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CASE.10『ヘッドハントヒーロー』
48※
エロい夢ならそれでいい、それならばいっそのこと。
焦らされるような感覚の中、不意につぷりと指先がほんの数ミリ埋まっただけで下腹部がぎゅっと反応するのが分かった。
瞬間、僅かに足元にいるその影が揺れる。――笑った、のだろうか。それも一瞬。
「っ、ん、……っ、ぅ……!」
中に指先が埋まってくる。先ほどよりも大胆な動きで第一関節から第二関節まであっという間に沈んでくる指先に肉壁を撫でられ、条件反射で爪先が丸まった。
「ん、ん……ん……っ、ぅ……っ」
ねちっこく中を刺激され、。
逃げられない。というか、気持ちいい。
空いた手が内腿を撫でる。柔らかい何かと髪の毛が腿に辺りくすぐったくて、身じろぎそうになる下半身を押さえ込まれたまま硬く長い指先は俺の弱いところを重点的に責め立てた。
優しく、それでも的確に反応を探るような愛撫は俺の弱いところを見つけるとそこを執拗に刺激する。更に追加される指によってぬちぬちと前立腺を刺激される。一定間隔で与えられる振動と圧迫に耐えきれず、無意識の内にかくかくと腰が震えた。
――やばい、勃ってしまう。
「……ふ……っ」
優しくて、それでも容赦のない責めに耐えきれなかった。大きくのけ反る体。寝たふりをしてやり過ごそうと思うのに、滲む汗も漏れる吐息も誤魔化せない。
軋むベッドの上。頭の中は寝たふりをしなければという意識とたくさんの気持ちいいで溢れ返ってぶつかり合う。
「ん、ふ……っ、ぅ……ッ!」
イカされる。それだけはわかった。
自分の意思では動かせないのに、体は愛撫に耐えきれずに反応する。
ふわふわした頭の中、垂れる性器から滴り落ちるカウパーをイタズラに舐め取られる。舌先で突かれるように根本から亀頭まで濡れた肉の感触がべろりと裏筋を伝っていく。それに耐えきれず、腰が浮いた。
目の前のその人にしがみつきたいのに、自分の意思で体を動かせない。
快感が強くなるに連れ、次第に肉体との乖離感は強まっていく。それなのに快感だけは強烈に脳にこびりついていた。
性器に絡みついてくる肉厚な舌先は溢れるカウパーを丁寧に舐め取っていく。吐息が吹きかかり、時折下半身に音を立ててキスをされながらも中を指先でぐちゃぐちゃに掻き回され続けることしかできない。
なんで自分がこんなことされているのかという意識もどこかへ行ってしまう。
今はただ喉奥から勝手に溢れる声を止めることもできなかった。
そして、
「……っ、ぅ……っ!」
亀頭の先端まで溜まった熱は、先っぽにキスをするように吸い上げられたと同時に呆気なく爆ぜた。
強烈な快感の中、かくかくと余韻で痙攣するそこから指を引き抜かれる。そして、柔らかくなったそこを指で大きく広げられるのを感じた。
そして、影が大きく動いた。
真っ暗なシルエットは次第に部屋の暗闇に溶け込んでいく。
待って、今気絶するのは多分まずいのに。
どこからともなく聞こえてくるベッドの軋みとファスナーを降ろすような音。
さ、最後までするんですか……?
そんな期待と不安混ざった中、遠のいていく自分を必死に引き留めようとするが――今の俺には持ち堪えることはできなかった。
馬乗りになり覆い被さってくる影はとうとう見えなくなる。けれど目の前が真っ暗になるその寸前、確かに嗅いだことのある香りがした。
優しくて、嗅いでいると落ち着くあの香りは――。
遠くで誰かに体を弄られる感触を感じながらも、俺の意識はそれ以上保つことはできなかった。
――そして、どれほど経過しただろうか。
咄嗟に目を見開き、飛び起きる。
「…………」
俺はベッドの上にいた。
何事もなかったように気絶する前と同じようにビクテムの制服に身を包んだまま。
そしていつの間にかに拘束も体の麻痺も取れていた。
夢、なのか?
バクバクと高鳴る胸を押さえたまま辺りを見渡したとき。
部屋の扉が開いた。
「あれ、良平起きた?」
「……っ! ま、真赤さん……?!」
「じゃーん、俺も居るよーん」
「ち、千金君も……っ! ど、どうしてお二人がここに……あ、あの、万年青さんは……?!」
「色々あって出掛けてるよ。んで、今は俺が様子見にきたんだけどさーこいつが善家善家うるせーから」
そう千金君はうんざりした顔で真赤さんを指指す。
真赤さんは「当たり前だろ」と言ったようにふんと鼻を鳴らした。
「良平が寝込み襲われねーようにみはんねえとな」
「え……?!」
「いやいや、違うからな善家。つか寧ろそれしそうなのお前だろうが」
「え?!」
「は? 俺はそんな真似しねえよ、そんなことしなくても良平は俺のこと好きだろ?」
「え、い、いえ、その……っ!」
「朝からその絡み方キツいからやめろ。胸焼けするっての」
まさか本当に、と思わず千金君を見るが千金君は「いやこいつの冗談だからな」と慌てて首を横に振る。
なんだ……冗談か。やっぱり夢だよな。
そう思うが、まだ中に何かが入ってるような感覚があった。指よりももっと太い――。
そこまで思いながら起きあがろうとして、腹の奥からどろりと何かが下がってくるのを感じた。
「……っ、ぁ、あの……」
「どうした?」
「良平、やっぱ俺の添い寝が必要か?」
「あ……ええと、お、お手洗いに行かせていただきます……!」
この感覚には覚えがあった。気が気でなくなり、俺は二人から逃げ出すように自室を飛び出してトイレへと向かった。
そして用を個室に飛び込み、慌てて下着ごと下を脱ぐ。
「……っ、こ、これ……」
夢、ではない。
中に残っていた僅かな残滓は気のせいではない。既に冷たくなっていたものの、それは明らかに中出しされた形跡だった。
「…………」
顔に熱が集まる。
だったら一体、と思い返そうとして浮かんだのは真赤の顔だった。
と、次の瞬間。
『おい、どうした? 腹壊したのか?』
個室の外から真赤の声が聞こえてくる。
まさかここまで追いかけてくるとは思ってなくて、思わず口から心臓が飛び出そうになりながらも俺は慌てて「いえ、大丈夫です!」と慌てて返事をした。
そしてすぐ後を追いかけてきたらしい千金君の「お前デリカシー」と呆れたような声を聞きつつ、俺は取り敢えずトイレを出た。
「す、すみません……いきなり部屋を出てしまって」
「それはいいんだけど、どうした? なんかあったのか?」
心配そうに覗き込んでくる千金君に一瞬ぎくりとした。
そしてつい、その手に目を向ける。指の形、千金君は長いけど細い。あの時は確か、万年青さんよりもゴツゴツしてた気がする。
そのまま釣られて真赤さんの指を盗み見て息を呑んだ。大きな掌、それから第一関節までの長さと太さ。
もしかして、と息を呑む。
「え、い、いえ……」
違う。やめよう、犯人探しなんて。
乾く喉に唾を流し込み、俺は下腹部の疼きを誤魔化すように笑いながらトイレを後にした。
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