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3.リーゼVSそれぞれ

もう1人の侍女

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「り、リーゼ嬢……!?」

 あまりの妖精っぷりに、エドヴィン王子の興奮は一気に最高潮に突入。
 心臓の音があっという間に響き渡るのではないかと思った。

「そのお声は、殿下……?」

 メガネをかけていないリーゼは、エドヴィンの方はしっかり向いているのに、首をかしげるだけだった。

「そ、そうだが……」

 エドヴィン王子は困惑した。
 正直、距離は1mくらいしかない。顔はしっかり見える距離。
 むしろ自分は、一目惚れした時のリーゼとほぼ同じ容姿を目の前して、必死に顔が真っ赤になるのを抑えようと努力している程だ。
 それなのに、何故リーゼは確認を取ってくるのか……。

「大変申し訳ございません殿下」
「わっ!!」

 リーゼの背後から、ひょっこり現れたのは、今やエドヴィン王子が頼りにしまくっているニーナ。
 エドヴィンは心の中で「姐さん」と呼んでいる存在だ。
 ちなみにエドヴィン王子の方が年上だったりする。

「ニーナ?これは一体」
「大変申し訳ないのですが、かくかくしかじかでリーゼ様のメガネは今日ない状態になります」
「かくかくしかじか」
「はい、かくかくしかじかです」

 ニーナはそう言いながら、自分の横にいるもう1人の侍女姿の女性に視線をやった。
 一見、ニーナと同じか、もしくはそれ以上に地味に見える茶髪の女だったが。
 が、エドヴィン王子がその侍女と目が合った瞬間、冷や汗が背中から出てきた。

「ま、まさか……」

 高貴さを隠しきれないエメラルドの瞳は、間違いなくそれがアレクサンドラであることをの証拠として、輝いてしまっていた。
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