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5.運命の舞踏会まであと少し
私が恋をするなんて
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けれどもリーゼにとってはそんなことはどうでもよかった。
抱きしめられたことに驚きはしたが、嫌ではなかったことに驚いた。
普段兄や父から暑苦しい愛情を受けているリーゼは、もちろん彼らから抱きしめられることは多かった。
だが、その度にリーゼは
「近寄らないでくださいませ!」
と拒絶をしていた。
リーゼは前世の記憶のせいもあるのだが、パーソナルスペースを侵されることをとても嫌がるタイプの人間だった。
自分の居心地が良い範囲は確保し、趣味に没頭する。
それが、リーゼ・ブラウニーという人間。
リーゼはそんな自分の性質をちゃんと理解していたからこそ、他人とは実は一定の距離を取り続けてきた。
そんな自分が、他人の体……しかもよりによって、昨日会ったばかり(と本人が思っている)の男性の体とぴったんこしても、嫌どころかむしろこう思ってしまった。
気持ちいい。
離れたくない、と。
エドヴィン王子とアレクサンドラを見ている時に感じる
「いや!この現場から離れたくない!観察したい!!!!」
の離れたくないとは全く違う。
まるで自分の体が磁石になったかのように、くっつきたくて仕方がないという状態なのだ。
そして、リーゼはこういう現象を言語化した後の結論は知っている。
何故なら、数えきれないほどそういうシチュエーションを読み続け、なんなら書き続けてもきたから。……エドヴィン王子とアレクサンドラで。
「まさか……そんな……」
リーゼは初めてのことに戸惑うしかなかった。
まさか自分が、たった1日会っただけの、顔も知らない(と本人は思っている)男に恋をするなんて、と。
抱きしめられたことに驚きはしたが、嫌ではなかったことに驚いた。
普段兄や父から暑苦しい愛情を受けているリーゼは、もちろん彼らから抱きしめられることは多かった。
だが、その度にリーゼは
「近寄らないでくださいませ!」
と拒絶をしていた。
リーゼは前世の記憶のせいもあるのだが、パーソナルスペースを侵されることをとても嫌がるタイプの人間だった。
自分の居心地が良い範囲は確保し、趣味に没頭する。
それが、リーゼ・ブラウニーという人間。
リーゼはそんな自分の性質をちゃんと理解していたからこそ、他人とは実は一定の距離を取り続けてきた。
そんな自分が、他人の体……しかもよりによって、昨日会ったばかり(と本人が思っている)の男性の体とぴったんこしても、嫌どころかむしろこう思ってしまった。
気持ちいい。
離れたくない、と。
エドヴィン王子とアレクサンドラを見ている時に感じる
「いや!この現場から離れたくない!観察したい!!!!」
の離れたくないとは全く違う。
まるで自分の体が磁石になったかのように、くっつきたくて仕方がないという状態なのだ。
そして、リーゼはこういう現象を言語化した後の結論は知っている。
何故なら、数えきれないほどそういうシチュエーションを読み続け、なんなら書き続けてもきたから。……エドヴィン王子とアレクサンドラで。
「まさか……そんな……」
リーゼは初めてのことに戸惑うしかなかった。
まさか自分が、たった1日会っただけの、顔も知らない(と本人は思っている)男に恋をするなんて、と。
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