異世界に召喚されたら職業がストレンジャー(異邦”神”)だった件【改訂版】

ぽて

文字の大きさ
97 / 106
最終章 最終決戦だヒャッハーな件

とあるダンマスの懸念

しおりを挟む


 私が広間に戻った時、そこはもぬけの殻でした。一応、玉座の間まで足を伸ばしてみましたが、結果は変わらず。唯一の収穫は、サオトメとイシダに合流できた事くらいでしょうか。

「玉座に座ってなかったのは予想外だったよなー、さすがに」
「城の何処かにはいそうなんだがなぁ……」

 サオトメとイシダの言には賛成する所がありますが、この人数では少々心細いのも事実です。ミネリアーナが三体も魔術人形を持っていた――それも下げ渡されたとあれば、王はもっと沢山の魔術人形を保持している可能性が高い。下手をすればもっと強力な個体があっても不思議ではありません。

「とりあえず城の外に出て、他の皆さんと合流しましょう」
「しらみ潰しに探すにしても人数がアレだもんな。オレはシータちゃんに賛成」
「他の奴らも一旦外に出てるかもしれないし……まあ仕方ないか」

 そうして外へ出た私たちを待っていたのは、想像だにしない最凶の敵だったのです。





 城の外では沢山の人たちが魔導人形と戦っていました。サオトメとイシダは彼らの加勢へ。私は、ここにはいるはずのない人物を見つけ、そちらに駆け寄りました。

「ああ、シータ君。無事で何よりだ!」
「リト、何故貴方がここに?」
「アルスターがルール違反をしていると小耳に挟んでね」

 珍しく彼の声には苛立ちが含まれていました。リトは基本的に平和のために魔術や魔道具を研究している研究者。アルスターの行いに許せないものがあったのでしょう。……もしかすると、アルスターは人体実験なども平気で行なっていたのかもしれません。

「魔導人形ですね……」
「普通は一体動かすのすら大量の魔力が必要だと言うのに、あれだけの数。……奴ら一体何を動力源にしているのやら」

 あの手の魔術兵器は人の魔力を動力源にしていますが、性能の高さに比例して消費も激しくなります。ミネリアーナは三体も操っていましたが、それはアルスター王家出身者の魔力保有量が群を抜いているからであって、普通は一体動かすのすら難しいのです。
 再生するにも魔力を使いますから、一度起動させれば素早く敵を倒す必要があります。持久戦には向いていないのです。
 そして現状、目の前に展開されている戦いを見るに、魔力供給源の犠牲者が出ていてもおかしくない規模。

「動力源を確保するのが手っ取り早そうですが、目星はついてらっしゃるの?」
「動力源だが……困ったことに移動しているフシがある。これはあれだね、伝説の指揮官機が出て来るかもしれない」

 計測器のようなものを覗きながら、軽い調子で呟くリトですが……。

「指揮官機というと……魔導人形たちに魔力供給できる上に、自機も戦闘能力があるというあの悪夢の兵器、ですか」

 おや、よく知っていたね。と、私の説明に目を丸くするリト。

「時の魔王に全て破壊されたはず、だったんだけれども……」
「よりにもよってアルスターに完全なモノが残っていた可能性があるのですね」
「でもまあ、僕らは運が良い。何てったって最高の錬金術師が付いている。多くの魔導兵器は金属で出来ているからね」

 壊すだけなら彼女の王水以上に頼り甲斐があるアイテムもないでしょう。ここが戦場になってから作り続けているとのことで在庫も問題ありません。……彼女のアイテムボックスには一体どれだけの材料が備蓄されているのか少しばかり気になりますが、今はまだそれを解き明かす時ではありません。

「それで、動力源はいまどこに?」

 リトは私の言葉には口を開かず、上空を指差しました。その表情は苦いもの。

「――最悪ですわ……」

 それは二階建ての一軒家すら見下ろす巨体。二足歩行の巨大な金属製ゴーレム――魔導兵器の指揮官機と思われる機体が降り立つところだったのです。


しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜

一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m ✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。 【あらすじ】 神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!   そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!  事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます! 仕事繁忙期の為、2月中旬まで更新を週一に致します。 カクヨム(吉野 ひな)様にも投稿しています。

『処刑されるたびに12歳に戻る悪役令嬢、7回目の人生は「何もせず寝て過ごす」ことに決めたら、なぜか周囲が勝手に勘違いして聖女扱いされています

六角
恋愛
公爵令嬢リリアーナは、18歳の誕生日に必ず断罪・処刑されては12歳に戻るという地獄のループを6回も繰り返していた。 真面目に努力しても、剣を極めても、裏社会を支配しても、結局は殺される運命。 心折れた彼女は、7回目の人生でついに決意する。 「もう頑張らない。どうせ死ぬなら、今回はひたすら寝て過ごそう」と。 しかし、安眠を求めて「うるさい」と敵を黙らせれば『王者の覇気』と恐れられ、寝ぼけて放った魔法は『神の奇跡』と崇められ、枕への異常なこだわりは『深遠なる儀式』と誤解されてしまう。 気がつけば、ストーカー気味のヤンデレ王子、パン屋の元ヒロイン、狂犬の如きライバル令嬢、元部下の暗殺者、そして不眠症の魔王までもが彼女の信者となり、リリアーナは意図せずして国を、そして世界を救う「最強の聖女」へと祭り上げられていく。 「お願いだから、私を寝かせて!」 睡眠欲だけで運命(システム)さえもねじ伏せる、無気力悪役令嬢の痛快勘違いサクセス(?)ストーリー!

ネグレクトされていた四歳の末娘は、前世の経理知識で実家の横領を見抜き追放されました。これからはもふもふ聖獣と美食巡りの旅に出ます。

旅する書斎(☆ほしい)
ファンタジー
アークライト子爵家の四歳の末娘リリアは、家族から存在しないものとして扱われていた。食事は厨房の残飯、衣服は兄姉のお下がりを更に継ぎ接ぎしたもの。冷たい床で眠る日々の中、彼女は高熱を出したことをきっかけに前世の記憶を取り戻す。 前世の彼女は、ブラック企業で過労死した経理担当のOLだった。 ある日、父の書斎に忍び込んだリリアは、ずさんな管理の家計簿を発見する。前世の知識でそれを読み解くと、父による悪質な横領と、家の財産がすでに破綻寸前であることが判明した。 「この家は、もうすぐ潰れます」 家族会議の場で、リリアはたった四歳とは思えぬ明瞭な口調で破産の事実を突きつける。激昂した父に「疫病神め!」と罵られ家を追い出されたリリアだったが、それは彼女の望むところだった。 手切れ金代わりの銅貨数枚を握りしめ、自由を手に入れたリリア。これからは誰にも縛られず、前世で夢見た美味しいものをたくさん食べる生活を目指す。

ようこそ異世界へ!うっかりから始まる異世界転生物語

Eunoi
ファンタジー
本来12人が異世界転生だったはずが、神様のうっかりで異世界転生に巻き込まれた主人公。 チート能力をもらえるかと思いきや、予定外だったため、チート能力なし。 その代わりに公爵家子息として異世界転生するも、まさかの没落→島流し。 さぁ、どん底から這い上がろうか そして、少年は流刑地より、王政が当たり前の国家の中で、民主主義国家を樹立することとなる。 少年は英雄への道を歩き始めるのだった。 ※第4章に入る前に、各話の改定作業に入りますので、ご了承ください。

オバちゃんだからこそ ~45歳の異世界珍道中~

鉄 主水
ファンタジー
子育ても一段落した40過ぎの訳あり主婦、里子。 そんなオバちゃん主人公が、突然……異世界へ――。 そこで里子を待ち構えていたのは……今まで見たことのない奇抜な珍獣であった。  「何がどうして、なぜこうなった! でも……せっかくの異世界だ! 思いっ切り楽しんじゃうぞ!」 オバちゃんパワーとオタクパワーを武器に、オバちゃんは我が道を行く! ラブはないけど……笑いあり、涙ありの異世界ドタバタ珍道中。 いざ……はじまり、はじまり……。 ※この作品は、エブリスタ様、小説家になろう様でも投稿しています。

捨てられた前世【大賢者】の少年、魔物を食べて世界最強に、そして日本へ

月城 友麻
ファンタジー
辺境伯の三男坊として転生した大賢者は、無能を装ったがために暗黒の森へと捨てられてしまう。次々と魔物に襲われる大賢者だったが、魔物を食べて生き残る。 こうして大賢者は魔物の力を次々と獲得しながら強くなり、最後には暗黒の森の王者、暗黒龍に挑み、手下に従えることに成功した。しかし、この暗黒龍、人化すると人懐っこい銀髪の少女になる。そして、ポーチから出したのはなんとiPhone。明かされる世界の真実に大賢者もビックリ。 そして、ある日、生まれ故郷がスタンピードに襲われる。大賢者は自分を捨てた父に引導を渡し、街の英雄として凱旋を果たすが、それは物語の始まりに過ぎなかった。 太陽系最果ての地で壮絶な戦闘を超え、愛する人を救うために目指したのはなんと日本。 テンプレを超えた壮大なファンタジーが今、始まる。

最強の異世界やりすぎ旅行記

萩場ぬし
ファンタジー
主人公こと小鳥遊 綾人(たかなし あやと)はある理由から毎日のように体を鍛えていた。 そんなある日、突然知らない真っ白な場所で目を覚ます。そこで綾人が目撃したものは幼い少年の容姿をした何か。そこで彼は告げられる。 「なんと! 君に異世界へ行く権利を与えようと思います!」 バトルあり!笑いあり!ハーレムもあり!? 最強が無双する異世界ファンタジー開幕!

転生したら脳筋魔法使い男爵の子供だった。見渡す限り荒野の領地でスローライフを目指します。

克全
ファンタジー
「第3回次世代ファンタジーカップ」参加作。面白いと感じましたらお気に入り登録と感想をくださると作者の励みになります! 辺境も辺境、水一滴手に入れるのも大変なマクネイア男爵家生まれた待望の男子には、誰にも言えない秘密があった。それは前世の記憶がある事だった。姉四人に続いてようやく生まれた嫡男フェルディナンドは、この世界の常識だった『魔法の才能は遺伝しない』を覆す存在だった。だが、五〇年戦争で大活躍したマクネイア男爵インマヌエルは、敵対していた旧教徒から怨敵扱いされ、味方だった新教徒達からも畏れられ、炎竜が砂漠にしてしまったと言う伝説がある地に押し込められたいた。そんな父親達を救うべく、前世の知識と魔法を駆使するのだった。

処理中です...