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4章 魔術大国に行ってみる件
よその国に行きます
しおりを挟むさて、街の草も刈り尽くしてきたので移動です。受付嬢ちゃんが滝のような涙を流して喜んでくれたのが一番の収穫だった。ファイルが重かったのがよっぽど苦痛だったんだろうなー。流たちへの出世払いも完済したし、旅の資金もがっぽり稼げたので、しばらくは豪遊とかしても大丈夫だぞ。……しないけど。
「次はどこに行くつもりですの?」
「ここのお隣のガーディナーっつー魔術大国だな」
「……もう少しユニオールの国内を探索してもいいのではなくて?」
ユニオール国内の情報収集もまだ十分じゃないので、シータの意見もわからんではないんだが……異世界召喚魔術に関してこの国は望み薄な気がするんだよなー。完全なるカンでしかないが。ただ、俺のカンはよく当たります。山籠もり以下略。
「シータもいろいろ調べてくれてたのは知ってるが、ぶっちゃけこの国って通過点の一つなんだわ」
この間まではとりあえずあの国――アルスター王国から離れるのが先決だったからな。
「魔術について知りたいなら、魔術に詳しい国に行った方が手っ取り早いだろ?」
「それはまあ、一理ありますけれど……」
その後もごねるシータに、俺はあの手この手を使って説得に成功した。
まあなんだかんだ言ってひと月滞在した街だからなー、愛着が湧いたんだろう。
*
石造りの建物が並ぶ街を眺める。なんか円錐型のトンガリ屋根の家が多くて、魔法の国って感じがするな。アニメの見過ぎかもしれんが。
「そして何事もなく到着とかまじやばい」
今回も例によって例のごとく魔物との遭遇はゼロ。……まあ俺のレベルがダンジョン攻略で跳ね上がってるのも影響してるんだろうとは思う。なんせ二十五になりました! レベルだけなら中堅冒険者を名乗ってもいいくらいらしい。
冒険者始めてまだ三ヶ月くらいしか経ってないんだが……やっぱ中級ダンジョンでの経験が大きい。生産職のみんなには感謝だ。あの後は草刈りざんまいしてたので、たいして上がらなかったけどな!
「とりあえず図書館あたりから当たってみるか」
「異世界に関する情報の捜索ですわね?」
「おう。いきなり異世界召喚に関する本が見つかるとも思えないしな」
そのものズバリな資料があるとしたら、やっぱ王宮の図書室とか禁書庫とかになるんかねぇ……? 勇者召喚つったら一応、他の国より優位に立てる秘奥中の秘奥ってやつだろうし。
ならまずは、異世界的な記述のある本を探してみるのが一番簡単だ。人の口に戸は立てられない。過去に異世界人が来たことがあるなら、それらしい話が残っていてもおかしくない。そこから辿って行くのも良いんじゃないか? 辿った先には必ずその原因――召喚魔術なり何なりがあるはずだ。呼べたんなら還せるはず。……帰らせてるよな? 帰れなかった挙句に現地に骨埋めてたりしないよな? その辺りはこの世界の魔術師の倫理観に期待……期待したい…………ダメかも。
「始める前から、何を落胆してますの!」
「いや、この世界の魔術師って良心的なのかナーとか考えだしたら、なんかアレな結論に」
「しっかりなさいな。リュージが思っているほど世の中捨てたものではありませんわ」
「だよな、現に今まで会った人たちも何だかんだ良い人ばっかだったもんな!」
肝心のこの世界産魔術師とは知り合っていないが。何度か見かけたが、見かけただけじゃあ人柄まではわからんもんなー。
「わからないのなら知り合って、徐々に知っていけばいいのです!」
そうだな、シータの言う通りだ。じゃあ、ギルドにも寄って話が聞けそうな魔術師を紹介してもらおう! そうと決まれば、善は急げだ!
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◇
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