異世界に召喚されたら職業がストレンジャー(異邦”神”)だった件【改訂版】

ぽて

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4章 魔術大国に行ってみる件

ひみつけっしゃ

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 さあ、図書館とギルドへレッツゴー! というところで――

「ちょいとそこ行くお嬢さんや」

 水晶球をのせた台座を広げるフードを深く被った占い師風の、いかにも怪しげな人物がシータに声をかけてきた。声からすると老婆のようだが……。

「魔術師をお探しのようだが間違いないかえ?」

 ……シータよ、こういう怪しい手合いは無視だ無視。彼女の手を引きその場を去ろうとしたのだが。

「あら、よくわかりましたのね?」

 って、素直に答えちゃダメぇぇ! 逃げづらくなるだろぉぉ!! そしてこの老婆、地味に盗み聞きとは趣味が悪い!

「……おい、シータ。相手にすんな、厄介ごとの匂いしかしねーぞ!」

 小声で告げるがシータの耳には届かない! あれよあれよという間に俺たちは何処とも知れぬ裏道へと連れ出されていた。そして案内されたのはとある一軒家の扉の前だった。

「ここにお前さんらの探しとるものがあるよ!」

 婆さん?はそれだけ言うとこの場を立ち去った。形だけ見るとほぼ100パー善意っぽいが、こんな強引な手法を使ってまで会わせたい魔術師がここに居るという事なのか……?

 だが見返りを要求しない善意ほど恐ろしいものも無い。タダより高いものは無いのだ。

「どうします?」
「まあ、ワラにもすがりたいくらいには手がかりもないし、毒を食らわば皿まで、だ」

 念のためシータを下がらせて俺がドアのノブに手をかけた。そして扉を開けると――

「ようこそ! 秘密結社『魔術の友』へ!」

 ――ぱたん。

 俺は即座に扉を閉めた。

 ……俺は何も見なかった。やたらキラキラした金髪美形のにーちゃんがカモーンしていた光景など覚えてはいない。さらに取り巻き一団がクラッカーで歓迎準備してたのも見えなかった。あとなんか書いてある横断幕――たぶん『熱烈歓迎』とかそんなことが書いてあったと思われる――も見えなかった。

 なんか時差で扉の奥からパンパンとクラッカーが炸裂する音がするが、聞こえなかったことにする。

「……帰るぞ」
「えっ、手がかりは要らないんですの?」

 お前はアレが手掛かり持ってるように見えたのか……疲れてるんだきっと。

「――ま、待ちたまえ!」

 ――チッ、シータの説得に手間取ったせいで隙を与えてしまったか!

 慌てて建物から出てきた金髪美形が俺たちを呼び止めた。かなり必死の形相だ。どんだけ人に飢えていたんだコイツは。

「君達は魔術師を――それも召喚術に詳しい者を探しているのだろう!? それならば協力できる!」

 たーのーむーかーらーいーかーなーいーでぇぇー。という情けない声とは裏腹にやたら強い力で俺のマントを掴んで離さない金髪。おい、こらそんなに引っ張ったら破れるだろ! これお気に入りの一張羅なんだよ、やめろ!!

「わかった! わかったから、その手を離せ!」
「本当かい!?」

 ぱぁぁっと幼い子供のように嬉しそうな顔をする金髪。……うぐ。そんな顔されたら無下にできないじゃないか。

「――と。情けないところを見せてしまったね」

 とりあえず家の中へ、と金髪に促され俺たちはその場所へ足を踏み入れた。





「私の名前はリト。この秘密結社『魔術の友』の総帥をしているよ」

 案内の傍ら、金髪――リトは秘密結社『魔術の友』について語った。この結社は純粋に魔術探求を目的としていて、非合法な事には手を出さない健全なものだという。ならどうして秘密にする必要があるんだと聞いたら、その方が『らしい』から、だと。
 そして驚きなのが俺ら、ユニオールに滞在中からこの結社に目をつけられていたとの事。彼らのネットワークは各国にあり魔術を探求する者を虎視眈々と狙っているという。まぁ狙ってるといっても勧誘するためにだから無害っちゃ無害だ。

 こいつらに目をつけられたのは……シータの調査方法がずさんだったんだなと俺は決めつける。だってあっちに滞在してた時、俺は草刈り以外してねーもん。


 まーた変な連中に絡まれちまったなー……。


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