思想学部

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三年生

過去物語7

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妖精の体が黒くなった。

「あなたの願い、叶いますよ。全ての人間が平等に幸福になるルート、これから。」


僕は妖精の前に出ていった。

「久しぶり。」

「おぉ。あなたは。」

「15~20年ぶりくらいだっけ?」

「そのくらいです。」

「相変わらずだね。」

「あなたこそ。求めてるものは手に入りましたか?」

「うん。入った。今までも楽しかったけど、同時に未来も楽しみなんだ。」

「沢山知識を得ても、そう思うんですか。」

「僕はまだ知らないことばかりだよ。ところで、あの人は今どうしてる…?」

「あぁ。あの人。あなたが今いることはそういうことです。」

「やっぱり…。」

「あのひとは最後、何か言ってた?」

「はい。言ってましたよ。

自分が受けるものではなかったのに、いざ、失ってみると後悔が残るみたいなことを。」

「そうなんだ。」

「はい。あなたもいずれ決断しなければいけません。」

「僕は決断するつもりはないよ。これから楽しく色々なことを知り生きていくから。」

「そうですか…。」

「あの人のことを聞くの、最後にする。楽しく生きていれてたかな?」

「分かりません。ただ、精一杯頑張ってましたよ。」

「そう。それは良かった。」

僕はほっと落ち着く。

「ところで、なんの用があって来たんですか?」

「わからないけど、多分、境遇を分かってもらえる人だからだろうね。」

「これからどうするんですか?持つものを使って。」

「特に何かするつもりはないよ。」

「あなたはどうして…」

「理由なんかないさ。妖精こそ、体が黒くなったり、白くなったりどうしてなの?」

「それですか。悪いところもあって、いいところもある。人間らしいじゃないですか。」

「そうかな。人間はもっとどちらかに偏ってる気がするけど。」

「そうかもしれませんね。」

「うん。それに、敬語は変わらないんだね。」

「はい。気に入ってるので。」

「そうか。僕の周りでは敬語の人は居なかったな。」

「いずれ使うことになるでしょう。」

妖精は続けて言った。

「ところで、予言を1つしていいですか?」

「予言?そんなこともできるの?」

「完全ではありませんがね。」

「教えて欲しい。」

「これから、ひとつの国で、とても大きなことがおこります。」

「それって、今、僕がいるところ?」

「さぁ。どうでしょう。完全ではないので分かりません。」

「そうなんだ。とりあえず、続きを聞かせて欲しい。」

「それは、人々の考えを大きく変えることになります。」

「何が起こるかは分からないんだ。」

「はい。しかし、これだけは確定しています。

未来はある人が望んだように、多くの人が幸福なものとなる。」

「それが君の能力だもんね」

「はい。」

「ありがとう。話してくれて。」

「事実を言ったまでですから。」

「そうなんだ。」

「えぇ。そういえば、あなたの前の人は物語を毎日書いていたようです。」

「物語?」

「はい。時々ですけど。関わったこともない、誰かについてね。」

「もしかして、未来のことが知れたりする?」

「今、そして、過去のことです。」

「僕と同じことができるってことか。」

「はい。」

「ちなみに、その物語、完成したの?」

「いいえ、途中までです。」

「じゃあ、それを完成させたい。」

「続きを書くんですか?」

「うん。あの人が望んでるものじゃないかもしれないけど。」

「しかし、そんなに気になるなら、確認してれば良かったのでは?」

「もしかしたら、あの人と同じかもしれないけど気になることがあったんだ。人のストーリーって楽しい。」

「そうですか。確かに変わりませんね。」

「じゃあ、良かったよ。僕は自分の道を進む。」

「分かりました。」

黒い妖精がそう言うと、目の前に1冊のノートが現れる。

「ありがとう。じゃあ、貰っていくよ。」

「はい。しっかり書いてくださいね。」

「言われなくても、書こうと思ってるよ。」

「1人の希望が、全ての幸福に繋がる世界を…」

「そう書くかはわかんないけどね。」

「でも、楽しみです。未来が。」

「でも、僕にはわかんないや。今、この瞬間も楽しいから。」

「じゃあ。」

僕はそう言って、ノートを手に持ってその場から離れた。
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