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最終章 最終決戦だヒャッハーな件
転移の罠って……お約束ですよねー
しおりを挟む――かくして。いよいよ最終決戦の地となる王城へ突入する時が来た。
「みんな準備はいいか?」
俺の問いに皆、神妙にうなずく。それを合図に城へと突入した。
*
門を潜り、長い廊下を抜けると広間に出た。ふっかふっかな真っ赤な絨毯が敷き詰められた空間。そして正面には広い階段。中二階が広い踊り場になっていて、その左右に二階へと上がる階段が続くという豪華な造りだ。
その広場で俺たちは足を止めざるを得なかった。
踊り場には魔術師と思しき集団を従えたアルスター王の姿があったのだ。
「わざわざ戻ってくるとは余程の物好きと言わざるを得ないな、勇者殿」
「王サマのほうこそ、わざわざ入り口までお出迎えなんてどういう風の吹き回しなんだか」
王の言葉に早乙女も毒づく。
魔王討伐はどうした? とか言わない辺り、やはり状況は把握しているようだ。どっかにスパイでもいるんかね?
「なに私がここに足を運べば、貴殿達は足並みを揃えて止まらざるを得まい?」
それこそが狙いよ。と、王は嗤った。その瞬間、床が俺たちを囲むように光を放ち始めた。
「――転移の罠ですッ! みんなはぐれないように手を!」
先生の叫びに、各々咄嗟に近くにいるやつと手を繋いだのだが、流石に全員は間に合わない!
「リュージ!」
「シータ!」
せめてと、咄嗟に伸ばされたシータの手を取る。ぜってーはぐれたりしないぞ!
――だが、そんな想いもむなしく。
光が収まった後に残ったのは俺だけだった。罠が発動する前と変わらぬ風景。
「――なっ!?」
何でだ!? 普通に俺も転移罠の範囲内にいたんだぞ?
「不思議そうだな?」
「……なんで俺だけ残した?」
俺の当然と言えば当然の問いに、王はこう答えた。
「貴様は我が計画に必要な贄よ。まさか役立たずの貴様がソレであったとは、些か予想外だったが」
『にえ』ってなんだ? それはともかく悪かったなぁ、役立たずで!
「みんなは無事なんだろうな?」
「転移先にはそれぞれ兵を配置しておる。勝てれば命は助かるだろうよ」
クククと嗤う王。騎士団はほぼ壊滅させたってのに、この国まだそんな戦力隠し持ってたのかよ? でもまあ、みんななら大丈夫な、はず。いざとなれば外に待機してるやつらだっているんだ。
「俺たちがそう簡単に、お前らの思い通りになると思ったら大間違いだ!」
今はバラバラになっているが、何たって総勢三十人あまりの上級職集団。「三人寄れば文殊の知恵」って言葉もあるんだ。数だけならその十倍。何だってできる!
「ふん、無駄に強気だな。だが、これを見ても同じことが言えるか?」
そう言った王の視線を追った先にいたのは――ヴァルさん!? それに、俺が城にいた時に良くしてくれた下働きの人たちだ!
彼らは後ろ手に縛られ、さらに猿ぐつわまで付けられていた。なんかモゴモゴと言ってるみたいだが、すまん、わかりません。多分、「逃げろ」とかそのたぐいだろう。誰一人として俺に恨みがましい目を向けていないから。
マジでこの国、王侯貴族以外は良い人多いな! 何の呪いだよ!?
「クソッ、この人でなしども! 後でぜってー痛い目見るから覚悟してやがれ!」
その際には、主に俺以外の火力が火を吹くぜ!
「何とでも言うがいい。我らは貴様一人を手に入れられればそれで良いのだよ!」
楽しそうに「くははは」と笑う王がマジで憎い! つーか、俺をどうするつもりなんだ? エロい展開だけはカンベンして欲しいと切に願いながら、俺は捕まった。
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◇
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