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第4章 結婚
12 一つ確認したいのですが
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ガルドベンダ公爵家とのいざこざが始まったあたりから、当然だが屋敷周辺に密偵を
置いていた。
屋敷に出入りする人間を、出来る限り調べるためだ。
そしてスタリュイヴェ侯爵が出入りした直後、ガルドベンダ公爵家が動いたから、
おそらく高確率で来るだろう…とは予測していた。
さて…アンタはどんな男なんだい?
このヘドネが…見定めてやろう。
「事実無根の中傷をしたことは、ドロシー嬢も大変反省しているのです。
ですから、何卒広いお心で、お慈悲をいただけませんでしょうか。
何分まだ、若い娘故…」
「あら?ジョノァド卿は、私をいくつとお思いで?」
「オルフィリア公爵夫人は…ギリアム公爵閣下共々、規格外でございますので…。
比べるのはいささか、無理がございます」
まあねー。
中身、還暦越えおばはんやしなぁ。
「……何が悪かったのか、わかっていない謝罪など、謝罪にならないので、確認した
までです」
「では、わかっていれば、よろしいと?」
「ええ、まあ…」
「わ、わかっております!!今後二度とやりません!!」
ドロシーが間髪入れずに出てきた…。
ま、この辺が潮時やな。
アカデミーに波及してきたから、そろそろ火消しも必要かなぁって思ってたし。
ドロシー本人もだいぶやつれたから、こりたろ。
「ですが、オルフィリア公爵夫人…、一つ差し出がましいようですが」
「差し出がましいと思っているなら、おっしゃらない方がいいですよ」
私も間髪入れずに言ってやったよ。
社交辞令をすんなり受け入れると思うなや。
てめぇはハナから、私の人生に要らない、排除要員じゃ。
だってギリアムを…散々苦しめたんだからさぁ。
反省してりゃぁ可愛げもあるが、反省の色なしみたいだから、てめぇ有に利な事なんか
してやらーん。
「これは…手厳しいですなぁ」
「手厳しくなくて、ファルメニウス公爵家の夫人は務まりませんので」
そんなやり取りの最中、
「もういい、下がれ!!スタリュイヴェ侯爵」
おお、すんげぇすんなり下がった。
長いものに巻かれたか。
「オルフィリア公爵夫人、取引だ。
アカデミーにまで波及し、あまりにも関係の無いものを巻き込みすぎだ。
だから早急にそちらで火消しをしてもらいたい!!
代わりに夫人が公爵夫人になる直前にした、わしへの無礼はきれいさっぱり忘れる」
ああ、ツァリオ公爵閣下…あんたさぁ。
「その取引に応じる前に…」
やっぱバカだわ。
「一つ確認させてください」
「ん?」
「答えは出たのですか?」
「なに?」
呆けんな!!バカに続きアホと呼ばれてぇか。
「私がサロンの日…差し上げたヒントをもとに、答えにたどり着きましたか?」
押し黙った…ってことは、答えにたどり着いてねぇな。
やれやれ…。
ま、たどり着いていたら、無礼を働いたなんて言わねぇだろうな。
「答えにたどり着いてらっしゃらないなら…火消しをこちらでする条件を…変えさせて
頂きます」
「な、なに?」
「まず、私が公爵夫人になる前にしたこと…ツァリオ公爵閣下の最高の頭脳で…答えが
出るまで考え続けていただくこと。
そして答えが出たなら、それが正しいのかどうか、私に聞きに来てください。
もしその条件をのんでいただけるなら…こちらで火消しを担当いたします」
この条件には…流石にツァリオ公爵閣下でも、動揺を隠せないみたい。
頭良くなりすぎると、簡単なことほど、わかんなくなるのかなぁ。
だがそこは、ツァリオ公爵閣下…すぐに脳内の体制を立て直したようで、
「わかった、よかろう。
もとよりわからないことを、わからないままにしておくのは、我慢できん性分だ。
必ず答えを導き出してやる!!
そのかわり、早急に火消しはやってもらう」
「もちろんです。
こちらの出した条件をのんでいただけるなら、取引は成立!!
