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第1章
訓練の時間
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「いっちにーさんし!ごーろくしちはち!」
青い空の下、威勢のいい隊員たちの声が広いグラウンドに響く。
その中にはヒロもいる。
「よし、次はグラウンド10周!」
監督の声。1周400mある。だからつまり4kmを走らなければいけない。
ザッザッザッザッザッザッザ
リズムのいい足音。
横2列、縦20列、つまり第2隊総勢40人でグラウンドを走っている。
1週間に大体4回くらいこれはある。だから大分慣れてきた。
しかし、やはりいつも最後の3周くらいになるときつい。
そこは自分の意地に任せる。
最後の1周、自分で自分を励ましながら何とか頑張る。
そして最後の1周を駆け抜ける。
「はあ、はあ、今日もきつかった‥」
「うん‥」
隣にはカナがいる。
「次は‥確か制御システムの整備訓練だったような‥」
「ああ、うん。カナってそういう‥なんというか機械系できたっけ?」
「いや‥あんまり得意じゃない」
「・・・お前一応機械エンジニアだろ」
「‥いや‥完全にできないわけじゃなくて」
「頼んだぞ・・」
こう見えても、彼女は艦隊制御エンジン全般の責任者、3級宇宙航海士なのである。
ついでに俺は第2駆逐艦隊艦長であると同時に、第2隊の隊長である。
艦長というと少し善さげに聞こえるが、実際のところ普通の会社で言うところの
課長‥の1つ下ぐらいである。そして‥向こうに立っている監督らしき人物が鬼川課長。俺もいつか課長くらいにはなりたい。しかし大きい組織というだけあって、
それほどの功績を残さなければ滅多に昇進できない。
「集合!」
「はい!」
怒ると怖い。だからみんな普段は課長を警戒して、返事の声がやたら大きい。
もちろん俺も。
「連絡がある。これからの訓練のメニューの変更についてだ。
今から戦闘機操縦訓練をしてもらう。急きょ上からの指示だ。
分かったな?」
「はい!」
「訓練用第15エリアに戦闘機が常時配備されている。そしてそこで訓練を行う。
だから今から30分以内にそこ集合しておくこと。遅れたものは夜10時より
このグラウンドで罰として8km走ってもらう」
「はい!」
厳しい‥まあ、遅れなければいいのだが。
第15エリアまでここから全力で自転車をこいでも11分、だいたい4kmある。
まあ余裕はある。戦闘機の操縦訓練は月に10回程度。
もちろんその戦闘機は戦艦に搭載する用のもの。
この訓練は戦艦の操縦をするうえで、もっとも基礎となる訓練である。
戦艦は、この戦闘機の応用の応用の応用版‥といったところだろう。
ゴゴオオオオオーー
近くまで行くと戦闘機のエンジン音が聞こえてくる。
音が大きいうえに重低音が響き、一瞬映画の戦闘シーンを見ている気分になる。
戦闘機が滑走路に接地しすぐに離陸していく。
どうやらほかの隊がタッチアンドゴーという訓練をやっているようだ。
非常にうまくできている。
格納庫の前に課長の車が止まっている。どうやらあの辺に集合すればよさそうだ。
自転車置き場に止める。今日は、格納庫の中には3機、外には20機の戦闘機が
並べてある。昔あった戦闘機とは違い、飛行機なのに垂直に離陸、着陸ができる
戦艦の中に入れやすいような構造になっている。
もちろん、これらは訓練用であって
実際に使われるものではない。格納庫のはるか後方にはビルがたくさん並んでいるのが見える。
見晴らしのいいところだ。
15年前までは両親とともにあんな感じのビルに住んでいた。
しかし今はこの施設‥宇宙防衛対策基地本部‥の寮に住んでいる。
1か月に1~3回くらいは基地から自由に出ることができる。
その時には両親のところに行ったり、リュウヤ達と遊びに行ったりする。その他、基地を離れるのは
主に出張や派遣、有給休暇の場合である。ついでにまだ有給休暇はとったことがない。
「集合!」
向こうから鬼川課長の声が聞こえてくる。すぐに格納庫目がけて走る。
「遅れたものはいないようだな。では始める。
今日は、見ての通り戦闘機を使った訓練を行う。
第2隊は目標が地上にいると仮定した場合の戦闘訓練を行い、
正確な射撃能力を磨いてもらう。標的は空中から見て
分かりやすいように赤で○がしてある。質問はあるか?」
「はい!監督」
「何だトモキ」
「今日の訓練は隊列を組んで行うのですか。それとも個人でですか?」
「今日は個人での射撃訓練だ。隊列の前に個人の腕前を上げておく必要がある。
他にはいないか?」
「はいはい!」
鬼川課長の顔が少しくずれた。
「今度はなんだカナ」
「23機しか数えたところ戦闘機がないのですが、あまった人は休憩していても
いいんですか?」
