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第10章 目覚め そして 英雄となる
104話 だから 今できる精一杯を
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聞き慣れた声に足が止まった。視線を全面ガラス張りの壁の向こうに向ける。遥か遠くにスクナが見えた。清雅源蔵と相対し、何やら気勢を上げている。
「アマテラスオオカミより全権を委任された代行者スクナが全部隊に勅令を出す。スサノヲとヤタガラスにクズリュウと同じ権限を与える。同時に、アマテラスオオカミの鎖による拘束から全員を解放する……」
疑問が、一つ増えた――
10分ほど前、屋上への移動途中に聞いた言葉が頭に反響する。勅令と鎖。あの日、タガミが挑発し、殴り、黄泉に拘束されるまでの一連の出来事の違和感に回答が出た。ヒルメとタガミはアマテラスオオカミの指示でスクナを一時拘束後、秘密裏に解放、警戒対象から外し、動きやすくしたという訳か。そうでなければ勅令に説明がつかない。なら、タガミのアレは演技か。
ただ、問題は鎖だ。私に何らの影響もないからてっきり使っていないと思っていたが、やはり使ったらしい。だとして、どうして私に何の影響もない?特例とは言えスサノヲに入隊した以上、私も鎖の対象になっていなければおかしい。だというのに全く影響がなかった。遠すぎて範囲外になった、とか?
全く、次から次へと疑問が増える。だが、想定外だが結果的には喜ばしい。移動中に行動不能になっていれば、とうに見つけられていた。
ピピ
バイザーから警告用の電子音が鳴った。地上のカグツチ濃度が突如として不安定になったようだ。充填していた時もそうだったが、波が大きすぎる。これもそうだ。以前、密閉された空間でカグツチを取り込んだ時に漠然と頭の中に浮かんだ推測が確信に変わった。アラミサキだ。しかも、恐らく地球規模の現象と誤認させる為に惑星全土を覆うほどの規模を展開している。元はマガツヒを呼び込まない為の策だろうが、この時の為に流用したと考えれば合点がいく。
クズリュウ側の戦力はガタ落ち。一般人に毛が生えた程度の連中では濃度低下に対処出来ない。優勢なら多少の経験差を埋められるだろうが、動揺と混乱でまともな精神状態を維持出来なければ一気に崩れる。
外の様子を見るに清雅本社はほぼ無傷。完全に把握している訳ではないが、戦況は旗艦側の不利と見て間違いない。多分、清雅とツクヨミが切り札の一つでも切ったのだろう。現状は全て清雅とツクヨミの手の内だ。
窓の外を見た。数体の竜を操る清雅源蔵が、清雅市の空を踊る。
散々私達を苦しめたマジンと言う名の兵器と共に戦う男の戦闘力は凄まじい。恐らくアレが完成形。竜――様々な惑星に伝わる、世界を守護する架空の生物。様々な文化文明に共通して、何故か同じ姿と名前で呼ばれる神聖な存在。己が世界を守護するつもりでいるのか、随分と不遜な奴だ。
※※※
20XX/12/22 1015
屋上へと続く階段を駆け上がりながら、同時に地球で知った様々な情報と現状から推測される一連の経緯を纏める。
ツクヨミと清雅はアラハバキ達が独断で起こした戦争を利用した。その準備は少なくとも半年前以上前から行われていた。半年前のテロ騒動もその一環。事前にカガセオに見せかけたテロ事件をでっち上げ、今日この日に地球側を一つに纏めるか敵対しないように画策した。
清雅の狙いは故郷である旗艦アマテラスへの凱旋。清雅源蔵の独断かツクヨミの願いかは分からないが、目的が旗艦ならば、制圧するまでは絶対に戦いの手を止めない。そして、アラハバキもそんな真似を認めない。戦いは、ほぼ泥沼に陥る。
屋上へと続く階段、その終点である扉を開ういた。予想通り、狙撃には絶好の地点。障害となる建物は唯一これより高い清雅本社ビル以外に存在しない。道を2つ挟んだ向こう側では激しい戦闘が今も尚、続いている。入口の影に隠れるように残った武器を取り出し、分解する。
清雅への懸念はまだもう一つある。ホムラは今も尚、作り続けられているが、その量をざっと計算すると地上を覆っている分が少なすぎる。
地面や海に吸収された可能性も否定できない。山県大地の話では生物に堆積する事は間違いなく、彼等が使うマジンと言う兵器に使用する分も大雑把だが計算に含めた。地球上に存在する端末に含有され消費される分も当然計算に入れた。考え得る全てを考慮し、地上にあるべきホムラの総量を計算したが、どう考えても足りない。何か他に見落としがなければ、大量のホムラは今もどこかに蓄積されたまま。
私達が三種の超兵器を所持している様に、清雅も大質量のホムラを使用するマジンという切り札を持っている。この予測が正しいならば、それこそが最終最後の切り札。
そして、確実に切る。地球側が優勢とは言え、旗艦側の総戦力と比較すれば明らかに少ない。何より、連合に救援を要求されればその時点でご破算、敗北は確定する。だから、その前に勝負を決めに掛かる。
無論、取り越し苦労ならそれで良いし、もしあるならば有効な打開策を誰かが取ってくれると信じる。だから、後はコレを成功させるだけだ。
清雅源蔵を攻撃する事で、私が操られてないと――味方だと証明する。どれだけが信じてくれるかだけが問題で、それが一番肝心な問題でもあるのだけど。
所持する全ての武器を分解し、カグツチを吸収する機構と貯蔵機を連結する。少々歪で、規格から製造会社まで違う代物を無理矢理繋ぎ合わせるのだから恐らく一度、持って二度位しか撃てそうにない。こうして分解するのは数日振りか、とこれまでの逃走劇を思い起こした。
偶然にもナギを助け、彼に助けられ、命の危機を何度も乗り越えてきた。一つ一つを冷静に思い返してみれば偶然に次ぐ偶然の連続、孤立無援の未開惑星で良くここまで生きてこれたな――と、あるいは話でしか聞いた事のない主星の姫とやらの加護なのかと考えたりもした。
では、彼と出会った事もそうなのだろうか。人の出会いには意味がある。そんな話を聞いた記憶が蘇る。誰から聞いたのかも定かではない朧げな記憶だけど。生まれてからこの星に降り立つまでよりも、彼と出会って一緒に生き延びる為に足掻いた僅か数日の方が余程長い様な錯覚に陥る。そんな程度には濃い経験をした。
だけど――これまで生き延びる事が出来たから、この先も生きていられる保証はない。
だから、今できる精一杯を。頭では余計な事を考えつつも、師から教えられた共通規格を持つ部品の連結を手早く実行する。組み上がってみればゴチャゴチャに繋がれたカグツチを吸収する機構と貯蔵機、そこから伸ばした一本の配線を使い慣れたライフルに繋いだだけの、酷くみっともない代物になった。
「随分と不格好だが、まぁいい」
そう言いながら無意識に周囲を見渡した。誰もいないのに。彼は居ないのに。無意識にナギを意識してしまった。強引に別れたのに――彼がいては邪魔だと。いや、覚悟が鈍るからだな。彼の事を思いだした時、そういえば彼に託した伝言を思い出した。
最後になるであろう言葉を羽島から貰った携帯からメールで送り出したのは10分以上前になる。なら、もう伝言を見ている頃か。どう動くかと考えてみれば、伊佐凪竜一と言う男は何ともその場凌ぎというか、考えなしと言うか、愚直と言うか、ともかくそんな印象だったけど、でも――私の最後の頼みならば聞いていくれる気がする。
最後、そう考えて心の奥からフワリとした感情が浮かんできた。捕まってしまえば戦えなくなるような、動く事さえ困難になるような掴み処のない感情に流されそうになった。
