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最終章 最終決戦だヒャッハーな件
とあるダンマスの懸念
しおりを挟む私が広間に戻った時、そこはもぬけの殻でした。一応、玉座の間まで足を伸ばしてみましたが、結果は変わらず。唯一の収穫は、サオトメとイシダに合流できた事くらいでしょうか。
「玉座に座ってなかったのは予想外だったよなー、さすがに」
「城の何処かにはいそうなんだがなぁ……」
サオトメとイシダの言には賛成する所がありますが、この人数では少々心細いのも事実です。ミネリアーナが三体も魔術人形を持っていた――それも下げ渡されたとあれば、王はもっと沢山の魔術人形を保持している可能性が高い。下手をすればもっと強力な個体があっても不思議ではありません。
「とりあえず城の外に出て、他の皆さんと合流しましょう」
「しらみ潰しに探すにしても人数がアレだもんな。オレはシータちゃんに賛成」
「他の奴らも一旦外に出てるかもしれないし……まあ仕方ないか」
そうして外へ出た私たちを待っていたのは、想像だにしない最凶の敵だったのです。
*
城の外では沢山の人たちが魔導人形と戦っていました。サオトメとイシダは彼らの加勢へ。私は、ここにはいるはずのない人物を見つけ、そちらに駆け寄りました。
「ああ、シータ君。無事で何よりだ!」
「リト、何故貴方がここに?」
「アルスターがルール違反をしていると小耳に挟んでね」
珍しく彼の声には苛立ちが含まれていました。リトは基本的に平和のために魔術や魔道具を研究している研究者。アルスターの行いに許せないものがあったのでしょう。……もしかすると、アルスターは人体実験なども平気で行なっていたのかもしれません。
「魔導人形ですね……」
「普通は一体動かすのすら大量の魔力が必要だと言うのに、あれだけの数。……奴ら一体何を動力源にしているのやら」
あの手の魔術兵器は人の魔力を動力源にしていますが、性能の高さに比例して消費も激しくなります。ミネリアーナは三体も操っていましたが、それはアルスター王家出身者の魔力保有量が群を抜いているからであって、普通は一体動かすのすら難しいのです。
再生するにも魔力を使いますから、一度起動させれば素早く敵を倒す必要があります。持久戦には向いていないのです。
そして現状、目の前に展開されている戦いを見るに、魔力供給源の犠牲者が出ていてもおかしくない規模。
「動力源を確保するのが手っ取り早そうですが、目星はついてらっしゃるの?」
「動力源だが……困ったことに移動しているフシがある。これはあれだね、伝説の指揮官機が出て来るかもしれない」
計測器のようなものを覗きながら、軽い調子で呟くリトですが……。
「指揮官機というと……魔導人形たちに魔力供給できる上に、自機も戦闘能力があるというあの悪夢の兵器、ですか」
おや、よく知っていたね。と、私の説明に目を丸くするリト。
「時の魔王に全て破壊されたはず、だったんだけれども……」
「よりにもよってアルスターに完全なモノが残っていた可能性があるのですね」
「でもまあ、僕らは運が良い。何てったって最高の錬金術師が付いている。多くの魔導兵器は金属で出来ているからね」
壊すだけなら彼女の王水以上に頼り甲斐があるアイテムもないでしょう。ここが戦場になってから作り続けているとのことで在庫も問題ありません。……彼女のアイテムボックスには一体どれだけの材料が備蓄されているのか少しばかり気になりますが、今はまだそれを解き明かす時ではありません。
「それで、動力源はいまどこに?」
リトは私の言葉には口を開かず、上空を指差しました。その表情は苦いもの。
「――最悪ですわ……」
それは二階建ての一軒家すら見下ろす巨体。二足歩行の巨大な金属製ゴーレム――魔導兵器の指揮官機と思われる機体が降り立つところだったのです。
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