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最終章 最終決戦だヒャッハーな件
とある侍のワクドキ☆
しおりを挟むさーて始まりました『わくどき☆家探し』のお時間です。実況は俺、北山がするぜー! 突入メンバーの中じゃ地味に影薄い気がするのは、ここだけのヒミツだぞっ!
まず俺たちの前に現れたのは地下への長い階段だった。……いいねぇ、ゲームとかじゃあ宝物庫とかは地下が定番だよな! これは期待の持てるスタートだ。
「先生、念のために一発お願いします」
「へ?」
流の一言に、先生が戸惑っている。ちなみに俺にもサッパリだ。それをみて流は更なる説明の必要があると察したみたいだ。
「階段の途中にアレが居たら厄介なので」
流が指差す方向には、さっき先生が凍らせたばかりのデッサン人形。……あー、確かに。階段で出てきたら面倒だよなぁ。動きが制限された状態で、無限再生する人形と戦うとか正気の沙汰じゃない。先生も「なるほど」と納得。
「では、やってみますね。『|吹雪よ(テンペスタ・ディ・ネーヴェ)』!」
詠唱が長いせいか、さっきの魔術とは格段に威力が違う一撃が階段を突き抜けた。うっわ、寒っ!
「それじゃあ行きましょうか!」
「そうだねっ、おたからおたからー」
やたら張り切ってる新名と佐伯。……うん、まあ最初にお宝って言ったの俺だけどさ、張り切りすぎじゃね?
まあ、そんな訳で階段を降りて行った俺たち。案の定、途中には凍りついたデッサン人形が何体かいた。流、グッジョブ!
長い長い階段の先にあったのは――
「トレジャーハンティング的にはハズレよね、これ」
「立派な地下牢ですね、ありがとうございますー」
落胆する俺たちだったが、気付きの達人流の兄貴は違った。
「あれだけの数のデッサン人形を配置してたんだ。何かしらあるのは間違いないだろうよ」
「反王政派の役人さんとかだと、今後助かるわねぇ……」
先生はもう終わった後の事を考えてんのか……気が早すぎじゃねぇ?
そんな時。
――キィィィン。
やたら甲高い音が奥から響いてきた。金属が擦れるようなそんな音。不思議と不快感はない。
「これは……!」
何かに気がついた流が一目散に奥へ走り去った。ちょ、え、流サーン!? 意外と戦闘能力があるとはいえ、さすがに一人にするのはやばい。俺たちも慌てて後を追った。
そうして追いかけた先には――
音の発信源と思われる鞘に入った刀を持った男のほか、数名が牢屋に入れられていた。……つか、あの刀って神山のじゃね?
「おい、あんた! その刀何処で手に入れた!?」
今にも鉄格子を破りそうな剣幕でまくし立てる流。……そうだよ! 神山が肌身離さず持ってるはずの刀がここにあるっておかしいじゃん!
「あんたは……『鍛治師』さんっすか!」
最初は警戒していた男だったが、流の正体に気づくと途端に態度が変わった。
「リュージ君を助けてやって欲しいっす!」
「神山君に何があったんですか!?」
先生が鉄格子に飛びつく。あいつだけは何があっても大丈夫そうだと思っていただけに、皆が驚いた。
「俺たちが人質にされたばかりに、王に捕らえられてしまったっす……」
……神山を捕まえてナニする気なのか、サッパリ見当がつかない。エロい事じゃないのを祈るばかりだ。女子ならともかく、野郎のエロとかイラネー。
とりあえず、この人達をこのままにしておくのもマズイので、一旦牢屋から解放した。鍵? そんなものは俺の居合斬りで一刀両断だったさ!
そんな時、小耳に挟んだのは。
「にえ?」
「多分、生け贄って意味だと思うっすけど……王さまがリュージ君に、そんな話をしてたっす」
神山を生け贄にする? 神山といえば邪神サマな訳だが、それを生け贄にするってかなりヤバくね? 黒魔術的なイメージで。
「……あの、神山くんと一緒に女の子がいませんでしたか?」
おずおずと男――ヴァルというらしい――にたずねる佐伯。そうだよ! 神山といえばシータちゃん!!
「いや、リュージ君だけだったっす」
その返答に顔を青くする佐伯と、なぜか湯田。湯田は「ヤバイよ、ヤバイ! 下手したらブレーキ効かない暴走特急状態じゃん!」とか叫んでるが……。あー、神山といえば騎士団惨劇事件ですよねー。解放された途端に暴走したらやべーですねー……俺たち死ぬかもしんない。ブレーキ役のシータちゃんには是非、無事でいてもらいたいもんである。
結局、今回の探索の成果は神山の武器と、あいつに対する人質の解放だけだった。まー神山の刀もお宝っちゃお宝なんだが、専用装備だもんなー……。ゲームみたいにはいかないよな、現実は。
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