危険だ。咄嗟にそう考え、目の前に意識を集中する。大丈夫、後は引き金を引けばいいだけだ。何時も無心で行っている。後一度だけ、一度だけだ。恐怖はない、その筈だ。
「アマテラスオオカミより全権を委任された代行者スクナが全部隊に勅令を出す。スサノヲとヤタガラスにクズリュウと同じ権限を与える。同時に、アマテラスオオカミの鎖による拘束から全員を解放する……」
疑問が、一つ増えた――
10分ほど前、屋上への移動途中に聞いた言葉が頭に反響する。勅令と鎖。あの日、タガミが挑発し、殴り、黄泉に拘束されるまでの一連の出来事の違和感に回答が出た。ヒルメとタガミはアマテラスオオカミの指示でスクナを一時拘束後、秘密裏に解放、警戒対象から外し、動きやすくしたという訳か。そうでなければ勅令に説明がつかない。なら、タガミのアレは演技か。
ただ、問題は鎖だ。私に何らの影響もないからてっきり使っていないと思っていたが、やはり使ったらしい。だとして、どうして私に何の影響もない?特例とは言えスサノヲに入隊した以上、私も鎖の対象になっていなければおかしい。だというのに全く影響がなかった。遠すぎて範囲外になった、とか?
全く、次から次へと疑問が増える。だが、想定外だが結果的には喜ばしい。移動中に行動不能になっていれば、とうに見つけられていた。
ピピ
バイザーから警告用の電子音が鳴った。地上のカグツチ濃度が突如として不安定になったようだ。充填していた時もそうだったが、波が大きすぎる。これもそうだ。以前、密閉された空間でカグツチを取り込んだ時に漠然と頭の中に浮かんだ推測が確信に変わった。アラミサキだ。しかも、恐らく地球規模の現象と誤認させる為に惑星全土を覆うほどの規模を展開している。元はマガツヒを呼び込まない為の策だろうが、この時の為に流用したと考えれば合点がいく。
クズリュウ側の戦力はガタ落ち。一般人に毛が生えた程度の連中では濃度低下に対処出来ない。優勢なら多少の経験差を埋められるだろうが、動揺と混乱でまともな精神状態を維持出来なければ一気に崩れる。
外の様子を見るに清雅本社はほぼ無傷。完全に把握している訳ではないが、戦況は旗艦側の不利と見て間違いない。多分、清雅とツクヨミが切り札の一つでも切ったのだろう。現状は全て清雅とツクヨミの手の内だ。
窓の外を見た。数体の竜を操る清雅源蔵が、清雅市の空を踊る。
散々私達を苦しめたマジンと言う名の兵器と共に戦う男の戦闘力は凄まじい。恐らくアレが完成形。竜――様々な惑星に伝わる、世界を守護する架空の生物。様々な文化文明に共通して、何故か同じ姿と名前で呼ばれる神聖な存在。己が世界を守護するつもりでいるのか、随分と不遜な奴だ。
※※※
20XX/12/22 1015
屋上へと続く階段を駆け上がりながら、同時に地球で知った様々な情報と現状から推測される一連の経緯を纏める。
ツクヨミと清雅はアラハバキ達が独断で起こした戦争を利用した。その準備は少なくとも半年前以上前から行われていた。半年前のテロ騒動もその一環。事前にカガセオに見せかけたテロ事件をでっち上げ、今日この日に地球側を一つに纏めるか敵対しないように画策した。
清雅の狙いは故郷である旗艦アマテラスへの凱旋。清雅源蔵の独断かツクヨミの願いかは分からないが、目的が旗艦ならば、制圧するまでは絶対に戦いの手を止めない。そして、アラハバキもそんな真似を認めない。戦いは、ほぼ泥沼に陥る。
屋上へと続く階段、その終点である扉を開ういた。予想通り、狙撃には絶好の地点。障害となる建物は唯一これより高い清雅本社ビル以外に存在しない。道を2つ挟んだ向こう側では激しい戦闘が今も尚、続いている。入口の影に隠れるように残った武器を取り出し、分解する。
清雅への懸念はまだもう一つある。ホムラは今も尚、作り続けられているが、その量をざっと計算すると地上を覆っている分が少なすぎる。
