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第2章 相思
3 ケイシロン公爵家
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ケイシロン公爵家…ファルメニウス公爵家から分岐した、最初の家…。
武のファルメニウス公爵家に匹敵する、武勇を誇り、常にファルメニウス公爵家を支えて
きた家である。
前当主であるローエン卿の気風がまだ生きており、かなり厳格を主とした使用人を抱えている。
執事であるエトルもローカス卿より10歳ほどしか歳をとっていないが、かなり有能だ。
本名を、エトル・デュッサ・モリブラード子爵。
左右にわけた銀の短髪を、綺麗に整え、顔立ちの柔らかい…でも、眼の鋭さから武勇はそれなりに
ありそうだと思わせる。
メイド長であるキャサリンは、もう50代だが、しっかりと下を管理し、普段の業務を滞らせることは、
一切ない。
本名は、キャサリン・クペラーチェ男爵夫人。
後ろでお団子状に揺った金髪…、整った目鼻立ちだけでなく、年相応の皺さえ、美しく見える。
そんな二人だけを自室に呼び、
「2人にだけは話したが…マーガレット…マギーって呼んでいるが、今日からオレの妻になる」
マギーはガチガチに緊張していた。
エトルとキャサリンは、マギーに丁寧なお辞儀をした後、
「ローエン様は何と?」
2人の問いは、この一つだった。
……やっぱ、優秀ね。
「そっちは…ギリアムとオルフィリア公爵夫人に任せた!!」
キッパリ答える…。
でも…目が泳いで、嫌な汗をかなりかいている。
良いけどさ…。
そうしたらエトルが、こめかみを抑え、
「どうなっても、私たちは知りませんよ…」
とだけ。
「と、とにかくだ!!マギーに仕事を教えてやってくれ!!
覚えは早いと思うから!!」
「よ、よろしくお願いします!!」
マギーがやっぱり丁寧なお辞儀をした。
エトルの話が終わると、次はキャサリンが、
「専属メイドはジシーでよろしいでしょうか?」
ジシーはケイシロン公爵家のメイドの中で、一番若いが、曾祖母の代からケイシロンに
仕えているので、かなり年季が入っているともいえる。
当然仕事ぶりも優秀だ。
「あ、その事なんだけど…」
ローカス卿はキャサリンに、
「専属メイドは暫くつけないでくれ。
やっぱり…気の合う人間が良いと思うから、何日か交代で、屋敷のメイドを順繰りに付けて欲しい。
ああ、つけるのは一人じゃなく、必ず複数な。
ひと回りするまで、専属の話は無しで頼む」
「かしこまりました」
これ…私の指示なんだ。
専属メイドが例の奴になっちゃうと…かなりひどい事になるからさ…。
かくして…マギーはケイシロン公爵夫人となった…。
…………………………………。
頭イテ――――――――――――――――っ!!
でも、そんなこと言っていられないから…、仕込みはしたし、私は私のやることをやるだけ。
そうして数日後…私はケイシロン公爵家へ遊びに行った。
形式的なものは必要ないから、応接間で楽しくお茶していた。
マギーはどうやら、私の指示を忠実に守っているようだ。
「調子はどう?」
「えっと…忙しいけれど、毎日充実しているわ…。
実家にいたころより、ずっと楽しい…」
ならいいんだけど…。
「習い事は…例の件が片付いてからだけど…。
あたりはちゃんとつけておいた方が、いいわ」
「うん…ローカス様も相談に乗ってくれいているから…、大丈夫そう」
マギーは…少し頬を赤らめている。
まあ、夫婦仲がいいのは良い事よ。
そんな感じで、和気あいあいとしていると、
「失礼いたします…」
メイド長のキャサリンと、もう一人…。
「ようこそおいでくださいました、オルフィリア公爵夫人…。
楽しんで頂けて、いますでしょうか…」
かなり丁寧やね…。
2人とも、どう見ても貴族だし…私の元の身分より高いんだろーな。
「ええ…とても楽しいわ。どうもありがとう」
私が会釈すると、その後ろからもう一人が歩み出て、
「初めまして、オルフィリア公爵夫人…。
ジシー・マリチェッド子爵令嬢が、ご挨拶申し上げます」
肩より少し長めの髪を、左右で縛り、控えめなリボンをしている…。
美人…というより、可愛いタイプだな…。
丸顔で目が大きく…鼻と口が控えめについている感じ…。
どう見ても20歳にはなっていない。
「本日の茶葉…ヴィリワ地方の最高級品ですね…。
なかなか手に入らないと聞いているのに、さすがケイシロン公爵家と思いましたわ」
商会をやっていると、こういうのに強くなるから助かる。
貴婦人として、知っとかなきゃならない知識も、結構被るからさぁ。
「わあぁっ!!ありがとうございます!!
