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第3章 二頭
11 簡単な事なんだけどなぁ…
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さーて、大分時間を喰っちまった。
気合い入れなおして、行くかぁ。
「それでは…中に入れていただけますか?」
そしたらギリアム含め、全員が一斉に私を見る。
「フィリー、帰るのでは…」
「気が変わりました」
なんかね…人は一回頭クールダウンすると、いいみたい。
舞子さん…ジェード…アナタたちが言う通りだよ、好きに生きて死んだ方がいい。
「私は正式な招待客です。ご存じですよね?」
ドルグスト卿は目線だけツァリオ公爵閣下に送った。
「もちろんだ。こちらから招待した客を断るつもりはない」
「フィリー、私も…」
不安そうに私を見るが、そこはしゃーない。
「馬車で待っていてください、ギリアム様」
「構わん。入れ」
え?マジ?
「婚約者が心配すぎて、また何かされたらたまったもんじゃない」
ああ…ありうるなぁ。
「ではギリアム様…絶対に姿を見せないと、お約束ください」
「アナタに何かあれば…」
「わかっています。でも、なければ黙って見ていてください」
犬(ギリアム)に念を押し、私はサロンの会場に…行こうとしたのだが。
「オルフィリア・ステンロイド男爵令嬢、道すがらわしと少し話さんか?」
あのねぇ…今の私の身分じゃ、拒否権無いの、知ってるでしょ?
「なんでしょうか?」
「わしと顔を合わせる前から、見分を終えていたようだが…。
その理由を聞きたい」
「少しは自分の頭で考えたらどうですか?」
すかさずギリアム、突っ込む。
「馬鹿もん!!わしの頭であれば、ほんの少しの時間で答えを導き出せるわ」
「じゃあなぜ、フィリーに聞く必要性が?」
うん。
マットーなご意見です事。
最もギリアムじゃなきゃ、絶対真っ向から言えないけどね。
「ああ、答えがわからなかったんですね。けっきょく」
私もギリアムに続いたんだが、まーた後ろから殺気。
わかりやすいなぁ。
「オルフィリア・ステンロイド男爵令嬢…アナタはもう少し、立場をわきまえて
ください」
ドルグスト卿は、間違いなく優秀みたいだけど…瞬間湯沸かし器みたいなとこあるね。
気を付けた方がいいと思うんだけど。
「失礼いたしました。
では私は、今後一切喋りません」
私は、ああ言えばこう言う得意~。
「ドルグスト!わしが話しとるんだ!!キサマこそ、今後一切喋るな!!」
わーい、怒られた~。
ドルグスト卿は、本当に一切言葉を発しなくなった。
「ヒントをくれ…」
わからないとは言いたくない…と。
プライド高いな~、ホント。
まあ生まれの高さだけじゃなく、それだけの実力があるから、当たり前かもだけど。
「ん~、閣下はご自覚があると思いますが、この世界で1,2を争う頭脳をお持ちですよね」
「もちろんだ」
きっぱり言い切るの~。
「だからですよ」
「な、何…?」
「閣下が答えにたどり着けないのは、閣下の頭が良すぎるからです」
あーあ、いよいよわからんになっちゃってる。
「まあ、私からも言うなら…ヒントとしては、身分の括りを外して考える…ですかねぇ」
おお、ギリアム。
「実はですねぇ…身分も名前も一切隠して、この話を太陽の家でしてみたんですよ」
そーなのよ。
ちょうど昨日行ってきたからね。
「そしたらどうして、ツァリオ公爵が不合格か…みんなだいたい答えられましたよ。
大人も子供も」
「は、はあ?」
「あ、ちなみに貴族も混じっていますが、殆ど平民でして…。
学校に行っていた人間もいますが、文字さえ勉強中の人もいるところです」
あ…ツァリオ公爵閣下、言葉失くしてるわ。
「私も一緒でしたから、間違いございませんわ。
あ、因みに文字を書けるようになりたいから、通ってる方が八割です」
そしたら、
「オルフィリア・ステンロイド男爵令嬢!!
