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最後の英雄
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「いるとなれば話は別だ!能力を全くと言っていいほど明かさない『最後のジェマ』の力!とくと見せて頂戴!ドラゴン!」
ドラゴンは西条先輩の声に合わせてこちらのほうへとぐるりと大きな首を動かしその大きな瞳で俺の甲冑を瞳に反射させた。
「ゴアアアアアアアアアァァァ!」
ドラゴンが叫び声をあげながら雨粒のようなよだれを垂らす。
鼓膜が破けるかのような叫び声とともに教師たちは腰が抜けて地面にしりもちをついた。
まだビリビリと肌に叫び声の余韻が残るまま、俺に向かって口を大きく開くと炎の球を吐き出した。
「さすがの『最後のジェマ』といえどもドラゴンの炎をゼロ距離で受けるのはやばいかな!」
そのままドラゴンは炎を一気に噴き出した。
吹き荒れる熱風とともに体育館は完璧に崩壊した。
後に残るは何かが焼き焦げた匂い、ただ一つであった。
「あちゃー、『竜殺し』じゃなかったかぁ。それにしても『最後のジェマ』何て大層な名前で持ち上げられてた割にはあっけなかったね。むしろ弱かったから誰にも素性を明かせなかったのかな?」
西条先輩は額に手を当て天を仰いだ。
そのまま諦めたのか後ろを振り返ると、立ち去ろうとしていた。
しかし、その瞬間であった。
―――――――― 一閃
「え?」
声をあげたのはその場に座り込んでいた一人の女子生徒であった。
自分、いや……全員がこの場で何が起こったのか全く理解が出来てなかった。
西条 あやめという事件の張本人を含めて。
『最後のジェマ』ただ一人だけが理解をしていた。
ドラゴンの体が真っ二つに割られていた。
そこから3秒が経過してからドラゴンがやっと声をあげた。
「グアアアアアアアアアアアアァァァ!」
先ほどの威嚇にかなり似ていた声ではあるが似て非なるものであった。
今度の叫び声は断末魔。
痛みに対する叫び声であった。
その後ドラゴンは次に言葉を発さぬまま息絶えた。
「な……何が起こったの……?」
断末魔の叫びをドラゴンがあげた後、彼女が後ろを振り替えると、すでにあるのはドラゴンの死体と剣を振り下ろした後の俺であった。
「いや……まさかそんなはずは……竜殺しの称号を持つ英雄なんて限られている!『最後のジェム』は英雄シグルズ!?ベーオウルフ!?それともジークフリートかスサノオ!?」
当然彼女はこちらのことを理解が出来ていなかった。
当り前としか言いようがなかった。
出来事は一瞬であり能力を見せることなくドラゴンを真っ二つにしたからである。
しかし彼女はさすがジェムの位を持っているだけであって状況におけるわずかな情報を見逃すことはなかった。
「その剣は……赤みを帯びている……そして西洋の甲冑……。」
これ以上はまずい……。
彼女に能力を悟られてから逃げられでもしたらこの能力の対策を立てられかねない。
俺はそのまま彼女に一気に近づいて頭をたたき切ろうとした。
しかし俺の攻撃は空を切った。
「おっと……幻影に触れることが出来たのは君が初めてだよ。でもね……私たちも君と同じ『ジェム』の位にいるということを忘れないでほしいな。」
徐々に彼女の幻影はもやがかかっていったようになった。
そして彼女は最後にこちらを向くと笑顔で俺に手を振りながら言葉を残していった。
「君が何の英雄を持っているかはわからないけど本気で戦い、負けるつもりは毛頭ない。今回は君の勝ちだけどね。今度こそその甲冑を取って顔を見て英雄を教えてもらうことにするよ。」
西条先輩の幻影は徐々に薄れてゆき最終的に霧散した。
「じゃあね、『最後の英雄』」
俺はそのままこの場所に立ち尽くすほかなかった。
