異世界に召喚されたら職業がストレンジャー(異邦”神”)だった件【改訂版】

ぽて

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最終章 最終決戦だヒャッハーな件

夜の墓場でラジオ体操

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 おばちゃんの頼みで別行動することになった斉藤と桐生。彼らを除いた一行はとりあえず王都を目指して歩いた。最初は街道を歩いていたはずなんだが――

「最後は予想通りのけもの道だった件。……あー、神山のやつ生き生きとしてるなー」
「はっはっはー、草がいっぱい! いっぱい刈れて幸せー」

 いっそ憎々しげに俺を見る早乙女。なんだ? この草は俺のものだぞ、分けてやらんぞ?

「いや、頼まれても要らないし!」
「なんと! この幸せに気づけないなんて不幸な!」
「この件に関しては、お前とは分かり合えない気がするよ……」

 ……そうか。俺としてはライバルが減って嬉しい気もするし、同士がいなくて寂しい気もする。

「リュージ君と勇者様は仲が良いだなぁ」

 草を刈る俺の後ろで、道を案内してくれていたソロンさんがノホホンと呟いた。彼の目はフシ穴なのだろうか?  今の会話のどこが仲良しだった? 意味がわからない。

「あ、リュージ君。そこもうちょっと右だぁよ」
「はいよー」

 ……まぁいい。俺は草が刈れれば幸せなのだ。

「……本当にそれで良いんですの?」

 シータのジト目がちょっと痛い。





「そしてやっとの思いでたどり着いたのは夜の墓地という……」

 シーンと静まり返った墓地。心なしか気温も低く、空気が冴え渡っている。

「私、知ってる。これ、ワラワラ沸いてくるゾンビとか悪霊に襲われるパティーン」

 佐伯が呟いた。やめろよ! 本当になったらどうするんだ!?

「いや、逆に考えるんだ! 味方にしてしまえば良いのだと!」
「お客様の中に|死霊使い(ネクロマンサー)はいらっしゃいませんかぁぁ」

 早乙女と石田が必死に打開策を考えたのだが――俺らの中に死霊使いなんていたっけ?

「はぁぁぁいー、よんだぁぁぁぁ?」
『ぎゃぁぁぁぁ!?』

 墓場に俺らの悲鳴が響き渡る。

 顔だけライトアップされた誰かが返事した!? 誰だお前!?

「同じクラスの仲間にそれは酷くない?」
「趣味の悪い登場の仕方するからだ! 自重しろ自重!」

 ちなみにこいつの名前は……何だっけ? いや、決してハブってたわけじゃあないんだ。影薄すぎて忘れちまうんだよ! 顔は覚えてえるけど名前は思い出せない系。ちなみに長い黒髪に切れ長の目で結構な美人なんだが、何故か陰が薄いんだ。いつもは前髪で顔が隠れてるからか?

「とかやってる間に案の定か……」

 見ると墓地のいたるところで土が盛り上がっている。腕が飛び出てる土饅頭とかもある。ここだけノーマークなのは、こいつらがいるからだろう。

「というわけで早速お仕事だぞ、原口さんや」

 うん、そうそう。たしか原口だったよな、うん。

「りょうかーい。とか言いつつ実は既に完了していたり」
「なぬ!? 仕事早すぎねぇ?」
「と、いわれてもー」

 ――と、原口が指差した先では、次々と這い出たソンビやスケルトンがラジオ体操を始める姿が。

「ええっと……なんだかシュールな光景ねぇ」

 甲斐先生が困り顔で呟いた。夜の墓場でラジオ体操って、いまから妖怪大運動会でも始まるのか?

「とりあえずー、ここを離れると制御が難しくなるから動けないかもー」

 原口がここを離れると、元々ここを縄張りにしていた死霊使いの影響が強くなって、この愉快なゾンビやスケルトンが一転、襲いかかってくるのだそうな。

「しっかし、さすがに夜中の墓地に女子一人置いてくのは気がひけるな……」

 と言う事で護衛を募集したところ、数名の野郎と女子が引き受けてくれた。こう言っちゃなんだが意外と人気あるんだな、原口よ。

 だんだん人数が少なくなってきたのが引っかかるが、目的地は目の前だ!

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