「‥な分けないだろ!戦闘機に乗っていない間は走れ!」
「はい‥」
監督がにやける。‥絶対今思いついただろ‥。
青い空の下、威勢のいい隊員たちの声が広いグラウンドに響く。
その中にはヒロもいる。
「よし、次はグラウンド10周!」
監督の声。1周400mある。だからつまり4kmを走らなければいけない。
ザッザッザッザッザッザッザ
リズムのいい足音。
横2列、縦20列、つまり第2隊総勢40人でグラウンドを走っている。
1週間に大体4回くらいこれはある。だから大分慣れてきた。
しかし、やはりいつも最後の3周くらいになるときつい。
そこは自分の意地に任せる。
最後の1周、自分で自分を励ましながら何とか頑張る。
そして最後の1周を駆け抜ける。
「はあ、はあ、今日もきつかった‥」
「うん‥」
隣にはカナがいる。
「次は‥確か制御システムの整備訓練だったような‥」
「ああ、うん。カナってそういう‥なんというか機械系できたっけ?」
「いや‥あんまり得意じゃない」
「・・・お前一応機械エンジニアだろ」
「‥いや‥完全にできないわけじゃなくて」
「頼んだぞ・・」
こう見えても、彼女は艦隊制御エンジン全般の責任者、3級宇宙航海士なのである。
ついでに俺は第2駆逐艦隊艦長であると同時に、第2隊の隊長である。
艦長というと少し善さげに聞こえるが、実際のところ普通の会社で言うところの
課長‥の1つ下ぐらいである。そして‥向こうに立っている監督らしき人物が鬼川課長。俺もいつか課長くらいにはなりたい。しかし大きい組織というだけあって、
それほどの功績を残さなければ滅多に昇進できない。
「集合!」
「はい!」
怒ると怖い。だからみんな普段は課長を警戒して、返事の声がやたら大きい。
もちろん俺も。
「連絡がある。これからの訓練のメニューの変更についてだ。
今から戦闘機操縦訓練をしてもらう。急きょ上からの指示だ。
分かったな?」
「はい!」
「訓練用第15エリアに戦闘機が常時配備されている。そしてそこで訓練を行う。
だから今から30分以内にそこ集合しておくこと。遅れたものは夜10時より
このグラウンドで罰として8km走ってもらう」
「はい!」
厳しい‥まあ、遅れなければいいのだが。
第15エリアまでここから全力で自転車をこいでも11分、だいたい4kmある。
まあ余裕はある。戦闘機の操縦訓練は月に10回程度。
もちろんその戦闘機は戦艦に搭載する用のもの。
この訓練は戦艦の操縦をするうえで、もっとも基礎となる訓練である。
戦艦は、この戦闘機の応用の応用の応用版‥といったところだろう。
ゴゴオオオオオーー
近くまで行くと戦闘機のエンジン音が聞こえてくる。
音が大きいうえに重低音が響き、一瞬映画の戦闘シーンを見ている気分になる。
戦闘機が滑走路に接地しすぐに離陸していく。
どうやらほかの隊がタッチアンドゴーという訓練をやっているようだ。
非常にうまくできている。
格納庫の前に課長の車が止まっている。どうやらあの辺に集合すればよさそうだ。
自転車置き場に止める。今日は、格納庫の中には3機、外には20機の戦闘機が
並べてある。昔あった戦闘機とは違い、飛行機なのに垂直に離陸、着陸ができる
戦艦の中に入れやすいような構造になっている。
もちろん、これらは訓練用であって
実際に使われるものではない。格納庫のはるか後方にはビルがたくさん並んでいるのが見える。
見晴らしのいいところだ。
15年前までは両親とともにあんな感じのビルに住んでいた。
しかし今はこの施設‥宇宙防衛対策基地本部‥の寮に住んでいる。
1か月に1~3回くらいは基地から自由に出ることができる。
その時には両親のところに行ったり、リュウヤ達と遊びに行ったりする。その他、基地を離れるのは
主に出張や派遣、有給休暇の場合である。ついでにまだ有給休暇はとったことがない。
「集合!」
向こうから鬼川課長の声が聞こえてくる。すぐに格納庫目がけて走る。
「遅れたものはいないようだな。では始める。
今日は、見ての通り戦闘機を使った訓練を行う。
第2隊は目標が地上にいると仮定した場合の戦闘訓練を行い、
正確な射撃能力を磨いてもらう。標的は空中から見て
分かりやすいように赤で○がしてある。質問はあるか?」
「はい!監督」
「何だトモキ」
「今日の訓練は隊列を組んで行うのですか。それとも個人でですか?」
「今日は個人での射撃訓練だ。隊列の前に個人の腕前を上げておく必要がある。
他にはいないか?」
「はいはい!」
鬼川課長の顔が少しくずれた。
「今度はなんだカナ」
「23機しか数えたところ戦闘機がないのですが、あまった人は休憩していても
いいんですか?」
「‥な分けないだろ!戦闘機に乗っていない間は走れ!」
「はい‥」
監督がにやける。‥絶対今思いついただろ‥。
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