私の祖母が、送ってくれたものを、今回お出ししました!!
でも、オルフィリア公爵夫人はさすがですね!!
すぐに言いあててしまわれて…」
ジシーがだいぶ私を上げてくれている。
通常だったら、喜ぶところなんだけど…。
私はマギーをちらりと見て、一瞬だけ無表情になった後、作り笑顔をし、
「ありがとうございます。
私は商会をしているので、こういった物には、自然と詳しくなるのです。
全ての知識を網羅しているワケでは、ございません」
静かにティーカップを置く。
「マギーもせっかく縁あって、ケイシロン公爵夫人となったのですから、少しずつ勉強して
行けばよいと思いますよ。
最初からすべて、できる人はいませんからね。
前にケイシロン公爵家に来た時も…急だったにも拘わらず、皆さんかなり完璧な対応をして
頂き…恐縮いたしましたわ」
キャサリンとジシーの方に笑顔を向ける。
「そう言っていただけると…励みになります」
そんな最中、別のメイドが部屋に入ってきて、私に挨拶したのだが、直ぐにキャサリンに何やら
耳打ちして…キャサリンの顔が険しくなった。
「申し訳ございません、オルフィリア公爵夫人…。
少々席を外させていただきます。
ジシーは若いですが、当家で代々仕えております一族故…ご安心ください」
「わかりました。何か起こったようですので、そちらを優先してください」
キャサリンが出て行ったので、私とマギー、ジシーの3人だけになった。
ああ、ちょうどいいや…と思った私は、マギーにサインを送る。
「あ…、私、フィリーに渡すものがあったんだったわ…。
取ってくるわね」
「待ってるわ」
軽く手を振る私を背に、マギーが部屋を出ていく。
そうすると、
「オルフィリア公爵夫人、少々お話をさせていただいても?」
ジシーが尋ねてきたので、
「ええ、どうぞ」
にこやかに言う私。
「マーガレット様に…専属メイドを早くお決めになった方がいいと…言ってくださいませんか?」
「あら?どうして?」
私はワザとすっとぼけてみる。
「専属メイドは…奥様の様々なお世話のみならず、予定の管理、不足した部分を補う…など、
通常のメイドとは違う能力を求められるのです」
「……そうでしょうね」
「だから…皆から不満が出ているのですよ。
持ち回りでやるのでは、効率が悪くて仕方がない…と」
みんな…、ねぇ…。
このセリフを言う奴に、ロクな奴はいなかったんだよね…前世。
「ではそのことを、皆さんでローカス卿に訴えては?」
「と、とんでもない!!ローカス様はただでさえお忙しいのに…このような事で煩わせる
訳には…」
……このような事…ねぇ。
「そして私たちも…マーガレット様に物申せる身分ではございません…。
ですので、懇意にしていらっしゃる、オルフィリア公爵夫人ならば…と」
一応の筋は通ってるな…。
マギーは腐っても侯爵令嬢だ。
人生経験少ない奴だと、乗せられたかもしれんが…。
「ジシー嬢は…勘違いをなさっている部分がおありの様ですね」
還暦越えにゃ、通じんよ。
「え…?」
「まず…専属メイドをどうするかは、まずマーガレット夫人が決めること…もっと言えば、
ローカス卿がお決めになることです。
ケイシロン公爵家の事なのですから…。
そもそもマーガレット夫人の専属メイドをすぐには決めない…と、おっしゃったのは、ローカス卿だと
伺っています。
仮にもケイシロン公爵家の現当主がお決めになったことに、ファルメニウス公爵家の私が口を
挟むのは、差し出がましいと存じます」
私は顔面から笑顔を消し、真顔になる。
「それに…確かにローカス卿はご多忙ではあるでしょうが、ご自身で妻にすると連れてきた女性の
ことに、無関心だと言うのなら、それはそれで問題がありますよ。
ジシー嬢はローカス卿が、そんな問題行動をしているようだ…と、仰せですか?
それならば、ギリアムに話を通して、少々お話をして頂こうかと思いました」
「と、とんでもございません!!ローカス様は昔から大変素晴らしい方です!!
馬鹿にするのはおやめください!!」
……自分の事より、ローカス卿のことの方が、激高するみたいだね…。
「バカにするつもりは一切ございません。
ギリアムとの関係も含めて、私自身も助けていただいたり、しておりますから…。
ですが…ローカス卿の人格と、問題行動を起こさないのは別…と、考えましたので、そのようなことが
あるならば…由々しき事と思っただけです」
「でしたら!!ローカス様に、何も問題はないと申し上げておきます!!」
「わかりました…。
ならば私も、専属メイドの件は、聞かなかったことにしておきます」
……だいぶ、悔しそうだな。
でもそれも…私だからわかるレベルだ…。
かなり…ポーカーフェイスが板についてやがる…。
芝居もうまそうだ。
それにさっきの言い方…。
私は…心の中でため息をつく。
こりゃぁ…マギーに対応できる、レベルじゃないなぁ…。
武のファルメニウス公爵家に匹敵する、武勇を誇り、常にファルメニウス公爵家を支えて
きた家である。
前当主であるローエン卿の気風がまだ生きており、かなり厳格を主とした使用人を抱えている。
執事であるエトルもローカス卿より10歳ほどしか歳をとっていないが、かなり有能だ。
本名を、エトル・デュッサ・モリブラード子爵。
左右にわけた銀の短髪を、綺麗に整え、顔立ちの柔らかい…でも、眼の鋭さから武勇はそれなりに
ありそうだと思わせる。
メイド長であるキャサリンは、もう50代だが、しっかりと下を管理し、普段の業務を滞らせることは、
一切ない。
本名は、キャサリン・クペラーチェ男爵夫人。
後ろでお団子状に揺った金髪…、整った目鼻立ちだけでなく、年相応の皺さえ、美しく見える。
そんな二人だけを自室に呼び、
「2人にだけは話したが…マーガレット…マギーって呼んでいるが、今日からオレの妻になる」
マギーはガチガチに緊張していた。
エトルとキャサリンは、マギーに丁寧なお辞儀をした後、
「ローエン様は何と?」
2人の問いは、この一つだった。
……やっぱ、優秀ね。
「そっちは…ギリアムとオルフィリア公爵夫人に任せた!!」
キッパリ答える…。
でも…目が泳いで、嫌な汗をかなりかいている。
良いけどさ…。
そうしたらエトルが、こめかみを抑え、
「どうなっても、私たちは知りませんよ…」
とだけ。
「と、とにかくだ!!マギーに仕事を教えてやってくれ!!
覚えは早いと思うから!!」
「よ、よろしくお願いします!!」
マギーがやっぱり丁寧なお辞儀をした。
エトルの話が終わると、次はキャサリンが、
「専属メイドはジシーでよろしいでしょうか?」
ジシーはケイシロン公爵家のメイドの中で、一番若いが、曾祖母の代からケイシロンに
仕えているので、かなり年季が入っているともいえる。
当然仕事ぶりも優秀だ。
「あ、その事なんだけど…」
ローカス卿はキャサリンに、
「専属メイドは暫くつけないでくれ。
やっぱり…気の合う人間が良いと思うから、何日か交代で、屋敷のメイドを順繰りに付けて欲しい。
ああ、つけるのは一人じゃなく、必ず複数な。
ひと回りするまで、専属の話は無しで頼む」
「かしこまりました」
これ…私の指示なんだ。
専属メイドが例の奴になっちゃうと…かなりひどい事になるからさ…。
かくして…マギーはケイシロン公爵夫人となった…。
…………………………………。
頭イテ――――――――――――――――っ!!
でも、そんなこと言っていられないから…、仕込みはしたし、私は私のやることをやるだけ。
そうして数日後…私はケイシロン公爵家へ遊びに行った。
形式的なものは必要ないから、応接間で楽しくお茶していた。
マギーはどうやら、私の指示を忠実に守っているようだ。
「調子はどう?」
「えっと…忙しいけれど、毎日充実しているわ…。
実家にいたころより、ずっと楽しい…」
ならいいんだけど…。
「習い事は…例の件が片付いてからだけど…。
あたりはちゃんとつけておいた方が、いいわ」
「うん…ローカス様も相談に乗ってくれいているから…、大丈夫そう」
マギーは…少し頬を赤らめている。
まあ、夫婦仲がいいのは良い事よ。
そんな感じで、和気あいあいとしていると、
「失礼いたします…」
メイド長のキャサリンと、もう一人…。
「ようこそおいでくださいました、オルフィリア公爵夫人…。
楽しんで頂けて、いますでしょうか…」
かなり丁寧やね…。
2人とも、どう見ても貴族だし…私の元の身分より高いんだろーな。
「ええ…とても楽しいわ。どうもありがとう」
私が会釈すると、その後ろからもう一人が歩み出て、
「初めまして、オルフィリア公爵夫人…。
ジシー・マリチェッド子爵令嬢が、ご挨拶申し上げます」
肩より少し長めの髪を、左右で縛り、控えめなリボンをしている…。
美人…というより、可愛いタイプだな…。
丸顔で目が大きく…鼻と口が控えめについている感じ…。
どう見ても20歳にはなっていない。
「本日の茶葉…ヴィリワ地方の最高級品ですね…。
なかなか手に入らないと聞いているのに、さすがケイシロン公爵家と思いましたわ」
商会をやっていると、こういうのに強くなるから助かる。
貴婦人として、知っとかなきゃならない知識も、結構被るからさぁ。
「わあぁっ!!ありがとうございます!!
私の祖母が、送ってくれたものを、今回お出ししました!!
でも、オルフィリア公爵夫人はさすがですね!!
すぐに言いあててしまわれて…」
ジシーがだいぶ私を上げてくれている。
通常だったら、喜ぶところなんだけど…。
私はマギーをちらりと見て、一瞬だけ無表情になった後、作り笑顔をし、
「ありがとうございます。
私は商会をしているので、こういった物には、自然と詳しくなるのです。
全ての知識を網羅しているワケでは、ございません」
静かにティーカップを置く。
「マギーもせっかく縁あって、ケイシロン公爵夫人となったのですから、少しずつ勉強して
行けばよいと思いますよ。
最初からすべて、できる人はいませんからね。
前にケイシロン公爵家に来た時も…急だったにも拘わらず、皆さんかなり完璧な対応をして
頂き…恐縮いたしましたわ」
キャサリンとジシーの方に笑顔を向ける。
「そう言っていただけると…励みになります」
そんな最中、別のメイドが部屋に入ってきて、私に挨拶したのだが、直ぐにキャサリンに何やら
耳打ちして…キャサリンの顔が険しくなった。
「申し訳ございません、オルフィリア公爵夫人…。
少々席を外させていただきます。
ジシーは若いですが、当家で代々仕えております一族故…ご安心ください」
「わかりました。何か起こったようですので、そちらを優先してください」
キャサリンが出て行ったので、私とマギー、ジシーの3人だけになった。
ああ、ちょうどいいや…と思った私は、マギーにサインを送る。
「あ…、私、フィリーに渡すものがあったんだったわ…。
取ってくるわね」
「待ってるわ」
軽く手を振る私を背に、マギーが部屋を出ていく。
そうすると、
「オルフィリア公爵夫人、少々お話をさせていただいても?」
ジシーが尋ねてきたので、
「ええ、どうぞ」
にこやかに言う私。
「マーガレット様に…専属メイドを早くお決めになった方がいいと…言ってくださいませんか?」
「あら?どうして?」
私はワザとすっとぼけてみる。
「専属メイドは…奥様の様々なお世話のみならず、予定の管理、不足した部分を補う…など、
通常のメイドとは違う能力を求められるのです」
「……そうでしょうね」
「だから…皆から不満が出ているのですよ。
持ち回りでやるのでは、効率が悪くて仕方がない…と」
みんな…、ねぇ…。
このセリフを言う奴に、ロクな奴はいなかったんだよね…前世。
「ではそのことを、皆さんでローカス卿に訴えては?」
「と、とんでもない!!ローカス様はただでさえお忙しいのに…このような事で煩わせる
訳には…」
……このような事…ねぇ。
「そして私たちも…マーガレット様に物申せる身分ではございません…。
ですので、懇意にしていらっしゃる、オルフィリア公爵夫人ならば…と」
一応の筋は通ってるな…。
マギーは腐っても侯爵令嬢だ。
人生経験少ない奴だと、乗せられたかもしれんが…。
「ジシー嬢は…勘違いをなさっている部分がおありの様ですね」
還暦越えにゃ、通じんよ。
「え…?」
「まず…専属メイドをどうするかは、まずマーガレット夫人が決めること…もっと言えば、
ローカス卿がお決めになることです。
ケイシロン公爵家の事なのですから…。
そもそもマーガレット夫人の専属メイドをすぐには決めない…と、おっしゃったのは、ローカス卿だと
伺っています。
仮にもケイシロン公爵家の現当主がお決めになったことに、ファルメニウス公爵家の私が口を
挟むのは、差し出がましいと存じます」
私は顔面から笑顔を消し、真顔になる。
「それに…確かにローカス卿はご多忙ではあるでしょうが、ご自身で妻にすると連れてきた女性の
ことに、無関心だと言うのなら、それはそれで問題がありますよ。
ジシー嬢はローカス卿が、そんな問題行動をしているようだ…と、仰せですか?
それならば、ギリアムに話を通して、少々お話をして頂こうかと思いました」
「と、とんでもございません!!ローカス様は昔から大変素晴らしい方です!!
馬鹿にするのはおやめください!!」
……自分の事より、ローカス卿のことの方が、激高するみたいだね…。
「バカにするつもりは一切ございません。
ギリアムとの関係も含めて、私自身も助けていただいたり、しておりますから…。
ですが…ローカス卿の人格と、問題行動を起こさないのは別…と、考えましたので、そのようなことが
あるならば…由々しき事と思っただけです」
「でしたら!!ローカス様に、何も問題はないと申し上げておきます!!」
「わかりました…。
ならば私も、専属メイドの件は、聞かなかったことにしておきます」
……だいぶ、悔しそうだな。
でもそれも…私だからわかるレベルだ…。
かなり…ポーカーフェイスが板についてやがる…。
芝居もうまそうだ。
それにさっきの言い方…。
私は…心の中でため息をつく。
こりゃぁ…マギーに対応できる、レベルじゃないなぁ…。
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