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第2章 遥か遠い 故郷
32話 逃れられない 逃避の終わり
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最上段まで登り、扉を開いた。視界に飛び込んで来たのは、先ほど見た駅構内とよく似ていた。建物の中らしい。ただ、地下特有の淀んだ空気は感じない。心なしか後ろに立つ伊佐凪竜一が寒そうにしている。
相変わらず人の姿はない。緊急避難警報が解除されていないとすれば、追撃の手は止んでいない。早く逃げるようと背後に急かす。が、彼は動かない。あらぬ方向を見たまま、呆然と固まっている。
「やーっと見つけたぞオイ、今度こそ殺す。覚悟しろ」
後ろから声がした。不快な、男の声。
迂闊。元々から都市全域を監視しているのだから易々と逃げきれると思っていなかったが、時間をかけ過ぎた。
急いで引き返して――と考えたが、結果は同じ。監視が凄まじく厳しい清雅市中央へ逃げるのは自殺行為、あの長い通路の先にはこの男の仲間が控えている。挟み撃ちか、もしくは生き埋めにされる。後方を振り向けば、あの茶髪が不敵な笑みを浮かべながら巨大なヘビの頭上に立っている。
何故か、仲間達が話していた雑談を思い出した。確か男女の仲がどうのこうのといった話題だった。その中に聞いた「男運が悪い」とはこういう状況を指すのだろうか。
※※※
保守点検用通路の出口は駅の中央ホールの最奥。正面にはプラットホームへ続く階段、休憩スペース、飲食施設、そして破壊された巨大な駅の入り口。無残な大穴が開き、周囲には瓦礫が散乱し、外気が絶えず流入している。屋内だというのに彼が寒がっていた訳だ。
もう少し早く気が付いていれば、強引に逃げる事も出来たかもしれない――と、後悔するがもう手遅れ。
腹を括り、頭を戦闘に切り替える。茶髪の男の目を見た。殺意に目が濁っている。覚悟に偽りなし。男の手が僅かに動くと同時、巨大なヘビが私達目掛けて突進してきた。
器用だな。昨日は強化で、今日は化け物の操作。両方できるのは脅威だが、冷静に考えると幾つか弱点が見えてくる。単調な攻撃指示から判断するに、恐らく強化と操作は何方か一方だけしか出来ない。ただ、攻撃力だけは桁違いに高いが。凄まじい巨体から繰り出される体当たりを真面に喰らえば、幾ら頑丈な私でもひとたまりはない。恐らく、即死。
ギリギリを見切るのではなく、余裕を持って大きく回避する。少なくともその程度には単調な事が功を奏した。攻撃対象を失ったヘビは口を大きく開けたまま壁に激突する。いや、激突だけではない。ぶつかりながら大きく開けた口で壁を食べた、表現するのがが正しいか。
大きく抉れた壁からヘビが身体をくねらせながら姿を見せる。衝撃の影響は皆無。耐久力も相応以上か。食べた壁を吐き出したヘビと、私に向き直し、体勢を整え、再度突撃した。
武器を取り出す暇がない。そして、時間の猶予もない。遠くない内、通路からあの男の仲間が出てくる。数で押されたら負ける。加えて、今は伊佐凪竜一というハンデも抱えている。
何度目かの衝突を繰り返した後、ヘビは一旦動きを止めた。巨大なホールが狭く感じる程に大きなヘビが、無機質な目で私を睨む。隙がない。再び突撃されても回避に手一杯。伊佐凪竜一は当然ながら戦力にならない。戦闘経験ゼロの一般人に気の利いた行動は期待出来ないし、期待するつもりもない。
「ただ今、18時をお知らせします」
長いようで短い静寂が、不意の声に破られた。ホール全体に時報が流れた。唐突な刺激に意識が逸れた僅かな隙に、青白く輝くヘビは再び突撃を行った。一気に距離を詰める体当たりは、一度目と同じく酷く単調。余裕を持って回避しようとしたが――いきなりその速度が出鱈目に上がった。
急加速、あんな真似も出来るのか。情報収集をしつつ咄嗟に身体を捻り、防壁を起動させた。
「ク!?」