彼女の最後に放った言葉が頭の中で反響をして何度も繰り返していた。
「最後の………英雄………」
ドラゴンは西条先輩の声に合わせてこちらのほうへとぐるりと大きな首を動かしその大きな瞳で俺の甲冑を瞳に反射させた。
「ゴアアアアアアアアアァァァ!」
ドラゴンが叫び声をあげながら雨粒のようなよだれを垂らす。
鼓膜が破けるかのような叫び声とともに教師たちは腰が抜けて地面にしりもちをついた。
まだビリビリと肌に叫び声の余韻が残るまま、俺に向かって口を大きく開くと炎の球を吐き出した。
「さすがの『最後のジェマ』といえどもドラゴンの炎をゼロ距離で受けるのはやばいかな!」
そのままドラゴンは炎を一気に噴き出した。
吹き荒れる熱風とともに体育館は完璧に崩壊した。
後に残るは何かが焼き焦げた匂い、ただ一つであった。
「あちゃー、『竜殺し』じゃなかったかぁ。それにしても『最後のジェマ』何て大層な名前で持ち上げられてた割にはあっけなかったね。むしろ弱かったから誰にも素性を明かせなかったのかな?」
西条先輩は額に手を当て天を仰いだ。
そのまま諦めたのか後ろを振り返ると、立ち去ろうとしていた。
しかし、その瞬間であった。
―――――――― 一閃
「え?」
声をあげたのはその場に座り込んでいた一人の女子生徒であった。
自分、いや……全員がこの場で何が起こったのか全く理解が出来てなかった。
西条 あやめという事件の張本人を含めて。
『最後のジェマ』ただ一人だけが理解をしていた。
ドラゴンの体が真っ二つに割られていた。
そこから3秒が経過してからドラゴンがやっと声をあげた。
「グアアアアアアアアアアアアァァァ!」
先ほどの威嚇にかなり似ていた声ではあるが似て非なるものであった。
今度の叫び声は断末魔。
痛みに対する叫び声であった。
その後ドラゴンは次に言葉を発さぬまま息絶えた。
「な……何が起こったの……?」
断末魔の叫びをドラゴンがあげた後、彼女が後ろを振り替えると、すでにあるのはドラゴンの死体と剣を振り下ろした後の俺であった。
「いや……まさかそんなはずは……竜殺しの称号を持つ英雄なんて限られている!『最後のジェム』は英雄シグルズ!?ベーオウルフ!?それともジークフリートかスサノオ!?」
当然彼女はこちらのことを理解が出来ていなかった。
当り前としか言いようがなかった。
出来事は一瞬であり能力を見せることなくドラゴンを真っ二つにしたからである。
しかし彼女はさすがジェムの位を持っているだけであって状況におけるわずかな情報を見逃すことはなかった。
「その剣は……赤みを帯びている……そして西洋の甲冑……。」
これ以上はまずい……。
彼女に能力を悟られてから逃げられでもしたらこの能力の対策を立てられかねない。
俺はそのまま彼女に一気に近づいて頭をたたき切ろうとした。
しかし俺の攻撃は空を切った。
「おっと……幻影に触れることが出来たのは君が初めてだよ。でもね……私たちも君と同じ『ジェム』の位にいるということを忘れないでほしいな。」
徐々に彼女の幻影はもやがかかっていったようになった。
そして彼女は最後にこちらを向くと笑顔で俺に手を振りながら言葉を残していった。
「君が何の英雄を持っているかはわからないけど本気で戦い、負けるつもりは毛頭ない。今回は君の勝ちだけどね。今度こそその甲冑を取って顔を見て英雄を教えてもらうことにするよ。」
西条先輩の幻影は徐々に薄れてゆき最終的に霧散した。
「じゃあね、『最後の英雄』」
俺はそのままこの場所に立ち尽くすほかなかった。
彼女の最後に放った言葉が頭の中で反響をして何度も繰り返していた。
「最後の………英雄………」
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