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2.推しカプのために

何故俺は!好きな女性にお前との結婚を後押しされなくてはならないのだ!?

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「アレクサンドラ」
「……何ですの?殿下」
「さっきの、令嬢の面接はなんだ?」
「…………何のことでしょう?」

 全ての面接試験が終了した後、エドヴィン王子とアレクサンドラは庭のガゼボに座って会話を始めた。
 エドヴィン王子の方は、頭を抱えた状態で。
 アレクサンドラの方は、扇子で口元を隠しながら。
 ちなみに、リーゼを始めとする令嬢たちには午前中の試験で使ったダンスホールにて待機してもらっている。
 夕方以降に、晩餐会と舞踏会が開かれるためであり、この時の所作などで、最終的にエドヴィン王子の婚約者が決まる……ということに、なっていた、はずだったのだが……。

「何故俺は!好きな女性にお前との結婚を後押しされなくてはならないのだ!?」
「…………さあ?」
「アリ!!」

 エドヴィン王子は、焦りと興奮のあまり、幼少期に呼んでいたアレクサンドラの愛称で叫んでしまった。

「その呼び方、やめていただけます?愛しいご令嬢がお聞きになったら、また勘違いしてしまうのでは?」
「…………そうだ。彼女のメイドからも話には聞いていたが、何故俺とお前が、お似合いのカップルとして絶賛されなくてはいけないんだ?」
「奇遇ですね。まっっったく、同じことを考えてました」
「…………それをなんとかするのが、お前の役目じゃなかったのか?」
「失礼ながら、殿下に頼まれたのは、リーゼ様が試験官の目に少しでも有利に映るように、実力をコントロールすることだけでしたわ。まあ、そんな必要はなかったのですけれど」
「そうだ……実力は素晴らしいんだ……だが……」
「それが、まさか私と殿下の結婚のために発揮された力だったなんて……」

 エドヴィン王子は、つい数分前まで繰り広げられた、リーゼの渾身の演説を思い出し、イケメンが台無しになるくらいの涙目になった。
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