苦痛が呼吸と共に口から噴き出した。寸でのところで直撃は避けたが、僅かに回避が遅れた。左肩口に大きな衝撃が走り、僅かに間をおいて背中に衝撃を受けた。防壁がほんの僅かに突進の威力を相殺したが、それでも視界が大きく揺れ動き、身体が痛む。どうやら壁に叩きつけられたらしい。
油断はない、戦闘への思考の切り替えも同じく。あの男が私の速さを見切る為にある程度は加減する可能性も考慮した上で回避を行った。それでも、僅かに間に合わなかった。予測通りの結果にならないなど実戦ではよくあると教えられたが、今その教えを肌身に感じる。
「チッ、予想以上に速ぇなオイ!!」
ホールに忌々しい男の声が響く。今の一撃で仕留めるつもりだったらしいが、流石にそう上手く事は運ばせるつもりはない――と言いたいが、咄嗟の判断で致命傷を防いだ影響は未知数。万全の状態でさえ手が出なかった化け物に、手負いの状態で勝てる訳がない。
私を見下ろす冷めた目線に気を配りつつ、視線を背後に向ける。
「ただ……じゅうは……を……ます」
構内中央に一際目立つ形でそびえ立っていた柱が、時報を流していたスピーカー諸共に原形を留めないレベルで破壊されていた。あの有様と激突した時の衝撃から判断すれば、直撃と即死は同義。背後からガラガラと瓦礫を押しのける音が聞こえた。再び攻撃体勢を取るまでまだ僅かに猶予がある。その間に考えなければならない、この場を凌ぐ手段を。
激しく身体が揺さぶられたが、幸いにも痛みは酷くなく、動く分には何も問題はない。|(※肉体とは全く違う構造と素材で構成されたパーツの不調が分かり易い様にとの理由から、機械製の体躯には痛みを作り出し、伝達する機能が備わっている)
問題はそれ以外。あの兵器を破壊するには火力が全く足りない。防壁側のエネルギーも枯渇、濃度が低すぎて充填も間に合いそうにない。歴戦のスサノヲならばこの程度の状況は難なく覆せるが、今の私では不可能に近い。駄目押しに未知の兵器。連合全体との比較で最低レベルと評された地球人の戦闘能力が、あの兵器のせいで完全に帳消しにされた。
最悪なのはもとより承知。戻るまで、私は死ねない。呼吸を整え、銃を取り出し、構える。新兵でも難なく扱えるように小型・軽量化された訓練用の小型銃。小型故の低火力に加え、訓練用となれば火力は無きに等しいが、カグツチ吸収機構、カグツチ充填器を一世代前の型式に換装している。
傷をつけられるとは思わないが、死ぬにしたってこのままむざむざと死ぬつもりはない。現状で有効な手立ては一つ。本体を直接狙う――と見せかけ足場を崩し、瓦礫に閉じ込めた隙に離脱する。
その為の作戦を頭の中で必死に練る。的を絞らせない様に動き回り、実弾で牽制しながら隙を見てカグツチを籠めた弾丸をありったけ撃ち込む。実弾の残数は専用の倉庫内と弾倉庫を転移で直結しいるから心配無用。身体が持つかどうかが問題だが、現状の私が取り得る最善策。無茶をしなければ活路は開けない。そう、強く意識する。
濃度は薄くてもカグツチが存在するならば、意識を強く持てばほんの僅かでも引き寄せられる。もう一度、心に念じる。私はまだ死ねない。彼を助け、私も生き延びて旗艦に戻る。そう強く念じ――
「ナギ、ここまで助けてくれてありがとう。君は、逃げろ!!」
叫んだ。疑惑に対する贖罪だけではない。死んで欲しくない。そして私も――と考えた矢先、決意の中に暗い影が落ち、侵食する様に広がった。生き延びる、生き延びて見せると強く意気込んでも、なまじ中途半端に考える癖が、状況を分析するもう一つの癖と重なり、敗北を描き出す。
死にたくない。そう願った決意がボロボロと崩れる。必死で振り払おうとしても、心の底からじわじわと全体を侵食し、身体を震わせる。予想ではなく確実な結末として、私は死ぬ。
自らの残酷な結末に、自らが辿り着く。せめてもっと強い武器さえあれば彼を助けられたし、私も――いや、真面な武装が支給されていたところで私には十全に使う事が出来ない。
機械となった部分に問題はない。だが、僅かな生身部分に負担が掛かる。完全な人であれば戦えない事を諦められた、完全な機械ならば戦う事に抵抗はなかった。なのに、私はそのどちらでもない中途半端な存在。それが、どうにも疎ましい。
相変わらず人の姿はない。緊急避難警報が解除されていないとすれば、追撃の手は止んでいない。早く逃げるようと背後に急かす。が、彼は動かない。あらぬ方向を見たまま、呆然と固まっている。
「やーっと見つけたぞオイ、今度こそ殺す。覚悟しろ」
後ろから声がした。不快な、男の声。
迂闊。元々から都市全域を監視しているのだから易々と逃げきれると思っていなかったが、時間をかけ過ぎた。
急いで引き返して――と考えたが、結果は同じ。監視が凄まじく厳しい清雅市中央へ逃げるのは自殺行為、あの長い通路の先にはこの男の仲間が控えている。挟み撃ちか、もしくは生き埋めにされる。後方を振り向けば、あの茶髪が不敵な笑みを浮かべながら巨大なヘビの頭上に立っている。
何故か、仲間達が話していた雑談を思い出した。確か男女の仲がどうのこうのといった話題だった。その中に聞いた「男運が悪い」とはこういう状況を指すのだろうか。
※※※
保守点検用通路の出口は駅の中央ホールの最奥。正面にはプラットホームへ続く階段、休憩スペース、飲食施設、そして破壊された巨大な駅の入り口。無残な大穴が開き、周囲には瓦礫が散乱し、外気が絶えず流入している。屋内だというのに彼が寒がっていた訳だ。
もう少し早く気が付いていれば、強引に逃げる事も出来たかもしれない――と、後悔するがもう手遅れ。
腹を括り、頭を戦闘に切り替える。茶髪の男の目を見た。殺意に目が濁っている。覚悟に偽りなし。男の手が僅かに動くと同時、巨大なヘビが私達目掛けて突進してきた。
器用だな。昨日は強化で、今日は化け物の操作。両方できるのは脅威だが、冷静に考えると幾つか弱点が見えてくる。単調な攻撃指示から判断するに、恐らく強化と操作は何方か一方だけしか出来ない。ただ、攻撃力だけは桁違いに高いが。凄まじい巨体から繰り出される体当たりを真面に喰らえば、幾ら頑丈な私でもひとたまりはない。恐らく、即死。
ギリギリを見切るのではなく、余裕を持って大きく回避する。少なくともその程度には単調な事が功を奏した。攻撃対象を失ったヘビは口を大きく開けたまま壁に激突する。いや、激突だけではない。ぶつかりながら大きく開けた口で壁を食べた、表現するのがが正しいか。
大きく抉れた壁からヘビが身体をくねらせながら姿を見せる。衝撃の影響は皆無。耐久力も相応以上か。食べた壁を吐き出したヘビと、私に向き直し、体勢を整え、再度突撃した。
武器を取り出す暇がない。そして、時間の猶予もない。遠くない内、通路からあの男の仲間が出てくる。数で押されたら負ける。加えて、今は伊佐凪竜一というハンデも抱えている。
何度目かの衝突を繰り返した後、ヘビは一旦動きを止めた。巨大なホールが狭く感じる程に大きなヘビが、無機質な目で私を睨む。隙がない。再び突撃されても回避に手一杯。伊佐凪竜一は当然ながら戦力にならない。戦闘経験ゼロの一般人に気の利いた行動は期待出来ないし、期待するつもりもない。
「ただ今、18時をお知らせします」
長いようで短い静寂が、不意の声に破られた。ホール全体に時報が流れた。唐突な刺激に意識が逸れた僅かな隙に、青白く輝くヘビは再び突撃を行った。一気に距離を詰める体当たりは、一度目と同じく酷く単調。余裕を持って回避しようとしたが――いきなりその速度が出鱈目に上がった。
急加速、あんな真似も出来るのか。情報収集をしつつ咄嗟に身体を捻り、防壁を起動させた。
「ク!?」
苦痛が呼吸と共に口から噴き出した。寸でのところで直撃は避けたが、僅かに回避が遅れた。左肩口に大きな衝撃が走り、僅かに間をおいて背中に衝撃を受けた。防壁がほんの僅かに突進の威力を相殺したが、それでも視界が大きく揺れ動き、身体が痛む。どうやら壁に叩きつけられたらしい。
油断はない、戦闘への思考の切り替えも同じく。あの男が私の速さを見切る為にある程度は加減する可能性も考慮した上で回避を行った。それでも、僅かに間に合わなかった。予測通りの結果にならないなど実戦ではよくあると教えられたが、今その教えを肌身に感じる。
「チッ、予想以上に速ぇなオイ!!」
ホールに忌々しい男の声が響く。今の一撃で仕留めるつもりだったらしいが、流石にそう上手く事は運ばせるつもりはない――と言いたいが、咄嗟の判断で致命傷を防いだ影響は未知数。万全の状態でさえ手が出なかった化け物に、手負いの状態で勝てる訳がない。
私を見下ろす冷めた目線に気を配りつつ、視線を背後に向ける。
「ただ……じゅうは……を……ます」
構内中央に一際目立つ形でそびえ立っていた柱が、時報を流していたスピーカー諸共に原形を留めないレベルで破壊されていた。あの有様と激突した時の衝撃から判断すれば、直撃と即死は同義。背後からガラガラと瓦礫を押しのける音が聞こえた。再び攻撃体勢を取るまでまだ僅かに猶予がある。その間に考えなければならない、この場を凌ぐ手段を。
激しく身体が揺さぶられたが、幸いにも痛みは酷くなく、動く分には何も問題はない。|(※肉体とは全く違う構造と素材で構成されたパーツの不調が分かり易い様にとの理由から、機械製の体躯には痛みを作り出し、伝達する機能が備わっている)
問題はそれ以外。あの兵器を破壊するには火力が全く足りない。防壁側のエネルギーも枯渇、濃度が低すぎて充填も間に合いそうにない。歴戦のスサノヲならばこの程度の状況は難なく覆せるが、今の私では不可能に近い。駄目押しに未知の兵器。連合全体との比較で最低レベルと評された地球人の戦闘能力が、あの兵器のせいで完全に帳消しにされた。
最悪なのはもとより承知。戻るまで、私は死ねない。呼吸を整え、銃を取り出し、構える。新兵でも難なく扱えるように小型・軽量化された訓練用の小型銃。小型故の低火力に加え、訓練用となれば火力は無きに等しいが、カグツチ吸収機構、カグツチ充填器を一世代前の型式に換装している。
傷をつけられるとは思わないが、死ぬにしたってこのままむざむざと死ぬつもりはない。現状で有効な手立ては一つ。本体を直接狙う――と見せかけ足場を崩し、瓦礫に閉じ込めた隙に離脱する。
その為の作戦を頭の中で必死に練る。的を絞らせない様に動き回り、実弾で牽制しながら隙を見てカグツチを籠めた弾丸をありったけ撃ち込む。実弾の残数は専用の倉庫内と弾倉庫を転移で直結しいるから心配無用。身体が持つかどうかが問題だが、現状の私が取り得る最善策。無茶をしなければ活路は開けない。そう、強く意識する。
濃度は薄くてもカグツチが存在するならば、意識を強く持てばほんの僅かでも引き寄せられる。もう一度、心に念じる。私はまだ死ねない。彼を助け、私も生き延びて旗艦に戻る。そう強く念じ――
「ナギ、ここまで助けてくれてありがとう。君は、逃げろ!!」
叫んだ。疑惑に対する贖罪だけではない。死んで欲しくない。そして私も――と考えた矢先、決意の中に暗い影が落ち、侵食する様に広がった。生き延びる、生き延びて見せると強く意気込んでも、なまじ中途半端に考える癖が、状況を分析するもう一つの癖と重なり、敗北を描き出す。
死にたくない。そう願った決意がボロボロと崩れる。必死で振り払おうとしても、心の底からじわじわと全体を侵食し、身体を震わせる。予想ではなく確実な結末として、私は死ぬ。
自らの残酷な結末に、自らが辿り着く。せめてもっと強い武器さえあれば彼を助けられたし、私も――いや、真面な武装が支給されていたところで私には十全に使う事が出来ない。
機械となった部分に問題はない。だが、僅かな生身部分に負担が掛かる。完全な人であれば戦えない事を諦められた、完全な機械ならば戦う事に抵抗はなかった。なのに、私はそのどちらでもない中途半端な存在。それが、どうにも疎ましい。
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