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第6章 決戦前夜
幕間13-3 ~ 神の封印に至る過去 立ち込める暗雲
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ディスプレイの映像が切り替わる。日付は先のアマテラスオオカミの指示から約半年後を示す。映し出されたのは旗艦の周囲を航行するアメノトリフメ第110番艦。今はもう存在しない艦の最奥には巨大な施設が存在する。
特殊兵装開発研究所
特兵研と略称される研究機関は、主として対マガツヒを想定した兵装開発を主とする旗艦アマテラス専属の研究開発機関。映像は、平穏そのものな研究所内部を映す。多少の緊張感は見られるがストレスとは無縁、談笑や雑談に花を咲かせる一幕さえ見られた。計画は順風満帆に進行している。何も問題はない。今日この日までは――
特兵研は特兵研は武装、及び武装を使用した戦闘技術開発を主目的とするが、開発費捻出を含めた幾つかの理由により内外複数の開発部門を統合した関係で武器以外の製造開発改良も行っている、との記述がある。例えば一般家電の雛型や製品開発に必要な技術開発、及び特許取得なども特兵研の仕事。仰々しい名称とは裏腹に、意外と生活に密着しているのだが、とは言え一般人が訪れるかと言えばそうではない。
その特兵研前に4人の男女が訪れた。全ての発端、嵐の始まりはただの小競り合いだった。
暫く後、研究所の入口が活気づく。警備兵、その場に居た研究員達が4人を追い返そうと言い争いを始めた。が、平行線。やがて痺れを切らした警備員が研究所の責任者を呼び出す。更に暫くして、数人の人影が研究所から姿を見せた。
白衣の研究者と、およそ研究員にふさわしくない戦闘用スーツの老兵。神から勅令を受ける形で研究に参加するスサノヲのスクナ。
「生体情報の照合が終了。KNYK重工代表のヤゴウ殿、総合食品商社TK&HDT会長のハヅキ殿、MHTT機工代表のイワザキ殿、そして……また随分とお若い、フタゴミカボシに本社を置く製薬会社アスクレピオスの本社代表取締役のオオゲツ殿。錚々たる顔ぶれですな、してこの様な辺鄙な場所に何用ですか?」
「こ、ここにアンタ達の利益になる物は何も無いっスよ。忙しいんで帰って欲しいっス」
スクナ達の登場で気を大きくした研究員の一人が棘を含んだ物言いで追い返そうとしたが――
「我々はこれまでも神の一方的な指示に従い、結果として幾度と無く利益を逃した。だが、これ以上は看過出来ん。そちらで開発中の新型式守の製造、我々にも一枚噛ませろ。協力すればより精度の高い物が作れる筈だ。悪い提案ではないと思うが、どれだけ連絡しても一向に返事がないのでこうして出向いて来たのだよ」
最前列のヤゴウが来艦の経緯をまくしたてた。やや後ろに控える3人は無言で見守る。が、顔には不敵な笑み。誰か、あるいは何処からか情報が洩れている。
「な、何度連絡しても、直接来ても、アンタ達の利益になるようなモン作ってねーっスよ!!そもそも何を根拠にンな事いってるんスか?」
「ここで開発しているのは少なくとも貴方達の利益を害するような何かではない」
酷く狼狽える研究員。その態度では白状しているのと同じだ。と、動揺する研究員の肩にスクナが手を掛けた。意図を察し、研究員はいそいそとスクナの背中に隠れた。暫し、スクナとヤゴウ達が睨み合う。
「それに、だ。仮に貴方達の言う新型式守が製造中だったとして、それをモノ扱いするような連中には教えてやれんし、協力なんぞもっての外だ」
一向に退かぬ態度に痺れを切らしたスクナが口を開いた。内容を要約すればとっとと帰れ。が、その程度で引く相手でもない。
「困りますね、そんな物言いをされると。協力したくないなんて、そんな風に言われてはコチラも今後について色々と考えなければならなくなりますよねぇ、フフッ」
「マガツヒに蹂躙されて文句を言わんのならば好きにすればいい」
4人の内で最年少、まだ20代前半に見える美貌の才媛が言動にほんの僅か、恫喝を匂わせた。スクナも余裕の態度で切り返すが、言葉に反し表情は硬い。恐らく最悪の事態を見越している。色々、とは違法スレスレの物資制限だろう。実行された場合、止むを得ない判断として神が計画関与を許す可能性もあり得る。
