようと思ったが情報がない。
内容に困っていたが、前の練習試合の時を思い出す。
あの時、すすむくんは夢について聞いていた。
それだ!僕はすぐにすすむくんに話しかける
「すすむくん!聞きたいことがあるんだ!」
「どうしたの?」
「夢ってあるかな。」
「あるよ!みんなを幸せにすること」
「おぉ!そうなんだ!いい夢だね」
「ありがとう。」
しかし、すすむくんは相変わらず、どこか元気が無さそうだった。
これならきっと大丈夫だと思ったが、考えていること、求めていることが分からないんじゃどうしようもない…。
中立主義も、やっぱり、知ることができなかったら誰かを助けることはできないのか…。
その日は、宿題をするだけで部活が終わった
───────────
いつものように部活へ行く。
すると、全員揃っていた。
泣いていたしずくさんは、もう元気そう。
笑顔でみちかさんと喋ってる。
僕はそれを見てホッとした。
あおのくんは、勉強に集中して取り組んでいた。
周りを見ていた僕に、すすむくんが話しかけてくる。
「あいだくん来た!」
「すすむくんこんにちは。」
「実は君に聞きたいことがあったんだ」
「なに?」
何かあったか…考えたが思いつかなかった。
「前の練習試合で思ったんだけど、自分の考えを言われてて、平気そうで凄かったなって。」
「それは、すすむくんもじゃないか。」
「僕はそういうのになれてるから。」
そうか…。すすむくんはしずくさんを見て…
僕は笑顔で言った。
「実は、僕には1つ考えがあって!」
「考え?」
「うん。今まで普通を考えてきて思ったんだ。」
すすむくんは頷く。
「傷つかないのは誰かって。」
「僕とか?」
「ううん。傷付く、傷つかないの立場にない第三者さ!」
「?」
「言われてる内容が的外れなら、苦しくない。
そのことから、僕は、昔の考えを持ち出した。」
「そうなんだ。」
「うん!でも、昔に真面目に考えてたこと…。苦しくないわけなかったけどね。」
「だから、僕にまわしたんだ。」
「そういうこと!」
「頑張ったんだ。ありがとう。」
僕は少し照れた。
「ところで、この事で、僕の思想は完成したんだ!」
「おぉ!おめでとう!良ければ聞きたい!」
そして、夢中になって話した。
前に家で弟に話を聞いた時のこと。
ホメオスタシスっていう言葉を聞いたんだ。
恒常性、暑い時に汗をかいて涼しくし、寒い時はシバリングなど。
それはつまり、寒い時に暑くし、暑い時には寒くするってことなんだ。
それを抽象化すると、一方に偏った時は、反対の要素を取り入れる、その逆もまた然り。
ずっと悩んでたことがこれで解決したんだ。
それは、困ってる人を助けること。
やりにくい事を、普通というのはおかしいことだと思っていたが、この考えなら、普通であることも頷ける。
困っているという偏った状態の人を、助けるというまた偏ったものをそこに加えることで、相手の人は普通の状態に戻る。
「僕はこれを中立主義と呼んでるよ」
僕はハッとした。
「ごめん、話しすぎた。」
「大丈夫。話してくれて嬉しかったよ。」
彼は嬉しそうに笑った。
「こちらこそ。聞いてくれてありがとう。」
「最初に話したのがすすむくんでよかった。練習試合の前の日に、考えてて思いついて、人に言うの不安だったから。」
「いえいえ。」
穏やかに言う。
「ところで、それってどんなことに使えるの?」
「えーっと!僕は人に関係することならどんな事でも使えると思ってるよ!」
「凄いね!例えば?」
「物語で言えば、正義の味方が居れば、悪役も必要みたいに!」
「僕は偏ったものにそのまた逆の偏ったものを入れるからこそ、人が好きだって感じるものができると思うんだ!」
それから、すすむくんと少し話していた。
しずくさんがその中に入ってくる。
「すすむくん!あいだくん!」
とても大きな笑顔で見つめる。
「今日は何をするの?」
すすむくんは「どうしようかな」と上を見た。
「また誰かの思想を…とかかな。」
しかし、ここに居るみんな、僕が叶ったことで全員が思想を達成していた。
すすむくんは少し暗いトーンで「夢が叶ったならいいこと」と言う。
僕はいつもより元気がないのでは…?と思った。
前はそっとしておけば…とも思ったが、最近考えてた思想的にはそれは反することになってる。
ここで、中立主義を使うんだ!
僕はそう思って、すすむくんに話しかけようと思ったが情報がない。
内容に困っていたが、前の練習試合の時を思い出す。
あの時、すすむくんは夢について聞いていた。
それだ!僕はすぐにすすむくんに話しかける
「すすむくん!聞きたいことがあるんだ!」
「どうしたの?」
「夢ってあるかな。」
「あるよ!みんなを幸せにすること」
「おぉ!そうなんだ!いい夢だね」
「ありがとう。」
しかし、すすむくんは相変わらず、どこか元気が無さそうだった。
これならきっと大丈夫だと思ったが、考えていること、求めていることが分からないんじゃどうしようもない…。
中立主義も、やっぱり、知ることができなかったら誰かを助けることはできないのか…。
その日は、宿題をするだけで部活が終わった
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