たかが男爵令嬢ごときが、言っていいことと悪いことがあります!!」
別にさぁ…ツァリオ公爵閣下を馬鹿にしているわけじゃなく、真実を述べているんだけど。
やっぱギリアムに言ってもらうべきだったか…。
もう知らん。
ああ、好きに生きるって…難しいなあ。
ツァリオ公爵閣下からは言葉が出なくなったのだが、それを確認したギリアムが、
「ひとまずいいですか?
私とフィリーの金魚の糞をしているほど、あなたは暇ではないでしょう」
この言い草…。
ギリアムじゃなきゃ、絶対無理。
ツァリオ公爵閣下も、普段だったら憎まれ口の一つも言うんだろうが…先ほどの
言葉により受けたショックが大きすぎるようで、フラフラと別の方向に歩いて
行った。
ドルグスト卿は、最後までこちらに殺気を放ちながら、主人の後を追う。
あ~、緊張した。
ところで…サロンの会場ってまだかなぁ…。
そんなことを私が考えていると、何やら先でガヤガヤしている。
サロンの会場は…一言で言えば、全てにおいて調和のとれた、一つの芸術作品のよう。
庭木と花が調和して、準備されたテーブル・椅子・その他の小物…すべてが美しい。
そして私はまばらな中に…レイチェルの姿を見つけるのだった。
あ、良かった。
まだ何も起こってない。
と、思いつつギリアムに、
「ギリアム…どこか会場が見渡せて、隠れられるところって、無いですかねぇ。
会話も聞こえると助かります」
「そうですね…なら…」
ギリアムはさすが軍事において優秀なだけあって、丁度いい潜伏場所を即座に
探してくれた。
便利だのぉ…。
さて、私が潜伏場所で会場を見ていると、続々と人が集まって来た。
母子同伴もいるのか…。
そう言えば、最初は紹介状か、もしくは会員と同伴が必須ってことだったな、確か。
おお、ジュリアも来た。
ま~、ジュリアは実力があるから、会員になってても何らおかしくない。
レイチェル嬉しそうやね…、でも…。
レベッカって令嬢が入ってきたら、ジュリアの空気が変わった。
あのジュリアを緊張させるなんざ…、かなり力が無いとできんぞ~。
う~ん、確か…。
…あれ?
あのポリネア嬢とラファイナ嬢…どっかで見たことあると思ったら…建国記念パーティーで
私に粉かけようとして、逆に撃退された奴らじゃん。
足治ったのか~。
ん~、んっん~。
外から観察していると、よくわかるんだよね。
一見すると関係なさそうに見えるけど…、知り合いかどうかってやつが。
レベッカ嬢とポリネア嬢とラファイナ嬢は…かなり親しいね。
挨拶の時に緊張が無い。
……バカ王女の手先って、かなりわかりやすいのが5人いる。
2人は今日来ているし、3人は例のクレアのお茶会に来ていて、私の悪口大会に参加してた。
ギリアムに家もろともキッチリ制裁されてから、姿を見せない。
ただ私の勘では…レベッカ嬢は高い確率で…。
ただそれ以外にも…。
「あの~、ギリアム…レベッカ嬢って確か…」
フォルトに聞いたことがある。
するとあからさまにギリアムが、不機嫌そうな顔になり、
「ええ、その通りです。私は近づきたくもない…」
だよね。
スタリュイヴェ侯爵家って、例のリストの筆頭に載ってた家だ。
そうこうしているうちに、レイチェルが押された!!
ポリネア嬢とラファイナ嬢に!!
「何ということを!!」
「ギリアム、静かに!!」
誰も味方がいなきゃ飛び出すが、ジュリアがいるから助けてもらえる。
そしてレイチェルの怪我を巡った、一連のやり取りを聞き…。
「なるほどね~、こりゃー、ジュリアがてこずるわけだぁ」
「???何ですか?」
「ポリネア嬢とラファイナ嬢にレイチェルを押すように指示したのは、高い確率で
レベッカ嬢です。
あと、フルーガル侯爵夫人と、エクイード侯爵夫人もグルだな…娘の方はわからんが」
「フィリーは逆によくわかりますねぇ」
「う~ん、ギリアムも作戦行動とかで誰かをはめたりとか、謀略を巡らせたりとか
しますよね?」
「もちろんです」
「だったら…動きがわかりませんか?」
「……レベッカ嬢を中心に回っていますね」
おお、さすが。
一見関係ないように見える動きも、全てを総合すると…ね。
「言っていることは正論なんですが…様々引っかかります。
まずレイチェルとジュリアの関係を知っているなら、ジュリアに任せてもいいと思うんですよ。
確かに王立騎士団と近衛騎士団は微妙な関係ではありますが、劇的に仲が悪いわけではないです。
ましてレイチェルはケガをしているかもしれないんだから、犯人捜しより治療が先」
「そうですね…王立騎士団でもそういう風に指示していますね」
被害者が怪我してたら、何があったかよりまず治療、これ当たり前。
そしてこの世界では拷問が許されているとはいえ、捕まえた時怪我を負っていたら、犯人だってまず治療。
それから尋問…その後怪しければ拷問。現行犯だって、治療位するぞ。
しかしひとまず、アイリン夫人が仲介したから、これはお終いでいいな、うん。
「フィリー、いつまでここにいるのです?
私はいてくれた方がうれしいのですが…」
ワンコは正直やね。
「ん~、実は…姿を現さなくてもいいと思っているんです。
私の目的は、何かあったら対処することで、何事もなければ姿を現す必要はない。
一番大事なのは、アイリン夫人がどういう方か、見極めたかったので」
「そうなのですね」
だからしっぽ振るなや。
そうこうしているうちに、私の悪評タイム…ギリアム~、睨まんでいい。
あんなゴミ連中ほっとけ。
でも…レイチェルはほっとけなかったのね…いい子やね。
……ああ、ジュリアが窮地に立たされちゃった…。
アイリン夫人よ…。
アンタだったら、空気変えられるのに…動かんのか?
動かんのね?
はあ…。
アンタはもう少し…大局を見て、判断できる人やと思ってたのになぁ…。
「ギリアム…私行きますね」
「何かあったら、出ますよ」
「ええ、お願いします」
私はその場を後にした。
気合い入れなおして、行くかぁ。
「それでは…中に入れていただけますか?」
そしたらギリアム含め、全員が一斉に私を見る。
「フィリー、帰るのでは…」
「気が変わりました」
なんかね…人は一回頭クールダウンすると、いいみたい。
舞子さん…ジェード…アナタたちが言う通りだよ、好きに生きて死んだ方がいい。
「私は正式な招待客です。ご存じですよね?」
ドルグスト卿は目線だけツァリオ公爵閣下に送った。
「もちろんだ。こちらから招待した客を断るつもりはない」
「フィリー、私も…」
不安そうに私を見るが、そこはしゃーない。
「馬車で待っていてください、ギリアム様」
「構わん。入れ」
え?マジ?
「婚約者が心配すぎて、また何かされたらたまったもんじゃない」
ああ…ありうるなぁ。
「ではギリアム様…絶対に姿を見せないと、お約束ください」
「アナタに何かあれば…」
「わかっています。でも、なければ黙って見ていてください」
犬(ギリアム)に念を押し、私はサロンの会場に…行こうとしたのだが。
「オルフィリア・ステンロイド男爵令嬢、道すがらわしと少し話さんか?」
あのねぇ…今の私の身分じゃ、拒否権無いの、知ってるでしょ?
「なんでしょうか?」
「わしと顔を合わせる前から、見分を終えていたようだが…。
その理由を聞きたい」
「少しは自分の頭で考えたらどうですか?」
すかさずギリアム、突っ込む。
「馬鹿もん!!わしの頭であれば、ほんの少しの時間で答えを導き出せるわ」
「じゃあなぜ、フィリーに聞く必要性が?」
うん。
マットーなご意見です事。
最もギリアムじゃなきゃ、絶対真っ向から言えないけどね。
「ああ、答えがわからなかったんですね。けっきょく」
私もギリアムに続いたんだが、まーた後ろから殺気。
わかりやすいなぁ。
「オルフィリア・ステンロイド男爵令嬢…アナタはもう少し、立場をわきまえて
ください」
ドルグスト卿は、間違いなく優秀みたいだけど…瞬間湯沸かし器みたいなとこあるね。
気を付けた方がいいと思うんだけど。
「失礼いたしました。
では私は、今後一切喋りません」
私は、ああ言えばこう言う得意~。
「ドルグスト!わしが話しとるんだ!!キサマこそ、今後一切喋るな!!」
わーい、怒られた~。
ドルグスト卿は、本当に一切言葉を発しなくなった。
「ヒントをくれ…」
わからないとは言いたくない…と。
プライド高いな~、ホント。
まあ生まれの高さだけじゃなく、それだけの実力があるから、当たり前かもだけど。
「ん~、閣下はご自覚があると思いますが、この世界で1,2を争う頭脳をお持ちですよね」
「もちろんだ」
きっぱり言い切るの~。
「だからですよ」
「な、何…?」
「閣下が答えにたどり着けないのは、閣下の頭が良すぎるからです」
あーあ、いよいよわからんになっちゃってる。
「まあ、私からも言うなら…ヒントとしては、身分の括りを外して考える…ですかねぇ」
おお、ギリアム。
「実はですねぇ…身分も名前も一切隠して、この話を太陽の家でしてみたんですよ」
そーなのよ。
ちょうど昨日行ってきたからね。
「そしたらどうして、ツァリオ公爵が不合格か…みんなだいたい答えられましたよ。
大人も子供も」
「は、はあ?」
「あ、ちなみに貴族も混じっていますが、殆ど平民でして…。
学校に行っていた人間もいますが、文字さえ勉強中の人もいるところです」
あ…ツァリオ公爵閣下、言葉失くしてるわ。
「私も一緒でしたから、間違いございませんわ。
あ、因みに文字を書けるようになりたいから、通ってる方が八割です」
そしたら、
「オルフィリア・ステンロイド男爵令嬢!!
たかが男爵令嬢ごときが、言っていいことと悪いことがあります!!」
別にさぁ…ツァリオ公爵閣下を馬鹿にしているわけじゃなく、真実を述べているんだけど。
やっぱギリアムに言ってもらうべきだったか…。
もう知らん。
ああ、好きに生きるって…難しいなあ。
ツァリオ公爵閣下からは言葉が出なくなったのだが、それを確認したギリアムが、
「ひとまずいいですか?
私とフィリーの金魚の糞をしているほど、あなたは暇ではないでしょう」
この言い草…。
ギリアムじゃなきゃ、絶対無理。
ツァリオ公爵閣下も、普段だったら憎まれ口の一つも言うんだろうが…先ほどの
言葉により受けたショックが大きすぎるようで、フラフラと別の方向に歩いて
行った。
ドルグスト卿は、最後までこちらに殺気を放ちながら、主人の後を追う。
あ~、緊張した。
ところで…サロンの会場ってまだかなぁ…。
そんなことを私が考えていると、何やら先でガヤガヤしている。
サロンの会場は…一言で言えば、全てにおいて調和のとれた、一つの芸術作品のよう。
庭木と花が調和して、準備されたテーブル・椅子・その他の小物…すべてが美しい。
そして私はまばらな中に…レイチェルの姿を見つけるのだった。
あ、良かった。
まだ何も起こってない。
と、思いつつギリアムに、
「ギリアム…どこか会場が見渡せて、隠れられるところって、無いですかねぇ。
会話も聞こえると助かります」
「そうですね…なら…」
ギリアムはさすが軍事において優秀なだけあって、丁度いい潜伏場所を即座に
探してくれた。
便利だのぉ…。
さて、私が潜伏場所で会場を見ていると、続々と人が集まって来た。
母子同伴もいるのか…。
そう言えば、最初は紹介状か、もしくは会員と同伴が必須ってことだったな、確か。
おお、ジュリアも来た。
ま~、ジュリアは実力があるから、会員になってても何らおかしくない。
レイチェル嬉しそうやね…、でも…。
レベッカって令嬢が入ってきたら、ジュリアの空気が変わった。
あのジュリアを緊張させるなんざ…、かなり力が無いとできんぞ~。
う~ん、確か…。
…あれ?
あのポリネア嬢とラファイナ嬢…どっかで見たことあると思ったら…建国記念パーティーで
私に粉かけようとして、逆に撃退された奴らじゃん。
足治ったのか~。
ん~、んっん~。
外から観察していると、よくわかるんだよね。
一見すると関係なさそうに見えるけど…、知り合いかどうかってやつが。
レベッカ嬢とポリネア嬢とラファイナ嬢は…かなり親しいね。
挨拶の時に緊張が無い。
……バカ王女の手先って、かなりわかりやすいのが5人いる。
2人は今日来ているし、3人は例のクレアのお茶会に来ていて、私の悪口大会に参加してた。
ギリアムに家もろともキッチリ制裁されてから、姿を見せない。
ただ私の勘では…レベッカ嬢は高い確率で…。
ただそれ以外にも…。
「あの~、ギリアム…レベッカ嬢って確か…」
フォルトに聞いたことがある。
するとあからさまにギリアムが、不機嫌そうな顔になり、
「ええ、その通りです。私は近づきたくもない…」
だよね。
スタリュイヴェ侯爵家って、例のリストの筆頭に載ってた家だ。
そうこうしているうちに、レイチェルが押された!!
ポリネア嬢とラファイナ嬢に!!
「何ということを!!」
「ギリアム、静かに!!」
誰も味方がいなきゃ飛び出すが、ジュリアがいるから助けてもらえる。
そしてレイチェルの怪我を巡った、一連のやり取りを聞き…。
「なるほどね~、こりゃー、ジュリアがてこずるわけだぁ」
「???何ですか?」
「ポリネア嬢とラファイナ嬢にレイチェルを押すように指示したのは、高い確率で
レベッカ嬢です。
あと、フルーガル侯爵夫人と、エクイード侯爵夫人もグルだな…娘の方はわからんが」
「フィリーは逆によくわかりますねぇ」
「う~ん、ギリアムも作戦行動とかで誰かをはめたりとか、謀略を巡らせたりとか
しますよね?」
「もちろんです」
「だったら…動きがわかりませんか?」
「……レベッカ嬢を中心に回っていますね」
おお、さすが。
一見関係ないように見える動きも、全てを総合すると…ね。
「言っていることは正論なんですが…様々引っかかります。
まずレイチェルとジュリアの関係を知っているなら、ジュリアに任せてもいいと思うんですよ。
確かに王立騎士団と近衛騎士団は微妙な関係ではありますが、劇的に仲が悪いわけではないです。
ましてレイチェルはケガをしているかもしれないんだから、犯人捜しより治療が先」
「そうですね…王立騎士団でもそういう風に指示していますね」
被害者が怪我してたら、何があったかよりまず治療、これ当たり前。
そしてこの世界では拷問が許されているとはいえ、捕まえた時怪我を負っていたら、犯人だってまず治療。
それから尋問…その後怪しければ拷問。現行犯だって、治療位するぞ。
しかしひとまず、アイリン夫人が仲介したから、これはお終いでいいな、うん。
「フィリー、いつまでここにいるのです?
私はいてくれた方がうれしいのですが…」
ワンコは正直やね。
「ん~、実は…姿を現さなくてもいいと思っているんです。
私の目的は、何かあったら対処することで、何事もなければ姿を現す必要はない。
一番大事なのは、アイリン夫人がどういう方か、見極めたかったので」
「そうなのですね」
だからしっぽ振るなや。
そうこうしているうちに、私の悪評タイム…ギリアム~、睨まんでいい。
あんなゴミ連中ほっとけ。
でも…レイチェルはほっとけなかったのね…いい子やね。
……ああ、ジュリアが窮地に立たされちゃった…。
アイリン夫人よ…。
アンタだったら、空気変えられるのに…動かんのか?
動かんのね?
はあ…。
アンタはもう少し…大局を見て、判断できる人やと思ってたのになぁ…。
「ギリアム…私行きますね」
「何かあったら、出ますよ」
「ええ、お願いします」
私はその場を後にした。
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