ひとまず一回ヤりましょう、公爵様 11

木野 キノ子

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第六章 黒幕

2 一方ギリアムたちは…

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さて…フィリーが会場入りしたとほぼ同時刻…。

ケルカロスとティタノとギリアムは…王族専用の応接間に入った。

中には…2人の人物が。
お付きの人らしい人間を一人だけ後ろに控えさせ…大きなソファーに座っている。
その体は…大変小柄だ。
老人らしい全身の皺が無ければ、子供だと思ってしまうのでは…と、思うほど。
髭を…長く伸ばし、神をザンバラにしているが、纏っている衣服は全て高級品とわかる
仕様になっている。
しかしながら、過度に飾り立てたりせず、シンプルな…おそらく動きやすさを重視して
いるのだろう…。
付き人は…フードマントを羽織っているせいで、年齢どころか男女の区別もつかない。

「貴様はいつも唐突に現れるの。ドライゴ国王よ…」

ちょっと面倒くさそうに、ティタノが言えば、

「フン…。帰ると言って、居座っているやつに、言われたくないわ」

歳は…少し上だからだろうが、それにしてもティタノに敬語を使わないのは、すごい
ことである。
ドライゴと呼ばれた小柄な老人は…やはり国王にはとても見えないと、皆が口をそろえて
言うだろう。
しかし…その容姿とは裏腹に、戦争においてまがう事ない歴戦の猛者である。
ティタノとは幾度となく、戦場で刃を交え、一歩も引かなかった。
戦争に勝てこそしなかったが、その力は諸外国が認めている。

「この国で…随分と面白い催しがあると耳にしてな」

その声の抑揚のなさから…面白いと言っていても、予想の範疇…と、思っていたようだ。

「ちょうど暇だったし、見に来てみたら…」

余談だがドライゴは…数年前に息子に王位を譲り、今は隠居の身である。

「期待以上じゃった!!あんな面白い見世物、なぜ他の王族に声をかけんのだ!!」

身振り手振りを大げさにしつつ、まるで棚から牡丹餅どころか、金が出てきたとでも
言いたげだ。

「……あくまで、ティタノ陛下の歓待のため…と、なっておりましたので。
護衛の力を見せる意味もありました。どの国でも…やっている事ではないのですか?
珍しい事ではございますまい」

ギリアムは…淡々と答える。

「そりゃそうじゃよ。わしの国でも常日頃から、日常的にやっておるわ。
実際に10試合中9試合は…さして珍しくもなかったわい」

先ほどの目の輝きが一切なくなったところを見ると、本当にそう思っているようだ。
ここまで言って、ドライゴはちらりとスペードを見やり、

「そ奴の試合を除いてな」

手を前に出す。
ギリアムほどの男であれば、当然察しがつくと思ったのだろうが…。

良くも悪くも、ギリアムは規格外。

ギリアムはドロイゴの手に、そっと…。

飴を乗せてあげた。

ドライゴはニコニコしつつ、それを見ていたが…。

「貴様はわしをいくつじゃと思っとるんじゃぁ―――――――――――――――っ!!」

怒号が飛んだ…。もちろん青筋付き…。

「イライラしている時には、甘いものがいいそうですよ。ドライゴ陛下…。
フィリアム商会の人気商品ですので、是非ご試食ください」

どこまでも涼しい顔で、通常営業のギリアム。

「やかましいわぁ―――――――――――――――――っ!!
誰が原因を作ったと思っとるぅ―――――――――――――っ!!」

飴を握りつぶさん勢いで握っている。
ずっと空気と化していたケルカロスが、さすがに…、

「ギ、ギリアム公爵…。失礼だぞ!!」

口を挟むが、

「何かを察して欲しそうでしたので、自分の思いついたことを、やってみました」

やっぱりシレっと…以下省略。
青い顔のケルカロスとは真逆で、ティタノは…吹き出しついでに、大笑いしている。

「一本取られたのぉ~。ドライゴ国王よ。ワハハハハハハハ」

「うるさいわ!!全く…この若造は…」

ギリアムを睨みつけているが…その中に憎々しさはない。
しょーもない事をして…と思いつつも、ギリアムのふてぶてしさを…どこか懐かしんでいる
ようだ。
それは…ティタノ同様、自分に対して…覚悟をしつつ、もうそういった事をする人間が、殆ど
いなくなったことへの、寂しさも含んでいるのだろう。

「そ奴の刀を見せろと言っているんじゃ!!」

スペードを指さしつつ、ハッキリと言ってのける。

「……スペード」

ギリアムの声と共に、スペードがドライゴの前に跪き、スッと己の刀を差しだした。
待ってましたとばかりにそれを受け取ったドライゴは、スラリと抜くと…。

「ほぉ~、これはこれは…」

感嘆しているようで、言葉が出ない。
一流の美術品と言ってよい美しさと、殺傷能力…。
この2つを見事に調和させている武具など、この世界では…殆どないという事だろう。

ずっと見つめていても、飽きない…と言いたげだったが…。

………………………………。

その場にいた従者は、のちにそこで起こったことを…冷や汗をかきつつ話した事だろう。

しばし静寂しかなかった空間に…空気に、僅かな切れ間を入れたような音…。

その音が響いた時には、全てが終わった後だった。

床に何か…硬い金属の棒きれが落ちたような、乾いた音…。
それが響いた時、その場にいた者たちは、初めて息を吸う。

何が起こったのかって?

ドライゴが…スペードの刀でティタノに切りかかったのだ。
その刃を、ティタノはもちろん防いだかに見えた。

ティタノは常に帯刀している。

それは…幼いころから、敵だらけの場所で育った、一種の習慣のようなものだった。
常時臨戦態勢…それが常だった人間の、ごく当たり前の習慣だろう。

だが…防いだティタノの剣は、無情にもスペードの刀に切られ…床に落ちたのだ。

ドライゴはティタノの首筋を、真っすぐ狙っていた。
だから…剣が切られた瞬間、ティタノ本人が、死を覚悟したかもしれない。
しかしスペードの刀の刃は…ティタノの首をかするかかすらぬかの所で、止まっていた。
ギリアムが…己の剣でスペードの刀の刃を受け止めたから…。

ギリアムの剣は、もちろんフィリーからの贈り物の刀。
ギリアムはその性能を目の当たりにしてから、公私関わらず常に帯刀するのは、その刀となった。
彼もまた…常時臨戦態勢の人間だからだ。

もしもギリアムの剣の腕が素人に毛が生えたレベルなら、武器性能が同じでも、ドライゴに
軍配が上がったろうが…。
ギリアムは腕も一流ゆえ、武器性能で並べば、紛れもなく互角。
鍔迫り合いに差は出なかった。

「驚いたな…」

涼しい顔と共に、最初に声を発したのはドライゴだった。

「これほどの逸品が…もう一振りあるとは…」

本当に感激したようで…。
その一瞬の意識の離れを、ギリアムは見逃さなかった。

刀の峰でドライゴの手首を叩き、僅かに握る力が弱くなったドライゴの手から、スペードの刀を
取り戻す。

「お戯れが過ぎます、ドライゴ陛下…」

眼の光を強くしつつ…取り戻した刀を鞘に納め、スペードに渡す。

瞬きする間に起きたことを、ようやっと把握したらしいケルカロスは、

「ティタノ陛下!!だ、大丈夫ですか!!」

顔が…青を通り越して白い。

「ギリアム公爵のおかげで大事無いわ!!そんなに騒ぎ立てるな!!」

ケルカロスにはそう言ったが、変わりにドライゴは睨みつつ、

「まあ…。戯れにしちゃ、やりすぎじゃがの」

僅かに切れた己の首筋を、指でなぞる。
すると…。

「ふん。仮にも王の中の王と言われる御人が、この程度の戯れ流せぬわけは無かろうよ。
常時臨戦態勢…。それがティタノ国王の本分じゃろ?
これで死んだら…それは貴公が弱かった…。それだけ…。違うかの?」

物凄い…おそらく素人がその場にいてもわかるくらい、非常に強いオーラがぶつかり合い、絡み合い
…だっただろう。
本人達より周りの方が、気絶しそうな勢いだった。ただ一人を除いて。

「そう言ったことは、自国か戦場でやっていただけますか?ご両人とも…」

どこまでも通常営業で、オーラの渦巻く中、さらりと言ってのけるギリアム。

「この国で国際問題を起こすような事をされては、ファルメニウス公爵家の沽券にかかわります。
場合によっては、強硬手段を取らせていただきますよ」

2人に負けず劣らずのオーラを出し始める。
その雰囲気だけで人を殺傷できるような人間達が、バチバチと火花を散らしつつ、オーラを絡め
合いつつ…は、常人では耐えられなかろう。
事実、付き人たちとケルカロスは、後日…暫くの間、体調不良に悩まされることとなる。

やがて…。

「やめじゃ!!」

ドライゴが上げた声で、他2人の一切のオーラも殺気も…消えた。

「千歳一隅のチャンスだと思ったんじゃが…。物に出来なかった以上、今回はやめにする」

ケラケラ笑いながら言っているが、眼だけは真剣そのもの。

「やかましいわ。お前が仕切るな!!仕掛けが失敗した以上は、何らかの負債を払え!!」

殺されかけた以上、引く気はないティタノ。

「ティタノ国王を殺せなかったのだから、それだけで負債だと思うがの」

やはり一歩も引かないドライゴ。

それに水を差したのは…。

「ティタノ陛下…。会場にお戻りください」

やっぱりギリアムだった。

「あん?」

ちょっと不満げな目を向ける。

「ティタノ陛下が荒獅子王なら、ドライゴ陛下は謀略王…」

それを意に介さず紡ぐ言葉は、

「一体いつからドライゴ陛下が関わっていたかまでは、残念ながらわかりません。
しかし…一連のティタノ陛下の侮辱の件…思えば妙でした。
余りに上手くいきすぎていた…。普通…どこからかストップがかかってもおかしくないのに…。
首謀者や実行犯をいくら捕まえても、すっきりとしない…。
ドライゴ陛下がお忍びで来ていたとわかった時点で、私はその靄が晴れました」

妙な説得力を見せる。

「ドライゴ陛下…。アナタ様がしたいのは、時間稼ぎだ。
私を…私とティタノ陛下…後はケルカロス陛下も含め、この場に…繋ぎ止めておきたいのでしょう?
どんな謀略を考えているか…までは、完全に読み切れませんが、少なくとも足止めしたいのはわかる。
それにみすみす…乗ることはございますまい」

ドライゴは顔色を変えない。
ポーカーフェイスを通り越して、厚手の面を被っているかの如く、感情が読み取れない。

「ティタノ陛下を侮辱した者達への断罪は、まだ終わっておりません。
そこを有耶無耶にして帰っては、アナタ様の名折れでしょう?
スペード!!ティタノ陛下を護衛するように!!」

スペードは…黙って頭を垂れる。

「お前は行かんのか?ギリアム公爵よ…。
大事な大事な女房が、危険な目に遭うかもしれないぞ…」

ドライゴは…やはり表情を変えずに、いかにも挑発的な言葉を吐く。
すると…ギリアムは少し不敵な笑みを浮かべ…。

「フィリーが婚約者の時だったら、心配で駆けつけたかもしれませんね…。
でも…フィリーはそんなに弱くない。そして…フィリーの周りにいる人間も弱くない」

うっすらとした笑みは…それがやせ我慢ではなく、本心であると告げている。

「私は…フィリーとフィリーの周りの者たちを信じています」

「……本当にそれでよいのか?後悔しないと言えるのか?」

少しだけ…ほんのわずかな静寂のあと、

「……わかりません」

それもまた本心…と、感じさせる一言だった。

「ですが…私の勘が言っているのですよ」

「なに?」

「駆けつけるよりも…」

ここで初めて…ぎろりと射殺すような目になり、

「ドライゴ陛下も勿論ですが、取り立てて…」

スッと、ドライゴの斜め後ろを指さし、

「そいつから…目を離してはいけない…と」

全身をフードに包んだ人物は…何を思うのか、微動だにしない。
他の誰かが言葉を発する前に、

「ケルカロス国王…。わしは行く」

短い言葉を紡いだのち、スペードを伴ってティタノ陛下が部屋を出る。
後に残ったギリアムを見つつ、ほんのわずかに唇の端を持ち上げたドライゴは…。

「お前は…本当に面白い…」

そのつぶやきの意味する所は…何なのだろうか…。
答えを知る者は、その場にはいなかった…。
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