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第3章 二頭
15 楽しい楽しい余興の始まり~
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レベッカは…動かない。
…ってこたやっぱり、私の隣にこだわったわけじゃない。
こりゃあ…私のヤバい予想の方が、当たりっぽいなぁ。
私は家の破門の話を出した時ですら、レベッカが席を代わらなかったとき…私の前世の記憶における
危険信号が鳴りだしたのだ。
日和見派を取り込みたい…ジュリアを蹴落としたいレベッカにとって、ファルメニウス公爵家の一門と
言うことは、大変な強みだ。
だから私の横に常にいるイメージを作りたい…と、最初は思ったんだよね。
でも…なんだか席にこだわりすぎる。
そりゃ、末席なんて階級至上主義者にとって、屈辱でしかないから、避けたいのはわかる。
でも破門の話を出されたら、日和見主義どころか今まで味方につけた人間まで、離れる可能性がある。
そこまでのリスクを冒してまで…席にこだわるか?
確かにレイチェルをこの席に置いておいた方が、ポリネア嬢とラファイナ嬢がいるからいじめられるのは
わかるが…。
それによ…。
あんま認めたくないけど、レベッカってジュリア並みに力があって、モノが見えている…。
レベッカの考えている事を、単純に考えちゃダメだ。
レイチェルを茂みに倒したのなんて、序の口。
二重三重の罠を張っていると見ないと…。
だから私は、レイチェルを安全な場所に来させたかった。
私はちらりとレベッカに視線を移す。
……やっぱ、ポーカーフェイスって厚化粧のせいで、表情が読み取れない。
ここにレイチェルが居なくなったことで、企みをやめるのか…それとも…。
レイチェルは私の席が居心地悪そうだけど…この席より安全だと思うから、ちと我慢してくれい。
それにレベッカは一応レベルは高いから…アイリン夫人が許したことに難癖はつけない。
アンタに何か言うことは無いと思う。
ひとまず…。
「ところで…余興はやらないのですか?」
「へ?」
ポリネア嬢とラファイナ嬢が素っ頓狂な声を上げる。
「あら…?さっき言っておりましたよね?これから余興で盛り上げる…って」
とりあえず簡単に崩せそうなところから、行こう。
「え、ええ、そうでしたわぁ」
元気ねぇな…ま、私にゃあ一度、酷い目にあってるからなぁ。
「では、始めさせて…」
「ああ、一つ」
私は扇子で自分の表情が、2人にしか見えないようにする。
端っこの席って、何気に便利なんよね。
「私を楽しませられなかった場合…」
私は口の端をわざとらしく持ち上げ、2人にしか聞こえないぐらいの声で、
「テラスでの二の舞になりますよぉ」
悪人らしい、にった~っという笑いを向ける。
すると…。
「アンタ!!やっぱりあれ、ワザとだったのね―――――――――っ!!」
「ふざけんなぁ―――――――――――――っ!!」
レベッカよりずっと低レベルなのはわかってたけど…まさか一言だけで挑発に乗ってくれる
とはねぇ…。
1人がティーカップを鷲掴みにし、私めがけて投げつけた。
席に座ったまま、華麗にかわす、わたくし。
舐めんなよ。
ティーカップはもちろんあらゆるものを、日々投げつけられ続けたんじゃ。
もう、振りかぶった腕の位置で、どこに飛んでくるか予測つくわ。
え?どのくらいの数投げつけられたかって?
アンタには…天の川に流れる星の数を、数える趣味でもあんのかい?
あいにく私にゃ、ねぇ。
「きぃぃいいいぃぃ―――――――――っ!!」
おーい、猿だってもうちょっとお上品に鳴くぞ~。
さらに二人とも、手につくものを掴んだが…そこはさすがガルドベンダ公爵邸の使用人たち。
すぐに二人は取り押さえられた。
「何をやっているんですか、2人とも!!」
さすがのアイリン夫人も、これは看過できんだろ~。
「だ、だって、あいつが!!」
「以前オルフィリア嬢と何があったか、知りませんが…。
ティーカップを投げつけるなど、論外です!!」
アイリン夫人の言うことは、ド正論。
思い切り投げつけられたティーカップなど、マトモに喰らったら最悪怪我じゃすまない。
さてレベッカは…ポーカーフェイス崩れてねぇな…ちっ。
ポリネア嬢とラファイナ嬢は、さすがにアイリン夫人には逆らえず、おとなしくなってしまった。
……ん~、この位置なら…行けそうだね。
私は事を見守る人々と、アイリン夫人の位置、取り押さえている人の状況など、全てを加味し、
すすす~っと、2人の正面に回る。
そして2人の目線に合わせ。
ばーか、ばーか。
と、変顔しつつ、口パク。
「うぎゃ――――――っ!!ふざけんなぁ――――――――――っ!!」
せ・い・こ・う。
2人は激高して、手が付けられない。
捕えられた野生動物って、こんな感じなんだろーな。
そして2人を抑えているのが、せめて暴漢を捕える訓練を受けている騎士だったら良かったのだろうが、
如何せんメイドさんだ。
そして本気で暴れる人間の力は、子供でも凄い。
2人ともメイドさんを弾き飛ばし、私の方に突進してきた。
もうね…。
嬉しーよ。
ここまで予想通りに動いてくれるとね。
私は突進してくる2人をギリギリまで近づけ…身を翻しつつ、足を引っかける。
もっと大人数ならまだしも、二人ぐらいだったらお茶の子さいさいよ。
そりゃーもう、ポリネア嬢もラファイナ嬢も、レイチェルの比にならないくらい激しく、茂みに突っ込んだ。
レベッカももうちょっと、質のいいのをツレにできないのかねぇ…。
……無理だろうなぁ。
…バカ王女に質のいいのが、寄ってくるわきゃねぇから。
「痛ったぁ―――――――っい!!痛い痛いぃ!!」
「いやぁ―――――っ!!血が、血がぁあ!!」
うっせえよ、ヤり返される覚悟もなしに、人にやるな、ばーか。
なんか、似たようなことテラスでも思ったなぁ…。
学習能力動物以下か?あんたらは。
「ポリネア嬢!!ラファイナ嬢!!あなた達はもう、帰りなさい!!」
おお、レベッカ…これを機に退場させる気だな。
もう、いて貰っても、役に立つどころか、足引っ張るだけだもんな。
「いやよ!!」
「私達じゃなくて、あいつが帰るべきよ!!」
私を指さす2人。
はいはーい、負け犬の遠吠え、ごくろーさん。
「いい加減にしなさ―――――いっ!!」
おお、アイリン夫人…さすがに怒ったなぁ、当たり前だけど。
「あなた達は本当に…何をしに来たのですか―――――――っ!!」
レイチェルをいじめて、ジュリアの力をそぐためだよ。
ぜってー言わねぇだろうけど。
「だって…だって…」
「だってではありません!!ここは闘技場ではありません!!」
主催者って、一番怒らせたらマズいのにねぇ…。
「もう…いいから帰りなさいな…アナタたちは今、正常じゃないわ。
帰って頭を冷やしなさい」
おや…ボスに言われると、さすがに文句は出ないが…納得は出来ないって顔してるねぇ。
どりゃどりゃ、もう一押し…。
私は野次馬の一番後ろで、おしりぺんぺん。
ついでに超変顔。
私の前世のあだ名の一つに、変顔大魔神があんだよ、へっ!!
2人が激高したのは、言うまでもない。
私は、考えなしで傲慢で、何よりバカな女を挑発するの病的に上手いで。
「とにかく帰りなさい!!帰って頭を冷やしなさい!!」
レベッカ…さすがに必死になって来た。
「いやよ!!絶対!!」
2人は激しく抵抗…平常だったら少しは回る頭も、今は使用不可だろうからなぁ。
埒が明かないって、まさにこのこと。
「ああもう!!ポリネア嬢とラファイナ嬢!!あなた達は帰りなさい!!
そしてもう二度と、私のサロンに来ないでください!!」
だよね~。
「そ…そんな、何で私たちが!!」
自業自得だろーよ。
「お待ちください…アイリン夫人…」
お、レベッカ…。
王女と違って質が良いから、間に入るんだな…けど…。
この問題を収束に導くのは、すげぇ大変だぞ。
「ポリネア嬢とラファイナ嬢は、確かに出禁にされても致し方ないことをしました。
ですが…理由があるのです」
ほうほう、どんな?
「実は建国記念パーティーで…アクシデントがあり、ポリネア嬢とラファイナ嬢は
怪我をしてしまい…2か月間療養しておりました」
へ~、あの程度で二ヵ月たぁ、お嬢さまだねぇ、やっぱ。
「そのアクシデントに…オルフィリア嬢が関わっていたらしく…、2人はその後、
オルフィリア嬢に対し、過剰反応してしまうようになったのです」
そりゃま、そうだろうね。
「ですので何卒…寛大なお心で接していただきたく…」
ふーん、良い言い方だな。
決して許せとは言わず、ただ事情がある…か。
レベッカだって2人の出禁は免れないと思っているだろうが、バカ王女みたいな態度取ったら、
何言いだすかわかったもんじゃない。
アイリン夫人からの言葉はない…。
私に言わせれば、何迷ってんの~ってカンジなんだけどな。
置いといてもいいことないだろ、こんなバカ2人。
「アイリン夫人…私から一つ提案があります」
アイリン夫人からの言葉が無いから、レベッカが続ける。
「この二人をどうするか…最終的にはオルフィリア嬢に決定して貰いましょう」
は?
少し飽き飽きしていた私の頭は、急速フル回転。
「ここはアイリン夫人のサロンでは?」
「そうですが…やはり一番の被害者は、あなたですので…」
……間違っちゃぁいない。
しかしよぉ…私に決定権を持たせるって…ちょっと違うだろうが。
「…そうですね。それが一番いいかもしれないですね…」
は??
アイリン夫人の言葉に、私は耳を疑った。
「い、いえ…私に決定権を持たせるのは違うかと…」
逃げよ、バカバカし。
「理由はちゃんとありますよ。まずあなたが一番の被害者です。
そして…」
アイリン夫人は間をおいて、
「今のあなたはファルメニウス公爵夫人なのですから…」
この言葉を聞いた時、私の頭に、すーっと冷たいものが流れ込んできた。
…ってこたやっぱり、私の隣にこだわったわけじゃない。
こりゃあ…私のヤバい予想の方が、当たりっぽいなぁ。
私は家の破門の話を出した時ですら、レベッカが席を代わらなかったとき…私の前世の記憶における
危険信号が鳴りだしたのだ。
日和見派を取り込みたい…ジュリアを蹴落としたいレベッカにとって、ファルメニウス公爵家の一門と
言うことは、大変な強みだ。
だから私の横に常にいるイメージを作りたい…と、最初は思ったんだよね。
でも…なんだか席にこだわりすぎる。
そりゃ、末席なんて階級至上主義者にとって、屈辱でしかないから、避けたいのはわかる。
でも破門の話を出されたら、日和見主義どころか今まで味方につけた人間まで、離れる可能性がある。
そこまでのリスクを冒してまで…席にこだわるか?
確かにレイチェルをこの席に置いておいた方が、ポリネア嬢とラファイナ嬢がいるからいじめられるのは
わかるが…。
それによ…。
あんま認めたくないけど、レベッカってジュリア並みに力があって、モノが見えている…。
レベッカの考えている事を、単純に考えちゃダメだ。
レイチェルを茂みに倒したのなんて、序の口。
二重三重の罠を張っていると見ないと…。
だから私は、レイチェルを安全な場所に来させたかった。
私はちらりとレベッカに視線を移す。
……やっぱ、ポーカーフェイスって厚化粧のせいで、表情が読み取れない。
ここにレイチェルが居なくなったことで、企みをやめるのか…それとも…。
レイチェルは私の席が居心地悪そうだけど…この席より安全だと思うから、ちと我慢してくれい。
それにレベッカは一応レベルは高いから…アイリン夫人が許したことに難癖はつけない。
アンタに何か言うことは無いと思う。
ひとまず…。
「ところで…余興はやらないのですか?」
「へ?」
ポリネア嬢とラファイナ嬢が素っ頓狂な声を上げる。
「あら…?さっき言っておりましたよね?これから余興で盛り上げる…って」
とりあえず簡単に崩せそうなところから、行こう。
「え、ええ、そうでしたわぁ」
元気ねぇな…ま、私にゃあ一度、酷い目にあってるからなぁ。
「では、始めさせて…」
「ああ、一つ」
私は扇子で自分の表情が、2人にしか見えないようにする。
端っこの席って、何気に便利なんよね。
「私を楽しませられなかった場合…」
私は口の端をわざとらしく持ち上げ、2人にしか聞こえないぐらいの声で、
「テラスでの二の舞になりますよぉ」
悪人らしい、にった~っという笑いを向ける。
すると…。
「アンタ!!やっぱりあれ、ワザとだったのね―――――――――っ!!」
「ふざけんなぁ―――――――――――――っ!!」
レベッカよりずっと低レベルなのはわかってたけど…まさか一言だけで挑発に乗ってくれる
とはねぇ…。
1人がティーカップを鷲掴みにし、私めがけて投げつけた。
席に座ったまま、華麗にかわす、わたくし。
舐めんなよ。
ティーカップはもちろんあらゆるものを、日々投げつけられ続けたんじゃ。
もう、振りかぶった腕の位置で、どこに飛んでくるか予測つくわ。
え?どのくらいの数投げつけられたかって?
アンタには…天の川に流れる星の数を、数える趣味でもあんのかい?
あいにく私にゃ、ねぇ。
「きぃぃいいいぃぃ―――――――――っ!!」
おーい、猿だってもうちょっとお上品に鳴くぞ~。
さらに二人とも、手につくものを掴んだが…そこはさすがガルドベンダ公爵邸の使用人たち。
すぐに二人は取り押さえられた。
「何をやっているんですか、2人とも!!」
さすがのアイリン夫人も、これは看過できんだろ~。
「だ、だって、あいつが!!」
「以前オルフィリア嬢と何があったか、知りませんが…。
ティーカップを投げつけるなど、論外です!!」
アイリン夫人の言うことは、ド正論。
思い切り投げつけられたティーカップなど、マトモに喰らったら最悪怪我じゃすまない。
さてレベッカは…ポーカーフェイス崩れてねぇな…ちっ。
ポリネア嬢とラファイナ嬢は、さすがにアイリン夫人には逆らえず、おとなしくなってしまった。
……ん~、この位置なら…行けそうだね。
私は事を見守る人々と、アイリン夫人の位置、取り押さえている人の状況など、全てを加味し、
すすす~っと、2人の正面に回る。
そして2人の目線に合わせ。
ばーか、ばーか。
と、変顔しつつ、口パク。
「うぎゃ――――――っ!!ふざけんなぁ――――――――――っ!!」
せ・い・こ・う。
2人は激高して、手が付けられない。
捕えられた野生動物って、こんな感じなんだろーな。
そして2人を抑えているのが、せめて暴漢を捕える訓練を受けている騎士だったら良かったのだろうが、
如何せんメイドさんだ。
そして本気で暴れる人間の力は、子供でも凄い。
2人ともメイドさんを弾き飛ばし、私の方に突進してきた。
もうね…。
嬉しーよ。
ここまで予想通りに動いてくれるとね。
私は突進してくる2人をギリギリまで近づけ…身を翻しつつ、足を引っかける。
もっと大人数ならまだしも、二人ぐらいだったらお茶の子さいさいよ。
そりゃーもう、ポリネア嬢もラファイナ嬢も、レイチェルの比にならないくらい激しく、茂みに突っ込んだ。
レベッカももうちょっと、質のいいのをツレにできないのかねぇ…。
……無理だろうなぁ。
…バカ王女に質のいいのが、寄ってくるわきゃねぇから。
「痛ったぁ―――――――っい!!痛い痛いぃ!!」
「いやぁ―――――っ!!血が、血がぁあ!!」
うっせえよ、ヤり返される覚悟もなしに、人にやるな、ばーか。
なんか、似たようなことテラスでも思ったなぁ…。
学習能力動物以下か?あんたらは。
「ポリネア嬢!!ラファイナ嬢!!あなた達はもう、帰りなさい!!」
おお、レベッカ…これを機に退場させる気だな。
もう、いて貰っても、役に立つどころか、足引っ張るだけだもんな。
「いやよ!!」
「私達じゃなくて、あいつが帰るべきよ!!」
私を指さす2人。
はいはーい、負け犬の遠吠え、ごくろーさん。
「いい加減にしなさ―――――いっ!!」
おお、アイリン夫人…さすがに怒ったなぁ、当たり前だけど。
「あなた達は本当に…何をしに来たのですか―――――――っ!!」
レイチェルをいじめて、ジュリアの力をそぐためだよ。
ぜってー言わねぇだろうけど。
「だって…だって…」
「だってではありません!!ここは闘技場ではありません!!」
主催者って、一番怒らせたらマズいのにねぇ…。
「もう…いいから帰りなさいな…アナタたちは今、正常じゃないわ。
帰って頭を冷やしなさい」
おや…ボスに言われると、さすがに文句は出ないが…納得は出来ないって顔してるねぇ。
どりゃどりゃ、もう一押し…。
私は野次馬の一番後ろで、おしりぺんぺん。
ついでに超変顔。
私の前世のあだ名の一つに、変顔大魔神があんだよ、へっ!!
