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最終章 最終決戦だヒャッハーな件
終わり、そして……
しおりを挟む『……ぉ、れ……オノレ……』
ほらぁ! なんかまだうごめいてるし!! 溶岩に混じって黒いモヤみたいなのがユラユラしている。
「なんと……リュージ様のあの一撃を受けてなお、息があるとは」
ルージオが変な意味で感心していた。ちなみにあの一撃撃ったの俺じゃなくて森羅さん! そりゃー魔力は俺産だけど。
「ここまでくるともう呪いだな、死ねない呪い」
自業自得だが。と、いつの間にか側に来ていた流が呟いた。他のみんなは遠巻きにこっちを見ている。うん、わかるぞ。あの黒いモヤに近づきたくないんだよな? 決して俺に引いてるわけじゃない、よな……?
「引導を渡してやれ、神山」
「え、また俺?」
「お前の腰に下げてるのは何だ?」
『魔断ち』君の性能ならイケると流は確信しているようだ。まあ、ユーレイ系には抜群の斬れ味を誇るからな、こいつ。あのモヤモヤもスパッと斬れる事間違いなし。じょーぶつしろよー。
「私も、リュージ様がトドメを刺すのが相応しいかと」
ルージオの場合は、俺の邪神補正という色メガネのたまものなヨイショなんだろーなぁ……。
「リュージ。一度始めたものは最後までキッチリとやり遂げるべきだと私、思いますの」
シータさん、それはアレかな? 一撃で決められなかったお前が悪い、と? 地味に刺さるぞ?
なんでか反対意見が出なかったので、えっちらおっちらとクレーターをおりていく事になった俺。なんか森羅さんも、ふよふよとついて来た。
「キュルルっ!」
どうやら俺の護衛のつもりらしい。ムダにやる気があふれている。戦闘力皆無な森羅さんに守られる俺ってどーなの……。とゆーか、今は俺のがお前より強いからな? 間違いなく。
――とかやってたら、いつの間にか最下層。ところどころ溶けた岩が溶岩溜まりをつくる危険スポットである。足場に気をつけないとやばい、これは。我ながらどんだけ力を込めたんだか。
そして目の前には黒いモヤ――アルスター王の成れの果て。
『チカラ……チカラガホシイ……』
「あんたにやれるモノは何もねぇよ――来世があるなら今度はそっちでマトモに頑張れよな、王サマ」
そう告げて俺は『魔断ち』を振るった。
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