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第2章 遥か遠い 故郷
31話 闇に沈む夜の街へ 其の4
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20XX/12/16 1745
清雅市内外を繋ぐ駅に設置された厳重な監視システムは全て停止中で、警備員の姿さえなかった。ほんの少しだけ希望が見えた。昨日から今この時までの厳重な警戒態勢から判断するに、余程あの兵器を公にしたくないらしい。理由は何れ分かるかもしれないが、これ程に統制された情報化社会ではかなり大きな足枷となる。
ならば、その足枷が機能する内に一刻も早く逃げるべきだ。そんな事を考えながら視線を少し背後に動かせば、私に必死で食い下がる伊佐凪竜一の姿が映る。
偶然助けてしまった縁を切っ掛けに、何故かこの男と一緒に逃亡する羽目になってしまった。彼から見れば私は侵略者側で、この星の秩序を脅かす敵だというのに。だからこそ、彼が敵の仲間であるという疑念が抜けきらない。
ピピ
バイザーから微かに流れる電子音。次いで、視界内の一部が赤く染まった。背後に手のひらを向けた。止まれという合図に彼は素直に従う。こういう点は素直に評価したいところだが、敵かどうかわからなくてはどうにもならない。
「な、何?」
「敵の反応を感知した。大きな反応が1つ、小さな反応が2つ。あの兵器がいる。だから、直ぐ傍にある通路から逃げる。誰かいるが小さな反応が1つだけ。入口のサイズと合わせて判断するに、あの妙な兵器は持っていない」
バイザーが解析した周囲の情報を総合、彼に指示を出した。遥か先に見える長いトンネルの出口の先には敵が待ち構えている。視界右手側の扉の行き先は不明だが、構造からするに恐らく保守点検用。繋がる先に不安は残るが、ノコノコと前に進むよりは生存確率が高い。
扉をけ破り、中へと進む。が、彼が付いてこない。何をしてるんだと引き返すと、自転車を通行の邪魔にならないよう壁に立てかける彼の背中が見えた。
「律儀だな君は」
半ば呆れはしたが、口から出たのはもう半分の方。逃げ遅れたら死ぬかも知れない状況で、よくもまぁそんな事を気に掛ける事ができるものだ。
※※※
3m程の程よい高さの保守点検用通路は専用車両が往来する為か、かなり広い幅が取られていた。全長はおよそ1キロほど。その中間地点に人の反応を確認した。保守点検を行う技術者ではない、確実に私達を待ち構えている誰かが広い幅の通路中央をゆっくり私達の方に向かってきている。
静かに、淀みなく響く足音に紛れる様にバックパックからプレートを取り出し、実体化する。こんなモノでどうにか出来るとは思わないが、どうにかするしかない。結局のところ、何もかもが敵の思い通りに進む。誘導されていた、とは考えたくないな。
「頼む、退いてくれ!!」
隣から大きな声がした。意識が、何時の間にか私に追いついた伊佐凪竜一に向かう。私が貸した銃を構え、通路の先を睨む。彼の視線を追えば、通路の先に人の姿がはっきりと見えた。
「ハハハッ、恰好いいねー元社員のナギ君。お前さァ、自分がどんな立場かわかってる?会社の情報を他所に売り渡そうとした裏切り者が、偉そうに説教できる立場かよォ!!」
通路の奥から響き渡る怒号が私を突き抜け、背後に消えた。言い終わった男は同時に銃を構える。銃口の先は――私ではなく伊佐凪竜一。怒りに歪む男の顔。対照的に震え、強張る伊佐凪竜一という対照的な図に思考がフル回転する。
待ち構えていた敵の言葉を信じるならば伊佐凪竜一は疑う必要のない人物。銃口を構える両者を見れば、片方は殺し慣れているのか全く動揺もせず、対して伊佐凪竜一の動揺振りは酷い。
市外への移動も、保守用通路も私が選んだ。事前に打ち合わせしていない限りこんな状況は起こり得ない。演技ではない焦りと怯え。裏切り者という言葉の直後から急激に上昇した心拍数、体温、脈拍。あらゆる調査が、あらゆる要素が私に一つの決断を促す。敵の言葉と現状、信じるべきは――
「震える位なら前に出んなよアホが。じゃあ死……」
反射的に行動していた。完全に私を無視する男目掛け手投げ弾を投擲した。
「は?」
「いッ、爆弾!?」
衝撃と爆風に男2人の情けない声が飲み込まれた。背後からゲホゲホと咳き込む伊佐凪竜一の声が聞こえる。無事なようだが、煙と粉塵に巻き込まれたようだ。が、今は構う余裕がない。
「おっかないねぇ。だけど学習しねーなぁ。昨日、俺達がお前達の兵器無力化したの忘れたのか?」
煙の向こうからは余裕の反応。だろうな、とごちる。灰色の埃と煙に遮られて前方の様子は分からないが、やはりあの程度では傷の一つも負わないようだ。私達が持つ防壁とほぼ同じか、あるいはそれ以上。あの生物型兵器がなくとも勝負は一方的。勝てないならば、逃げるしかない――と、今までなら考えた。
「彼を馬鹿と評価したが、それは君も同じだ。昨日の優勢に高を括って私を無視、会話に意識を回し過ぎた事もそうだが……」
相手は僅か1人、加えてこの狭い空間。後の事は後で考えろ、と手投げ爆弾を天井と壁の境目目掛け放り投げた。
「また!?」
悪いが声を掛ける余裕はない。空を舞う爆弾は、彼の願いも虚しく無情に破裂、再び爆風と衝撃を生み出した。背後から情けない声は聞こえない。チラ、と彼を見れば、流石に二度の無様を晒すまいと腰を踏ん張り、煙を吸わないよう二の腕で口元を抑えていた。結構キツそうだが、何とか耐えている。
「おーおー無駄な事するねぇ。だから効かねーって」
相変わらず余裕の声。が、想定の内だ。
「知っているよ。君は防壁の特性を見誤っている。衝撃波も瓦礫も防いでくれる。だが、防いでくれるだけで壊してはくれない。万能な防御手段など存在しない。だからそこでしばらく埋まっていろ。行くぞ」
慢心。だがそれ以上の練度不足。恐らく、奴等はほぼ全員が急造で用意された人材との予測は間違っていなかった。
「あ?あ……アレ?オイ?アレ?」
煙が引き、前方が視認出来るようになった。うずたかく積もる綺麗な瓦礫の山。敵はその下に埋まっている。あの兵器を持ってきたなら容易く抜け出しただろうが、出てこない様子を見るにやはり持ってきていないようだ。あるいは、使える人材が限られているのか。
「クソッ、オイ待て、待てよコラ。いや待って!!出せ、出してくれ、たの……」
中から情けない声が聞こえる。が、素直に助ける訳がない。
「こんな狭い所で挟み撃ちされる方が危険だ、早く行こう。そうそう、隙を作ってくれてありがとう」
「最もです、的確な判断です」
伊佐凪竜一はやけに落ち込んでいた。とはいえ、戦闘では役に立たないのは仕方ない。いや、違う。私への恐怖、か?
彼は善意で私を助けていた。疑惑が晴れたのは良かった。寧ろ、申し訳ない位に疑っていた。が、別の問題が生まれた。互いの間に存在する価値観という大きな溝。理解できるとか出来ないとかではなく、生まれと環境からくる違い。
安穏と暮らす彼に、私達の置かれた状況は理解できない。同様に彼がこの安全な世界で何を思い、考えた末に私を助けたのかも理解できない。
その溝が彼の表情に可視化された。触れる事が出来る程近いのに、翻訳機越しとは言え言葉も伝わるのに、何かが決定的に違う。だが、彼が私を助けたという事実は疑いようない。理解できずとも出来る事はある。安全な場所に逃げ延びるまでは助けよう。今度は、私が――
※※※
長い通路が終わる。扉、続けて上へと続く階段。もうすぐ外に出られる。後ろを歩く伊佐凪竜一はずっと無言を貫く。カン、カン、と金属製の階段を叩く耳障りな音だけが響いた。
綱渡り以外に表現出来ない状態は何時まで続くのか。首を傾けた先に見える扉の先と同じく、道は拓けるのか。先の通路に居たのが今まで散々に私を追いかけてきた茶髪の男だったら私達は今頃死んでいたし、生き埋めにした男が肉体の異常強化を得意としていたなら直ぐに瓦礫を抜け出し、追い付いている。
だが、幸運にも私達は生きている。情けない事だが私達は幸運に生かされている。彼に気づかれていないのは幸いだ。いや、もう知れてもいいかもしれない。