2人が激高したのは、言うまでもない。
私は、考えなしで傲慢で、何よりバカな女を挑発するの病的に上手いで。
「とにかく帰りなさい!!帰って頭を冷やしなさい!!」
レベッカ…さすがに必死になって来た。
「いやよ!!絶対!!」
2人は激しく抵抗…平常だったら少しは回る頭も、今は使用不可だろうからなぁ。
埒が明かないって、まさにこのこと。
「ああもう!!ポリネア嬢とラファイナ嬢!!あなた達は帰りなさい!!
そしてもう二度と、私のサロンに来ないでください!!」
だよね~。
「そ…そんな、何で私たちが!!」
自業自得だろーよ。
「お待ちください…アイリン夫人…」
お、レベッカ…。
王女と違って質が良いから、間に入るんだな…けど…。
この問題を収束に導くのは、すげぇ大変だぞ。
「ポリネア嬢とラファイナ嬢は、確かに出禁にされても致し方ないことをしました。
ですが…理由があるのです」
ほうほう、どんな?
「実は建国記念パーティーで…アクシデントがあり、ポリネア嬢とラファイナ嬢は
怪我をしてしまい…2か月間療養しておりました」
へ~、あの程度で二ヵ月たぁ、お嬢さまだねぇ、やっぱ。
「そのアクシデントに…オルフィリア嬢が関わっていたらしく…、2人はその後、
オルフィリア嬢に対し、過剰反応してしまうようになったのです」
そりゃま、そうだろうね。
「ですので何卒…寛大なお心で接していただきたく…」
ふーん、良い言い方だな。
決して許せとは言わず、ただ事情がある…か。
レベッカだって2人の出禁は免れないと思っているだろうが、バカ王女みたいな態度取ったら、
何言いだすかわかったもんじゃない。
アイリン夫人からの言葉はない…。
私に言わせれば、何迷ってんの~ってカンジなんだけどな。
置いといてもいいことないだろ、こんなバカ2人。
「アイリン夫人…私から一つ提案があります」
アイリン夫人からの言葉が無いから、レベッカが続ける。
「この二人をどうするか…最終的にはオルフィリア嬢に決定して貰いましょう」
は?
少し飽き飽きしていた私の頭は、急速フル回転。
「ここはアイリン夫人のサロンでは?」
「そうですが…やはり一番の被害者は、あなたですので…」
……間違っちゃぁいない。
しかしよぉ…私に決定権を持たせるって…ちょっと違うだろうが。
「…そうですね。それが一番いいかもしれないですね…」
は??
アイリン夫人の言葉に、私は耳を疑った。
「い、いえ…私に決定権を持たせるのは違うかと…」
逃げよ、バカバカし。
「理由はちゃんとありますよ。まずあなたが一番の被害者です。
そして…」
アイリン夫人は間をおいて、
「今のあなたはファルメニウス公爵夫人なのですから…」
この言葉を聞いた時、私の頭に、すーっと冷たいものが流れ込んできた。
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