気が付けば大きな研究所の小さな入り口に大勢の研究員が集まっていた。誰もが周囲と目を合わせ、コソコソと囁きながら、成り行きを見守る。順風満帆だった開発に暗雲が立ち込める。誰もが気が気でいられない。
「わかった、一度引き上げよう。また来る」
返答を聞き、最初に顔色を変えたのはやはりスクナ。もっと抵抗すると思われた交渉はあっさりと終わりを迎え、4人は拍子抜けするほどにあっさりと踵を返した。去り行く背中を誰もが黙って見つめる。二度と来るな。誰も口に出しこそしないが、視界から消える瞬間までジッと睨みつける視線は彼等の心情を雄弁に語っていた。
「何処で嗅ぎつけてきたのかね?金の匂いなんてしない筈なんだが?」
「ど、どうするんですか?こんな話……だってアマテラスオオカミの説明とは明らかに違いますよ?」
「そんな事言われても、どうする?」
「誰か主幹か所長呼んできてよ、私達じゃどうにも出来ないよコレ」
嵐は過ぎ去ったが、一先ずの話。また来る、と言い捨てた台詞通り次の嵐が吹き荒ぶ予兆に、押し黙っていた研究者達が堰を切ったように不安を零し始めた。特兵研前が一層騒然となる。誰もが急激に悪化する未来に不安を抱き、浮足立つ。そして、誰もが対応出来ない。
「先ずはアマテラスオオカミに連絡しろ。内通者がいる。手段はわからんが、通常の連絡手段一切は監視があるから……例えば、大昔使われた手紙でも使っとるのじゃろう。残った者はそのまま開発を続けてくれ。主幹への報告はワシが行う」
その様子にスクナが指示を飛ばした。
「は、はい。承知しました」
「でも、テガミって確か……えーと紙に文字書いてってアレですか?また随分と古臭い。初等学科の歴史で軽く習った記憶がうっすらとありますよ。しっかし、同盟惑星ならまだしも、旗艦だと逆に目立ちませんかね?」
「何れにせよ神に洗い出しをして頂かねば、な。奴等の考えは良く分かった。アレは確かに危険だ。完成も急いだ方が良いな」
「分かりました。はぁーもう、余計な手間掛けさせないで欲しいなぁ」
「全くじゃな。さぁ、全員仕事に戻ってくれ!!」
行く先に暗い影が落ちる。落胆しながらも研究所の奥へと足を向ける研究員達、持ち場へと戻るその他の研究員達、そしてスクナ。誰の顔も一様に、重く沈んでいた。
※※※
映像は一旦途切れ、次の映像が再生される。日付は先の研究所の一件から3日後。
「説得を行ったが無駄だった。 搬入資材の阻止、拒否は既に始まっているのは既に君達の知るところでもあるだろう」
「はい。違法スレスレで司法も手を出せません。一点、上奏させて頂きます。勅令を発しては如何でしょう?」
「影響が出るまで末端を使い潰し続けるだけだ。何より、市民に不要な不安を与えるのも好ましくない」
「そう、ですか」
映像に映るアマテラスオオカミから指示を受け取るのは特兵研研究員の一人。神と対峙する研究員の顔は苦悶に満ちる。やはり阻止は失敗。ディスプレイに映る能面の如き無表情に感情の気配は見えないが、紡ぎ出される言葉に相応以上に苦労が滲む。
「計画を知った経緯、強硬な態度に疑問は残るが、止むを得ない。協力体制を取る。彼等の行動を封じる強硬策を視野に入れたが、諸々の遅れは致命的だ」
「はい。マガツヒとの戦いは常に劣勢、更に遭遇報告も増加傾向にあります」
「この様な状況でなければ強硬手段も辞さなかったが、現状を見ればそうもいかない。加えて、姫と財団も今回の計画を気に掛けている」
「姫はともかく財団も、ですか?伍式の件で懲りたと思っていたのですが」
「外宇宙への探索は彼等の悲願ゆえ、な。ともかく、各方面からの期待は大きい。彼等の監視は厳重に行うよう全関係者に通達を」
「承知しました」
「情報漏洩元についてだが、間接的な接触まで含めれば膨大な数に昇る為、特定まではまだ時間がかかる」
「アマテラスオオカミでも追跡出来ないとなると、スクナ殿の言う通り手紙等を使ったやり取りを行ったのでしょう。併せて、承知しました。指示内容、確かに伝えます……が、その大丈夫でしょうか?」
「気にする必要はない」
「しかしッ!!これ以上は……姫の存在があるとは言え、これ以上演算能力を他に割り振っても問題ない、のでしょうか?」
「問題ない」
「……承知しました。神がそうおっしゃるのならば」
神の澱みない言葉に研究員は消しきれない疑問を飲み込み、引き下がった。が、表情は露骨に暗い。楽園とまで呼ばれる旗艦アマテラスの現状は、かなり際どいバランスの上に成り立っている。いや、この時点で既に傾きかけていた。そんな様子を窺わせる一幕だった。
特殊兵装開発研究所
特兵研と略称される研究機関は、主として対マガツヒを想定した兵装開発を主とする旗艦アマテラス専属の研究開発機関。映像は、平穏そのものな研究所内部を映す。多少の緊張感は見られるがストレスとは無縁、談笑や雑談に花を咲かせる一幕さえ見られた。計画は順風満帆に進行している。何も問題はない。今日この日までは――
特兵研は特兵研は武装、及び武装を使用した戦闘技術開発を主目的とするが、開発費捻出を含めた幾つかの理由により内外複数の開発部門を統合した関係で武器以外の製造開発改良も行っている、との記述がある。例えば一般家電の雛型や製品開発に必要な技術開発、及び特許取得なども特兵研の仕事。仰々しい名称とは裏腹に、意外と生活に密着しているのだが、とは言え一般人が訪れるかと言えばそうではない。
その特兵研前に4人の男女が訪れた。全ての発端、嵐の始まりはただの小競り合いだった。
暫く後、研究所の入口が活気づく。警備兵、その場に居た研究員達が4人を追い返そうと言い争いを始めた。が、平行線。やがて痺れを切らした警備員が研究所の責任者を呼び出す。更に暫くして、数人の人影が研究所から姿を見せた。
白衣の研究者と、およそ研究員にふさわしくない戦闘用スーツの老兵。神から勅令を受ける形で研究に参加するスサノヲのスクナ。
「生体情報の照合が終了。KNYK重工代表のヤゴウ殿、総合食品商社TK&HDT会長のハヅキ殿、MHTT機工代表のイワザキ殿、そして……また随分とお若い、フタゴミカボシに本社を置く製薬会社アスクレピオスの本社代表取締役のオオゲツ殿。錚々たる顔ぶれですな、してこの様な辺鄙な場所に何用ですか?」
「こ、ここにアンタ達の利益になる物は何も無いっスよ。忙しいんで帰って欲しいっス」
スクナ達の登場で気を大きくした研究員の一人が棘を含んだ物言いで追い返そうとしたが――
「我々はこれまでも神の一方的な指示に従い、結果として幾度と無く利益を逃した。だが、これ以上は看過出来ん。そちらで開発中の新型式守の製造、我々にも一枚噛ませろ。協力すればより精度の高い物が作れる筈だ。悪い提案ではないと思うが、どれだけ連絡しても一向に返事がないのでこうして出向いて来たのだよ」
最前列のヤゴウが来艦の経緯をまくしたてた。やや後ろに控える3人は無言で見守る。が、顔には不敵な笑み。誰か、あるいは何処からか情報が洩れている。
「な、何度連絡しても、直接来ても、アンタ達の利益になるようなモン作ってねーっスよ!!そもそも何を根拠にンな事いってるんスか?」
「ここで開発しているのは少なくとも貴方達の利益を害するような何かではない」
酷く狼狽える研究員。その態度では白状しているのと同じだ。と、動揺する研究員の肩にスクナが手を掛けた。意図を察し、研究員はいそいそとスクナの背中に隠れた。暫し、スクナとヤゴウ達が睨み合う。
「それに、だ。仮に貴方達の言う新型式守が製造中だったとして、それをモノ扱いするような連中には教えてやれんし、協力なんぞもっての外だ」
一向に退かぬ態度に痺れを切らしたスクナが口を開いた。内容を要約すればとっとと帰れ。が、その程度で引く相手でもない。
「困りますね、そんな物言いをされると。協力したくないなんて、そんな風に言われてはコチラも今後について色々と考えなければならなくなりますよねぇ、フフッ」
「マガツヒに蹂躙されて文句を言わんのならば好きにすればいい」
4人の内で最年少、まだ20代前半に見える美貌の才媛が言動にほんの僅か、恫喝を匂わせた。スクナも余裕の態度で切り返すが、言葉に反し表情は硬い。恐らく最悪の事態を見越している。色々、とは違法スレスレの物資制限だろう。実行された場合、止むを得ない判断として神が計画関与を許す可能性もあり得る。
気が付けば大きな研究所の小さな入り口に大勢の研究員が集まっていた。誰もが周囲と目を合わせ、コソコソと囁きながら、成り行きを見守る。順風満帆だった開発に暗雲が立ち込める。誰もが気が気でいられない。
「わかった、一度引き上げよう。また来る」
返答を聞き、最初に顔色を変えたのはやはりスクナ。もっと抵抗すると思われた交渉はあっさりと終わりを迎え、4人は拍子抜けするほどにあっさりと踵を返した。去り行く背中を誰もが黙って見つめる。二度と来るな。誰も口に出しこそしないが、視界から消える瞬間までジッと睨みつける視線は彼等の心情を雄弁に語っていた。
「何処で嗅ぎつけてきたのかね?金の匂いなんてしない筈なんだが?」
「ど、どうするんですか?こんな話……だってアマテラスオオカミの説明とは明らかに違いますよ?」
「そんな事言われても、どうする?」
「誰か主幹か所長呼んできてよ、私達じゃどうにも出来ないよコレ」
嵐は過ぎ去ったが、一先ずの話。また来る、と言い捨てた台詞通り次の嵐が吹き荒ぶ予兆に、押し黙っていた研究者達が堰を切ったように不安を零し始めた。特兵研前が一層騒然となる。誰もが急激に悪化する未来に不安を抱き、浮足立つ。そして、誰もが対応出来ない。
「先ずはアマテラスオオカミに連絡しろ。内通者がいる。手段はわからんが、通常の連絡手段一切は監視があるから……例えば、大昔使われた手紙でも使っとるのじゃろう。残った者はそのまま開発を続けてくれ。主幹への報告はワシが行う」
その様子にスクナが指示を飛ばした。
「は、はい。承知しました」
「でも、テガミって確か……えーと紙に文字書いてってアレですか?また随分と古臭い。初等学科の歴史で軽く習った記憶がうっすらとありますよ。しっかし、同盟惑星ならまだしも、旗艦だと逆に目立ちませんかね?」
「何れにせよ神に洗い出しをして頂かねば、な。奴等の考えは良く分かった。アレは確かに危険だ。完成も急いだ方が良いな」
「分かりました。はぁーもう、余計な手間掛けさせないで欲しいなぁ」
「全くじゃな。さぁ、全員仕事に戻ってくれ!!」
行く先に暗い影が落ちる。落胆しながらも研究所の奥へと足を向ける研究員達、持ち場へと戻るその他の研究員達、そしてスクナ。誰の顔も一様に、重く沈んでいた。
※※※
映像は一旦途切れ、次の映像が再生される。日付は先の研究所の一件から3日後。
「説得を行ったが無駄だった。 搬入資材の阻止、拒否は既に始まっているのは既に君達の知るところでもあるだろう」
「はい。違法スレスレで司法も手を出せません。一点、上奏させて頂きます。勅令を発しては如何でしょう?」
「影響が出るまで末端を使い潰し続けるだけだ。何より、市民に不要な不安を与えるのも好ましくない」
「そう、ですか」
映像に映るアマテラスオオカミから指示を受け取るのは特兵研研究員の一人。神と対峙する研究員の顔は苦悶に満ちる。やはり阻止は失敗。ディスプレイに映る能面の如き無表情に感情の気配は見えないが、紡ぎ出される言葉に相応以上に苦労が滲む。
「計画を知った経緯、強硬な態度に疑問は残るが、止むを得ない。協力体制を取る。彼等の行動を封じる強硬策を視野に入れたが、諸々の遅れは致命的だ」
「はい。マガツヒとの戦いは常に劣勢、更に遭遇報告も増加傾向にあります」
「この様な状況でなければ強硬手段も辞さなかったが、現状を見ればそうもいかない。加えて、姫と財団も今回の計画を気に掛けている」
「姫はともかく財団も、ですか?伍式の件で懲りたと思っていたのですが」
「外宇宙への探索は彼等の悲願ゆえ、な。ともかく、各方面からの期待は大きい。彼等の監視は厳重に行うよう全関係者に通達を」
「承知しました」
「情報漏洩元についてだが、間接的な接触まで含めれば膨大な数に昇る為、特定まではまだ時間がかかる」
「アマテラスオオカミでも追跡出来ないとなると、スクナ殿の言う通り手紙等を使ったやり取りを行ったのでしょう。併せて、承知しました。指示内容、確かに伝えます……が、その大丈夫でしょうか?」
「気にする必要はない」
「しかしッ!!これ以上は……姫の存在があるとは言え、これ以上演算能力を他に割り振っても問題ない、のでしょうか?」
「問題ない」
「……承知しました。神がそうおっしゃるのならば」
神の澱みない言葉に研究員は消しきれない疑問を飲み込み、引き下がった。が、表情は露骨に暗い。楽園とまで呼ばれる旗艦アマテラスの現状は、かなり際どいバランスの上に成り立っている。いや、この時点で既に傾きかけていた。そんな様子を窺わせる一幕だった。
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