飼い犬Subの壊し方

田原摩耶

文字の大きさ
18 / 82

17※

「そーそー、そのまま……っ、と」

 俺の体をそのまま抱き寄せ、真夜は自分の膝の上に人を座らせる。背後から抱き竦められたかと思えばそのまま大きく胸を逸らされ、顔が熱くなった。

「っ、ゃ、めろ、真夜……っ」
「何が? ただ可愛い可愛いSubちゃんを愛でてるってのに?」
「……っ、お、前……っ、ん……っ」

 シャツの隙間から中へと潜り込んでくる真夜の指。そのままインナーの下から主張してくる乳首の周辺を柔らかく指先で擦られる。
 もどかしくて、不快感の方が強い。はずなのに。

「っふ……」
「愛ちゃん、もしかして乳首よわよわ?」
「見るからに弱そうな顔してんもんな、愛佐君」

 好き勝手言いやがって。
 言い返したかったが、少しでも油断すると出したくもない声が出てしまいそうで恐ろしかった。
 真夜に優しく撫でられるだけで皮膚の上はぴりぴりと甘く痺れるように熱くなっていく。これならまだ乱暴にされた方がマシだ。

「っ、ふ……ぅ……っん、ぅ……っ」
「見ろよ、こは。愛ちゃん頑張って声我慢してる。かわいー」
「あーあ、愛佐君可哀想に。こいつ俺よりもずっとしつけえから大変だぞ。俺の膝のが良かったろ?」
「っ、だ、まれ」
「うわ、俺にだけ当たり強~」
「日頃の行いだよなぁ」

 それはいつか交わした会話と変わらない同じトーンだった。俺を覗き込んでくる二人は笑い合い、そしてシャツ越しにでも分かるくらい腫れてきたそこに目を向ける。絡み付いてくる視線、そしてそれぞれの乳首の周囲を柔らかく撫でられ、体が跳ねた。
 乳輪から乳首の際ギリギリのラインを指で円を描くように撫でられ、インナーが擦れる刺激に堪らず目を瞑る。

「……っ、ぅ……」
「愛ちゃん、もじもじしてる」
「愛佐君、触って欲しかったらちゃんと言わねえと」
「っ、さわって、ほしくなんか」
「ないんだ?」
「本当に?」

 左右から囁かれ、思考があべこべになったみたいに掻き乱される。

「……触ってほしくなんか……な、い……っ」
「声震えちゃってんじゃん」
「こんなに勃たせといて何言ってんだかな」
「ちが、これは……っぁ……っ!」

 否定するよりも先に、小晴に胸を揉まれる。拍子にやつの指先がぷにゅ、と乳首を潰した。それもほんの一瞬、ぐり、と潰されたと思いきやそのまま乳輪に埋め込むみたいに柔らかく押し潰され、「やめろっ」と声が震えた。

「は、さ、さわ、るな……っ、やめろ……っ!」
「あーあー、愛ちゃんがあまりにもいい反応するから小晴のスイッチ入っちゃった」
「俺は焦らすの性に合わねえんだよな。……こんなに我慢させちゃ可哀想だろ?」
「お前が我慢できないだけだろ、こは」
「そーとも言う」

「は、ぁ……っ、ぅ、く……っ!」

 ぐにぃ、と乳輪ごと引っ張るみたいに乳首を摘まれ、硬く尖ったそこを指の腹で転がされる。小晴の手を払い除けようとすれば「自分で制服、持ってろ」と耳元で小晴に命じられ、体が固まる。
 もう、菖蒲さん以外に触られたくない。
 そう思うのに手は勝手に動き、自らブレザーの襟を掴んで胸を曝すような体勢のまま固定された。
 揉みくちゃにされ、乱れたワイシャツにはくっきりと乳首が浮かんでいる。右乳首を小晴、左乳首を真夜にそれぞれ触れられ、弄られる。絞り、摘み、潰し、徹底的に虐めてくる小晴とは対象的に真夜の愛撫はどこまでも優しく、それでいて絡みつくように執拗だった。

「っふ、……ぅ……ッ、ん、ぅ……ッ! ぅ、ゃ、……ッ」

 先っぽだけを布が擦れるかどうかくらいの力でカリカリと引っ掻かれ、それぞれの責めに耐えきれずテーブルの上に伏せそうになる。それでもコマンドが効いてる頭では抵抗することができない。二人が弄りやすいよう胸を反らしたまま、ひたすら二人に胸を弄ばれている間にテーブル下、下腹部には熱が集まっていた。
 それが二人にバレることだけはなんとしてでも避けなければ。

「愛ちゃんさあ、さっきからもぞもぞしてお尻押し付けて来てんの、それ誘ってる?」
「……っ! ち、が……」
「本当に? 下も触ってほしくなったんじゃなくて?」
「そんなわけ――」
「「《足を開け》」」

「……っ、……ぅ……ッ!」

 見えない何かに押し潰されるみたいに息が苦しくなる。それに乳首から広がる快感が加わり、全身の神経がイカれてしまうのではないかと恐ろしくすらあった。
 抵抗できぬまま、体は言われるがまま足を開く。そのまま片足を小晴に掴まれ、更に大きく開かされた。
 スラックスの下、膨らんだそこに二人の視線が絡みつくのが分かった。だからこそ余計耐えきれず――俺は目を瞑る。暗くなった視界の奥、二人の笑い声が落ちてきた。

「素直でかわいいな、愛佐君は」
「……っ、だ、まれ……ん、ぅ、や、めろ……っ」

 右側――小晴の手が下半身に伸びる。そのまま膨らみの山なりになった部分を撫でられるだけで下着の中で粘膜が擦れるような感覚が広がった。
 ……本当に、最悪だ。

「っ、なに、考えてるんだ。こ、んなところで……誰かに見つかったら……っ」
「今更俺らが人目を気にするって?」
「……っ、クソ……っん、ゃ、やめろ……」
「《余計なこと考えるな》。……愛ちゃん、今愛ちゃんに必要なのはその硬く凝り固まった脳味噌をやわらか~くとろとろにすることだな」

「そっちの方がもっと楽に生きられるぞ」乳首と性器、両方を同時に扱かれ、逃れることも出来ない。左右から囁きかけられる甘い言葉にどん底まで落とされていく。そこに俺の意思なんてない、あるのはただ命令だけで。

「……っ、ふ、ぅ……っ、んん、ぃ、嫌だ……っ、う……っ」
「せっかく可愛い声してるんだし、《もっと聞かせろよ》」

 囁かれる真夜の一言――そのコマンドひとつで、声をあげぬようにと必死に噛み締めていた唇が開く。そしてそのまま乳首を優しく揉まれた瞬間、喉奥から「ぁっ」と自分のものとは思えない声が溢れた。それを自覚した瞬間、血の気が引いた。
 そんな俺を見て、双子は目を合わせて笑い合う。

「まっ、――ぅ、……あっ、あ、ん……ッ!」

「っは、こりゃいいな。……チンポにきた。今度から俺らといるとき愛佐君、ずっとそれな」
「かわい……っ、本当堪んないなあ。こんなの、一人のDomで満足してんの勿体ないって。まじで。なあ、愛ちゃん。ほら、たくさん可愛がってやるから逃げんなよ」

「ゃ、めろ、ん、……っ、ぁ、いや、……ぁ、く、ふざけ……っ、ぅ、あ……っ!」

 違う。違うのに。こんな声出したくもないのに。
 罵声を浴びせようと思うのに、スラックスの前を寛げさせられ、そのまま下着の中へと潜り込んできた小晴の指に性器を扱かれれば声を抑えることが出来なかった。
 乳首をコリコリと転がされるだけで喉からはゾッとするような鼻にかかった甘い声が漏れ、血の気が引く。
 なんの拷問だ、これは。

 音の出る玩具を見つけたみたいに二人は俺の全身を弄って遊ぶ。小晴の手の中、すでに先走りで濡れていたそこをちゅこちゅこと緩く扱かれるだけで全身の血液は下腹部へと溜まり、腰が蕩けそうになった。

「っ、ぁ、あ……っ、や、めろ……っ、ん……っ! ぁ、い、いく……っ」
「昨日星名とセックスしたときもこれにしときゃ良かったな。お前、あまりもマグロ過ぎて可哀想だったもん」
「星名君って、ああ、例の転校生? そりゃ可哀想だ。トラウマになってるかもな。今からここに呼んでもっかいリベンジさせる?」
「っ、や、やあ……っ! ぁ、いや、ら」
「ん~? 愛ちゃんどうしたの? そんなびくびく震えて。俺とキスしたくなった?」
「ち、ぁ、」
「はい、違わな~い。ほら、こっち向け」
「ん、んん……っ!」

 顎を掴まれ、真夜に唇を舐められる。こじ開けるように口の中へと伸びてくる舌を拒むことは許されなかった。

「ぁ、う、んむ……っ、ぅ……っ」
「おー、どんどんカウパー溢れてくるな。真夜はキス上手いらしいからな、よかったじゃん。たくさん気持ちよくしてもらえ~?」
「っ、は、ぅ、んん~~……っ!」

 太く肉厚な舌先はあっという間に俺の舌を捕らえ、ずっぽりと包み込むように絡みついてくる真夜の舌に文字通り侵される。ぢゅぷ、ぬぷ、と聞き苦しい水音を立て唾液を塗り込むようにねっとりと絡みついてくる舌に頭の奥がどろりと溶け出していくようだった。痙攣する体を抱き締められたまま、足を閉じることも出来ないままひたすら性器を弄られながら唇を貪られる。
 一般生徒は入れない生徒会の専用フロアと言えど、他の生徒会役員が来てもおかしくない。緊張と羞恥、そして逃れられない快感に追い詰められ、溺れていく。

「っん、う……っは、ぁ、……っ、ま、よ……っ」
「……っ、はー……いい、それ。俺のことにまよって呼んで。もっと。愛ちゃん」
「っ、ぁ、は、嫌だ……っ」
「まだ嫌だとか言うんだ。駄目だろ? ……今度嫌がったらお仕置きしなきゃな」
「お仕置き? じゃあ俺がしようか」
「あーあ、愛ちゃんが我儘言うからこはが乗り気になっちゃったじゃん。どうしよっか?」

 ぢゅぶぢゅぶと音を立て、たっぷりとカウパーで濡れた性器が痙攣する。いく、いく、と無意識に声を漏らす俺に小晴は「《まだ》だ」と耳元で囁く。そのたった一言に、見えない紐で性器の根本を締め上げられたみたいに性器に熱が溜まった。
 また、あの嫌な感覚だ。

「ゃ、い、やら、やめろ、こはる、これ、いや」
「お仕置き、これにするか。なあ、愛佐君」

 強制的に遮断された射精の道、それでも性器を愛撫する小晴の手は止まることはなかった。
 赤く充血した性器の竿の部分を刺激しながら、もう片方の手はそのまま性器の奥――昨日の腫れが未だ残った肛門の淵を撫でる。

「っ、は、ぁ……ッ、や」
「や、じゃねえって言ったよな」
「っ、う、ぁ……っ!」

 溶けた呂律。コマンドに支配され続け、ぐずぐずになった脳味噌から溢れる舌足らずな声に背後の真夜の性器がさらに大きくなる。

「駄目だろ、愛ちゃん。……こうなったときの小晴、しつこいからちゃんと媚びないと」
「っ、ぁ、あ、や……っ、ぉ、尻、や……」
「嫌だ? 嫌っつった? あーあ、またお仕置きだなぁ」
「ま――」

 待て、と止めるよりも先に、「まよ」と小晴は真夜に目配せする。その言葉一つで理解したらしい。「はいはい」と真夜は俺の膝を抱き抱え、そのまま尻が大きく晒されるような体勢のまま固定された。そして視界に映り込むのは振り上げられる小晴の掌。

「っ、ぅ、あ……っ!!」

 バチン!と破裂したような音ともに下半身に走る刺激に目の前が白く染まる。
 一瞬自分の身に何が起きたのかもわからなかった。大きく跳ね上がる下半身、とろりと溢れる先走り。痺れ、熱を持ち出す下半身に俺はただ困惑と恐怖で小晴を見上げることしかできない。

「っ、ぁ……い、た……っ」
「痛いよなあ? 玉叩かれたときのがもっと痛えよ、試してみる?」
「……っ」

 想像しただけで睾丸がきゅっと縮むようだった。嫌だ、と言いかけて、喉が閉まる。
 震えが止まらない体を優しく撫でながら、真夜は俺に囁きかけるのだ。

「愛ちゃん、何が『良い』のか言うんだよ、こういうときは」
「……っ、ぁ……」
「小晴に何してほしい?」

 もう、何がなんだか分からない。自分がSubとして何を求められてるのかも、理解したくない。逃げ出したい。のに。

「コマンドなしでも答えられるようにならないとな、愛佐君」

 大きな掌で叩かれた尻を今度は優しく撫でられる。それだけで痛みが蘇り、全身の筋肉が硬直した。熱を持った臀部を小晴の指が滑る。そのまま肛門のふちを撫でられ、きゅっと下半身に力が籠もった。
 ついこの間までは菖蒲さんにしかまともに見せなかったそこを、よりによってこの男たちに見られて、触れられている。
 また星名みたいに犯すつもりなのか、それすらも分からない。こいつらはひたすら俺の体を弄ぶばかりで、小晴に至っては性器すら取り出してない。それでも二人とも、勃起してるのが分かった。

 下手に怒らせてはいけない。――真夜の言い分としては間違っていないのは分かってる。けど、コマンドなしということは、それはつまりこいつらに屈することだ。
 その先に待ってるのはろくなことはない。それでも、既にもう自分のいる場所が手遅れなのかもしれないとしても――。

「い、ますぐ、やめろ……ッ!」

 痺れる舌先で、回らない呂律で、震える喉で。拒絶を示す。
 ドク、ドク、と心臓から押し出される血液が嵩を増し、頭に血が上っていく。俺が声を上げたとき、小晴は確かに笑った。

 そして。

「ぁ、う゛……ッ!!」

 弾けるような痛みが臀部――ではなく睾丸に走る。脳まで貫かれるような激痛に目を剥いた。「お馬鹿」と呆れたような真夜の声が聞こえてきたが、それもすぐ次の瞬間乾いた音ともに遠くなる。

「っ、ぁ、あぐ……ッ!」
「いいな。いいよ、そういうの。……じゃあお前に免じてここはコマンドはなしでいこうか、愛佐君」
「は、待……ッ」

 待て、と言いかけた瞬間、小晴の口角が持ち上がるのを見て青褪めた。

「おい、待てもやめても『なし』だっつったよなぁ?」
「ぅ゛ひ……ッ!!」

 そして振り上げられる掌。間髪入れずにバチン!と二発、三発続いて下半身を叩かれ、奥歯を噛みしめる。
 じんじんと赤く熱を持ち出す下半身にただ俺は喘ぐことしかできなかった。手加減はそれなりにされてるのだとしても、今最も神経の集まったそこを叩かれるのは拷問に等しい。
 痛みのあまり感覚が麻痺し始めすらしていた下半身を今度は優しく小晴に撫でられ、それだけで大きく下半身は跳ね上がる。

「……で、なんて?」
「ぁ、うぐ……」
「泣いてちゃ分かんねえだろ、愛佐君」
「……っ、ゃ、も……帰して……ッ」
「やり直し」
「っ、ひ、ぅ゛……ッ!!」

 今度は少し位置をずらし、お尻と睾丸、どちらにも当たるように掌で叩かれる。その衝撃に透明な液体がぴゅる、と性器から溢れ、小晴は「お漏らし?」と鼻で笑った。

「いい体だな、愛佐君。叩かれて気持ちよくなるなんて、しかもコマンドなしときた。……生粋のSubだな、お前は」
「っ、は、ぅ、く……ッ」
「ああでも? お前はDomが気に入らないんだっけ? ……もったいねーわ、本当」

 びく、びく、と跳ねる下腹部を撫でられ、反射で「待て」と声を上げれば、「はいもう一丁~」と小晴は俺の臀部を張る。最早声を上げることもできなかった。
 叩かれれば叩かれるほど痛みは重なっていき、より痛覚は過敏になる。――要するに、地獄だった。

「っ、ぁ……は……」
「真っ赤に腫れてなあ、猿みたいだ。可愛いなぁ、愛佐君」
「く、ぅ」
「これ、授業のとき椅子座るの大変だろうな。こは、責任とって膝に座らせてやったら?」
「お仕置きだからいいんだよ。……けど、それも悪くねえな。生徒会んときは俺の膝に座るか? 愛佐君」

 二人の軽口に答える余裕もなかった。下半身の熱と痛みを緩和することで精一杯な俺を見下ろして二人は笑い合う。俺には何が面白いのかも理解できなかった。

 イかせてもらえない。射精も許されない。
 拒否や静止を口にすれば下半身を何度も叩かれる。
 ――これが地獄と言わずに何と言うのか。

 それからも二人が飽きるまで雑談に付き合わされ、そして玩具のように体を弄られ続けるという地獄のような時間は続いた。

「ぅ゛……ふ……」

『叩きやすいように』と机の上にうつ伏せにされたまま俺はもう動くことも言葉を口にすることもできなかった。丸出しになった下半身、溶け切ったパフェを食べながら俺と小晴のやり取りを見ていた真夜は最後に残っていた苺をフォークで貫き、一口で口の中に放り込んだ。

「こは、そろそろ愛ちゃんぶっ壊れちゃうよ」
「そんなことねえよな? 愛佐君、強い子だもんな」
「……っ、……」
「ほら、大丈夫だ。……それにしても、コマンドなしはまだ時間かかりそうだな」
「いいじゃん、楽しみはとっといた方が。愛ちゃん、今までの子に比べて強そうだし」
「まあな」

 二人の会話も頭に入ってこない。射精も許されないまま机にしがみついたまま動けなくなっていた俺。そこに小晴の手が伸びてくる。雑に下着ごとスラックスを引っ張り上げられ、勃起した性器が引っかかるのを下着の中へと仕舞われた。

「ああ、そうだった。……《イッていいぞ》、愛佐君」

 耳元で囁かれるその言葉に、今まで行場を無くして全身に溜まっていた熱という熱が一気に性器に集中する。あの、嫌な感覚だ。

「――っ、ぁ……? ッ、ぅ゛、あっ!」

 ――きた。
 眼球の奥から広がる強い快感は性器を目掛けて駆け抜けて行く。
 全身、自我までも持っていかれそうな程の強烈な射精感。それは限界までパンパンにゴミを溜め込んだ掃除機が破壊される瞬間にも似ていた。

「ぁ、あ゛、ぅ、くぅう………ッ!!」

 開いた尿道口から壊れた蛇口のように勢いよく噴出する精液。それは下着の中でぶち撒けられ、性器に絡みつく。

「うーわ、えっぐい。何度見てもこれ、可哀想だなあ。誰が後からケアすると思ってんの?」
「お前の仕事だろ、まよ。後はよろしく~」
「そんなんだからお前さあ……」

「――っ、……ぉ゛……ッ」

 大量の射精が終わった後もまだ痙攣は収まらなかった。どぷ、びゅく、と断続的に下着の中で残った精子までも搾り出そうとする性器、その射精男に混ざって双子の笑い声が聞こえる。
 そして小晴の声が遠くなったと思えば、痙攣の収まらない体を抱き起こされた。耐え切れずに精液の染みを滲ませるスラックスにも構わず、黒髪の男――真夜は俺の体を優しく包み込んだ。

「……っ、ぁ、う……く……」
「……よしよし、よく頑張ったな」

 そう俺の頭を抱き締め、囁くように繰り返す真夜。疲弊しきった脳と肉体に、あの悪魔のような男と同じ声が優しく浸透していくのだ。どれが現実でどれが夢かも分からない。
 ただ、真夜の手は今までにないくらい優しくて、俺は無意識の内にその胸にしがみついていた。


感想 25

あなたにおすすめの小説

響花学園

うなさん
BL
私の性癖しか満たさない。

邪神の祭壇へ無垢な筋肉を生贄として捧ぐ

BL
世間に秘された名門男子校・平坂学園体育科 空手の名選手であった高尾雄一は、新任教師として赴任する 高潔な人格と鋼のように鍛えられた肉体 それは、学園にとって最高の生贄の候補に他ならなかった 至高の筋肉を持つ、精神を削られ意志をなくした青年を太古の神に捧げるため、“水”、“風”、“土”の信奉者達が暗躍する 意志をなくし筋肉の操り人形と化した“デク” 消える教師 山奥の男子校で繰り広げられるダークファンタジー

【BL】捨てられたSubが甘やかされる話

橘スミレ
BL
 渚は最低最悪なパートナーに追い出され行く宛もなく彷徨っていた。  もうダメだと倒れ込んだ時、オーナーと呼ばれる男に拾われた。  オーナーさんは理玖さんという名前で、優しくて暖かいDomだ。  ただ執着心がすごく強い。渚の全てを知って管理したがる。  特に食へのこだわりが強く、渚が食べるもの全てを知ろうとする。  でもその執着が捨てられた渚にとっては心地よく、気味が悪いほどの執着が欲しくなってしまう。  理玖さんの執着は日に日に重みを増していくが、渚はどこまでも幸福として受け入れてゆく。  そんな風な激重DomによってドロドロにされちゃうSubのお話です!  アルファポリス限定で連載中

悪役令息シャルル様はドSな家から脱出したい

椿
BL
ドSな両親から生まれ、使用人がほぼ全員ドMなせいで、本人に特殊な嗜好はないにも関わらずSの振る舞いが発作のように出てしまう(不本意)シャルル。 その悪癖を正しく自覚し、学園でも息を潜めるように過ごしていた彼だが、ひょんなことからみんなのアイドルことミシェル(ドM)に懐かれてしまい、ついつい出てしまう暴言に周囲からの勘違いは加速。婚約者である王子の二コラにも「甘えるな」と冷たく突き放され、「このままなら婚約を破棄する」と言われてしまって……。 婚約破棄は…それだけは困る!!王子との、ニコラとの結婚だけが、俺があのドSな実家から安全に抜け出すことができる唯一の希望なのに!! 婚約破棄、もとい安全な家出計画の破綻を回避するために、SとかMとかに囲まれてる悪役令息(勘違い)受けが頑張る話。 攻めズ ノーマルなクール王子 ドMぶりっ子 ドS従者 × Sムーブに悩むツッコミぼっち受け 作者はSMについて無知です。温かい目で見てください。

吊るされた少年は惨めな絶頂を繰り返す

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

俺以外美形なバンドメンバー、なぜか全員俺のことが好き

toki
BL
美形揃いのバンドメンバーの中で唯一平凡な主人公・神崎。しかし突然メンバー全員から告白されてしまった! ※美形×平凡、総受けものです。激重美形バンドマン3人に平凡くんが愛されまくるお話。 pixiv/ムーンライトノベルズでも同タイトルで投稿しています。 もしよろしければ感想などいただけましたら大変励みになります✿ 感想(匿名)➡ https://odaibako.net/u/toki_doki_ Twitter➡ https://twitter.com/toki_doki109 素敵な表紙お借りしました! https://www.pixiv.net/artworks/100148872

番を拒み続けるΩと、執着を隠しきれないαが同じ学園で再会したら逃げ場がなくなった話 ――優等生αの過保護な束縛は恋か支配か

雪兎
BL
第二性が存在する世界。 Ωであることを隠し、平穏な学園生活を送ろうと決めていた転校生・湊。 しかし入学初日、彼の前に現れたのは―― 幼い頃に「番になろう」と言ってきた幼馴染のα・蓮だった。 成績優秀、容姿端麗、生徒から絶大な信頼を集める完璧なα。 だが湊だけが知っている。 彼が異常なほど執着深いことを。 「大丈夫、全部管理してあげる」 「君が困らないようにしてるだけだよ」 座席、時間割、交友関係、体調管理。 いつの間にか整えられていく環境。 逃げ場のない距離。 番を拒みたいΩと、手放す気のないα。 これは保護か、それとも束縛か。 閉じた学園の中で、二人の関係は静かに歪み始める――。

R指定

ヤミイ
BL
ハードです。