地面や海に吸収された可能性も否定できない。山県大地の話では生物に堆積する事は間違いなく、彼等が使うマジンと言う兵器に使用する分も大雑把だが計算に含めた。地球上に存在する端末に含有され消費される分も当然計算に入れた。考え得る全てを考慮し、地上にあるべきホムラの総量を計算したが、どう考えても足りない。何か他に見落としがなければ、大量のホムラは今もどこかに蓄積されたまま。
私達が三種の超兵器を所持している様に、清雅も大質量のホムラを使用するマジンという切り札を持っている。この予測が正しいならば、それこそが最終最後の切り札。
そして、確実に切る。地球側が優勢とは言え、旗艦側の総戦力と比較すれば明らかに少ない。何より、連合に救援を要求されればその時点でご破算、敗北は確定する。だから、その前に勝負を決めに掛かる。
無論、取り越し苦労ならそれで良いし、もしあるならば有効な打開策を誰かが取ってくれると信じる。だから、後はコレを成功させるだけだ。
清雅源蔵を攻撃する事で、私が操られてないと――味方だと証明する。どれだけが信じてくれるかだけが問題で、それが一番肝心な問題でもあるのだけど。
所持する全ての武器を分解し、カグツチを吸収する機構と貯蔵機を連結する。少々歪で、規格から製造会社まで違う代物を無理矢理繋ぎ合わせるのだから恐らく一度、持って二度位しか撃てそうにない。こうして分解するのは数日振りか、とこれまでの逃走劇を思い起こした。
偶然にもナギを助け、彼に助けられ、命の危機を何度も乗り越えてきた。一つ一つを冷静に思い返してみれば偶然に次ぐ偶然の連続、孤立無援の未開惑星で良くここまで生きてこれたな――と、あるいは話でしか聞いた事のない主星の姫とやらの加護なのかと考えたりもした。
では、彼と出会った事もそうなのだろうか。人の出会いには意味がある。そんな話を聞いた記憶が蘇る。誰から聞いたのかも定かではない朧げな記憶だけど。生まれてからこの星に降り立つまでよりも、彼と出会って一緒に生き延びる為に足掻いた僅か数日の方が余程長い様な錯覚に陥る。そんな程度には濃い経験をした。
だけど――これまで生き延びる事が出来たから、この先も生きていられる保証はない。
だから、今できる精一杯を。頭では余計な事を考えつつも、師から教えられた共通規格を持つ部品の連結を手早く実行する。組み上がってみればゴチャゴチャに繋がれたカグツチを吸収する機構と貯蔵機、そこから伸ばした一本の配線を使い慣れたライフルに繋いだだけの、酷くみっともない代物になった。
「随分と不格好だが、まぁいい」
そう言いながら無意識に周囲を見渡した。誰もいないのに。彼は居ないのに。無意識にナギを意識してしまった。強引に別れたのに――彼がいては邪魔だと。いや、覚悟が鈍るからだな。彼の事を思いだした時、そういえば彼に託した伝言を思い出した。
最後になるであろう言葉を羽島から貰った携帯からメールで送り出したのは10分以上前になる。なら、もう伝言を見ている頃か。どう動くかと考えてみれば、伊佐凪竜一と言う男は何ともその場凌ぎというか、考えなしと言うか、愚直と言うか、ともかくそんな印象だったけど、でも――私の最後の頼みならば聞いていくれる気がする。
最後、そう考えて心の奥からフワリとした感情が浮かんできた。捕まってしまえば戦えなくなるような、動く事さえ困難になるような掴み処のない感情に流されそうになった。
危険だ。咄嗟にそう考え、目の前に意識を集中する。大丈夫、後は引き金を引けばいいだけだ。何時も無心で行っている。後一度だけ、一度だけだ。恐怖はない、その筈だ。
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