10 / 14
第10話
しおりを挟む
「じゃあ、ここで質問だ。
犯人は一体どんな手口を使って、家に侵入したのでしょーか?」
かなたはニヤニヤしながら訪ねてくる。
「どんなって、何かしら細工して鍵をあけたんじゃねーの?なんかタコ糸みたいなやつ使ってとか?」
俺は少し考えながら答える。
「タコ糸たって、外からどうやって家の中の鍵に結ぶんだよ?」
「そこなんだよなー。」
俺も確かに疑問が残る。
ドアの鍵などにタコ糸みたいなものをあらかじめ結んでおけば、後はそれを閉める際にこううまく引っ張って鍵を閉めて、隙間から糸を回収する、みたいなトリックはありそうだが、実際どうやるの?と聞かれると答えられない。
「考えても分かんねー。
もう勿体ぶらずに教えろよ。」
「簡単な話だよ。
犯人はドアから入って、ドアから出てったんだ。」
「まあ、鍵屋が犯人だって言うならピッキングとか造作もないだろうけど。」
俺が怪訝そうに言うと、かなたはまた鋭く付け加えてきた。
「だから、犯人は鍵屋ではない。
ただ、ピッキングは正解。」
「はぁ。」
まあ、普通と言えば普通だよな。
「ところで、犯人を見たって、どういうことだよ?」
「そのまんまだよ。
俺は今日犯人の犯行を見てきた。」
そう自慢気にかなたは言うが、俺には理解が出来ない。
「まあ、俺は空に浮けるからな?
高く飛べば、ある程度怪しい人なんて見つけやすいぜ。」
ドヤ顔でかなたはそう話してくる。
「ふーん。で、それは今日の何時の話だよ?」
「昼過ぎくらいかな?」
「それなら、普通今日の午後にはニュースになってるはずだろ。今18時現在で空き巣が出たとはニュースになってないぞ。それどころか、容疑者が見つかってるわけだし。」
ニュースになるまでタイムラグはあるかもしれないが、今この辺を賑わせている話題なら、すぐ様記者がこぞってやって来るはず。
それが夕方のニュースにもなっていないなら、今日は空き巣は入っていないのでは?
しかし、かなたはいいやと首を横に振る。
「ニュースにはならないだろうな。
なんせ、今日は家を出入りしただけで、何も盗ってはいないんだからさ。」
「はあ?何だよそれ?」
出入りしただけで、何も盗っていない?
「まあ、話が少し逸れたな。
まず、犯人の手口を教えるぞ。」
そう言って、俺の疑問を他所にかなたは続けた。
「まず犯人はピッキングして扉を開けた。
被害に遭った家は、どれも古いタイプの鍵で、ピッキングやサムターンされやすい奴だ。
因みに、お前の家の鍵は新しいタイプだから、大丈夫。」
俺はそこでえぇ~。と声をあげて残念がる。
俺の聞いた話に鍵が古いなんて情報はなかった。
三流小説でもそのくらいのヒントは出しておいてくれるぞ。
「後は、問題は閉め方だけど、これはお前の言っていた様にタコ糸を使えば簡単に閉められる。
まずセロハンテープでタコ糸を鍵を回すつまみにくっつけて、その糸を持ったまま外に出て、軽く斜め下辺りを引けば、ドアに簡単に鍵がかけられるっていう話だ。うまくいけば、セロハンテープも残さず剥がせる。」
「あのさ、色々突っ込みたいんだけど。
そんな幼稚なトリック、すぐ分かるんじゃないの?」
俺がそう聞くと、かなたはすぐ様ああ、と肯定した。
「そりゃあ、警察もそこまでは分かってるからな。
てか、今のも途中まで警察の調査盗み聞きしたやつだし。」
「あ!だからお前鍵が古いタイプとか、妙にそんな知識あったんだな?」
俺はちょっと怒りぎみに尋ねる。
全くもってフェアじゃない。
「まあね、で、これを踏まえて再度聞くけど、犯人の目的は一体なんでしょうか?」
ニヤニヤとまたしてもかなたは俺に問いかけてきた。
犯人は一体どんな手口を使って、家に侵入したのでしょーか?」
かなたはニヤニヤしながら訪ねてくる。
