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最終章 最終決戦だヒャッハーな件
ハイオークさんのその後
しおりを挟むおばちゃんは有能だが、万能ではないのでとりあえず情報を交換。なんかアレだけど、アルスターの上層部やべぇという事で理解は一致した。
そうして、本題の王都への潜入経路だが……。
「城、というより王都はほぼ封鎖されている状態だ。流石に物資搬入する商人の通行は許されているが……それに紛れてってのはお薦めしないね」
「何故です?」
まぁ、商人の馬車とかに紛れてってのは、物語とかじゃ常套手段。当然、警戒するよなぁ。
「商人ギルドの構成員以外は通してもらえない上に、荷も厳しく確認されてるって話だ」
「それだと、王都に入るのは難しいということですか……」
「そうだねぇ、と言いたいところだけれど運が良いよアンタ達」
いや、日頃の行いが良いのかもねぇ……と、何故か俺の方を見て呟くおばちゃん。え? 俺が何かした?
「ソロンさーん! 出番だよ!」
「ほーい、ちょっと待って欲しいだぁよ」
え、ここでまさかのソロンさん登場!? 気になるのは服装ではあるが――
「お待たせしただぁよ」
そこらの農場で牛の世話してそうなオッサンルックのソロンさん。よっしゃ、脱げてない!
「ソロンさんお久しぶりです! 元気そうで何よりですわ」
「シータちゃんもリュージ君も元気そうで良かっただぁよ」
にっこり微笑むソロンさんったら、見た目オークなのに癒しオーラがやべぇ。と、俺とシータ以外は訳わからんよな、という事で簡単にだが彼の紹介をした。モチ出会い頭に戦いそうになったことも含めて。
「んで、おばちゃん。何故にここでソロンさん?」
「彼は旅人としては大ベテランでねぇ。王都への抜け道もいくつか知ってたりするんだよ」
おばちゃんの言葉の意味するところは――
「まさかアルスター側も把握していないものも含めて、ですか!?」
「当然さね」
先生が驚きの声を上げる。
……まぁ、出会った場所を考えれば、まともな街道使ってるとは到底思えないもんなぁ、ソロンさん。そりゃ、裏道もたくさん知ってるんだろう。下手すると道ですらないかもしれんが。
「草刈りなら任せとけ!」
「つまりけもの道なんですねわかります。つか神山っち張り切りすぎィ!」
はっはっは。湯田よ、そういうな。
「もうないと思っていた草刈りポイントが思わぬところで出てきたんだぞ? ここで張り切らずしていつ張り切ると!?」
「リュージ、落ち着きなさいな」
「リュー坊、お前さん……。ああっ、あたしが草刈りばかり斡旋したばかりに……」
オヨヨと泣き崩れるフリをするおばちゃん。ノリが良すぎか! 他の奴らは「あぁ、この人が元凶か……」といった視線をおくっている。
いいじゃん草刈り楽しーんだからいいじゃん!! 実際、あの頃はまだそれ位しか出来ること無かった訳で……。
「これでとりあえず目下の問題は解決、と言いたい所なんだけどねぇ……」
「まだ何か気になる事でもあるのか、おばちゃん?」
「いや何。自分達の国の不始末を、他の人間に任せっぱなしというのも居心地が悪い」
「潜入経路を案内していただけるだけでもありがたいんですけれど……」
遠慮がちに告げる甲斐先生に、「そんな水くさいこと言いなさんな」とおばちゃんは譲らない。
「アンタ達の中で足の速い子を何人か借りたいが良いかい?」
足が速いと言われて真っ先に候補に上がるのは斉藤か。他にいるっけ……?
「あ、あの……。ぼくの召喚獣を使えば早い、かも……」
おずおずと立候補したのは、眼鏡をかけた大人しめな男子――桐生だった。先のセリフからわかるとは思うが、召喚士である。普段は一歩下がって目立つ真似はしない奴なので、皆の注目を集めて恥ずかしそうにしている。
「……そういえば、鳥とかいたな。桐生の召喚獣には」
解説ありがとう流さん。でもそれ足が速いっていうか飛んでるよな? いやまー飛んだ方が速いけど。
何はともあれ、おばちゃんにはどうやら考えがあるみたいだった。
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