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1.萌えは私の栄養素
本当に、私と同じ人間なのかしら……?
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「はぁ……あのお二方は本当に、私と同じ人間なのかしら……?」
リーゼは「お花をつむ」ためにお手洗いへと向かいながら、さっき目にしてしまった衝撃的な美しい2人のことばかり考えてしまっていた。
まず、エドヴィン王子。
まだ14歳だというのにすでに長身で、かつしっかりと筋肉がついた男らしい体格をしていた。
白い正装が、よく似合っていた。
リーゼの兄達も、比較的スタイルは良い方だ。
だが、兄達には申し訳ないと思いながらも、彼らがどんなにこの先鍛え上げようとも、エドヴィン王子には敵わないだろうとリーゼは思ってしまった。
シャンデリアの光を綺麗に反射する、青みがかった黒い髪も、エドヴィン王子の魅力の1つ。
月や星が散りばめられている、明るい夜空のような色に、リーゼは吸い込まれそうだと思った。
さらに言えば、鋭い黄金色の目に、太い黒眉がしっくりくる端正な男らしい顔立ちはまるで芸術品で、美術品として作られたものに命が宿ったのではないかとすら、リーゼは考えてしまったほど。
そして、横に並んでいたアレクサンドラはと言えば……。
最初に目に入るのは、絹糸のような銀髪。光に照らされる度に、七色の虹のように煌めいていた。
それに、豪華なレースをふんだんに使った、センスの良い上品にまとめられた白いドレスは、アレクサンドラの豊かな胸と細い腰をしっかりと強調していた。
さらに、エメラルドのような深い緑色の目は、アレクサンドラが身につけていた本物のエメラルドのネックレスよりもずっと豪華に見えた。
単体でも、これだけの存在感なのに、2人が横に並んでいる様子を見て感激しない人間などいるのだろうか……とリーゼは考えた。
(どうしましょう……さっきの場面を思い出すだけで、ときめきが止まらない……!)
一方で、リーゼは思ってしまった。
お手洗いに設置されていた大きい姿見に映る自分の姿が、いかに幼く野暮ったいものであるかを。
兄達は、そんな今のリーゼを可愛がっており
「できればこれ以上成長しないでほしい!」
と本気で念じているほどだったが、眼鏡を手に入れて以来美しいものを浴びるように見続けてきたリーゼの美的感覚は、一般的な芸術家をはるかに上回ってしまっていた。
そのためリーゼは、いかに自分という存在が、あの神々しい2人に比べれば石ころのようにありふれた、つまらないものであるかを実感してしまったのである。
「仕方がないわ。あの方達は私なんかとは、世界が違うのよ。むしろ、美しいものを見せていただいたことを、神に感謝しなくては」
そう思いながら、ぼーっと王宮の廊下を歩いている時だった。
突然、リーゼは何者かと正面衝突してしまったのだ。
「きゃっ!」
リーゼの眼鏡は吹っ飛び、リーゼの体はよろけてしまった。
「危ない!」
地面に倒れそうになったリーゼの腕を、正面衝突した何者かが掴んだ。
そのおかげで、リーゼは頭を床にぶつけなくて済んだ。
「大丈夫か?」
その人は、声変わりしたばかりの男性だということと、服が白いことだけリーゼはわかった。
「ありがとうございます」
リーゼは、その人が何者か全く見えていなかったが、助けてくれた感謝を自分なりに伝えた。
「い……いや……大丈夫ならいいんだ……」
その男の人は、そう言ったきり、リーゼを放してそのままどこかへと行ってしまった。
もしこの時、リーゼが眼鏡をしていれば。
もしくは、リーゼが眼鏡を見つけて身につけるまでこの男の人が待ってくれていたら、リーゼは気づいただろう。
その男の人こそが、エドヴィン王子であったこと。
そして、この時のリーゼの微笑みにエドヴィン王子が一目惚れしたことで、そそくさとリーゼから逃げてしまったことを。
リーゼは「お花をつむ」ためにお手洗いへと向かいながら、さっき目にしてしまった衝撃的な美しい2人のことばかり考えてしまっていた。
まず、エドヴィン王子。
まだ14歳だというのにすでに長身で、かつしっかりと筋肉がついた男らしい体格をしていた。
白い正装が、よく似合っていた。
リーゼの兄達も、比較的スタイルは良い方だ。
だが、兄達には申し訳ないと思いながらも、彼らがどんなにこの先鍛え上げようとも、エドヴィン王子には敵わないだろうとリーゼは思ってしまった。
シャンデリアの光を綺麗に反射する、青みがかった黒い髪も、エドヴィン王子の魅力の1つ。
月や星が散りばめられている、明るい夜空のような色に、リーゼは吸い込まれそうだと思った。
さらに言えば、鋭い黄金色の目に、太い黒眉がしっくりくる端正な男らしい顔立ちはまるで芸術品で、美術品として作られたものに命が宿ったのではないかとすら、リーゼは考えてしまったほど。
そして、横に並んでいたアレクサンドラはと言えば……。
最初に目に入るのは、絹糸のような銀髪。光に照らされる度に、七色の虹のように煌めいていた。
それに、豪華なレースをふんだんに使った、センスの良い上品にまとめられた白いドレスは、アレクサンドラの豊かな胸と細い腰をしっかりと強調していた。
さらに、エメラルドのような深い緑色の目は、アレクサンドラが身につけていた本物のエメラルドのネックレスよりもずっと豪華に見えた。
単体でも、これだけの存在感なのに、2人が横に並んでいる様子を見て感激しない人間などいるのだろうか……とリーゼは考えた。
(どうしましょう……さっきの場面を思い出すだけで、ときめきが止まらない……!)
一方で、リーゼは思ってしまった。
お手洗いに設置されていた大きい姿見に映る自分の姿が、いかに幼く野暮ったいものであるかを。
兄達は、そんな今のリーゼを可愛がっており
「できればこれ以上成長しないでほしい!」
と本気で念じているほどだったが、眼鏡を手に入れて以来美しいものを浴びるように見続けてきたリーゼの美的感覚は、一般的な芸術家をはるかに上回ってしまっていた。
そのためリーゼは、いかに自分という存在が、あの神々しい2人に比べれば石ころのようにありふれた、つまらないものであるかを実感してしまったのである。
「仕方がないわ。あの方達は私なんかとは、世界が違うのよ。むしろ、美しいものを見せていただいたことを、神に感謝しなくては」
そう思いながら、ぼーっと王宮の廊下を歩いている時だった。
突然、リーゼは何者かと正面衝突してしまったのだ。
「きゃっ!」
リーゼの眼鏡は吹っ飛び、リーゼの体はよろけてしまった。
「危ない!」
地面に倒れそうになったリーゼの腕を、正面衝突した何者かが掴んだ。
そのおかげで、リーゼは頭を床にぶつけなくて済んだ。
「大丈夫か?」
その人は、声変わりしたばかりの男性だということと、服が白いことだけリーゼはわかった。
「ありがとうございます」
リーゼは、その人が何者か全く見えていなかったが、助けてくれた感謝を自分なりに伝えた。
「い……いや……大丈夫ならいいんだ……」
その男の人は、そう言ったきり、リーゼを放してそのままどこかへと行ってしまった。
もしこの時、リーゼが眼鏡をしていれば。
もしくは、リーゼが眼鏡を見つけて身につけるまでこの男の人が待ってくれていたら、リーゼは気づいただろう。
その男の人こそが、エドヴィン王子であったこと。
そして、この時のリーゼの微笑みにエドヴィン王子が一目惚れしたことで、そそくさとリーゼから逃げてしまったことを。
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