「どんなって、何かしら細工して鍵をあけたんじゃねーの?なんかタコ糸みたいなやつ使ってとか?」
俺は少し考えながら答える。
「タコ糸たって、外からどうやって家の中の鍵に結ぶんだよ?」
「そこなんだよなー。」
俺も確かに疑問が残る。
ドアの鍵などにタコ糸みたいなものをあらかじめ結んでおけば、後はそれを閉める際にこううまく引っ張って鍵を閉めて、隙間から糸を回収する、みたいなトリックはありそうだが、実際どうやるの?と聞かれると答えられない。
「考えても分かんねー。
もう勿体ぶらずに教えろよ。」
「簡単な話だよ。
犯人はドアから入って、ドアから出てったんだ。」
「まあ、鍵屋が犯人だって言うならピッキングとか造作もないだろうけど。」
俺が怪訝そうに言うと、かなたはまた鋭く付け加えてきた。
「だから、犯人は鍵屋ではない。
ただ、ピッキングは正解。」
「はぁ。」
まあ、普通と言えば普通だよな。
「ところで、犯人を見たって、どういうことだよ?」
「そのまんまだよ。
俺は今日犯人の犯行を見てきた。」
そう自慢気にかなたは言うが、俺には理解が出来ない。
「まあ、俺は空に浮けるからな?
高く飛べば、ある程度怪しい人なんて見つけやすいぜ。」
ドヤ顔でかなたはそう話してくる。
「ふーん。で、それは今日の何時の話だよ?」
「昼過ぎくらいかな?」
「それなら、普通今日の午後にはニュースになってるはずだろ。今18時現在で空き巣が出たとはニュースになってないぞ。それどころか、容疑者が見つかってるわけだし。」
ニュースになるまでタイムラグはあるかもしれないが、今この辺を賑わせている話題なら、すぐ様記者がこぞってやって来るはず。
それが夕方のニュースにもなっていないなら、今日は空き巣は入っていないのでは?
しかし、かなたはいいやと首を横に振る。
「ニュースにはならないだろうな。
なんせ、今日は家を出入りしただけで、何も盗ってはいないんだからさ。」
「はあ?何だよそれ?」
出入りしただけで、何も盗っていない?
「まあ、話が少し逸れたな。
まず、犯人の手口を教えるぞ。」
そう言って、俺の疑問を他所にかなたは続けた。
「まず犯人はピッキングして扉を開けた。
被害に遭った家は、どれも古いタイプの鍵で、ピッキングやサムターンされやすい奴だ。
因みに、お前の家の鍵は新しいタイプだから、大丈夫。」
俺はそこでえぇ~。と声をあげて残念がる。
俺の聞いた話に鍵が古いなんて情報はなかった。
三流小説でもそのくらいのヒントは出しておいてくれるぞ。
「後は、問題は閉め方だけど、これはお前の言っていた様にタコ糸を使えば簡単に閉められる。
まずセロハンテープでタコ糸を鍵を回すつまみにくっつけて、その糸を持ったまま外に出て、軽く斜め下辺りを引けば、ドアに簡単に鍵がかけられるっていう話だ。うまくいけば、セロハンテープも残さず剥がせる。」
「あのさ、色々突っ込みたいんだけど。
そんな幼稚なトリック、すぐ分かるんじゃないの?」
俺がそう聞くと、かなたはすぐ様ああ、と肯定した。
「そりゃあ、警察もそこまでは分かってるからな。
てか、今のも途中まで警察の調査盗み聞きしたやつだし。」
「あ!だからお前鍵が古いタイプとか、妙にそんな知識あったんだな?」
俺はちょっと怒りぎみに尋ねる。
全くもってフェアじゃない。
「まあね、で、これを踏まえて再度聞くけど、犯人の目的は一体なんでしょうか?」
ニヤニヤとまたしてもかなたは俺に問いかけてきた。
0
あなたにおすすめの小説
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
母の下着 タンスと洗濯籠の秘密
MisakiNonagase
青春
この物語は、思春期という複雑で繊細な時期を生きる少年の内面と、彼を取り巻く家族の静かなる絆を描いた作品です。
颯真(そうま)という一人の高校生の、ある「秘密」を通して、私たちは成長の過程で誰もが抱くかもしれない戸惑い、罪悪感、そしてそれらを包み込む家族の無言の理解に触れます。
物語は、現在の颯真と恋人・彩花との関係から、中学時代にさかのぼる形で展開されます。そこで明らかになるのは、彼がかつて母親の下着に対して抱いた抑えがたい好奇心と、それに伴う一連の行為です。それは彼自身が「歪んだ」と感じる過去の断片であり、深い恥ずかしさと自己嫌悪を伴う記憶です。
しかし、この物語の核心は、単なる過去の告白にはありません。むしろ、その行為に「気づいていたはず」の母親が、なぜ一言も問い詰めず、誰にも告げず、ただ静かに見守り続けたのか——という問いにこそあります。そこには、親子という関係を超えた、深い人間理解と、言葉にされない優しさが横たわっています。
センシティブな題材を、露骨な描写や扇情的な表現に頼ることなく、あくまで颯真の内省的な視点から丁寧に紡ぎ出しています。読者は、主人公の痛みと恥ずかしさを共有しながら、同時に、彼を破綻から救った「沈黙の救済」の重みと温かさを感じ取ることでしょう。
これは、一つの過ちと、その赦しについての物語です。また、成長とは時に恥ずかしい過去を背負いながら、他者の無償の寛容さによって初めて前を向けるようになる過程であること、そして家族の愛が最も深く現れるのは、時に何も言わない瞬間であることを、静かにしかし確かに伝える物語です。
どうか、登場人物たちの静かなる心の襞に寄り添いながら、ページをめくってください。
還暦の性 若い彼との恋愛模様
MisakiNonagase
恋愛
還暦を迎えた和子。保持する資格の更新講習で二十代後半の青年、健太に出会った。何気なくてLINE交換してメッセージをやりとりするうちに、胸が高鳴りはじめ、長年忘れていた恋心に花が咲く。
そんな還暦女性と二十代の青年の恋模様。
その後、結婚、そして永遠の別れまでを描いたストーリーです。
全7話
17歳男子高生と32歳主婦の境界線
MisakiNonagase
恋愛
32歳の主婦・加恋。冷え切った家庭で孤独に苛まれる彼女を救い出したのは、ネットの向こう側にいた二十歳(はたち)と偽っていた17歳の少年・晴人だった。
「未成年との不倫」という、社会から断罪されるべき背徳。それでも二人は、震える手で未来への約束を交わす。少年が大学生になり、社会人となり、守られる存在から「守る男」へと成長していく中で、加恋は自らの手で「妻」という仮面を脱ぎ捨てていく…
セーラー服美人女子高生 ライバル同士の一騎討ち
ヒロワークス
ライト文芸
女子高の2年生まで校内一の美女でスポーツも万能だった立花美帆。しかし、3年生になってすぐ、同じ学年に、美帆と並ぶほどの美女でスポーツも万能な逢沢真凛が転校してきた。
クラスは、隣りだったが、春のスポーツ大会と夏の水泳大会でライバル関係が芽生える。
それに加えて、美帆と真凛は、隣りの男子校の俊介に恋をし、どちらが俊介と付き合えるかを競う恋敵でもあった。
そして、秋の体育祭では、美帆と真凛が走り高跳びや100メートル走、騎馬戦で対決!
その結果、放課後の体育館で一騎討ちをすることに。
筆下ろし
wawabubu
青春
私は京町家(きょうまちや)で書道塾の師範をしております。小学生から高校生までの塾生がいますが、たいてい男の子は大学受験を控えて塾を辞めていきます。そんなとき、男の子には私から、記念の作品を仕上げることと、筆下ろしの儀式をしてあげて、思い出を作って差し上げるのよ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる