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第7章 世界崩壊の日
77話 本社 侵入
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地下鉄を走り抜け、本社地下の駅の最奥、一階へと続く巨大な扉の前に着いた。それはもうアッサリと、拍子抜けするほどに呆気なく。誰かいるだろうと思ったが実際には地下鉄の線路から乗り口に至るまでの何処にも、誰一人としていなかった。確か、羽島は――
「お前達だけがツクヨミシステムが作る網から漏れている」
だったか?そんな事を言っていた。心の何処かに残っていた疑念が、現実を前に完全に消えた。すんなり市内に入れた事もそうだし、俺でさえ考えついた地下からの本社侵入を清雅の誰も気付かない訳がない。もし上で戦ってるルミナの仲間が地下駅を見つけたら、と考えれば罠とも思えない。
なら、一体どんな理由で俺を素通しするんだ?自分でも知らない出自や、あるいは秘められた力がある――訳ないか。確かに力はあったようだけど、そこまで強い訳じゃなさそうだ。納得のいく理由は分からない。だから、今はただ結果だけを受け入れるしかない。
何故だか分からないが誰も居ないから、このまま進む。そもそも、もう前に進む以外の道はない。駅と本社を隔てる硬質ガラス製の扉の前に立ち、ジャケットの内ポケットから特製IDを認証機器にかざした。
「それは所謂特権IDってヤツでな、通常とは別処理になっているらしく清雅関連施設の大半を無条件でパス出来るようになってる上に痕跡すら残らない」
確かこうも言っていた。大半の施設と言うならば本社も――
「LV1管理者と認証。入社を許可、全記録及び監視映像から関連データを抹消中……完了」
同じかぁ。特製の言葉に偽りなし。が、マジか。本社であろうが問答無用で開けられるようだ。社内外を隔てる扉は静かに開いた。第一段階は苦も無く突破した。
喜びを抑えつつ、久方ぶりの本社内へと足を進める。恐らく中に人はいない。余程熱心か、さもなくば病的なまでに上昇志向が強い社員ならいるかも知れないが。幸運を祈りつつ、階段を上り、本社一階へと踏み込んだ。
たった数日だがまるで数年振りに見る懐かしい社内は外とは違い、整然として退職する前と何ら変わらなかった。唯一つ、見渡す範囲に人っ子一人いなくて、酷く静かな点を除けば。
世界中からの来客に対応する為、本社1階は取引用に用意された無数の応接室で埋め尽くされている。応接室の場所を尋ねる来客、内心ウンザリしながらも笑顔で案内する受付の声、アナウンス。仕事とは無関係の談笑。何もかもが懐かしい喧騒が、今は全く聞こえない。
そのまま1階を通り過ぎ、2階へと足を進め、取りあえず近場から順に誰も居ない部署を探して回る事にした。目指すは本社の何処かに安置されるツクヨミの確保、破壊。大丈夫、目的はブレていない。だけど、今――頭の中には突然消えてしまった彼女の事だけが渦を巻いていた。何処に行ったんだアイツ。
※※※
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清雅の各部署は2階から社長室の最上階を除いた全フロアに振り分けられる。上層階の重要部署とは違い、下層階の部署は時折警備が巡回する程度で基本的に人の出入りはある程度自由と聞いた。2階にあるのは販売戦略課。改めて誰もいないことを確認し、部屋に入り、一番奥まった場所にある室長席に座る。
「認証装置に管理者認証カードキーをかざして下さい」
座ると同時にディスプレイから機械音声が流れた。このままではPCすら起動できないらしいが――
「認証完了。LV1管理者と認証、本社が管理する全データの閲覧を許可します。全ファイル開示完了、パスワード解除完了、秘匿情報開示完了……管理者権限で実行した全命令はあらゆる記録媒体に残りません、ご注意ください」
デスクの端に置かれた認証装置に特製IDをかざすと、PCは更に物騒な説明を流しながら起動した。このID、入り口を開けるだけじゃなくて社外秘レベルの情報まで丸裸に出来るのか。
挙句に何をしても証拠すら残らないとなれば確かに特権の名は伊達じゃないが、でもこれって清雅が管理する世界ならば実質的に犯罪し放題になるんじゃ?もしかしたら、清雅に不利益な人間がいたらコレを使って――そんな想像が頭を巡り、背筋が寒くなった。改めて清雅の異常さを思い知らされる。
どう考えてもついでに寄越す代物じゃないが、それはそれとして羽島に感謝しつつ社内の情報を調べ始めた。だが、期待した情報は全く出てこない。全ユーザーの個人情報、各国がやり取りしている極秘の会談内容等さえ全て閲覧可能だというのに。
当たり前だが自分の情報も全部出て来た。世間に周知の情報から自分しか知り得ない様な情報まで多岐に渡っている。様々なデータから割り出した性格予測、好きな物の傾向、好みの女性の傾向etc、閲覧制限アリと記録された表に出せない記録まで。
途中から思わず目を逸らしてしまったが、危険人物としてのランク付けから人質としての価値を図る目的での家族構成、果ては恫喝材料から有効な殺害方法という無茶苦茶な項目まであった。
予想以上に全部筒抜けだ。ただ、薄気味悪さよりも落胆の方が大きい。こんなに重要な情報すら簡単にアクセス可能なIDでさえ、ツクヨミに関する情報に辿り着けない。羽島の様な連中が外の守りを固めているのだから確実に本社にあるのは間違いない。
ここまでは運良く辿り着けた、だから後は自力で何とかするしかない。諦めるなど出来ない。託されたからじゃない。ルミナがそうだった。だから、諦めるなんて出来ない。
ふと気付けば、勝手に姿を消した彼女の事を考えていた。相変わらず彼女の動向が気がかりになる。今、何処で何をしているんだ?どうしてあんな真似をした?意識する度に、どうしようもなく疑問が膨れ上がる。同時に最悪の結末を頭が描く。ひょっとして、もしかしたらもう――
嫌な考えを振り払い、再び意識をツクヨミに向ける。清雅一族と関わりがある謎のシステム。この状況を引っ繰り返す事が出来る唯一の可能性。そうだ、確か羽島がこんな風に言っていた。
「正確な場所を知るのは清雅一族に限られる」
直感的に一つの可能性が浮かんだ。いや、もうここ以外に探す場所はない。社長室。PCを操作し、戦場の様子を報道する番組を片っ端から表示した。この事態を想定しているなら、宇宙との戦争を望んでいるなら、清雅源蔵も羽島と同じ兵器を持っていてもおかしくない。
逆に見つからなければ社長室にいる事になる。ただ、その場合は化け物染みた力の適性がないと考えて良い。なら、銃で脅して居場所を吐かせる。目的は決まった。
幾つもの映像を別々のディスプレイで表示させ、虱潰しに探す。探す。探す。探して、探して、そうする内に机の上は動く画面だらけになりった。無数の映像を眺め続けて気分が悪くなる。それでも我慢しながら映像を凝視、そして――
「いた!!」
反射的に叫んだ。ディスプレイに顔を近づける。間違いない。清雅源蔵は羽島と同じく青白い何かに乗って、更に偉そうにふんぞり返っていた。乗っているのは色々な神話に共通して登場する世界の守護者、竜だ。
これ以上の好機はない。社長室はもぬけの殻で確定。ツクヨミを探す絶好の機会が訪れ、心が躍る。乱雑に椅子を跳ね飛ばし、走り、急いでエレベーターに乗り、最上階を目指す。外から時折轟音が聞こえ、床が僅かに震動した。数日前ならば竦んだだろう。だけど、今の俺は何も感じない。
成長や慣れもあるかもしれない。ただ、一番ははっきりとした目的があるから。それが全てに優先し、恐怖すらも感じない位に集中している。余計なことは考えるな。足と頭を動かせ。もう、後悔するのは御免だ。
地下鉄を走り抜け、本社地下の駅の最奥、一階へと続く巨大な扉の前に着いた。それはもうアッサリと、拍子抜けするほどに呆気なく。誰かいるだろうと思ったが実際には地下鉄の線路から乗り口に至るまでの何処にも、誰一人としていなかった。確か、羽島は――
「お前達だけがツクヨミシステムが作る網から漏れている」
だったか?そんな事を言っていた。心の何処かに残っていた疑念が、現実を前に完全に消えた。すんなり市内に入れた事もそうだし、俺でさえ考えついた地下からの本社侵入を清雅の誰も気付かない訳がない。もし上で戦ってるルミナの仲間が地下駅を見つけたら、と考えれば罠とも思えない。
なら、一体どんな理由で俺を素通しするんだ?自分でも知らない出自や、あるいは秘められた力がある――訳ないか。確かに力はあったようだけど、そこまで強い訳じゃなさそうだ。納得のいく理由は分からない。だから、今はただ結果だけを受け入れるしかない。
何故だか分からないが誰も居ないから、このまま進む。そもそも、もう前に進む以外の道はない。駅と本社を隔てる硬質ガラス製の扉の前に立ち、ジャケットの内ポケットから特製IDを認証機器にかざした。
「それは所謂特権IDってヤツでな、通常とは別処理になっているらしく清雅関連施設の大半を無条件でパス出来るようになってる上に痕跡すら残らない」
確かこうも言っていた。大半の施設と言うならば本社も――
「LV1管理者と認証。入社を許可、全記録及び監視映像から関連データを抹消中……完了」
同じかぁ。特製の言葉に偽りなし。が、マジか。本社であろうが問答無用で開けられるようだ。社内外を隔てる扉は静かに開いた。第一段階は苦も無く突破した。
喜びを抑えつつ、久方ぶりの本社内へと足を進める。恐らく中に人はいない。余程熱心か、さもなくば病的なまでに上昇志向が強い社員ならいるかも知れないが。幸運を祈りつつ、階段を上り、本社一階へと踏み込んだ。
たった数日だがまるで数年振りに見る懐かしい社内は外とは違い、整然として退職する前と何ら変わらなかった。唯一つ、見渡す範囲に人っ子一人いなくて、酷く静かな点を除けば。
世界中からの来客に対応する為、本社1階は取引用に用意された無数の応接室で埋め尽くされている。応接室の場所を尋ねる来客、内心ウンザリしながらも笑顔で案内する受付の声、アナウンス。仕事とは無関係の談笑。何もかもが懐かしい喧騒が、今は全く聞こえない。
そのまま1階を通り過ぎ、2階へと足を進め、取りあえず近場から順に誰も居ない部署を探して回る事にした。目指すは本社の何処かに安置されるツクヨミの確保、破壊。大丈夫、目的はブレていない。だけど、今――頭の中には突然消えてしまった彼女の事だけが渦を巻いていた。何処に行ったんだアイツ。
※※※
20XX/12/22 0943
清雅の各部署は2階から社長室の最上階を除いた全フロアに振り分けられる。上層階の重要部署とは違い、下層階の部署は時折警備が巡回する程度で基本的に人の出入りはある程度自由と聞いた。2階にあるのは販売戦略課。改めて誰もいないことを確認し、部屋に入り、一番奥まった場所にある室長席に座る。
「認証装置に管理者認証カードキーをかざして下さい」
座ると同時にディスプレイから機械音声が流れた。このままではPCすら起動できないらしいが――
「認証完了。LV1管理者と認証、本社が管理する全データの閲覧を許可します。全ファイル開示完了、パスワード解除完了、秘匿情報開示完了……管理者権限で実行した全命令はあらゆる記録媒体に残りません、ご注意ください」
デスクの端に置かれた認証装置に特製IDをかざすと、PCは更に物騒な説明を流しながら起動した。このID、入り口を開けるだけじゃなくて社外秘レベルの情報まで丸裸に出来るのか。
挙句に何をしても証拠すら残らないとなれば確かに特権の名は伊達じゃないが、でもこれって清雅が管理する世界ならば実質的に犯罪し放題になるんじゃ?もしかしたら、清雅に不利益な人間がいたらコレを使って――そんな想像が頭を巡り、背筋が寒くなった。改めて清雅の異常さを思い知らされる。
どう考えてもついでに寄越す代物じゃないが、それはそれとして羽島に感謝しつつ社内の情報を調べ始めた。だが、期待した情報は全く出てこない。全ユーザーの個人情報、各国がやり取りしている極秘の会談内容等さえ全て閲覧可能だというのに。
当たり前だが自分の情報も全部出て来た。世間に周知の情報から自分しか知り得ない様な情報まで多岐に渡っている。様々なデータから割り出した性格予測、好きな物の傾向、好みの女性の傾向etc、閲覧制限アリと記録された表に出せない記録まで。
途中から思わず目を逸らしてしまったが、危険人物としてのランク付けから人質としての価値を図る目的での家族構成、果ては恫喝材料から有効な殺害方法という無茶苦茶な項目まであった。
予想以上に全部筒抜けだ。ただ、薄気味悪さよりも落胆の方が大きい。こんなに重要な情報すら簡単にアクセス可能なIDでさえ、ツクヨミに関する情報に辿り着けない。羽島の様な連中が外の守りを固めているのだから確実に本社にあるのは間違いない。
ここまでは運良く辿り着けた、だから後は自力で何とかするしかない。諦めるなど出来ない。託されたからじゃない。ルミナがそうだった。だから、諦めるなんて出来ない。
ふと気付けば、勝手に姿を消した彼女の事を考えていた。相変わらず彼女の動向が気がかりになる。今、何処で何をしているんだ?どうしてあんな真似をした?意識する度に、どうしようもなく疑問が膨れ上がる。同時に最悪の結末を頭が描く。ひょっとして、もしかしたらもう――
嫌な考えを振り払い、再び意識をツクヨミに向ける。清雅一族と関わりがある謎のシステム。この状況を引っ繰り返す事が出来る唯一の可能性。そうだ、確か羽島がこんな風に言っていた。
「正確な場所を知るのは清雅一族に限られる」
直感的に一つの可能性が浮かんだ。いや、もうここ以外に探す場所はない。社長室。PCを操作し、戦場の様子を報道する番組を片っ端から表示した。この事態を想定しているなら、宇宙との戦争を望んでいるなら、清雅源蔵も羽島と同じ兵器を持っていてもおかしくない。
逆に見つからなければ社長室にいる事になる。ただ、その場合は化け物染みた力の適性がないと考えて良い。なら、銃で脅して居場所を吐かせる。目的は決まった。
幾つもの映像を別々のディスプレイで表示させ、虱潰しに探す。探す。探す。探して、探して、そうする内に机の上は動く画面だらけになりった。無数の映像を眺め続けて気分が悪くなる。それでも我慢しながら映像を凝視、そして――
「いた!!」
反射的に叫んだ。ディスプレイに顔を近づける。間違いない。清雅源蔵は羽島と同じく青白い何かに乗って、更に偉そうにふんぞり返っていた。乗っているのは色々な神話に共通して登場する世界の守護者、竜だ。
これ以上の好機はない。社長室はもぬけの殻で確定。ツクヨミを探す絶好の機会が訪れ、心が躍る。乱雑に椅子を跳ね飛ばし、走り、急いでエレベーターに乗り、最上階を目指す。外から時折轟音が聞こえ、床が僅かに震動した。数日前ならば竦んだだろう。だけど、今の俺は何も感じない。
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