魔法学院の最底辺

かる

文字の大きさ
14 / 28

交錯する狙い

しおりを挟む
「例の彼……どうだった~?」

「そうだな……高校生にしては明らかにしに対する恐怖が少なかったな……。」

「戦闘要員としては?」

「これから先狩りに成長をするとしたらかなり厄介な存在になる。」

「ってことはスカウト失敗したんだ~。殺したの?」

「藤堂に邪魔をされた……。」

「藤堂か~やっぱり?」

「お前……謀ったな……。」

「さぁね~でも……私は今しかないと思っただけだよ。」

「今しかないとはどういうことだ。」

「彼……まだ本気じゃなかったでしょ。」

「あれが本気だろ。」

「彼が激怒した瞬間、明らかに天使とは思えないほどまがまがしい魔力が漏れてたよ。」

「ほう?」

この女が言うことはブラフが多すぎていまいち情報を精査するのが難しいが、何となくだがこのことは本当であろう。

「今日の魔法祭ってちゃんと録画してあるんだよね?」

「しなきゃめんどくさいことになるだろ。特にあの二大国でもめる。」

「まぁね~。」

そんなことを考えながら低レベルな高校生の試合を眺める二人であった。

*********************************

「こ……こは……?」

「けいちゃん!」「お兄様!」

「二人とも……どうしたんだ?」

確か……俺はあのSTARSの1人と戦って……。

「そっか……負けちゃったのか……。」

「お兄様のせいではありません!あれは……私がいたばかりに……。」

そんなものは結果論に過ぎない。俺は桃と姉さんを絶対に守ると決めていたのに……。あの日からずっと……。

「……俺……もっと強くなるから……絶対……絶対に……。」

目から熱いものが止まらなくなってしまった。枕元がぐしゃぐしゃに濡れ、病室のベッドがしわくちゃになっていた。俺は上半身を起こし目に両手を当ててどうにか抑えようとしたができなかった。

「私達も一緒に強くなります。」

ピンクと茶髪の髪が目の前に現れて俺は桃と姉さんに抱きしめられた。

「悪いな……迷惑ばかりかける兄、弟で……。」

「本当に……世話の焼ける弟だよ……まったく……。」

俺は何分か抱きしめられたあと姉さんたちから離れた。

「もう大丈夫……泣かないから。」

「そっか……よかった。」

「お兄様、少しよろしいですか?」

「なんだ?」

「明日の試合を棄権してください。」

「それは譲れない。」

「委員長からの命令です。」

「それでも俺は明日の試合に出場する。」

「もし明日出場するのであればもう二度と健康な体として生きるのは難しいとのことです。」

「そっか……。考えておくよ。」

「考えるのではなく今この場で回答してください。」

「悪い、俺……出場するわ。」

「そう……ですか……。」

桃はうなだれ落胆した。

************************

夜のになって俺は病室から抜け行動を開始した。

「エンジェルブレス。」

俺にあった貫かれた穴の跡が見る見るうちに癒えていった。

「ステルス、データデリート、インフラレッド。」

正直ここまでやる必要があるのかはわからないが念には念を入れて俺は自分に支援魔法をかけてから学校へと侵入を開始した。警備員がいるためステルスによってばれないようにする。足音などの物音を完全に消去するデータデリートも兼ねておいた。そして最後に赤外線センサーがある可能性があるためインフラレッドによって赤外線を見れるようにしておく。

「ふぅ、やっとここまで来た……。まさかすべての呪文が必要になるとはな……。」

ちゃんと準備をしておいて正解だった。

俺は学内の生徒個人情報にアクセスするべく、指紋が付かないよう手袋をつけなおし、パソコンにゲオルクとっ戦っている間に脳から抜き取っておいたデータを入力した。

「悪いな……桃……俺……本気で戦って負けたことないんだよ。」

どうしてもあの状況で勝てば奴らから目を付けられるであろう。それにこの学校ののデータへログインするためにはSTARSの誰かしらの情報を抜き取らなければならない。そのためにわざとやられたが想像以上に呪文の威力が強かったため回復呪文を自分でも打つ羽目になってしまった。

「学校のパスワードは……これか……。」

一応のためいくつもの海外サーバーを経由してログインをしたが留学生に関する記事が一つあった。

「ベアトリクス・メステルは……この学校のデータでは戦争孤児でフランスの孤児院で育ったということになってるな……。」

なってるだけである。データなんてものは隠しておけばいくらでも書き換えることが出来てしまうのが現代の科学だ。

「フランス政府に直接クラッキングをかけるか……?しかしそれでは足が付いた時のリスクがかなり高いな……。」

「仕方ない……無駄足だったか……。」

俺がパソコンを閉じようとしたとき一つの写真が目に飛び込んできた。

「これは……!」

一見ベアトリクスが野原で笑顔で花を持っている写真だ。しかし明らかにフランスの野原で生えることのない花を持っていた。

「パセリとチグリジアの花……花言葉は『死の前兆』と『私を助けて』」

俺はパソコンの電源を落とし病院へと静かに戻るのであった。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

距離を置きたい女子たちを助けてしまった結果、正体バレして迫られる

歩く魚
恋愛
 かつて、命を懸けて誰かを助けた日があった。  だがその記憶は、頭を打った衝撃とともに、綺麗さっぱり失われていた。  それは気にしてない。俺は深入りする気はない。  人間は好きだ。けれど、近づきすぎると嫌いになる。  だがそんな俺に、思いもよらぬ刺客が現れる。  ――あの日、俺が助けたのは、できれば関わりたくなかった――距離を置きたい女子たちだったらしい。

【超速爆速レベルアップ】~俺だけ入れるダンジョンはゴールドメタルスライムの狩り場でした~

シオヤマ琴@『最強最速』発売中
ファンタジー
ダンジョンが出現し20年。 木崎賢吾、22歳は子どもの頃からダンジョンに憧れていた。 しかし、ダンジョンは最初に足を踏み入れた者の所有物となるため、もうこの世界にはどこを探しても未発見のダンジョンなどないと思われていた。 そんな矢先、バイト帰りに彼が目にしたものは――。 【自分だけのダンジョンを夢見ていた青年のレベリング冒険譚が今幕を開ける!】

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

~最弱のスキルコレクター~ スキルを無限に獲得できるようになった元落ちこぼれは、レベル1のまま世界最強まで成り上がる

僧侶A
ファンタジー
沢山のスキルさえあれば、レベルが無くても最強になれる。 スキルは5つしか獲得できないのに、どのスキルも補正値は5%以下。 だからレベルを上げる以外に強くなる方法はない。 それなのにレベルが1から上がらない如月飛鳥は当然のように落ちこぼれた。 色々と試行錯誤をしたものの、強くなれる見込みがないため、探索者になるという目標を諦め一般人として生きる道を歩んでいた。 しかしある日、5つしか獲得できないはずのスキルをいくらでも獲得できることに気づく。 ここで如月飛鳥は考えた。いくらスキルの一つ一つが大したことが無くても、100個、200個と大量に集めたのならレベルを上げるのと同様に強くなれるのではないかと。 一つの光明を見出した主人公は、最強への道を一直線に突き進む。 土曜日以外は毎日投稿してます。

学生学園長の悪役貴族に転生したので破滅フラグ回避がてらに好き勝手に学校を魔改造にしまくったら生徒たちから好かれまくった

竜頭蛇
ファンタジー
俺はある日、何の予兆もなくゲームの悪役貴族──マウント・ボンボンに転生した。 やがて主人公に成敗されて死ぬ破滅エンドになることを思い出した俺は破滅を避けるために自分の学園長兼学生という立場をフル活用することを決意する。 それからやりたい放題しつつ、主人公のヘイトを避けているといつ間にかヒロインと学生たちからの好感度が上がり、グレートティーチャーと化していた。

むっつり金持ち高校生、巨乳美少女たちに囲まれて学園ハーレム

ピコサイクス
青春
顔は普通、性格も地味。 けれど実は金持ちな高校一年生――俺、朝倉健斗。 学校では埋もれキャラのはずなのに、なぜか周りは巨乳美女ばかり!? 大学生の家庭教師、年上メイド、同級生ギャルに清楚系美少女……。 真面目な御曹司を演じつつ、内心はむっつりスケベ。

美醜逆転世界の学園に戻ったおっさんは気付かない

仙道
ファンタジー
柴田宏(しばたひろし)は学生時代から不細工といじめられ、ニートになった。 トラックにはねられ転移した先は美醜が逆転した現実世界。 しかも体は学生に戻っていたため、仕方なく学校に行くことに。 先輩、同級生、後輩でハーレムを作ってしまう。

男女比1:15の貞操逆転世界で高校生活(婚活)

大寒波
恋愛
日本で生活していた前世の記憶を持つ主人公、七瀬達也が日本によく似た貞操逆転世界に転生し、高校生活を楽しみながら婚活を頑張るお話。 この世界の法律では、男性は二十歳までに5人と結婚をしなければならない。(高校卒業時点は3人) そんな法律があるなら、もういっそのこと高校在学中に5人と結婚しよう!となるのが今作の主人公である達也だ! この世界の経済は基本的に女性のみで回っており、男性に求められることといえば子種、遺伝子だ。 前世の影響かはわからないが、日本屈指のHENTAIである達也は運よく遺伝子も最高ランクになった。 顔もイケメン!遺伝子も優秀!貴重な男!…と、驕らずに自分と関わった女性には少しでも幸せな気持ちを分かち合えるように努力しようと決意する。 どうせなら、WIN-WINの関係でありたいよね! そうして、別居婚が主流なこの世界では珍しいみんなと同居することを、いや。ハーレムを目標に個性豊かなヒロイン達と織り成す学園ラブコメディがいま始まる! 主人公の通う学校では、少し貞操逆転の要素薄いかもです。男女比に寄っています。 外はその限りではありません。 カクヨムでも投稿しております。

処理中です...