安全な場所まで逃げ切る事が出来たら彼に謝罪して、隠していた事を明かそう。彼の反応が少し気にはなるが、こんな無茶をするお人よしだから、きっと笑いながら聞き流してくれるかもしれない。
清雅市内外を繋ぐ駅に設置された厳重な監視システムは全て停止中で、警備員の姿さえなかった。ほんの少しだけ希望が見えた。昨日から今この時までの厳重な警戒態勢から判断するに、余程あの兵器を公にしたくないらしい。理由は何れ分かるかもしれないが、これ程に統制された情報化社会ではかなり大きな足枷となる。
ならば、その足枷が機能する内に一刻も早く逃げるべきだ。そんな事を考えながら視線を少し背後に動かせば、私に必死で食い下がる伊佐凪竜一の姿が映る。
偶然助けてしまった縁を切っ掛けに、何故かこの男と一緒に逃亡する羽目になってしまった。彼から見れば私は侵略者側で、この星の秩序を脅かす敵だというのに。だからこそ、彼が敵の仲間であるという疑念が抜けきらない。
ピピ
バイザーから微かに流れる電子音。次いで、視界内の一部が赤く染まった。背後に手のひらを向けた。止まれという合図に彼は素直に従う。こういう点は素直に評価したいところだが、敵かどうかわからなくてはどうにもならない。
「な、何?」
「敵の反応を感知した。大きな反応が1つ、小さな反応が2つ。あの兵器がいる。だから、直ぐ傍にある通路から逃げる。誰かいるが小さな反応が1つだけ。入口のサイズと合わせて判断するに、あの妙な兵器は持っていない」
バイザーが解析した周囲の情報を総合、彼に指示を出した。遥か先に見える長いトンネルの出口の先には敵が待ち構えている。視界右手側の扉の行き先は不明だが、構造からするに恐らく保守点検用。繋がる先に不安は残るが、ノコノコと前に進むよりは生存確率が高い。
扉をけ破り、中へと進む。が、彼が付いてこない。何をしてるんだと引き返すと、自転車を通行の邪魔にならないよう壁に立てかける彼の背中が見えた。
「律儀だな君は」
半ば呆れはしたが、口から出たのはもう半分の方。逃げ遅れたら死ぬかも知れない状況で、よくもまぁそんな事を気に掛ける事ができるものだ。
※※※
3m程の程よい高さの保守点検用通路は専用車両が往来する為か、かなり広い幅が取られていた。全長はおよそ1キロほど。その中間地点に人の反応を確認した。保守点検を行う技術者ではない、確実に私達を待ち構えている誰かが広い幅の通路中央をゆっくり私達の方に向かってきている。
静かに、淀みなく響く足音に紛れる様にバックパックからプレートを取り出し、実体化する。こんなモノでどうにか出来るとは思わないが、どうにかするしかない。結局のところ、何もかもが敵の思い通りに進む。誘導されていた、とは考えたくないな。
「頼む、退いてくれ!!」
隣から大きな声がした。意識が、何時の間にか私に追いついた伊佐凪竜一に向かう。私が貸した銃を構え、通路の先を睨む。彼の視線を追えば、通路の先に人の姿がはっきりと見えた。
「ハハハッ、恰好いいねー元社員のナギ君。お前さァ、自分がどんな立場かわかってる?会社の情報を他所に売り渡そうとした裏切り者が、偉そうに説教できる立場かよォ!!」
通路の奥から響き渡る怒号が私を突き抜け、背後に消えた。言い終わった男は同時に銃を構える。銃口の先は――私ではなく伊佐凪竜一。怒りに歪む男の顔。対照的に震え、強張る伊佐凪竜一という対照的な図に思考がフル回転する。
待ち構えていた敵の言葉を信じるならば伊佐凪竜一は疑う必要のない人物。銃口を構える両者を見れば、片方は殺し慣れているのか全く動揺もせず、対して伊佐凪竜一の動揺振りは酷い。
市外への移動も、保守用通路も私が選んだ。事前に打ち合わせしていない限りこんな状況は起こり得ない。演技ではない焦りと怯え。裏切り者という言葉の直後から急激に上昇した心拍数、体温、脈拍。あらゆる調査が、あらゆる要素が私に一つの決断を促す。敵の言葉と現状、信じるべきは――
「震える位なら前に出んなよアホが。じゃあ死……」
反射的に行動していた。完全に私を無視する男目掛け手投げ弾を投擲した。
「は?」
「いッ、爆弾!?」
衝撃と爆風に男2人の情けない声が飲み込まれた。背後からゲホゲホと咳き込む伊佐凪竜一の声が聞こえる。無事なようだが、煙と粉塵に巻き込まれたようだ。が、今は構う余裕がない。
