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最終章 最終決戦だヒャッハーな件
錬金術師ってマッド多いの?
しおりを挟むなんだかんだあったが、無事和平交渉は終了した。
そしてどうやらシータがお姫様と知らなかったのは、俺だけだったらしい。でも顔に出すわけにはいかなかったから、めっちゃ苦労したんだぞ! 先に教えておいてくれよ!
――と、それはともかく。
アルスター革命に関して、ジャックロットは静観することになった。加担すると後々面倒なことになるが故だそうだ。だから手は出さないし口も出さない、と。つまり俺らに全部任せますって事だ。先生曰く、これも今回の目的の一つだったとのことで。
「後ろに他国の目があるだけで違いますからね!」
「じゃあ、後はアルスターをどうにかするだけか……」
なんて気楽に言っていたのだが――
「報告がございます!」
ジャックロットの兵士が、俺たちが休んでいた部屋へ駆け込んできた。
「アルスターが国境を封鎖したとの事」
アルスターが国境封鎖………………って鎖国ぅ!? 何で?
「恐らく……ですが、勇者が魔国とジャックロットの仲介をしたからでしょう」
シータが言うには、アルスター以外の国の支援を得た勇者の次のターゲットは、自国だという自覚くらいはあったんだろうとのこと。
「元々、あの国にはみんないい感情を持ってなかったものね」
先生も彼女に同意した。俺も流たちから聞いてたけど、悟られるレベルで不満を抱え込んでたんだな皆。うん、気楽にフラフラと旅しててすまんかった。
「鎖国したってことは王都にもいけないってことだよな?」
当たり前の事実だが確認は重要だ。
「国境が封鎖されてるっていうしなー。ムリムリ」
なんか他人事みたいに言ってる勇者様がいるが、お前も原因の一助だからな?
「とりあえず国境の砦まで行ってみて状況確認、ということでも良いんじゃないかしら?」
今まで黙っていた友瀬がそんなことを言った。
「何か考えがあるのか?」
「要は私たちが通れる状態にすれば良いのよね? なら、いくらでもやりようがあるわ」
フフフと意味深に笑う彼女。一体何をやらかす気だ錬金術師の姉御ぉぉ!?
「――斉藤君、貴方たしかマッピングが趣味だったわよね?」
急に水を向けられて、アタフタしだす暗殺者。
「いや、アレはまぁ趣味っていうより職業病というか……」
暗殺者という職業柄、潜入ルート確保のためのスキルらしい。斉藤は他にも、俺の気配遮断の劣化版スキルも持ってるとか。……まじで何をやらかす気だ姉御よ。
「ここに錬金術スキルの練習で作った特製発煙筒があるわ」
懐からスッと筒状のものを取り出す友瀬。彼女によると煙だけでなく、煙を吸った人間を麻痺させる事ができるスグレモノなのだそうだ。
……一体どんな状況を想定してそんな物騒な代物を作ったんですか姉御、とは恐ろしくて聞けない。
「斉藤君の作ったマップの中で、一番効果の高そうな所――地下とかに設置すればジワジワとなぶり放題よ……フフフ」
やばい。身内の錬金術師がマッド化している。こっちの方が大問題じゃねぇか!!
「けどさー、姉御。それ設置したやつも麻痺るんじゃね?」
勇者さんの素朴な疑問。錬金術師サマの笑いが途断える。
「だ、大丈夫よ! 今から中和剤を作るから!」
ナイス勇者! 設置者候補は恐らく気配遮断持ちだから、下手したら俺にも害が及ぶところだった! 地下室らしき場所で麻痺ってるところを保護される邪神様とか恥ずかしすぎる! しかも自分で仕掛けた罠にはまってる所とか、他人事だったら爆笑ものだ。
「姉御はどっか抜けてるよなー」
あははと笑う早乙女。友瀬も、お気楽勇者のお前には言われたくなかっただろうなぁ。
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