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彼女の魔法少女仲間 前編
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卯月が魔法少女だと分かった次の日。
「よお、結局春野とはどうなったんだ?」
朝一の挨拶よりも前に加藤に質問される。
あんなんでも一応、心配してくれていたらしい。
しかし、どう答えよう?
あの後卯月からは絶対内緒にしてね!と約束したので、正直に話すことは出来ない。
「あー、実は、卯月のやつ、ボランティアに入ってたんだ」
「ボランティア?」
「そう、なんか人手が足りなくて困ってるとかで、入って欲しいって頼まれたらしくてさ」
まあ、魔法少女とは言っていないけれど、あながち間違ってもいないであろう。
「ふーん、でも彼氏より優先するほどボランティアって大事なのか?」
ギクッ
痛いところを突かれて、俺は一瞬狼狽える。
「あ、ああ、なんか人助け?したりとかしてて、卯月らしいなとも思ったし、後、俺もそのボランティアに入ったから、今日から卯月と一緒に帰れるんだ」
俺は咄嗟になかなかに苦し紛れな嘘をつく、いや、半分以上本当ではあるが。
因みに卯月が心配なので、今日から俺もメア退治に参加する予定だ。
それが終われば一緒に帰れるしな!
「お前までボランティアとかどうしたの?メリットないことはしない主義だったんじゃなかったっけ?」
「まあ、興味はないけど、卯月が入ってるからな!」
「ふーん」
ふぅ、なんとか加藤からの疑惑は晴れたようだ。
そして来る放課後。
「卯月、行こうぜ!」
俺は意気揚々と卯月に声をかける。
なんせ、今日からは2人きりでメア退治の後一緒に帰れるのだ。
そして俺には考えがある。
メア退治で疲れきっているであろう卯月に、お疲れ、とイケボで声をかけつつ、手を差し出す。
それを卯月は顔を赤らめながら手を繋いで帰る!
これだ!これでいける!完璧だ!
「あ、蒼、今日はね、メア退治じゃなくて、会って欲しい人がいるんだ!」
俺の計画はカラカラと虚しく音を立てて崩れ去った。
「え、誰?」
一気にテンションが下がる。
せっかく2人きりだと思ったんだがな。
まあ、昨日も2人きりだったとはいえ、ずっと魔法少女の話をしていただけだからな。
「昨日言っていた魔法少女の子だよ」
「ああ、魔法が得意な子ね」
俺は卯月の後をついていく。
「確か、隣の学校の子なんだっけ?」
「うん!私たちと同じ高1なんだ!」
卯月は楽しげに前を歩いていく。
「仲良いのか?」
「うん!すっごいキレイで可愛い子なんだ!」
因みに卯月は誰かれ構わず可愛いというので、注意が必要だ。
卯月曰く、可愛いは外見の可愛さと内面の可愛さがあるだとか言っていたけれど
俺には女子の言う可愛さなんて到底理解できない。
「あ、あそこのカフェで待ち合わせているんだ、入ろう!」
そう卯月が指さしたのは如何にもお洒落なカフェだった。
こういう所にデートで来たらいいムードになるだろうな。
まあデートではないのが少し残念だが、卯月とこうしてお洒落な店に入るのはなかなか新鮮なので良しとしよう。
「あ、もう来てる!アキちゃん!」
卯月はそう言って店内の奥に先に座っていた少女の元に掛けて行った。
「…嘘だろ」
俺は思わず自分の目を疑った。
「よお、結局春野とはどうなったんだ?」
朝一の挨拶よりも前に加藤に質問される。
あんなんでも一応、心配してくれていたらしい。
しかし、どう答えよう?
あの後卯月からは絶対内緒にしてね!と約束したので、正直に話すことは出来ない。
「あー、実は、卯月のやつ、ボランティアに入ってたんだ」
「ボランティア?」
「そう、なんか人手が足りなくて困ってるとかで、入って欲しいって頼まれたらしくてさ」
まあ、魔法少女とは言っていないけれど、あながち間違ってもいないであろう。
「ふーん、でも彼氏より優先するほどボランティアって大事なのか?」
ギクッ
痛いところを突かれて、俺は一瞬狼狽える。
「あ、ああ、なんか人助け?したりとかしてて、卯月らしいなとも思ったし、後、俺もそのボランティアに入ったから、今日から卯月と一緒に帰れるんだ」
俺は咄嗟になかなかに苦し紛れな嘘をつく、いや、半分以上本当ではあるが。
因みに卯月が心配なので、今日から俺もメア退治に参加する予定だ。
それが終われば一緒に帰れるしな!
「お前までボランティアとかどうしたの?メリットないことはしない主義だったんじゃなかったっけ?」
「まあ、興味はないけど、卯月が入ってるからな!」
「ふーん」
ふぅ、なんとか加藤からの疑惑は晴れたようだ。
そして来る放課後。
「卯月、行こうぜ!」
俺は意気揚々と卯月に声をかける。
なんせ、今日からは2人きりでメア退治の後一緒に帰れるのだ。
そして俺には考えがある。
メア退治で疲れきっているであろう卯月に、お疲れ、とイケボで声をかけつつ、手を差し出す。
それを卯月は顔を赤らめながら手を繋いで帰る!
これだ!これでいける!完璧だ!
「あ、蒼、今日はね、メア退治じゃなくて、会って欲しい人がいるんだ!」
俺の計画はカラカラと虚しく音を立てて崩れ去った。
「え、誰?」
一気にテンションが下がる。
せっかく2人きりだと思ったんだがな。
まあ、昨日も2人きりだったとはいえ、ずっと魔法少女の話をしていただけだからな。
「昨日言っていた魔法少女の子だよ」
「ああ、魔法が得意な子ね」
俺は卯月の後をついていく。
「確か、隣の学校の子なんだっけ?」
「うん!私たちと同じ高1なんだ!」
卯月は楽しげに前を歩いていく。
「仲良いのか?」
「うん!すっごいキレイで可愛い子なんだ!」
因みに卯月は誰かれ構わず可愛いというので、注意が必要だ。
卯月曰く、可愛いは外見の可愛さと内面の可愛さがあるだとか言っていたけれど
俺には女子の言う可愛さなんて到底理解できない。
「あ、あそこのカフェで待ち合わせているんだ、入ろう!」
そう卯月が指さしたのは如何にもお洒落なカフェだった。
こういう所にデートで来たらいいムードになるだろうな。
まあデートではないのが少し残念だが、卯月とこうしてお洒落な店に入るのはなかなか新鮮なので良しとしよう。
「あ、もう来てる!アキちゃん!」
卯月はそう言って店内の奥に先に座っていた少女の元に掛けて行った。
「…嘘だろ」
俺は思わず自分の目を疑った。
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