「おっかないねぇ。だけど学習しねーなぁ。昨日、俺達がお前達の兵器無力化したの忘れたのか?」
煙の向こうからは余裕の反応。だろうな、とごちる。灰色の埃と煙に遮られて前方の様子は分からないが、やはりあの程度では傷の一つも負わないようだ。私達が持つ防壁とほぼ同じか、あるいはそれ以上。あの生物型兵器がなくとも勝負は一方的。勝てないならば、逃げるしかない――と、今までなら考えた。
「彼を馬鹿と評価したが、それは君も同じだ。昨日の優勢に高を括って私を無視、会話に意識を回し過ぎた事もそうだが……」
相手は僅か1人、加えてこの狭い空間。後の事は後で考えろ、と手投げ爆弾を天井と壁の境目目掛け放り投げた。
「また!?」
悪いが声を掛ける余裕はない。空を舞う爆弾は、彼の願いも虚しく無情に破裂、再び爆風と衝撃を生み出した。背後から情けない声は聞こえない。チラ、と彼を見れば、流石に二度の無様を晒すまいと腰を踏ん張り、煙を吸わないよう二の腕で口元を抑えていた。結構キツそうだが、何とか耐えている。
「おーおー無駄な事するねぇ。だから効かねーって」
相変わらず余裕の声。が、想定の内だ。
「知っているよ。君は防壁の特性を見誤っている。衝撃波も瓦礫も防いでくれる。だが、防いでくれるだけで壊してはくれない。万能な防御手段など存在しない。だからそこでしばらく埋まっていろ。行くぞ」
慢心。だがそれ以上の練度不足。恐らく、奴等はほぼ全員が急造で用意された人材との予測は間違っていなかった。
「あ?あ……アレ?オイ?アレ?」
煙が引き、前方が視認出来るようになった。うずたかく積もる綺麗な瓦礫の山。敵はその下に埋まっている。あの兵器を持ってきたなら容易く抜け出しただろうが、出てこない様子を見るにやはり持ってきていないようだ。あるいは、使える人材が限られているのか。
「クソッ、オイ待て、待てよコラ。いや待って!!出せ、出してくれ、たの……」
中から情けない声が聞こえる。が、素直に助ける訳がない。
「こんな狭い所で挟み撃ちされる方が危険だ、早く行こう。そうそう、隙を作ってくれてありがとう」
「最もです、的確な判断です」
伊佐凪竜一はやけに落ち込んでいた。とはいえ、戦闘では役に立たないのは仕方ない。いや、違う。私への恐怖、か?
彼は善意で私を助けていた。疑惑が晴れたのは良かった。寧ろ、申し訳ない位に疑っていた。が、別の問題が生まれた。互いの間に存在する価値観という大きな溝。理解できるとか出来ないとかではなく、生まれと環境からくる違い。
安穏と暮らす彼に、私達の置かれた状況は理解できない。同様に彼がこの安全な世界で何を思い、考えた末に私を助けたのかも理解できない。
その溝が彼の表情に可視化された。触れる事が出来る程近いのに、翻訳機越しとは言え言葉も伝わるのに、何かが決定的に違う。だが、彼が私を助けたという事実は疑いようない。理解できずとも出来る事はある。安全な場所に逃げ延びるまでは助けよう。今度は、私が――
※※※
長い通路が終わる。扉、続けて上へと続く階段。もうすぐ外に出られる。後ろを歩く伊佐凪竜一はずっと無言を貫く。カン、カン、と金属製の階段を叩く耳障りな音だけが響いた。
綱渡り以外に表現出来ない状態は何時まで続くのか。首を傾けた先に見える扉の先と同じく、道は拓けるのか。先の通路に居たのが今まで散々に私を追いかけてきた茶髪の男だったら私達は今頃死んでいたし、生き埋めにした男が肉体の異常強化を得意としていたなら直ぐに瓦礫を抜け出し、追い付いている。
だが、幸運にも私達は生きている。情けない事だが私達は幸運に生かされている。彼に気づかれていないのは幸いだ。いや、もう知れてもいいかもしれない。
安全な場所まで逃げ切る事が出来たら彼に謝罪して、隠していた事を明かそう。彼の反応が少し気にはなるが、こんな無茶をするお人よしだから、きっと笑いながら聞き流してくれるかもしれない。
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