1 / 43
第1章 茶会
1 お茶会会場に到着~
しおりを挟む
快適な馬車に揺られながら、私・フィリーはこれから起るであろう
ことを、一切考えなかった。
考えても無駄なのよね、こういうの、うん。
前世の経験からパターンは山と考えられるから、相手の出方で
いかに早く対処法を、脳ミソの中から引っ張り出すかにかかってる
からさ~。
今は脳ミソ休めといた方が、よいよい。
そんなことを考えていたら、着いたようだ。
お茶会の会場に私が到着した時、時刻はPM2:40だった。
これはエマにそうした方がいいと言われた。
私の立場はギリアムの婚約者ではあるが、身分的にはまだ男爵令嬢。
つまり下位貴族に分類される。
だから通例に従えば、私は早めに会場入りした方がいいのだ。
だが…。
「やっぱり予想は、当たったみたいねー」
私の言葉を受け
「フィリー様は慧眼でいらっしゃる」
エマが答える。
会場に近づくにつれ、かなりの人数の楽しく歓談する声が
聞こえてきたからだ。
入り口の係りに、招待状(開始時間とドレスコードが書かれて
いる)を渡す。
すると係は、
「オルフィリア嬢、お待ちしておりました。
失礼ですが、侍女の方もご一緒に?」
「はい」
「あの…僭越ながら申し上げます。
侍女の方はお返しになってはいかがでしょうか?」
「…なぜでしょうか?」
「皆さん年の近いご令嬢ばかりで、侍女を連れずに来ている方が
大半で…その方が気さくに打ち解けられると思われまして…」
「…お気遣い感謝いたします。
しかし私は侍女を連れて行きます。
禁止とは書かれていないので、構いませんよね」
と答えたら、少し動揺の色を見せた。
やっぱりね…。
想定はしていたけど、そりゃーエマはいないで欲しかったよね。
私がギリアムに口を酸っぱくして言われたにも関わらず、建国記念
パーティーにエマを連れて行かなかった理由は2つある。
まず、味方ができるだけ少ない状態での、周囲の反応を見たかった
から。
もし私のそばにエマがいたら、王女もあそこまでの暴言は吐かな
かっただろう。
もう一つはエマと私の関係を周囲に隠すため。
エマが私の味方をするか、それとも公爵邸のメイドとして最低限の
義務を果たすだけなのか…周りは今、わからない。
だからいてくれないに越したことはないが、とりあえず通して
くれた…よしよし。
そして会場に案内されれば…うん。
見事に私は一番後だ。
しかもバカ王女までいやがる。
取り巻きは…テラスでの二人は見当たらん。
まああの二人…家ぐるみでギリアムの制裁食らったから、さすがに
今回は来れんかったか…。
まあ、私の知らない奴が紛れているかもだけど。
そんでドレスも…ここまで予想通りだと、逆にシラケるっつの。
「まあ、無断欠席かと思ったら、こんなに遅れて」
「もうすでに、ギリアム様の妻になったつもりかしら…。
いまは男爵令嬢でしょうに」
「それにしたって、王女殿下より遅いなんて…。
失礼にも程がありますわ」
「それにあのドレス…今回のドレスコードを知らないのかしら…」
「あら、以外にも自分に合ったものを選んだだけかもしれません
よ?鼠色だなんて、ピッタリじゃないですか…」
ヒソヒソ、クスクス…まあ、聞こえるように、言いたいこと言って
くれるもんだ。
でも逆に言やぁ、聞こえるぐらいの陰口なんざ、アタシにとっちゃ
雀のさえずりと何ら変わらん。
心の底から気になんねっての。
…と、クレア嬢とタニア侯爵夫人がこっちに来たわー。
さてさて何が飛び出すやら~。
「ごきげんよう、オルフィリア嬢。
時間を随分と過ぎてもいらっしゃらないから、無断欠席かと思い
ましたわ」
うっわクレア嬢。
すっげにこにこしながら言ってら。
ま、当たり前か。
「失礼ですが、クレア嬢。
おっしゃっていることの意味が、わかりませんわ。
私は確かに、そちらから指定された時間に十分間に合うように
参りましたし、ドレスコードも指定の色を使いました」
周りによく聞こえる声でキッパリと答え、あとは目線をクレア嬢
から外さず、毅然と立つ。
うん、凄ーくご満悦の表情だ。
私が罠にかかったと思ってるんだろうな。
すると今度はタニア侯爵夫人が、
「エマ…あなたにも聞きたいのだけれど。
うちから送った招待状に、何と書かれていたのか…」
終始にこにこしているが、私はアンタの魂胆見え見え。
「エマ!!
この件については一切何も喋らないで!!」
だからさっさと潰させてもらう。
「承知いたしました、フィリー様」
エマは頷き、喋らない。
タニア侯爵夫人は少しぎょっとして、
「オ…オルフィリア嬢…、何を…」
「エマはファルメニウス公爵家の使用人です。
女主人である私が言っていることを、肯定するしかない立場です。
ゆえにエマが、喋る必要はございません」
バカ王女と同じ轍踏ませよったって、そーはいかんわ。
うん、タニア侯爵夫人ひきつってきたわー。
「お…女主人って…、アナタまだ婚約者でしょ!!」
口を出したのは、クレア嬢だ。
「そう申されましても…ギリアム様が、私に対し外では
ファルメニウス公爵家の女主人としてふるまうように…と。
私がギリアム様の決定に、異を唱えることなどできませんので…。
あ、もしかして、お疑いなのですか?
私が嘘をついているかもと?
でしたら、この場にギリアム様をお呼びいたしましょうか?
その方が早いですし…」
おーおー、二人とも見事に笑顔のままひきつったわ。
呼べるわけねーよなー。
するとクレア嬢は使用人に指示し、私への招待状を、持ってこさ
せた。
「おかしいですわねぇ…」
ホント、勝ち誇ったいい笑顔だこと、クレア嬢。
「オルフィリア嬢から提出された招待状には、確かにお茶会は
PM2時開始、ドレスコードは初夏をイメージした色を…と書か
れてありますが…」
そしてその招待状を、クレア嬢はごてーねーに、他のテーブルの
令嬢に渡し、見た令嬢は次に回す…。
するとそれを見たご令嬢達が、またひそひそと私の悪口。
ま、こんな序の口、想定の範囲内だけどさ~。
私は改めて呼吸を整え、
「私の言う事は変わりません。
私はそちらから指定された時間も、ドレスコードも一切間違えて
おりません」
キッパリ言い放つ。
するとクレア嬢は嘲笑いながら、
「あらあら…、仮にもギリアム様の選んだ方が、このように
往生際が悪いとは…。
ギリアム様もきっと失望なさるでしょう。
あの方は、間違いをお認めにならない方が、大層お嫌いですから」
「…存じております」
「だったら、さっさと…」
「ですので!!」
クレア嬢の言葉を遮る。
「私は自分が間違っていないのに、間違いでしたとは絶対に!!
申し上げません!!」
「あ…あなた往生際が悪いにも程が…」
「間違ったことをしていないから、していないと答えているだけ
です!!」
「す…素直に罪を認めないと、ここにいるご令嬢方と仲良くなれ
ませんよ!!」
「やってもいない罪を認めろと言う人間と、仲良くしたくは
ございません」
「悪評だってたくさん…」
「上等ですわ。
いわれなき悪評など立てられたところで、私は痛くも痒くもない
ですので!!」
うん。
さすがに周りのざわざわ感から、余裕が消えたな~。
ここにいる連中はほぼ、バカ王女かクレア嬢の取り巻きだろう
けど…。
クレア嬢が私にやっていることは、完全に3年前の意趣返し。
まあ、どっちにせよそれを面白がってる奴らなんざ、心底どうでも
いいや。
クレア嬢は言葉に詰まっているようだ。
ま、ここまで私が強固に反抗するとは、思っていなかったん
だろーね。
私の外見、ぽわぽわしてて気ぃ強そうに見えないから。
けどさ。
気が強い強くないじゃなくてさ~。
アンタに言ったこと、私の人生経験上、本気で思ってること
ばかりなんよ。
悪評なんて、立つときゃー事実無根でも立つし。
気の合わない奴と無理して付き合うぐらいなら、ボッチでいた
方が気楽でいいわい。
まして食い扶持確保されているなら、なおの事!!
私はしばしクレア嬢とお見合い状態。
こっちからやめる気はないよ。
さてどうする~。
……と思っていたら、タニア侯爵夫人が出てきて―――。
ことを、一切考えなかった。
考えても無駄なのよね、こういうの、うん。
前世の経験からパターンは山と考えられるから、相手の出方で
いかに早く対処法を、脳ミソの中から引っ張り出すかにかかってる
からさ~。
今は脳ミソ休めといた方が、よいよい。
そんなことを考えていたら、着いたようだ。
お茶会の会場に私が到着した時、時刻はPM2:40だった。
これはエマにそうした方がいいと言われた。
私の立場はギリアムの婚約者ではあるが、身分的にはまだ男爵令嬢。
つまり下位貴族に分類される。
だから通例に従えば、私は早めに会場入りした方がいいのだ。
だが…。
「やっぱり予想は、当たったみたいねー」
私の言葉を受け
「フィリー様は慧眼でいらっしゃる」
エマが答える。
会場に近づくにつれ、かなりの人数の楽しく歓談する声が
聞こえてきたからだ。
入り口の係りに、招待状(開始時間とドレスコードが書かれて
いる)を渡す。
すると係は、
「オルフィリア嬢、お待ちしておりました。
失礼ですが、侍女の方もご一緒に?」
「はい」
「あの…僭越ながら申し上げます。
侍女の方はお返しになってはいかがでしょうか?」
「…なぜでしょうか?」
「皆さん年の近いご令嬢ばかりで、侍女を連れずに来ている方が
大半で…その方が気さくに打ち解けられると思われまして…」
「…お気遣い感謝いたします。
しかし私は侍女を連れて行きます。
禁止とは書かれていないので、構いませんよね」
と答えたら、少し動揺の色を見せた。
やっぱりね…。
想定はしていたけど、そりゃーエマはいないで欲しかったよね。
私がギリアムに口を酸っぱくして言われたにも関わらず、建国記念
パーティーにエマを連れて行かなかった理由は2つある。
まず、味方ができるだけ少ない状態での、周囲の反応を見たかった
から。
もし私のそばにエマがいたら、王女もあそこまでの暴言は吐かな
かっただろう。
もう一つはエマと私の関係を周囲に隠すため。
エマが私の味方をするか、それとも公爵邸のメイドとして最低限の
義務を果たすだけなのか…周りは今、わからない。
だからいてくれないに越したことはないが、とりあえず通して
くれた…よしよし。
そして会場に案内されれば…うん。
見事に私は一番後だ。
しかもバカ王女までいやがる。
取り巻きは…テラスでの二人は見当たらん。
まああの二人…家ぐるみでギリアムの制裁食らったから、さすがに
今回は来れんかったか…。
まあ、私の知らない奴が紛れているかもだけど。
そんでドレスも…ここまで予想通りだと、逆にシラケるっつの。
「まあ、無断欠席かと思ったら、こんなに遅れて」
「もうすでに、ギリアム様の妻になったつもりかしら…。
いまは男爵令嬢でしょうに」
「それにしたって、王女殿下より遅いなんて…。
失礼にも程がありますわ」
「それにあのドレス…今回のドレスコードを知らないのかしら…」
「あら、以外にも自分に合ったものを選んだだけかもしれません
よ?鼠色だなんて、ピッタリじゃないですか…」
ヒソヒソ、クスクス…まあ、聞こえるように、言いたいこと言って
くれるもんだ。
でも逆に言やぁ、聞こえるぐらいの陰口なんざ、アタシにとっちゃ
雀のさえずりと何ら変わらん。
心の底から気になんねっての。
…と、クレア嬢とタニア侯爵夫人がこっちに来たわー。
さてさて何が飛び出すやら~。
「ごきげんよう、オルフィリア嬢。
時間を随分と過ぎてもいらっしゃらないから、無断欠席かと思い
ましたわ」
うっわクレア嬢。
すっげにこにこしながら言ってら。
ま、当たり前か。
「失礼ですが、クレア嬢。
おっしゃっていることの意味が、わかりませんわ。
私は確かに、そちらから指定された時間に十分間に合うように
参りましたし、ドレスコードも指定の色を使いました」
周りによく聞こえる声でキッパリと答え、あとは目線をクレア嬢
から外さず、毅然と立つ。
うん、凄ーくご満悦の表情だ。
私が罠にかかったと思ってるんだろうな。
すると今度はタニア侯爵夫人が、
「エマ…あなたにも聞きたいのだけれど。
うちから送った招待状に、何と書かれていたのか…」
終始にこにこしているが、私はアンタの魂胆見え見え。
「エマ!!
この件については一切何も喋らないで!!」
だからさっさと潰させてもらう。
「承知いたしました、フィリー様」
エマは頷き、喋らない。
タニア侯爵夫人は少しぎょっとして、
「オ…オルフィリア嬢…、何を…」
「エマはファルメニウス公爵家の使用人です。
女主人である私が言っていることを、肯定するしかない立場です。
ゆえにエマが、喋る必要はございません」
バカ王女と同じ轍踏ませよったって、そーはいかんわ。
うん、タニア侯爵夫人ひきつってきたわー。
「お…女主人って…、アナタまだ婚約者でしょ!!」
口を出したのは、クレア嬢だ。
「そう申されましても…ギリアム様が、私に対し外では
ファルメニウス公爵家の女主人としてふるまうように…と。
私がギリアム様の決定に、異を唱えることなどできませんので…。
あ、もしかして、お疑いなのですか?
私が嘘をついているかもと?
でしたら、この場にギリアム様をお呼びいたしましょうか?
その方が早いですし…」
おーおー、二人とも見事に笑顔のままひきつったわ。
呼べるわけねーよなー。
するとクレア嬢は使用人に指示し、私への招待状を、持ってこさ
せた。
「おかしいですわねぇ…」
ホント、勝ち誇ったいい笑顔だこと、クレア嬢。
「オルフィリア嬢から提出された招待状には、確かにお茶会は
PM2時開始、ドレスコードは初夏をイメージした色を…と書か
れてありますが…」
そしてその招待状を、クレア嬢はごてーねーに、他のテーブルの
令嬢に渡し、見た令嬢は次に回す…。
するとそれを見たご令嬢達が、またひそひそと私の悪口。
ま、こんな序の口、想定の範囲内だけどさ~。
私は改めて呼吸を整え、
「私の言う事は変わりません。
私はそちらから指定された時間も、ドレスコードも一切間違えて
おりません」
キッパリ言い放つ。
するとクレア嬢は嘲笑いながら、
「あらあら…、仮にもギリアム様の選んだ方が、このように
往生際が悪いとは…。
ギリアム様もきっと失望なさるでしょう。
あの方は、間違いをお認めにならない方が、大層お嫌いですから」
「…存じております」
「だったら、さっさと…」
「ですので!!」
クレア嬢の言葉を遮る。
「私は自分が間違っていないのに、間違いでしたとは絶対に!!
申し上げません!!」
「あ…あなた往生際が悪いにも程が…」
「間違ったことをしていないから、していないと答えているだけ
です!!」
「す…素直に罪を認めないと、ここにいるご令嬢方と仲良くなれ
ませんよ!!」
「やってもいない罪を認めろと言う人間と、仲良くしたくは
ございません」
「悪評だってたくさん…」
「上等ですわ。
いわれなき悪評など立てられたところで、私は痛くも痒くもない
ですので!!」
うん。
さすがに周りのざわざわ感から、余裕が消えたな~。
ここにいる連中はほぼ、バカ王女かクレア嬢の取り巻きだろう
けど…。
クレア嬢が私にやっていることは、完全に3年前の意趣返し。
まあ、どっちにせよそれを面白がってる奴らなんざ、心底どうでも
いいや。
クレア嬢は言葉に詰まっているようだ。
ま、ここまで私が強固に反抗するとは、思っていなかったん
だろーね。
私の外見、ぽわぽわしてて気ぃ強そうに見えないから。
けどさ。
気が強い強くないじゃなくてさ~。
アンタに言ったこと、私の人生経験上、本気で思ってること
ばかりなんよ。
悪評なんて、立つときゃー事実無根でも立つし。
気の合わない奴と無理して付き合うぐらいなら、ボッチでいた
方が気楽でいいわい。
まして食い扶持確保されているなら、なおの事!!
私はしばしクレア嬢とお見合い状態。
こっちからやめる気はないよ。
さてどうする~。
……と思っていたら、タニア侯爵夫人が出てきて―――。
53
あなたにおすすめの小説
一級魔法使いになれなかったので特級厨師になりました
しおしお
恋愛
魔法学院次席卒業のシャーリー・ドットは、
「一級魔法使いになれなかった」という理由だけで婚約破棄された。
――だが本当の理由は、ただの“うっかり”。
試験会場を間違え、隣の建物で行われていた
特級厨師試験に合格してしまったのだ。
気づけばシャーリーは、王宮からスカウトされるほどの
“超一流料理人”となり、国王の胃袋をがっちり掴む存在に。
一方、学院首席で一級魔法使いとなった
ナターシャ・キンスキーは、大活躍しているはずなのに――
「なんで料理で一番になってるのよ!?
あの女、魔法より料理の方が強くない!?」
すれ違い、逃げ回り、勘違いし続けるナターシャと、
天然すぎて誤解が絶えないシャーリー。
そんな二人が、魔王軍の襲撃、国家危機、王宮騒動を通じて、
少しずつ距離を縮めていく。
魔法で国を守る最強魔術師。
料理で国を救う特級厨師。
――これは、“敵でもライバルでもない二人”が、
ようやく互いを認め、本当の友情を築いていく物語。
すれ違いコメディ×料理魔法×ダブルヒロイン友情譚!
笑って、癒されて、最後は心が温かくなる王宮ラノベ、開幕です。
借金まみれで高級娼館で働くことになった子爵令嬢、密かに好きだった幼馴染に買われる
しおの
恋愛
乙女ゲームの世界に転生した主人公。しかしゲームにはほぼ登場しないモブだった。
いつの間にか父がこさえた借金を返すため、高級娼館で働くことに……
しかしそこに現れたのは幼馴染で……?
神様の忘れ物
mizuno sei
ファンタジー
仕事中に急死した三十二歳の独身OLが、前世の記憶を持ったまま異世界に転生した。
わりとお気楽で、ポジティブな主人公が、異世界で懸命に生きる中で巻き起こされる、笑いあり、涙あり(?)の珍騒動記。
中身は80歳のおばあちゃんですが、異世界でイケオジ伯爵に溺愛されています
浅水シマ
ファンタジー
【完結しました】
ーー人生まさかの二週目。しかもお相手は年下イケオジ伯爵!?
激動の時代を生き、八十歳でその生涯を終えた早川百合子。
目を覚ますと、そこは異世界。しかも、彼女は公爵家令嬢“エマ”として新たな人生を歩むことに。
もう恋愛なんて……と思っていた矢先、彼女の前に現れたのは、渋くて穏やかなイケオジ伯爵・セイルだった。
セイルはエマに心から優しく、どこまでも真摯。
戸惑いながらも、エマは少しずつ彼に惹かれていく。
けれど、中身は人生80年分の知識と経験を持つ元おばあちゃん。
「乙女のときめき」にはとっくに卒業したはずなのに――どうしてこの人といると、胸がこんなに苦しいの?
これは、中身おばあちゃん×イケオジ伯爵の、
ちょっと不思議で切ない、恋と家族の物語。
※小説家になろうにも掲載中です。
30代社畜の私が1ヶ月後に異世界転生するらしい。
ひさまま
ファンタジー
前世で搾取されまくりだった私。
魂の休養のため、地球に転生したが、地球でも今世も搾取されまくりのため魂の消滅の危機らしい。
とある理由から元の世界に戻るように言われ、マジックバックを自称神様から頂いたよ。
これで地球で買ったものを持ち込めるとのこと。やっぱり夢ではないらしい。
取り敢えず、明日は退職届けを出そう。
目指せ、快適異世界生活。
ぽちぽち更新します。
作者、うっかりなのでこれも買わないと!というのがあれば教えて下さい。
脳内の空想を、つらつら書いているのでお目汚しな際はごめんなさい。
幼女はリペア(修復魔法)で無双……しない
しろこねこ
ファンタジー
田舎の小さな村・セデル村に生まれた貧乏貴族のリナ5歳はある日魔法にめざめる。それは貧乏村にとって最強の魔法、リペア、修復の魔法だった。ちょっと説明がつかないでたらめチートな魔法でリナは覇王を目指……さない。だって平凡が1番だもん。騙され上手な父ヘンリーと脳筋な兄カイル、スーパー執事のゴフじいさんと乙女なおかんマール婆さんとの平和で凹凸な日々の話。
最愛の番に殺された獣王妃
望月 或
恋愛
目の前には、最愛の人の憎しみと怒りに満ちた黄金色の瞳。
彼のすぐ後ろには、私の姿をした聖女が怯えた表情で口元に両手を当てこちらを見ている。
手で隠しているけれど、その唇が堪え切れず嘲笑っている事を私は知っている。
聖女の姿となった私の左胸を貫いた彼の愛剣が、ゆっくりと引き抜かれる。
哀しみと失意と諦めの中、私の身体は床に崩れ落ちて――
突然彼から放たれた、狂気と絶望が入り混じった慟哭を聞きながら、私の思考は止まり、意識は閉ざされ永遠の眠りについた――はずだったのだけれど……?
「憐れなアンタに“選択”を与える。このままあの世に逝くか、別の“誰か”になって新たな人生を歩むか」
謎の人物の言葉に、私が選択したのは――
転生してモブだったから安心してたら最恐王太子に溺愛されました。
琥珀
恋愛
ある日突然小説の世界に転生した事に気づいた主人公、スレイ。
ただのモブだと安心しきって人生を満喫しようとしたら…最恐の王太子が離してくれません!!
スレイの兄は重度のシスコンで、スレイに執着するルルドは兄の友人でもあり、王太子でもある。
ヒロインを取り合う筈の物語が何故かモブの私がヒロインポジに!?
氷の様に無表情で周囲に怖がられている王太子ルルドと親しくなってきた時、小説の物語の中である事件が起こる事を思い出す。ルルドの為に必死にフラグを折りに行く主人公スレイ。
このお話は目立ちたくないモブがヒロインになるまでの物語ーーーー。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる