92 / 99
私を見て、ちゃんと見て
11.私を簡単に手放した
しおりを挟む
「私もね、社長……不安だったんですよ……」
雨音が僕を抱きしめる手に力を込めた。
カタカタと、雨音が震えているのが背中越しに伝わってきた。
「社長は、ずっと私に何も言ってくれなかったじゃないですか」
それは、君に情けない姿をこれ以上見せたくなかったから。
「社長は……私を簡単に手放した」
それは、他の会社に行くことを後押しした時のことだろう。
身を切る思いだったが、それが彼女のためになると、本気で信じていた。
今でも、その判断は正しかったと思っている。
「社長は……私がいなくなった後にどれだけ大変だったか、私に教えてくれなかった」
それは、新しい世界で頑張っている君に、余計な心配をかけたくなかったから。
「社長は……私のことを、どう思っているか……ほとんど教えてくれなかった……」
それは…………。
…………僕の気持ちを伝えることで、負担にかけたくなかったから……。
「ねえ……社長……?私、寂しかったです。悔しかったです。辛かったです。社長の事、好きになればなるほど、社長が私に何も教えてくれないことが」
堰を切ったように、というのはこういうことを言うのだろう。
いつもの雨音では、決してこんな風に言葉を矢継ぎ早に言わない。
「社長、私は……社長が何も伝えたくないと思う程……信用できないんですか?」
「違う!!!」
雨音の口を塞ぐように、僕は雨音の唇に深いキスをした。
雨音が僕を抱きしめる手に力を込めた。
カタカタと、雨音が震えているのが背中越しに伝わってきた。
「社長は、ずっと私に何も言ってくれなかったじゃないですか」
それは、君に情けない姿をこれ以上見せたくなかったから。
「社長は……私を簡単に手放した」
それは、他の会社に行くことを後押しした時のことだろう。
身を切る思いだったが、それが彼女のためになると、本気で信じていた。
今でも、その判断は正しかったと思っている。
「社長は……私がいなくなった後にどれだけ大変だったか、私に教えてくれなかった」
それは、新しい世界で頑張っている君に、余計な心配をかけたくなかったから。
「社長は……私のことを、どう思っているか……ほとんど教えてくれなかった……」
それは…………。
…………僕の気持ちを伝えることで、負担にかけたくなかったから……。
「ねえ……社長……?私、寂しかったです。悔しかったです。辛かったです。社長の事、好きになればなるほど、社長が私に何も教えてくれないことが」
堰を切ったように、というのはこういうことを言うのだろう。
いつもの雨音では、決してこんな風に言葉を矢継ぎ早に言わない。
「社長、私は……社長が何も伝えたくないと思う程……信用できないんですか?」
「違う!!!」
雨音の口を塞ぐように、僕は雨音の唇に深いキスをした。
10
あなたにおすすめの小説
これって政略結婚じゃないんですか? ー彼が指輪をしている理由ー
小田恒子
恋愛
この度、幼馴染とお見合いを経て政略結婚する事になりました。
でも、その彼の左手薬指には、指輪が輝いてます。
もしかして、これは本当に形だけの結婚でしょうか……?
表紙はぱくたそ様のフリー素材、フォントは簡単表紙メーカー様のものを使用しております。
全年齢作品です。
ベリーズカフェ公開日 2022/09/21
アルファポリス公開日 2025/06/19
作品の無断転載はご遠慮ください。
里帰りをしていたら離婚届が送られてきたので今から様子を見に行ってきます
結城芙由奈@コミカライズ連載中
恋愛
<離婚届?納得いかないので今から内密に帰ります>
政略結婚で2年もの間「白い結婚」を続ける最中、妹の出産祝いで里帰りしていると突然届いた離婚届。あまりに理不尽で到底受け入れられないので内緒で帰ってみた結果・・・?
※「カクヨム」「小説家になろう」にも投稿しています
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる