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3 コンシャシーの森
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俺はラノキ。
13歳の時、洗礼で受けた天命は森番だった。大きく広がる森の一画を管理する鍵を手にしたことで、猟師になることを選択した。
俺が知っているだけで森番を手にしているのは3人だな。
それぞれの管理している森で特産物が違い、万人の入れる森とは異なった物が手に入ることで生活は安定している。
そして15歳の時セイスと結婚した。
セイスは他の子供とは違う、落ち着いた雰囲気のある子供だった。身体も弱かったしな。
活気があり、家庭をやりくりできる妻を得るのが家を繁栄させるための長子の役割だとわかってはいる。
が、そういう気の強い女ではなくひっそりと窓辺で縫い物をしているセイスが気になって仕方なかった。
当然周りから反対を受けた。セイスの親でさえ、生涯手元に置き結婚させるつもりはなかったようだ。
特に俺の親は最後まで他の候補と結婚させたがった。
でも俺にも好みがあるからな。反対を押し切って一緒になったんだ。
一攫千金の可能性がある森番に目のくらんだ女にも、町の主産業につかない者を蔑む女にも興味はない。
特に後者と一緒になってしまえば、一生頭の上がらん地獄しか見えない。
俺は共に尊重し合って生きて行く伴侶が欲しかったのだから。
そのセイスはハイチが産まれた後2月ほど生死をさまよった。その間のあいつらの煩わしさから、2人を連れて森に引っ込んだのだ。
以来、一度も町に連れて帰ったことはない。
セイスの親には申し訳ないと思っている。
不思議なことといえば、セイスとハイチを連れて森にこもると決め2人を連れて帰ったら家ができていたってことだ。
川に囲まれたあの家が建っている小さな範囲だけ、獣も魔物も決して近寄らない。
森がセイス達を受け入れてくれたのだと知って嬉しく思った。
「よお、店主。ラノキだ。買い取ってくれ」
俺が荷物を卸すのは町の端にある店だ。
店主と俺が幼馴染ということももちろん理由の一つだ。
が、ここは壁を管理する塔の役人がいて俺ら平民が言い争うことなど決してできない、というのが大きい。
多少割が悪くても、家族に絡まれて面倒を起こすよりよっぽどいいからな。
「おおラノキ、助かるよ。今日はアキの実はあるかい?」
「ああ」
机の上に品物を並べていると、役人の1人が近寄ってきた。銀髪の若者だが、物腰が柔らかそうだ。
威張った感じを受けないとは、あまり見ないタイプの貴族だな。
「検めても?」
「も、もちろんです」
店主が役人の動向をハラハラと見守る。
アキの実はいくつかあるから、この貴族ならさっきのやり取りを見ていて1つぐらいは残してくれるのではないか?
底意地の悪さは感じないが。
まあ、足りないようならアキの実だけもう一度運べばいい。
「ふむ。これは誰が?」
青年貴族が手にしたのはシャシーの刺した布だ。
「私の娘です」
「とてもいい品物だ。これを譲ってもらいたい」
みろ、シャシー。お前の作品が1番最初に売れたぞ。
自信なさげなシャシーの顔を思い出して、思わずニヤニヤしてしまう。
青年貴族はそれだけを手に取ると会計を済ませて行ってしまった。
「千カーネ(1万円)も払っていったぞ、ははは。っていうか、お前、娘なんていたのかよ」
「ああ9歳になるんだ。セイスと一緒で身体が弱くてな。いつまで生きていられるかと思うと」
おおっぴらにできなかった、と頭をかきながらこたえると店主が納得顔になった。
あの時の騒動を思い出したからだろう。
それ見たことか、と騒ぐあいつらが今でもすぐに思い出されるぐらいに大騒動だった。
「お前も大変だよな」
これは清算前のだから、と店主が千カーネをそのまま寄越してきた。
俺がこの店を気に入ってる理由がわかるだろう?
「いや、別のと同じだけ取ってくれ。この冬にハイチが洗礼を受ける時に世話になるしな」
ここで宿を取るのが1番安全だからよろしく頼む、の気持ち分だ。
それでも10カーネしか取らない店主に3割押し付ける。
「なら、冬は4人の宿泊だな。どれくらいいるんだ?」
すぐに帰りたい、とは言えないよな。
「少なくとも春まではいるよ。冬はセイスが移動できないからな」
「それもそうだな。ハイチが何に選ばれるかもわからないしな」
それもあった。本当に洗礼で何があらわれるか運なのだ。
家の思いとは別の道が示されることも、時々ある。
するとそれが跡取りだった場合にはひと悶着あるのだ。家業を取るのか、自身の天命を取るのか。
けれど不思議と示された道を進んだ者は、順調な人生を歩めるんだよな。
「ところで店主、字を書く道具はあるか?」
シャシーが稼いだ7百カーネで、欲しがっている物を買っていきたい。
ペンとインク、残りは紙だ。
「練習用だからな。紙は規格物でなくて構わない」
紙もインクもペンも、この町で使われることはあまりない。
税が関係する元締め辺りには必要だろうが、ただの平民には全くと言っていいほど用がない。
そこそこ値段も張るしな。
普通なら壁の向こう側に卸す品物だ。
2人目を欲しがったセイスだったが、一度妊娠の兆候が流れてから諦めたらしい。
俺は別に子供がいなかったとしても何1つ不満なんてないのだが、セイスは気に病んでいた。
そんな時現れたのがシャシーだ。
纏う色こそ俺の色だが、小さくほっそりとした身体つきや柔らかい顔つきはセイスにそっくりだ。
俺たちの子供だと言っても誰も不思議には思わないだろう。
それにあの森は住人を守る森だ。流れた子が無事に産まれていたら9歳になる。
だから俺たちは、シャシーをセイスに負担がかからないところまで森が育ててくれ、返してくれたのではないかと考えているのだ。
「これは子供に土産か?」
店主が大きさの不揃いな紙の束を持って、奥から出てきた。
「シャシーが字に興味を持ち始めてな」
「シャシーというのか?変わった響きだ」
言われてはじめて気がついた。
森番のカギに記されていた森の名は『コンシャシー』ではなかったか。
目にしたのは一度きり、あの時現れたカギは手の中に吸い込まれてしまった。森を出入りする時に指のかたちがカギに変わるが、あの時の文字はもう現れない。
「あの子は森に愛されているらしいからな」
どうりで普通の落とし子とは違うはずだ。落とし子ではなかったんだな。
あの時の子は、森の愛し子として産まれてきてくれたのか。
「それならばこの本もつけようか?最近手に入った、貴族の子供向けの本で字の書き方が載っているらしいぞ」
「ということは、向こうから流れてきたものか?」
珍しいな。壁の向こう側の物がこちらに出てくるなんて。
パラパラと中を見るが、よくわからん。
俺たちは発行された指令書を読むことはあっても、書くことはまずないからな。
俺もそれっぽい物を書くことはできるが、みんな自己流だ。教えることなんてできない。
まあ、子供のころは地面に棒切れで真似して書いたりするのが遊びの1つだったりはしたか。
⭐︎
字を書く道具を家に持ち帰ると、涙をボロボロとこぼし抱きついて喜ぶシャシーに驚いた。
正直なぜ紙やペンがそんなに喜ばれるのが理解できないよ、父さんは。
以来シャシーは紙やインク欲しさに刺繍に励む。
買ってくれるのが成人した男性貴族だとわかると、シャシーの作品は少し大きめな落ち着いた色合いのハンカチへと変わっていった。
町に持っていくと必ずあの青年貴族がやってきて、持っていったシャシーの刺繍作品だけを買っていくらしい。
シャシーの作品を心待ちにしてるのではないかと店主が言っていた。
「買っている理由が、自分で使いたいからとは限らないんじゃないかしら」
とセイスに言われてからは女性物のデザインも刺したりしているが、シャシーがひと月で刺すのは2枚だけ。
そりゃあそうだろうな。
少しでも気に入らないと糸を解いてやりなおす。とても丁寧な仕事をしている。
その上デザインも細かく美しい。
町では見ることのない変わった模様で、青年貴族が買う分以外も卸して欲しいと言われているのだが、そんな時間があったら字を書いていたいらしい。
紙代と生活費の一部になる分だけ刺すと、後はずっと字を書いている。
「何がそんなに楽しいのか、さっぱりわからないね」
とうとうハイチにまで呆れられるようになったぞ、シャシー。父さんも同感だぞ。
そうして、町と森を7回往復するころ秋が来た。
本当の冬になってしまうと移動が大変だ。そろそろ町に行く準備をしないとな。
13歳の時、洗礼で受けた天命は森番だった。大きく広がる森の一画を管理する鍵を手にしたことで、猟師になることを選択した。
俺が知っているだけで森番を手にしているのは3人だな。
それぞれの管理している森で特産物が違い、万人の入れる森とは異なった物が手に入ることで生活は安定している。
そして15歳の時セイスと結婚した。
セイスは他の子供とは違う、落ち着いた雰囲気のある子供だった。身体も弱かったしな。
活気があり、家庭をやりくりできる妻を得るのが家を繁栄させるための長子の役割だとわかってはいる。
が、そういう気の強い女ではなくひっそりと窓辺で縫い物をしているセイスが気になって仕方なかった。
当然周りから反対を受けた。セイスの親でさえ、生涯手元に置き結婚させるつもりはなかったようだ。
特に俺の親は最後まで他の候補と結婚させたがった。
でも俺にも好みがあるからな。反対を押し切って一緒になったんだ。
一攫千金の可能性がある森番に目のくらんだ女にも、町の主産業につかない者を蔑む女にも興味はない。
特に後者と一緒になってしまえば、一生頭の上がらん地獄しか見えない。
俺は共に尊重し合って生きて行く伴侶が欲しかったのだから。
そのセイスはハイチが産まれた後2月ほど生死をさまよった。その間のあいつらの煩わしさから、2人を連れて森に引っ込んだのだ。
以来、一度も町に連れて帰ったことはない。
セイスの親には申し訳ないと思っている。
不思議なことといえば、セイスとハイチを連れて森にこもると決め2人を連れて帰ったら家ができていたってことだ。
川に囲まれたあの家が建っている小さな範囲だけ、獣も魔物も決して近寄らない。
森がセイス達を受け入れてくれたのだと知って嬉しく思った。
「よお、店主。ラノキだ。買い取ってくれ」
俺が荷物を卸すのは町の端にある店だ。
店主と俺が幼馴染ということももちろん理由の一つだ。
が、ここは壁を管理する塔の役人がいて俺ら平民が言い争うことなど決してできない、というのが大きい。
多少割が悪くても、家族に絡まれて面倒を起こすよりよっぽどいいからな。
「おおラノキ、助かるよ。今日はアキの実はあるかい?」
「ああ」
机の上に品物を並べていると、役人の1人が近寄ってきた。銀髪の若者だが、物腰が柔らかそうだ。
威張った感じを受けないとは、あまり見ないタイプの貴族だな。
「検めても?」
「も、もちろんです」
店主が役人の動向をハラハラと見守る。
アキの実はいくつかあるから、この貴族ならさっきのやり取りを見ていて1つぐらいは残してくれるのではないか?
底意地の悪さは感じないが。
まあ、足りないようならアキの実だけもう一度運べばいい。
「ふむ。これは誰が?」
青年貴族が手にしたのはシャシーの刺した布だ。
「私の娘です」
「とてもいい品物だ。これを譲ってもらいたい」
みろ、シャシー。お前の作品が1番最初に売れたぞ。
自信なさげなシャシーの顔を思い出して、思わずニヤニヤしてしまう。
青年貴族はそれだけを手に取ると会計を済ませて行ってしまった。
「千カーネ(1万円)も払っていったぞ、ははは。っていうか、お前、娘なんていたのかよ」
「ああ9歳になるんだ。セイスと一緒で身体が弱くてな。いつまで生きていられるかと思うと」
おおっぴらにできなかった、と頭をかきながらこたえると店主が納得顔になった。
あの時の騒動を思い出したからだろう。
それ見たことか、と騒ぐあいつらが今でもすぐに思い出されるぐらいに大騒動だった。
「お前も大変だよな」
これは清算前のだから、と店主が千カーネをそのまま寄越してきた。
俺がこの店を気に入ってる理由がわかるだろう?
