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5.運命の舞踏会まであと少し
こんなんでは専属作家になる夢が……
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聞き慣れた声がリーゼの耳に入ってきた時、リーゼは歩き回りながら小説の構成を考えていた。
内容はもちろん言わずもがな。
ちゃんと綺麗に見えるメガネが手元に戻ったら、怒涛の勢いで書き上げてしまいたい欲に満ちているリーゼは、必死に頭の中で様々なシチュエーションを思い描いていた。
ただ、これまでのリーゼと違うことがあった。
「どうしましょう……あの人のことばかり思い出してしまう……」
リーゼが今考えているのは、まさに昨日街の中で歩き回った場所で考えた、エドヴィン王子とアレクサンドラの秘密の逢瀬、からのチョメチョメ的なシーンなわけだが。
その場所での、例えばキス、からの秘密の触れ合いシーンを妄想しそうになると、途端にリーゼは昨日無理やり付き合わせた男性のことが頭を過ってしまう。
そして、その度に心臓が高鳴るので、妄想に集中できなくなるのだった。
「おかしいわ……私の頭の中で、殿下とアレクサンドラ様が動いてくれない……」
いつもなら、しっかりとリーゼの脳内にプログラミングされたかのように、シチュエーションさえ用意されたら勝手に脳内でラブを見せてくれるエドヴィン王子とアレクサンドラ(リーゼの妄想)が、今日はぶつぶつ途切れた映像のように、うまく良いシーンを見せてはくれないのだ。
「こんなはずじゃなかったのに、どうして……」
リーゼは焦れば焦るほど、昨日の男性が語りかけてくれた声を思い出してしまう。
その声は、確かにどこかで聞いたことがあるはずだったのに、リーゼは思い出せないどころか、考えれば考えるほど、その声の良さに耳が蕩けそうな気持ちにすらなった。
「ああ……こんなんでは専属作家になる夢が……」
そうリーゼが言った時だったのだ。
変装したエドヴィン王子がリーゼをとっ捕まえることができたのは……。
内容はもちろん言わずもがな。
ちゃんと綺麗に見えるメガネが手元に戻ったら、怒涛の勢いで書き上げてしまいたい欲に満ちているリーゼは、必死に頭の中で様々なシチュエーションを思い描いていた。
ただ、これまでのリーゼと違うことがあった。
「どうしましょう……あの人のことばかり思い出してしまう……」
リーゼが今考えているのは、まさに昨日街の中で歩き回った場所で考えた、エドヴィン王子とアレクサンドラの秘密の逢瀬、からのチョメチョメ的なシーンなわけだが。
その場所での、例えばキス、からの秘密の触れ合いシーンを妄想しそうになると、途端にリーゼは昨日無理やり付き合わせた男性のことが頭を過ってしまう。
そして、その度に心臓が高鳴るので、妄想に集中できなくなるのだった。
「おかしいわ……私の頭の中で、殿下とアレクサンドラ様が動いてくれない……」
いつもなら、しっかりとリーゼの脳内にプログラミングされたかのように、シチュエーションさえ用意されたら勝手に脳内でラブを見せてくれるエドヴィン王子とアレクサンドラ(リーゼの妄想)が、今日はぶつぶつ途切れた映像のように、うまく良いシーンを見せてはくれないのだ。
「こんなはずじゃなかったのに、どうして……」
リーゼは焦れば焦るほど、昨日の男性が語りかけてくれた声を思い出してしまう。
その声は、確かにどこかで聞いたことがあるはずだったのに、リーゼは思い出せないどころか、考えれば考えるほど、その声の良さに耳が蕩けそうな気持ちにすらなった。
「ああ……こんなんでは専属作家になる夢が……」
そうリーゼが言った時だったのだ。
変装したエドヴィン王子がリーゼをとっ捕まえることができたのは……。
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