114 / 273
第6章 決戦前夜
74話 冷酷な清雅の神
しおりを挟む
20XX/12/22 0730
――目が覚めた。いや、眠れなかったと言った方が正しい。
ガラス張りの天井の先に広がる空を見た。黒い夜空は既に白み、雲間から光が漏れている。ただ、今日も相変わらず一面の灰色で気が滅入る。時間は――開戦まで後2時間もない。
もう一度、重苦しい灰色一色の空を見上げた。何時か本物の青空をこの目に映す事が出来れば、そんな儚い希望に胸を焦がしていたのを思い出し、遂にその日が訪れず、酷く落胆した。
興味を喪失した意識は空から階下に向かう。一階フロアのテレビの音量が上がった。ナギも起きたらしい。漏れ聞こえる声が、清雅本社襲撃という未曽有の危機に対し世界各国から軍隊が続々と押し寄せる様子を伝える。併せて日本側の様子も。予想通り、清雅は無視を決め込んでいるようだ。
一階へと降りると、朝食を食べながらテレビを見るナギが見えた。おはよう、と軽く挨拶を交わし、一緒にテレビを眺める。番組は間もなく起きる清雅市襲撃に対する意見、感想を幅広い層から集めていた。
が、予想通り圧倒的多数が武力行使に賛成の立場を取る。反対意見は余程の変わり者か反清雅組織とかいう連中だけだが、意図して取り上げる事はないだろう。情報操作は連中の得意分野、さして違和感はない。
とは言え、確実に犠牲者は出る。大義名分があるとはいえ、金か脅迫かは知らないが、賛成する意味を理解しているのか大いに疑問だ。
考え込む間にも情報は濁流の様に流れ続ける。次の話題は半年以上前のテロ行動。ここ最近、立て続けに起きたテロを模倣した愉快犯の犯行。数日前に全世界の通信を乗っ取る形で行われた最後通牒の関連性をあれこれと議論――いや、半年前?まだ私が知らない情報があるのかと、ナギに尋ねた。
「あぁ、日本以外の国で構成された国家連合って組織があるんだ。活動目的は国際社会の秩序維持、特に経済分野での国際協力なんだけど表向きの話で、実際は影響力を強める清雅に対抗する為。で、今から半年前に北米にある総会議事堂をテロリストが襲撃したんだ。社長が呼び出されたから知ってる」
流石に事情をよく知っている。説明と時を同じくして、映像が切り替わった。偶然にも話題にした半年前のテロ事件の映像らしい。なるほど、確かに清雅源蔵がズラリと並ぶ各国の首脳陣から執拗に尋問を受けている。
争点は金。話によれば、半年前辺りから各国に建造されたネットワーク中継施設を標的としたテロ行動が増加し始めたようだ。ただでさえ莫大な通信費に頭を痛めていた各国の財政は逼迫、対テロ費用の負担か通信費の軽減措置を要求している――というのがおおよその流れ。
が、当人は批判に全く動じない。足を組み、背もたれに体重を掛け、集まった各国代表を見下す態度を見れば、おおよそそ批判の渦中にいる人物とは思えない程に太々しい。
「断る」
男は尊大な態度を全く崩さず、恫喝に近い各国の要望を一言で切り捨てた。正に傲慢。己が他者を見下すのは当然とばかりの言動は周囲の反感と怒りを煽る。
「幸運にも未然に防げてはいるが、破壊工作が止む気配は一向にない。貴方達の強引な政策が原因なのは明白でしょう?」
「施設の防衛費は年々増加し、財政を圧迫する。貴方達が出してくれるならばこういった場は設けない。だが金は出さない、説明はしない、通信費は据え置きでは堪ったモノではない!!」
「テロだけじゃない。反清雅組織も相次いで行方不明になっている。何れも手掛かりさえ掴めない。端的に君達の関与を疑っているのだよ、我々は」
「問題はまだあります。1年以上前に発生した大規模な通信障害を境に貴方達、貴重なレアメタル含めた資源や鉄鋼を大量に輸入していますよね?その理由も一切教えない。やましい理由がないと言うならば情報を開示すべきです」
各国首脳が一斉に清雅源蔵を糾弾し始めた。当人は尚も泰然とした態度を全く崩さず、堂々と座る。が、動く。手を上げ、発言の意志を示した。怒号の如き質問に騒然とする議事堂は水を打った様に静まり返る。
「話す必要はない」
まさか堂々と挑発とは、恐れ入った。シン、と静まり返る議場。唖然、呆然。余りの物言いに誰もが言葉を失う面々。しかし一時の事。誰の顔も怒りに紅潮し、歪み始めた。
「逆に問うが貴方達はどうなのだ?何なら調べようか?」
直後、清雅源蔵が機先を制した。途端に怒りで紅潮する顔が真っ青になり、張り詰めんばかりに緊迫した空気が一気に冷め、誰もが一斉に口を閉ざした。たった一言で大勢が決した。各々が苦悩、苦悶、諦観と様々な顔色を浮かべながら、しかし決して口を開く事はなかった。
これが世界の頂点に立つ清雅源蔵の力。圧倒的な情報収集能力を駆使、致命的な秘密を握り、己の望むままに世界を動す。世界中の誰もが止められない怪物――その尊大で傲慢な男の姿に、地球の神として君臨するツクヨミの影を垣間見た。
その男の、ゾッとするくらいに冷たい目を見た。背筋に、冷たい何かが走った。
だが、またもや状況が一変する。会議場外から爆音が響き渡った。僅かに揺れる映像が誰もが慌てふためく様子を映す。清雅源蔵も何事か、と音のした方向を真っ先に見つめた。その矢先、武装した覆面の一団が議場に雪崩れ込んで来た。私が良く知る格好と武器を携えた一団は無差別に銃を乱射、各国首脳、関係者を死傷させるや速やかに撤退した。僅か1分にも満たない間の出来事だった。
「あのさ、アレ」
ナギが私を見上げた。見た目に僅かな違いはあれど、私達に支給される装備品とほぼ同じ見た目をしていた。だが、半年前にそんな作戦があった記憶はない。一個小隊レベルとは言え、戦闘行動を伴う作戦を私達の誰にもに知らせず、知られず送り出すなどあり得ない。非常識なアラハバキさえ噛んでいなければ断言できるが、とは言えコレは――
「考えてる事、何となくわかるよ。やりそうだよね、なんとなくさ。で、やっぱり違うのか?」
ナギの質問に傍と彼を見た。何時もの癖で黙り込んでいたらしい。断定できないと前置きの上で、私達じゃないと簡潔に告げた。
「そっか。自作自演、か」
そう。現状、テロ活動で最も利を得るのは清雅。アラハバキが秘密裏に行動を起こしたと仮定しても、全世界の首脳が集まるこくれん?なる組織を襲撃する理由がない。あれでは無意味に警戒させるだけだ。ツクヨミの場所が分からなかったから清雅源蔵を攫いに来た、と考えても撤退が早すぎる上に武装も貧弱過ぎる。
一方、清雅側には世界を味方に付けられる。先の会議場での歪な力関係を見れば、世界中が清雅に強烈な反感を抱いていると見て良い。そんな情勢の中、清雅に敵対する勢力が現れたら幸いとばかりに同調する可能性は高い。世界を支配下に置くとはいえ只の一企業。加えて秘密裏に準備を進めた影響か、戦力は多くない。旗艦と世界中の軍隊の双方を同時に相手に戦える程の数を揃えているとは思えない。
だが、もし世界全体を清雅の味方に付ける事が出来たら。そう考えると色々と納得がいく。清雅の神とやらが入れ知恵をしているならば間違いなく。散々に見た冷酷さと残虐さを考えたら、勝利の為に世界中を巻き込む絵図を描く確信があった。
ツクヨミ――
目的の為に手段を選ばない冷徹さを持つ神。その源泉は無関心と無理解。マジンと言う兵器が神の性格を端的に表している。人間さえも浸食対象とし、兵器に変えて操る。操られる側が死のうが苦しもうがお構いなし。開発する方も、使う方も正気ではない。
神だけじゃない。清雅も、SNSを通して他者を追い詰める事を楽しむ連中も、スサノヲの心情をまるで理解しないアラハバキの面々も、そんな彼等を鵜呑みにして非難する市民も同じく。誰もがほんの少し誰かの事を思えばこんな悪夢のような現状にならなかった、と考えずにいられない。
画面の向こうで活気づく議論は、やがて現在集結中の軍隊へと移る。G県に隣接するI県には、既に相当数の兵士が到着しているそうだ。目的は清雅の援護。だが、誰も戦う相手を知らない。敵は地球がどうなろうと意に介さないアラハバキが結成したクズリュウと、旗艦から選りすぐられた精鋭、スサノヲ。私の仲間達。
この状況を解決するには、何としても私達が先んじてツクヨミを見つけなければならない。だが、余りにも障害が大きい。巨大すぎるうねりの前に、たった2人でどれだけの事が出来るのか。上手く行くか。最善の案は他にないか。いや、そもそも私はどうしたいのか。
考えた末、私が出した結論は――
-----
6章終了
next → 7章【世界崩壊の日】 視点:伊佐凪竜一
――目が覚めた。いや、眠れなかったと言った方が正しい。
ガラス張りの天井の先に広がる空を見た。黒い夜空は既に白み、雲間から光が漏れている。ただ、今日も相変わらず一面の灰色で気が滅入る。時間は――開戦まで後2時間もない。
もう一度、重苦しい灰色一色の空を見上げた。何時か本物の青空をこの目に映す事が出来れば、そんな儚い希望に胸を焦がしていたのを思い出し、遂にその日が訪れず、酷く落胆した。
興味を喪失した意識は空から階下に向かう。一階フロアのテレビの音量が上がった。ナギも起きたらしい。漏れ聞こえる声が、清雅本社襲撃という未曽有の危機に対し世界各国から軍隊が続々と押し寄せる様子を伝える。併せて日本側の様子も。予想通り、清雅は無視を決め込んでいるようだ。
一階へと降りると、朝食を食べながらテレビを見るナギが見えた。おはよう、と軽く挨拶を交わし、一緒にテレビを眺める。番組は間もなく起きる清雅市襲撃に対する意見、感想を幅広い層から集めていた。
が、予想通り圧倒的多数が武力行使に賛成の立場を取る。反対意見は余程の変わり者か反清雅組織とかいう連中だけだが、意図して取り上げる事はないだろう。情報操作は連中の得意分野、さして違和感はない。
とは言え、確実に犠牲者は出る。大義名分があるとはいえ、金か脅迫かは知らないが、賛成する意味を理解しているのか大いに疑問だ。
考え込む間にも情報は濁流の様に流れ続ける。次の話題は半年以上前のテロ行動。ここ最近、立て続けに起きたテロを模倣した愉快犯の犯行。数日前に全世界の通信を乗っ取る形で行われた最後通牒の関連性をあれこれと議論――いや、半年前?まだ私が知らない情報があるのかと、ナギに尋ねた。
「あぁ、日本以外の国で構成された国家連合って組織があるんだ。活動目的は国際社会の秩序維持、特に経済分野での国際協力なんだけど表向きの話で、実際は影響力を強める清雅に対抗する為。で、今から半年前に北米にある総会議事堂をテロリストが襲撃したんだ。社長が呼び出されたから知ってる」
流石に事情をよく知っている。説明と時を同じくして、映像が切り替わった。偶然にも話題にした半年前のテロ事件の映像らしい。なるほど、確かに清雅源蔵がズラリと並ぶ各国の首脳陣から執拗に尋問を受けている。
争点は金。話によれば、半年前辺りから各国に建造されたネットワーク中継施設を標的としたテロ行動が増加し始めたようだ。ただでさえ莫大な通信費に頭を痛めていた各国の財政は逼迫、対テロ費用の負担か通信費の軽減措置を要求している――というのがおおよその流れ。
が、当人は批判に全く動じない。足を組み、背もたれに体重を掛け、集まった各国代表を見下す態度を見れば、おおよそそ批判の渦中にいる人物とは思えない程に太々しい。
「断る」
男は尊大な態度を全く崩さず、恫喝に近い各国の要望を一言で切り捨てた。正に傲慢。己が他者を見下すのは当然とばかりの言動は周囲の反感と怒りを煽る。
「幸運にも未然に防げてはいるが、破壊工作が止む気配は一向にない。貴方達の強引な政策が原因なのは明白でしょう?」
「施設の防衛費は年々増加し、財政を圧迫する。貴方達が出してくれるならばこういった場は設けない。だが金は出さない、説明はしない、通信費は据え置きでは堪ったモノではない!!」
「テロだけじゃない。反清雅組織も相次いで行方不明になっている。何れも手掛かりさえ掴めない。端的に君達の関与を疑っているのだよ、我々は」
「問題はまだあります。1年以上前に発生した大規模な通信障害を境に貴方達、貴重なレアメタル含めた資源や鉄鋼を大量に輸入していますよね?その理由も一切教えない。やましい理由がないと言うならば情報を開示すべきです」
各国首脳が一斉に清雅源蔵を糾弾し始めた。当人は尚も泰然とした態度を全く崩さず、堂々と座る。が、動く。手を上げ、発言の意志を示した。怒号の如き質問に騒然とする議事堂は水を打った様に静まり返る。
「話す必要はない」
まさか堂々と挑発とは、恐れ入った。シン、と静まり返る議場。唖然、呆然。余りの物言いに誰もが言葉を失う面々。しかし一時の事。誰の顔も怒りに紅潮し、歪み始めた。
「逆に問うが貴方達はどうなのだ?何なら調べようか?」
直後、清雅源蔵が機先を制した。途端に怒りで紅潮する顔が真っ青になり、張り詰めんばかりに緊迫した空気が一気に冷め、誰もが一斉に口を閉ざした。たった一言で大勢が決した。各々が苦悩、苦悶、諦観と様々な顔色を浮かべながら、しかし決して口を開く事はなかった。
これが世界の頂点に立つ清雅源蔵の力。圧倒的な情報収集能力を駆使、致命的な秘密を握り、己の望むままに世界を動す。世界中の誰もが止められない怪物――その尊大で傲慢な男の姿に、地球の神として君臨するツクヨミの影を垣間見た。
その男の、ゾッとするくらいに冷たい目を見た。背筋に、冷たい何かが走った。
だが、またもや状況が一変する。会議場外から爆音が響き渡った。僅かに揺れる映像が誰もが慌てふためく様子を映す。清雅源蔵も何事か、と音のした方向を真っ先に見つめた。その矢先、武装した覆面の一団が議場に雪崩れ込んで来た。私が良く知る格好と武器を携えた一団は無差別に銃を乱射、各国首脳、関係者を死傷させるや速やかに撤退した。僅か1分にも満たない間の出来事だった。
「あのさ、アレ」
ナギが私を見上げた。見た目に僅かな違いはあれど、私達に支給される装備品とほぼ同じ見た目をしていた。だが、半年前にそんな作戦があった記憶はない。一個小隊レベルとは言え、戦闘行動を伴う作戦を私達の誰にもに知らせず、知られず送り出すなどあり得ない。非常識なアラハバキさえ噛んでいなければ断言できるが、とは言えコレは――
「考えてる事、何となくわかるよ。やりそうだよね、なんとなくさ。で、やっぱり違うのか?」
ナギの質問に傍と彼を見た。何時もの癖で黙り込んでいたらしい。断定できないと前置きの上で、私達じゃないと簡潔に告げた。
「そっか。自作自演、か」
そう。現状、テロ活動で最も利を得るのは清雅。アラハバキが秘密裏に行動を起こしたと仮定しても、全世界の首脳が集まるこくれん?なる組織を襲撃する理由がない。あれでは無意味に警戒させるだけだ。ツクヨミの場所が分からなかったから清雅源蔵を攫いに来た、と考えても撤退が早すぎる上に武装も貧弱過ぎる。
一方、清雅側には世界を味方に付けられる。先の会議場での歪な力関係を見れば、世界中が清雅に強烈な反感を抱いていると見て良い。そんな情勢の中、清雅に敵対する勢力が現れたら幸いとばかりに同調する可能性は高い。世界を支配下に置くとはいえ只の一企業。加えて秘密裏に準備を進めた影響か、戦力は多くない。旗艦と世界中の軍隊の双方を同時に相手に戦える程の数を揃えているとは思えない。
だが、もし世界全体を清雅の味方に付ける事が出来たら。そう考えると色々と納得がいく。清雅の神とやらが入れ知恵をしているならば間違いなく。散々に見た冷酷さと残虐さを考えたら、勝利の為に世界中を巻き込む絵図を描く確信があった。
ツクヨミ――
目的の為に手段を選ばない冷徹さを持つ神。その源泉は無関心と無理解。マジンと言う兵器が神の性格を端的に表している。人間さえも浸食対象とし、兵器に変えて操る。操られる側が死のうが苦しもうがお構いなし。開発する方も、使う方も正気ではない。
神だけじゃない。清雅も、SNSを通して他者を追い詰める事を楽しむ連中も、スサノヲの心情をまるで理解しないアラハバキの面々も、そんな彼等を鵜呑みにして非難する市民も同じく。誰もがほんの少し誰かの事を思えばこんな悪夢のような現状にならなかった、と考えずにいられない。
画面の向こうで活気づく議論は、やがて現在集結中の軍隊へと移る。G県に隣接するI県には、既に相当数の兵士が到着しているそうだ。目的は清雅の援護。だが、誰も戦う相手を知らない。敵は地球がどうなろうと意に介さないアラハバキが結成したクズリュウと、旗艦から選りすぐられた精鋭、スサノヲ。私の仲間達。
この状況を解決するには、何としても私達が先んじてツクヨミを見つけなければならない。だが、余りにも障害が大きい。巨大すぎるうねりの前に、たった2人でどれだけの事が出来るのか。上手く行くか。最善の案は他にないか。いや、そもそも私はどうしたいのか。
考えた末、私が出した結論は――
-----
6章終了
next → 7章【世界崩壊の日】 視点:伊佐凪竜一
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
日本の運命を変えた天才少年-日本が世界一の帝国になる日-
ましゅまろ
歴史・時代
――もしも、日本の運命を変える“少年”が現れたなら。
1941年、戦争の影が世界を覆うなか、日本に突如として現れた一人の少年――蒼月レイ。
わずか13歳の彼は、天才的な頭脳で、戦争そのものを再設計し、歴史を変え、英米独ソをも巻き込みながら、日本を敗戦の未来から救い出す。
だがその歩みは、同時に多くの敵を生み、命を狙われることも――。
これは、一人の少年の手で、世界一の帝国へと昇りつめた日本の物語。
希望と混乱の20世紀を超え、未来に語り継がれる“蒼き伝説”が、いま始まる。
※アルファポリス限定投稿
旧校舎の地下室
守 秀斗
恋愛
高校のクラスでハブられている俺。この高校に友人はいない。そして、俺はクラスの美人女子高生の京野弘美に興味を持っていた。と言うか好きなんだけどな。でも、京野は美人なのに人気が無く、俺と同様ハブられていた。そして、ある日の放課後、京野に俺の恥ずかしい行為を見られてしまった。すると、京野はその事をバラさないかわりに、俺を旧校舎の地下室へ連れて行く。そこで、おかしなことを始めるのだったのだが……。
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
日本新世紀ー日本の変革から星間連合の中の地球へー
黄昏人
SF
現在の日本、ある地方大学の大学院生のPCが化けた!
あらゆる質問に出してくるとんでもなくスマートで完璧な答え。この化けたPC“マドンナ”を使って、彼、誠司は核融合発電、超バッテリーとモーターによるあらゆるエンジンの電動化への変換、重力エンジン・レールガンの開発・実用化などを通じて日本の経済・政治状況及び国際的な立場を変革していく。
さらに、こうしたさまざまな変革を通じて、日本が主導する地球防衛軍は、巨大な星間帝国の侵略を跳ね返すことに成功する。その結果、地球人類はその星間帝国の圧政にあえいでいた多数の歴史ある星間国家の指導的立場になっていくことになる。
この中で、自らの進化の必要性を悟った人類は、地球連邦を成立させ、知能の向上、他星系への植民を含む地球人類全体の経済の底上げと格差の是正を進める。
さらには、マドンナと誠司を擁する地球連邦は、銀河全体の生物に迫る危機の解明、撃退法の構築、撃退を主導し、銀河のなかに確固たる地位を築いていくことになる。
蒼穹の裏方
Flight_kj
SF
日本海軍のエンジンを中心とする航空技術開発のやり直し
未来の知識を有する主人公が、海軍機の開発のメッカ、空技廠でエンジンを中心として、武装や防弾にも口出しして航空機の開発をやり直す。性能の良いエンジンができれば、必然的に航空機も優れた機体となる。加えて、日本が遅れていた電子機器も知識を生かして開発を加速してゆく。それらを利用して如何に海軍は戦ってゆくのか?未来の知識を基にして、どのような戦いが可能になるのか?航空機に関連する開発を中心とした物語。カクヨムにも投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる