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神魔戦役篇 エピローグ
178話 記憶に浮かぶ 君の輪郭
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絡み合う視線に滲む感情は一致しない。湿った熱情を向けるルミナとは対照的な伊佐凪竜一。
「ごめん。まだ思い出せなくて」
堪らず、謝罪した。望んだ訳ではないが、記憶の大半を喪失したままという事実が心に暗い影を落とす。記憶の回復を願うルミナが傍にいるのだから尚の事。戻したいが戻らない、焦る気持ちが謝罪として表出した。
「気にしなくて良い。それにそれこそ君の言葉通りだ。記憶が戻ろうが戻るまいが君は君だ。どこまで思い出せた?」
「まだ断片だけど、清雅……修一のことは」
「そう……か。聞かせてくれるか?」
記憶に横たわる濃い霧の中から引き摺り出した断片は己ではなく、よりにもよって最大の敵。酷く落胆するルミナ。だが顔に出さず、優しく話の続きを求めた。
「アイツさ……ツクヨミを神とか清雅って言う鎖とか、地球っていう檻から解放してやりたかったんだろうなって」
「うん。もう答えは出せないけど、一番深い部分は君の言う通りだと思う」
伊佐凪竜一が評した清雅修一の内面をルミナは否定しなかった。最後の戦いで交わらぬ本心をぶつけた彼女も痛感している。独善的な思考の根底にあったのはツクヨミへの思慕、彼女を想うが故の捨て身の献身だと。
「そう考えたら、正しかったのかなって。今まで考えなかったけど」
「殺さなければ殺されていた。誰だって死にたくない、だから殺そうとする相手が来たら対抗する。生きる者全ての務めで、本能で、善悪もない。抗わなければとっくに死んでいた。君も、私も。から正しいと思おう?折り合いは一緒に、ね」
記憶喪失故か、生来の思考とは違う弱気に支配される伊佐凪竜一。そんな彼を当然の様に気遣うルミナ。健気な彼女の耳に「ごめん」と、いたたまれない謝罪が掠めた。
「少し、ほんの少しだけ覚えてる。後悔しない様に生きようって気持ちを。でも、決めた事を貫くのは難しいな」
伊佐凪竜一が重ねた。再び開いた口は、喪失した過去に決断した決意を語った。しかし、経験を伴わない決意に彼を支える力はない。
「特に君はそんな生き方をしてきたわけじゃないから無理はない。必要ならばカウンセリングを受けられるし……何より私もいる」
暗に私が支える、とルミナが手を差し伸べたが項垂れる伊佐凪竜一には届かず。彼は足元に広がる白い床を呆然と眺める。
「どうすればいいんだろう……分かろうと思って、でも向こうが分かってくれないのは」
「現時点でも答えが出ない問題に私達が直ぐに出せるとは思わない。けど、まぁゆっくり考えればいいさ。私が傍にいる」
湧き上がる自責の念に苦悩する伊佐凪竜一の姿にルミナが再度、手を差し伸べた。傍にいるから、と。漸く声に気付いた伊佐凪竜一が顔を起こした。顔色に、僅か安堵が滲む。
が、未だ記憶の喪失に伴う不安は根強い。傍にいる。ルミナが最も伝えたい本心は三度聞こえることなく、彼女の胸の内に止められた。今の彼が聞いたところで只の慰めにしか聞こえないと考えたのか、あるいは何れ相応しい時と場所で再び、と考えた為か。真意は今のところ彼女にしか分からない。
「今は無理に考えない方がいい」
「大丈夫、別に落ち込んでは」
「駄目だ。これ以上は無意味って……あっ!?」
「え、ン?おわわっ!?」
尚も自責の念に駆られ、心を病む懸念から伊佐凪竜一の傍に近寄るルミナ――の足がもつれた。2人共に、先の戦いで肉体の大半を喪失する程の力を行使した。多くの善意により復活を果たしたが、酷使した肉体が直ぐに元通りになる訳ではない。歩く程度ならば問題はないが、少々激しく動こうとすると途端にぎこちなさを露呈してしまう。
ルミナも分かっていて、だが考えるよりも前に動いてしまった。直後、思考が僅か停止する。彼女は常に思考を優先する。幼少時からの教育に師の教えが育んだ癖は彼女の自己、個性として既に確立されていた。
私はこんな性格だったか?確立された自己を否定する自身の行動にルミナは驚いた。ただ、不快感はない。素直に、無自覚な己の一面を受け入れた。しかし――
「ン?……前と、何かが違う」
思考を優先する余り、眼下の光景に全く意識を向けなかった。傍と気付いたルミナの眼下に、困惑する伊佐凪竜一の顔が映る。漸く彼女は現状を正しく把握した。あ、と小さなため息が零れた。
伊佐凪竜一を押し倒していた。彼も彼で、押し倒されながらも何とかルミナを支えようと無我夢中で手を差し出し、結果――
「アレ?柔らか……い?」
「君と同じだから当然だろう?今の私の身体、どうやら何時の間にか入手した医療施設内に保管された遺伝情報を元に再現して……どうした?」
彼の手は何やらとても感触が良い、自分の掌に収まらない程度の大さをした何かを鷲掴みにした。直後、過去の記憶がフラッシュバックした。困惑する伊佐凪竜一の脳裏に、自分を匿ってくれた祖母を助けられなかった苦い思い出と共に、ルミナに寄り掛かった記憶が当時の感触を伴い、よみがえった。
「いや、そういえば前に。確か……」
「何か思い出したのか?」
「前?前ってナンダ?いや、前にも確か……でもその時とは違う、違う?」
伊佐凪竜一は苦悶する。何かを思い出せそうだが、未だ濃い霧に包まれ、輪郭さえ掴めない。そんな彼をルミナは黙って見守る。伊佐凪竜一の手は丁度ルミナの胸、更に丁度揉むような形で触れているというのに、彼女は全く気に掛けない。
これを誰かに見られたなら最後、その噂は光の速さで連合中を駆け巡ること必至。だが、今は伊佐凪竜一の記憶が戻るかどうかの瀬戸際。彼に忘れられたままのルミナにしてみれば、何よりも重要な問題。
誰がどう見ても勘違いしか生まない体勢であってもルミナは全く動じない。生身で過ごした時間が短いという特殊な環境故の鈍さか、恥じらいと言う感情が伊佐凪竜一と言う人物相手には発露しないのか、はたまた彼ならば胸を揉まれても良いと考えているのか。
何れにせよ馬乗り体勢から見下ろすルミナは伊佐凪竜一の行動に微塵の羞恥さえ見せず、寧ろ早く記憶を取り戻せとばかりに熱の籠った視線を送る。
「思い出したのか?どうなんだ?」
「いやぁ。その、何か固い物にぶつかったような……感触があった、ような?って位で、でもそんな……筈は?」
「間違っていない。私は少し前まで身体の大半が機械だった」
早急に記憶を戻してもらいたいルミナは、相変わらず誤解されやすい体勢のままで問答を続ける。
「今は違うのか?」
「機械と言えばそうだな、としか。ナノマシンと融合したハバキリとかいう妙な粒子が原因なのか見た目も触感も、何なら生理機能も含めた全てが生身とほぼ変わらない。まぁ、君と同じだ」
「そうなのか。変わらない、のか。あぁと、でも体系とか見た目ってどうだっけ?」
「同じだ。出会った時と変わらない」
矢継ぎ早の質問にルミナの回答が雑になり始める。旗艦法により、肉体を機械に置き換える場合は遺伝情報を元に限りなく個人に近い外観の体躯に換装するよう決められている。最たる理由は成りすまし対策だが、遺伝情報と余りにも食い違う体躯への違和感も理由とされる。当然、彼女にも適用されており、今現在の見た目と逃避行時の見た目は変わらない。が、そんなこんなはどうでも良いとルミナはジッと眼下を見つめる。
「で、他には何か?」
急かすルミナ。彼が思い出した記憶は、長く短い逃避行のごく一部。まだまだ思い出して欲しい記憶は山の様にある。
「え?いやぁ、ゴメン」
何度目かの謝罪にルミナはそうか、と小さな溜息を吐き出した。熱の籠った吐息が伊佐凪竜一の顔を撫でる。
「そうか、まぁ仕方ない……って、なんで揉む?」
彼女は眼下でジタバタする伊佐凪竜一の行動に違和感を覚え、強い口調で問い質した。気が付けば、胸に触れる彼の手が僅かに動いている。
「え?あ、いや、そういうつもりじゃ」
「ではどういうつもりだ?ソレで何か思い出せるのか?記憶と関係ある?ない?どっち?」
「いや、あのとりあえず先ずは退いてもらってからにしませんかね?」
触れようが揉まれようがお構いなしに捲し立てるルミナに、伊佐凪竜一は押される一方。寧ろ、記憶を取り戻せるならば触れと言わんばかりに豪快な彼女に少々引いている。
しかし、面会当初の他所他所しさや共通の違和感への不安は欠片も見られない。片や記憶を戻そうと、片や僅かに戻った記憶に意識が向かっており、故に未だ聞こえる歌と奇妙な視線の存在を完全に意識の外に放り出していた。そう、完全に――
「ごめん。まだ思い出せなくて」
堪らず、謝罪した。望んだ訳ではないが、記憶の大半を喪失したままという事実が心に暗い影を落とす。記憶の回復を願うルミナが傍にいるのだから尚の事。戻したいが戻らない、焦る気持ちが謝罪として表出した。
「気にしなくて良い。それにそれこそ君の言葉通りだ。記憶が戻ろうが戻るまいが君は君だ。どこまで思い出せた?」
「まだ断片だけど、清雅……修一のことは」
「そう……か。聞かせてくれるか?」
記憶に横たわる濃い霧の中から引き摺り出した断片は己ではなく、よりにもよって最大の敵。酷く落胆するルミナ。だが顔に出さず、優しく話の続きを求めた。
「アイツさ……ツクヨミを神とか清雅って言う鎖とか、地球っていう檻から解放してやりたかったんだろうなって」
「うん。もう答えは出せないけど、一番深い部分は君の言う通りだと思う」
伊佐凪竜一が評した清雅修一の内面をルミナは否定しなかった。最後の戦いで交わらぬ本心をぶつけた彼女も痛感している。独善的な思考の根底にあったのはツクヨミへの思慕、彼女を想うが故の捨て身の献身だと。
「そう考えたら、正しかったのかなって。今まで考えなかったけど」
「殺さなければ殺されていた。誰だって死にたくない、だから殺そうとする相手が来たら対抗する。生きる者全ての務めで、本能で、善悪もない。抗わなければとっくに死んでいた。君も、私も。から正しいと思おう?折り合いは一緒に、ね」
記憶喪失故か、生来の思考とは違う弱気に支配される伊佐凪竜一。そんな彼を当然の様に気遣うルミナ。健気な彼女の耳に「ごめん」と、いたたまれない謝罪が掠めた。
「少し、ほんの少しだけ覚えてる。後悔しない様に生きようって気持ちを。でも、決めた事を貫くのは難しいな」
伊佐凪竜一が重ねた。再び開いた口は、喪失した過去に決断した決意を語った。しかし、経験を伴わない決意に彼を支える力はない。
「特に君はそんな生き方をしてきたわけじゃないから無理はない。必要ならばカウンセリングを受けられるし……何より私もいる」
暗に私が支える、とルミナが手を差し伸べたが項垂れる伊佐凪竜一には届かず。彼は足元に広がる白い床を呆然と眺める。
「どうすればいいんだろう……分かろうと思って、でも向こうが分かってくれないのは」
「現時点でも答えが出ない問題に私達が直ぐに出せるとは思わない。けど、まぁゆっくり考えればいいさ。私が傍にいる」
湧き上がる自責の念に苦悩する伊佐凪竜一の姿にルミナが再度、手を差し伸べた。傍にいるから、と。漸く声に気付いた伊佐凪竜一が顔を起こした。顔色に、僅か安堵が滲む。
が、未だ記憶の喪失に伴う不安は根強い。傍にいる。ルミナが最も伝えたい本心は三度聞こえることなく、彼女の胸の内に止められた。今の彼が聞いたところで只の慰めにしか聞こえないと考えたのか、あるいは何れ相応しい時と場所で再び、と考えた為か。真意は今のところ彼女にしか分からない。
「今は無理に考えない方がいい」
「大丈夫、別に落ち込んでは」
「駄目だ。これ以上は無意味って……あっ!?」
「え、ン?おわわっ!?」
尚も自責の念に駆られ、心を病む懸念から伊佐凪竜一の傍に近寄るルミナ――の足がもつれた。2人共に、先の戦いで肉体の大半を喪失する程の力を行使した。多くの善意により復活を果たしたが、酷使した肉体が直ぐに元通りになる訳ではない。歩く程度ならば問題はないが、少々激しく動こうとすると途端にぎこちなさを露呈してしまう。
ルミナも分かっていて、だが考えるよりも前に動いてしまった。直後、思考が僅か停止する。彼女は常に思考を優先する。幼少時からの教育に師の教えが育んだ癖は彼女の自己、個性として既に確立されていた。
私はこんな性格だったか?確立された自己を否定する自身の行動にルミナは驚いた。ただ、不快感はない。素直に、無自覚な己の一面を受け入れた。しかし――
「ン?……前と、何かが違う」
思考を優先する余り、眼下の光景に全く意識を向けなかった。傍と気付いたルミナの眼下に、困惑する伊佐凪竜一の顔が映る。漸く彼女は現状を正しく把握した。あ、と小さなため息が零れた。
伊佐凪竜一を押し倒していた。彼も彼で、押し倒されながらも何とかルミナを支えようと無我夢中で手を差し出し、結果――
「アレ?柔らか……い?」
「君と同じだから当然だろう?今の私の身体、どうやら何時の間にか入手した医療施設内に保管された遺伝情報を元に再現して……どうした?」
彼の手は何やらとても感触が良い、自分の掌に収まらない程度の大さをした何かを鷲掴みにした。直後、過去の記憶がフラッシュバックした。困惑する伊佐凪竜一の脳裏に、自分を匿ってくれた祖母を助けられなかった苦い思い出と共に、ルミナに寄り掛かった記憶が当時の感触を伴い、よみがえった。
「いや、そういえば前に。確か……」
「何か思い出したのか?」
「前?前ってナンダ?いや、前にも確か……でもその時とは違う、違う?」
伊佐凪竜一は苦悶する。何かを思い出せそうだが、未だ濃い霧に包まれ、輪郭さえ掴めない。そんな彼をルミナは黙って見守る。伊佐凪竜一の手は丁度ルミナの胸、更に丁度揉むような形で触れているというのに、彼女は全く気に掛けない。
これを誰かに見られたなら最後、その噂は光の速さで連合中を駆け巡ること必至。だが、今は伊佐凪竜一の記憶が戻るかどうかの瀬戸際。彼に忘れられたままのルミナにしてみれば、何よりも重要な問題。
誰がどう見ても勘違いしか生まない体勢であってもルミナは全く動じない。生身で過ごした時間が短いという特殊な環境故の鈍さか、恥じらいと言う感情が伊佐凪竜一と言う人物相手には発露しないのか、はたまた彼ならば胸を揉まれても良いと考えているのか。
何れにせよ馬乗り体勢から見下ろすルミナは伊佐凪竜一の行動に微塵の羞恥さえ見せず、寧ろ早く記憶を取り戻せとばかりに熱の籠った視線を送る。
「思い出したのか?どうなんだ?」
「いやぁ。その、何か固い物にぶつかったような……感触があった、ような?って位で、でもそんな……筈は?」
「間違っていない。私は少し前まで身体の大半が機械だった」
早急に記憶を戻してもらいたいルミナは、相変わらず誤解されやすい体勢のままで問答を続ける。
「今は違うのか?」
「機械と言えばそうだな、としか。ナノマシンと融合したハバキリとかいう妙な粒子が原因なのか見た目も触感も、何なら生理機能も含めた全てが生身とほぼ変わらない。まぁ、君と同じだ」
「そうなのか。変わらない、のか。あぁと、でも体系とか見た目ってどうだっけ?」
「同じだ。出会った時と変わらない」
矢継ぎ早の質問にルミナの回答が雑になり始める。旗艦法により、肉体を機械に置き換える場合は遺伝情報を元に限りなく個人に近い外観の体躯に換装するよう決められている。最たる理由は成りすまし対策だが、遺伝情報と余りにも食い違う体躯への違和感も理由とされる。当然、彼女にも適用されており、今現在の見た目と逃避行時の見た目は変わらない。が、そんなこんなはどうでも良いとルミナはジッと眼下を見つめる。
「で、他には何か?」
急かすルミナ。彼が思い出した記憶は、長く短い逃避行のごく一部。まだまだ思い出して欲しい記憶は山の様にある。
「え?いやぁ、ゴメン」
何度目かの謝罪にルミナはそうか、と小さな溜息を吐き出した。熱の籠った吐息が伊佐凪竜一の顔を撫でる。
「そうか、まぁ仕方ない……って、なんで揉む?」
彼女は眼下でジタバタする伊佐凪竜一の行動に違和感を覚え、強い口調で問い質した。気が付けば、胸に触れる彼の手が僅かに動いている。
「え?あ、いや、そういうつもりじゃ」
「ではどういうつもりだ?ソレで何か思い出せるのか?記憶と関係ある?ない?どっち?」
「いや、あのとりあえず先ずは退いてもらってからにしませんかね?」
触れようが揉まれようがお構いなしに捲し立てるルミナに、伊佐凪竜一は押される一方。寧ろ、記憶を取り戻せるならば触れと言わんばかりに豪快な彼女に少々引いている。
しかし、面会当初の他所他所しさや共通の違和感への不安は欠片も見られない。片や記憶を戻そうと、片や僅かに戻った記憶に意識が向かっており、故に未だ聞こえる歌と奇妙な視線の存在を完全に意識の外に放り出していた。そう、完全に――
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