聖剣なんていらんかったんや~苦し紛れに放った暗殺者が魔王を倒して世界を救ってしまったのだが~

余るガム

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第3章 勇者の栄光は誰のもの?

旅籠

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 今3人が目指している小さな町は、旅籠が主要産業だった。

 そういえば、その町の、いうなれば弱小っぷりが分かることだろう。

 狩猟採集をする程の恵みも無く。
 農業をする程の土地も無く。
 興行を打つ程の金銭も無く。
 軍事を整える程の人間も無く。
 革新をもたらす程の才人も無い。

 あるのはただ、道だけ。

 そもそも、この土地に初めから住んでいたような人間はいない。
 元々は行商人の野営場所だ。そこに営業を掛ける娼婦が居て、娼婦に営業を掛ける貸し天幕が来て、貸し天幕に営業を掛ける飯屋が居て、飯屋に営業を掛けるコショウ売りが来て……とまぁ、そんな具合で出来た町だ。

 唯一の売りといったら大きな街に繋がる道だが、その道すら行商人が主に利用するだけのことはある、狭くて険しい道だ。もっと大規模なキャラバンは別の道を使う。

 それ以外は何も無い、町とは言うが国が把握しているのかさえ定かではない町だ。

「前はここに、何しに来たんだっけ?」
「魔王城直前の街のカリンエルに行くための道を探した結果、ここに辿り着いた感じだな」
「確か、当月分の予算がかなりピンチで、なるべく通行税の掛からない場所を通ろうとしたんですよね」

 国が把握していないかもしれないという推測の根拠がまさにそれだ。

 実はこの町を経由してカリンエルの方まで行くと、関所が無いのだ。
 関所と言うのは通行税を取る為の施設と勘違いされがちだが、しかし間違いなく国家を守るために用意された盾である。

 例えば、麻薬や密造武器といった禁制品の輸入。
 例えば、犯罪シンジケートの構成員や幹部。
 例えば、食い詰めた難民。
 例えば、国境を書き換えようとする隣国。

 そうした『よくないもの』を国家の中に入れず、追い返すのが関の役割だ。

 通行税は、この中でも特に難民を狙い撃ちするための税制である。
 難民というのはとにかく金がない。金がないものだから、たかだか『移動』の為に金を払おうとしないし、そもそも払える金がない。
 そしてなぜ金が無いかと言うと、単純に職にあぶれたからだ。そんな奴が新天地に行った所で結局は無一文。なので当然、今日食うために犯罪をする。

 だから難民は『よくないもの』扱いされているのだ。

 しかし難民を弾けるのは事実だが、それ以外の人間の財布にもダメージを入れてしまうのが通行税。
 大抵の場合は人頭税なので、ある程度まともな立場があれば問題ない金額ではあるが……金が必要なイベントと言うのは、大抵の場合予想だにしないものだ。

 故にそうした通行税を払わずに通れる裏道を探して見つかったのが、この町である。

「はっは、いやぁ、ここは悪い意味で何も変わって無いな」

 大きな街と大きな街を結ぶ、国家の目が行き届いていない道。
 損な所には当然、溢れかえる。無法が、我欲が、混沌が、非合法が。

 勿論、それぞれの街自体が持つ外壁。これが阻むのだから、街に被害が出ることは少ない。
 そもそも街の様な豊かな場所を根城にし、無辜の民を食い物にし続ける輩は、もっと根深く立ち回り、関も門も潜り抜ける。

 結局の所、関がまともに排除できているのは、無力で無法な難民ぐらいの物だった。

 故にこの町にあるのは、そうした難民と小悪党が群れを成すスラムだけ。
 目に移る町、全てがある種の無法地帯。

 それはかつてと同じ様に、何も変わらずあり続けていた。

「外貨獲得の為に、旅行者向けの区画は割と平和なんですけどね」
「そこ以外は酷いもんだったよねぇ。割と死体とか落ちてたし」

 勿論、魔物被害によるものではない。
 そもそもここは、恐らくとは言え国家の目が届いていない場所だ。ここに魔物が現れた所で、それを連盟に報告する機構が無い。
 そんな機構がなくとも勇者パーティはこの街に滞在したわけだが、じゃあ勇者パーティが居る時に、たまたま魔物が襲って来て迎撃できました、なんて都合のいい話はそうそう無い。

 だが、今回はその『割と平和な旅行者向け区画』だけでは終われない。

「……やっぱ俺が出ずっぱりになるよなぁ」

 なにせ、今回の旅の目的はアンドリューを探すことだ。
 今アンドリューがどこで何をしているかは不明なので、本当に何もかも全部総ざらいしていく必要がある。

 そうなると、ある程度治安が保証された大きな街ではともかく、このようなアウトロー御用達の土地ではクイーム以外が動くことに不安要素が大きすぎる。

「すいません、いつもいつも……」
「まあこういうのは適材適所だからな。シャーロットには別の部分で助けられてるし、存分に頼ってくれ」
「そうだよシャーロット。男なんて奴は適当におだてて思うがままに使えばいいのさ」
「お前はもうちょっと気まずげにしろ?」

 なんだってクラウンは時々、シャーロットを悪女の様に育てようとするのだろうか。
 それが趣味だとでも言うのだろうか。

「アンタみたいな悪い男に引っ掛かったから、自衛の為にね」
「俺を何だと思ってるんだ……」
「暗殺者」
「その通りだが?」
「より正確に言うと、必要に応じて房中術も駆使するタイプの暗殺者」
「は? 浮気ですか?」

 クイームは現在、薬を用いて睾丸の機能を停止させ、性欲を消滅させている。
 男は性欲で判断を間違える事が非常に多い為、その対抗策だ。例えば女の諜報員によるハニートラップに引っ掛かって情報を吐いてしまったりするし、適度に発散しなかったために行動が前のめりになってしまう事もある。
 そうした事態を未然に防ぐための措置だ。

 しかし本当に性欲を無くしたいのであれば物理的に切除すれば事足りる。

 むしろいちいち薬を調合して服用する必要がないので、そのようにした方が費用対効果で遥かに勝る。

 ではなぜそのようにしないのかと言うと、単純に使う機会があるからだ。
 男がハニトラに引っ掛かっている時、女もまたハニトラに引っ掛かっている。と言うと流石に語弊があるが、色仕掛けと言うのは『異性』の特権であって、女の特権ではない。

 まあ重要な情報や能力を持っている人間に男が多いので、実質的に女の特権だが。

 しかし例えば下女の類を誑し込んで暗殺に協力させるとか、標的の愛人を口説いて情報を得るとか、まんざら使う機会が0と言う訳でもない。
 クイームが変装について詳しく、化粧もそこそこ出来る腕があるのは、そうした時に人相を変える為でもある。

 ちなみに、そうした時は去勢用の薬を解毒する、対抗薬とでもいうべきものを服用する事で機能を取り戻すことができる。

「いや、仕事だから。そもそも最後に使ったの付き合う前だし」
「あ、自白した」
「自白とかじゃなくて」
「ふ、不潔です……」
「だから、仕事なのよ。あと俺の名誉のために言っとくけど、その辺はめっちゃ気を遣ってたからね?」

 衛生環境が良いとは決して言えない大陸だが、だからこそクイームは清潔を意識していた。
 そもそも暗殺者が性病で死ぬなど笑い話も良い所だ。クイームは死神として、少なくとも恥にはならない死に方をすると心に決めている。
 そもそも、対抗薬自体がそこそこ面倒な調合を求める品なので、あまりこの手の手段を取らない様にしていたと言うのもある。

 そのため、いわゆる『本番行為』は可能な限り控えていたし、どうしてもやらざるを得ない状況なら専用の『装備』をきちんと装着していた。

 だが、その辺を委細詳しく説明する事はただのセクハラでしかないので、『気を遣っていた』という迂遠な表現しかできず、故にイマイチ説得力がないのだった。

◆◇◆◇

 結局、『もう2度とハニトラは使わない』と、むしろこれはクイームがセクハラをされているのではないかと思う様な宣言をして、3人は宿を取った。
 今回も宿帳にクイームの名前は無く、後で勝手に侵入する。

 故に女性陣が部屋を抑えに行っている間は、クイームが旅行者用区画の外で情報収集をする。

 まぁ、言ってしまえばいつもの事だ。

 だが今回のこの町ではいつも通りには進まない。
 ここは難民棄民放浪者……ありとあらゆる『まつろわぬもの』達の巣窟だ。
 こんな場所では情報屋も営業ができない。なにせ無法地帯なものだから、チクリ屋なんて嫌われがちな商売をすれば、即座に殺されかねない。

 そう、ここは無法地帯。住民に嫌われれば司法もクソも無く何をされるか分かったものじゃない。
 だから、住民も他の住民に嫌われないように、大人しく過ごしている。

 一種の抑止力論的な平和がそこにはあった。

 集団の為に嫌われる役回りと言うのは必要なので、どこまでも行っても平和なだけだが。
 それこそ、魔物や人間などの外敵が来た時には何もできない無力な共同体だ。なにせ軍人なんて嫌われる商売をやりたがる奴がいないからだ。平時における軍人はただ飯ぐらいも良い所なのだから。

「さて、どうした物か……」

 効率的な手段が存在しない。
 となると、非効率ながらも確実に足で稼ぐしかないわけだが、この町は入り組んでいる。
 どいつもこいつも何も考えずに家を建てて店を出すものだから、計画性や秩序というものが無い。考えてみれば、仕切り屋もそれなりに嫌われがちなポジションだ。

 おまけに、そうしたエリアを闊歩できるのはクイーム一人だけなので、マンパワーも無いと来ている。
 いよいよ途方に暮れるしかない。

 クイームが、魔法使いでなければ、の話だが。

「来い」

 路地に入ったクイームが影の世界から取り出したのは、12人の人間たち。
 いや、その言い方は正確ではない。

 彼らはクイームが継承した血統魔法によって、新しい存在へと生まれ変わった。

 血統魔法の支配下。魔王の奴隷。あらゆる生命とのキメラ。
 つまりは、『魔物』という存在に。

「散れ。ただし、目立たないようにな」

 クイームがそういうと、12体の人間ベースの魔物たちは、町中へと歩き出していく。

 彼らは、全員が元々クイームと敵対した存在だ。
 一人は死神の名を騙っていた愚か者で、残りの11人は密葬課である。

 外見は人間そのままだが、その内側には様々な動物の能力が埋め込まれており、生前のそれとは比べるべくもない戦力たちだ。
 特に聖剣を担いで殺しに来た女の密葬課職員は素体としてのポテンシャルに素晴らしいものがあり、かなり滅茶苦茶な改造を施されている。

 まあそのような特記戦力たちだが、こうした日雇いバイトみたいな使い方が精々である。

 と言うのも、まずこれが必要になる状況と言うのが珍しい。
 大抵の場合はクイーム1人で何とかなってしまうので、マンパワ-が欲しいシーンがあまり無いのだ。

 次に、あまり大っぴらにこれを使うと『自分が血統魔法を継承しています』と宣言するに等しいので、使える状況というのも珍しい。
 血統魔法を抜きにしても、素体になった人間の顔は変えられていないので、知人に遭遇するとその時点でかなり面倒なことになる。厳密に言えば変えられない事は無いのだが、変えてしまうとどうやっても人間の顔でなくなってしまうので、結局元に戻しているのだ。

 そんなわけで、『使いたい』と『使える』が同時に存在する状況でない限り、これらを使う事は無い。
 そして使いたい場合に施した改造が必要になることは更に珍しいという不遇の存在である。

 練度の確認がてらに改造を施したのは良いのだが、途中からなんだか楽しくなってしまったのが良くなかったのだろうか。
 それとも、『もしかしたら使う時が来るかもしれないし』の精神で色々詰め込んだのが良くなかったのだろうか。

「でも改造人間は男の子の夢だから……」

 そんな言い訳を虚空に呟き、クイームは路地を出た。

◆◇◆◇

 街に放流された魔物の一人、元密葬課の女こと『12号』は、命令に従って街をぶらぶら歩いていた。

 そうしていると見る、様々な光景の多くは、人間時代の12号が見れば不快感を隠せないほどの汚濁に塗れていた。

 例えば、全裸でそこらの道に転がっている男。
 例えば、花と称して売春を持ち掛ける女。
 例えば、禁制品の麻薬をキメている集団。

 だが今の12号は、その全てに何も感じていなかった。
 それこそ、アリの巣を両断した断面図を見て、その中のゴミ置き場や卵の安置所などを見て、『なるほど蟻にも取り決めを作るぐらいの知能はあるのだな』と感心する様な、それぐらいの感慨しか湧かない。

 そうして『かつての自分』との差異を明確に理解しながらも、その事実や『かつての自分』とやらに対しても何の感慨もわかない。
 ただただ、そういうものなのだな、という漠然とした理解があるばかりだ。

 ゆっくり歩いて、街並みを見る。

 髪飾りの様に頭にあしらわれているルビーの様に輝く球体は、すべてが眼球だ。
 このような構造はクモに特有のものだが、そこにハマっている眼球自体は、シャコの視力と可視光領域を持つ。
 両耳は聴覚を持つが、その耳たぶはそれ自体が声帯として超音波を出し、コウモリの聴力が反響を捉える。

 傍から見れば、それは呑気な散歩だろう。

 だがその実態は、現代の精密機器でも到底及ばないほどの、広く深い情報収集だった。
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