「いや、別のと同じだけ取ってくれ。この冬にハイチが洗礼を受ける時に世話になるしな」
ここで宿を取るのが1番安全だからよろしく頼む、の気持ち分だ。
それでも10カーネしか取らない店主に3割押し付ける。
「なら、冬は4人の宿泊だな。どれくらいいるんだ?」
すぐに帰りたい、とは言えないよな。
「少なくとも春まではいるよ。冬はセイスが移動できないからな」
「それもそうだな。ハイチが何に選ばれるかもわからないしな」
それもあった。本当に洗礼で何があらわれるか運なのだ。
家の思いとは別の道が示されることも、時々ある。
するとそれが跡取りだった場合にはひと悶着あるのだ。家業を取るのか、自身の天命を取るのか。
けれど不思議と示された道を進んだ者は、順調な人生を歩めるんだよな。
「ところで店主、字を書く道具はあるか?」
シャシーが稼いだ7百カーネで、欲しがっている物を買っていきたい。
ペンとインク、残りは紙だ。
「練習用だからな。紙は規格物でなくて構わない」
紙もインクもペンも、この町で使われることはあまりない。
税が関係する元締め辺りには必要だろうが、ただの平民には全くと言っていいほど用がない。
そこそこ値段も張るしな。
普通なら壁の向こう側に卸す品物だ。
2人目を欲しがったセイスだったが、一度妊娠の兆候が流れてから諦めたらしい。
俺は別に子供がいなかったとしても何1つ不満なんてないのだが、セイスは気に病んでいた。
そんな時現れたのがシャシーだ。
纏う色こそ俺の色だが、小さくほっそりとした身体つきや柔らかい顔つきはセイスにそっくりだ。
俺たちの子供だと言っても誰も不思議には思わないだろう。
それにあの森は住人を守る森だ。流れた子が無事に産まれていたら9歳になる。
だから俺たちは、シャシーをセイスに負担がかからないところまで森が育ててくれ、返してくれたのではないかと考えているのだ。
「これは子供に土産か?」
店主が大きさの不揃いな紙の束を持って、奥から出てきた。
「シャシーが字に興味を持ち始めてな」
「シャシーというのか?変わった響きだ」
言われてはじめて気がついた。
森番のカギに記されていた森の名は『コンシャシー』ではなかったか。
目にしたのは一度きり、あの時現れたカギは手の中に吸い込まれてしまった。森を出入りする時に指のかたちがカギに変わるが、あの時の文字はもう現れない。
「あの子は森に愛されているらしいからな」
どうりで普通の落とし子とは違うはずだ。落とし子ではなかったんだな。
あの時の子は、森の愛し子として産まれてきてくれたのか。
「それならばこの本もつけようか?最近手に入った、貴族の子供向けの本で字の書き方が載っているらしいぞ」
「ということは、向こうから流れてきたものか?」
珍しいな。壁の向こう側の物がこちらに出てくるなんて。
パラパラと中を見るが、よくわからん。
俺たちは発行された指令書を読むことはあっても、書くことはまずないからな。
俺もそれっぽい物を書くことはできるが、みんな自己流だ。教えることなんてできない。
まあ、子供のころは地面に棒切れで真似して書いたりするのが遊びの1つだったりはしたか。
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字を書く道具を家に持ち帰ると、涙をボロボロとこぼし抱きついて喜ぶシャシーに驚いた。
正直なぜ紙やペンがそんなに喜ばれるのが理解できないよ、父さんは。
以来シャシーは紙やインク欲しさに刺繍に励む。
買ってくれるのが成人した男性貴族だとわかると、シャシーの作品は少し大きめな落ち着いた色合いのハンカチへと変わっていった。
町に持っていくと必ずあの青年貴族がやってきて、持っていったシャシーの刺繍作品だけを買っていくらしい。
シャシーの作品を心待ちにしてるのではないかと店主が言っていた。
「買っている理由が、自分で使いたいからとは限らないんじゃないかしら」
とセイスに言われてからは女性物のデザインも刺したりしているが、シャシーがひと月で刺すのは2枚だけ。
そりゃあそうだろうな。
少しでも気に入らないと糸を解いてやりなおす。とても丁寧な仕事をしている。
その上デザインも細かく美しい。
町では見ることのない変わった模様で、青年貴族が買う分以外も卸して欲しいと言われているのだが、そんな時間があったら字を書いていたいらしい。
紙代と生活費の一部になる分だけ刺すと、後はずっと字を書いている。
「何がそんなに楽しいのか、さっぱりわからないね」
とうとうハイチにまで呆れられるようになったぞ、シャシー。父さんも同感だぞ。
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