速やかに…かつ迅速に、やってごらんに入れましょう」
ツァリオ公爵閣下との話は、これで終いだな。
「あの…私からも一ついいかしら…」
狙ったみたいに、アイリン夫人が出て生きたんだけど…ん~。
「今度また是非…私のサロンに遊びに来てくださらないかしら、ファルメニウス公爵夫人…」
…わたしゃ、アンタのサロンには二度と行く気はねぇんだけど…、でも今は…。
「アイリン夫人…どこかお加減が悪いのでは?」
陽光の下なのに…妙に青白い。
「少し…風邪が長引いてしまっているだけだから…気にしないでください」
ああ、ツァリオ公爵閣下が誰のせいだって言いたげな目で見とるね、うん。
確か…この夫婦って恋愛結婚なんだよなぁ。
そんで今もかなり仲がいいって…。
ガルドベンダ公爵家が全体的にその傾向にあるらしい…。
ただし、気に入って連れてきた連れ合いが、ガルドベンダ公爵家の一員になる実力があるか
どうか、証明しないと家の一員にしないらしいが…。
ガチの政略結婚もどうかと思うが、それも何だかなぁ…。
「でしたら…まずはお体をしっかり治してください。
お話はそれからお聞きします」
病人痛めつけても、しょうがないからねぇ。
「ありがとうございます。
断られないだけでも、嬉しいです」
なんだかやけに気弱やね。
私がファルメニウス公爵夫人に、なったこともあるんだろうけど…。
何かなぁ…。
「では、ごきげんよう…」
アイリン夫人が手を差し出す。
握手ぐらい別にいいけど…。
と思って、私が何気にアイリン夫人の手を見ると…。
「!!!!」
私の脳みそが…一瞬だけ深い闇に包まれた…。
「オルフィリア公爵夫人?」
あ、いかん、戻らな。
「ああ、すみません…ただ…アイリン夫人、手を怪我したのですか?」
「え?」
「手首のあたりに…あざがあるので…」
するとアイリン夫人もそれを見て、不思議そうに、
「あら、本当…こんな所、ぶつけた覚え無いのだけれど…」
「一応、お医者に見せた方がよろしいですよ…」
「そうね…風邪の方で見てもらっているから、念のため話すわ」
こんな感じで、今日の話し合いは幕を閉じた。
ジョノァド・スタリュイヴェ侯爵がずっと、にこやかな表情を崩さなかったのが気になるっちゃ
気になるが…しゃーねぇ、今回は…これで幕引きだ。
私たちはお互い帰路につき、トールレィ卿とエリオット卿には、ファルメニウス公爵家に来てもらった。
「…ィリア公爵夫人、オルフィリア公爵夫人」
私を呼ぶ声に、ハッとした。
「どうされました…?
帰ってきてから、ずっと心ここにあらずですが…」
心配そうに見て来るトールレィ卿の声で、
「ごめんなさい…色々考えることが多くて…」
「仕方ありません、ファルメニウス公爵夫人になられて、まだ日が浅い。
やることなど山積みでしょう」
そういうエリオット卿の顔も、心配そうだ。
有難いなぁ。
「ひとまず…トールレィ卿、本は出来るだけ買い戻すなり、在庫は…念のために3冊ぐらい残して、
全部処分してちょうだい。
エリオット卿も本は出来るだけ回収するか、和解した旨伝えて、これ以上は悪評が広まらないよう
手を打ってください。
王立騎士団には、私の方から火消しするよう言っておくから」
結構まだ不満はたまっているだろうが…子供をいじめたいような人たちじゃないから、アカデミーの
話をしたら、わかってくれるだろう。
「しかし…オルフィリア公爵夫人は良かったのですか?
このようにあっさりと、幕引きをして…」
まあね。
私だって、もっと攻めたかったんだけど…。
「私も納得はしておりませんが、さりとて今…ガルドベンダ公爵家を向こう岸に回すのは危険すぎます」
「というと?」
「人はやることが多いときに、さらなる荷物を抱えれば…どんなに力を持っている者でも、潰れて
しまいます。
ガルドベンダ公爵家は…片手間で相手をするには、大きすぎる」
「やること…が、それほど多いですかな…?
いつものように、皆で手分けすれば…」
「いえ…私の判断では、今回それは難しいです」
エマが用意してくれたお茶をすすりつつ、
「エリオット卿…あなたに管理を任せている土地…というか山でもうすぐ収穫が、最盛期を迎える
でしょう?
トールレィ卿も…少し前に渡した、手に入れて欲しい物リストの半分も、まだ手に入れていない
でしょ?」
「すべて手配はしてあります」
2人の有能さは、半端ないよ。
「それを疑っているわけではありません…ですが、万全を期している時に限って、予想外の事が起こる
のです。
それに…、今収穫しようとしているものは…手に入れようとしている物はみな、他のもので代用できない
ものがほとんど。
この期を逃せば、手に入るのは来年になってしまう…いいえ、気候変動によっては数年どころか永久に
手に入らないこともありうる」
エリオット卿は黙ってしまった。
トールレィ卿もしかりだ。
わかるよ、気持ち。
「スタリュイヴェ侯爵の独り勝ちのようになってしまった事…、納得ができないのはわかります。
でも、一時の感情のために、大局を見失い、本願が達成できないでは、本末転倒もいい所です」
フィリアム商会だからこそ、掴んでいるんだ。
スタリュイヴェ侯爵が、裏でどんな酷いことをしているか…。
置いていた。
屋敷に出入りする人間を、出来る限り調べるためだ。
そしてスタリュイヴェ侯爵が出入りした直後、ガルドベンダ公爵家が動いたから、
おそらく高確率で来るだろう…とは予測していた。
さて…アンタはどんな男なんだい?
このヘドネが…見定めてやろう。
「事実無根の中傷をしたことは、ドロシー嬢も大変反省しているのです。
ですから、何卒広いお心で、お慈悲をいただけませんでしょうか。
何分まだ、若い娘故…」
「あら?ジョノァド卿は、私をいくつとお思いで?」
「オルフィリア公爵夫人は…ギリアム公爵閣下共々、規格外でございますので…。
比べるのはいささか、無理がございます」
まあねー。
中身、還暦越えおばはんやしなぁ。
「……何が悪かったのか、わかっていない謝罪など、謝罪にならないので、確認した
までです」
「では、わかっていれば、よろしいと?」
「ええ、まあ…」
「わ、わかっております!!今後二度とやりません!!」
ドロシーが間髪入れずに出てきた…。
ま、この辺が潮時やな。
アカデミーに波及してきたから、そろそろ火消しも必要かなぁって思ってたし。
ドロシー本人もだいぶやつれたから、こりたろ。
「ですが、オルフィリア公爵夫人…、一つ差し出がましいようですが」
「差し出がましいと思っているなら、おっしゃらない方がいいですよ」
私も間髪入れずに言ってやったよ。
社交辞令をすんなり受け入れると思うなや。
てめぇはハナから、私の人生に要らない、排除要員じゃ。
だってギリアムを…散々苦しめたんだからさぁ。
反省してりゃぁ可愛げもあるが、反省の色なしみたいだから、てめぇ有に利な事なんか
してやらーん。
「これは…手厳しいですなぁ」
「手厳しくなくて、ファルメニウス公爵家の夫人は務まりませんので」
そんなやり取りの最中、
「もういい、下がれ!!スタリュイヴェ侯爵」
おお、すんげぇすんなり下がった。
長いものに巻かれたか。
「オルフィリア公爵夫人、取引だ。
アカデミーにまで波及し、あまりにも関係の無いものを巻き込みすぎだ。
だから早急にそちらで火消しをしてもらいたい!!
代わりに夫人が公爵夫人になる直前にした、わしへの無礼はきれいさっぱり忘れる」
ああ、ツァリオ公爵閣下…あんたさぁ。
「その取引に応じる前に…」
やっぱバカだわ。
「一つ確認させてください」
「ん?」
「答えは出たのですか?」
「なに?」
呆けんな!!バカに続きアホと呼ばれてぇか。
「私がサロンの日…差し上げたヒントをもとに、答えにたどり着きましたか?」
押し黙った…ってことは、答えにたどり着いてねぇな。
やれやれ…。
ま、たどり着いていたら、無礼を働いたなんて言わねぇだろうな。
「答えにたどり着いてらっしゃらないなら…火消しをこちらでする条件を…変えさせて
頂きます」
「な、なに?」
「まず、私が公爵夫人になる前にしたこと…ツァリオ公爵閣下の最高の頭脳で…答えが
出るまで考え続けていただくこと。
そして答えが出たなら、それが正しいのかどうか、私に聞きに来てください。
もしその条件をのんでいただけるなら…こちらで火消しを担当いたします」
この条件には…流石にツァリオ公爵閣下でも、動揺を隠せないみたい。
頭良くなりすぎると、簡単なことほど、わかんなくなるのかなぁ。
だがそこは、ツァリオ公爵閣下…すぐに脳内の体制を立て直したようで、
「わかった、よかろう。
もとよりわからないことを、わからないままにしておくのは、我慢できん性分だ。
必ず答えを導き出してやる!!
そのかわり、早急に火消しはやってもらう」
「もちろんです。
こちらの出した条件をのんでいただけるなら、取引は成立!!
速やかに…かつ迅速に、やってごらんに入れましょう」
ツァリオ公爵閣下との話は、これで終いだな。
「あの…私からも一ついいかしら…」
狙ったみたいに、アイリン夫人が出て生きたんだけど…ん~。
「今度また是非…私のサロンに遊びに来てくださらないかしら、ファルメニウス公爵夫人…」
…わたしゃ、アンタのサロンには二度と行く気はねぇんだけど…、でも今は…。
「アイリン夫人…どこかお加減が悪いのでは?」
陽光の下なのに…妙に青白い。
「少し…風邪が長引いてしまっているだけだから…気にしないでください」
ああ、ツァリオ公爵閣下が誰のせいだって言いたげな目で見とるね、うん。
確か…この夫婦って恋愛結婚なんだよなぁ。
そんで今もかなり仲がいいって…。
ガルドベンダ公爵家が全体的にその傾向にあるらしい…。
ただし、気に入って連れてきた連れ合いが、ガルドベンダ公爵家の一員になる実力があるか
どうか、証明しないと家の一員にしないらしいが…。
ガチの政略結婚もどうかと思うが、それも何だかなぁ…。
「でしたら…まずはお体をしっかり治してください。
お話はそれからお聞きします」
病人痛めつけても、しょうがないからねぇ。
「ありがとうございます。
断られないだけでも、嬉しいです」
なんだかやけに気弱やね。
私がファルメニウス公爵夫人に、なったこともあるんだろうけど…。
何かなぁ…。
「では、ごきげんよう…」
アイリン夫人が手を差し出す。
握手ぐらい別にいいけど…。
と思って、私が何気にアイリン夫人の手を見ると…。
「!!!!」
私の脳みそが…一瞬だけ深い闇に包まれた…。
「オルフィリア公爵夫人?」
あ、いかん、戻らな。
「ああ、すみません…ただ…アイリン夫人、手を怪我したのですか?」
「え?」
「手首のあたりに…あざがあるので…」
するとアイリン夫人もそれを見て、不思議そうに、
「あら、本当…こんな所、ぶつけた覚え無いのだけれど…」
「一応、お医者に見せた方がよろしいですよ…」
「そうね…風邪の方で見てもらっているから、念のため話すわ」
こんな感じで、今日の話し合いは幕を閉じた。
ジョノァド・スタリュイヴェ侯爵がずっと、にこやかな表情を崩さなかったのが気になるっちゃ
気になるが…しゃーねぇ、今回は…これで幕引きだ。
私たちはお互い帰路につき、トールレィ卿とエリオット卿には、ファルメニウス公爵家に来てもらった。
「…ィリア公爵夫人、オルフィリア公爵夫人」
私を呼ぶ声に、ハッとした。
「どうされました…?
帰ってきてから、ずっと心ここにあらずですが…」
心配そうに見て来るトールレィ卿の声で、
「ごめんなさい…色々考えることが多くて…」
「仕方ありません、ファルメニウス公爵夫人になられて、まだ日が浅い。
やることなど山積みでしょう」
そういうエリオット卿の顔も、心配そうだ。
有難いなぁ。
「ひとまず…トールレィ卿、本は出来るだけ買い戻すなり、在庫は…念のために3冊ぐらい残して、
全部処分してちょうだい。
エリオット卿も本は出来るだけ回収するか、和解した旨伝えて、これ以上は悪評が広まらないよう
手を打ってください。
王立騎士団には、私の方から火消しするよう言っておくから」
結構まだ不満はたまっているだろうが…子供をいじめたいような人たちじゃないから、アカデミーの
話をしたら、わかってくれるだろう。
「しかし…オルフィリア公爵夫人は良かったのですか?
このようにあっさりと、幕引きをして…」
まあね。
私だって、もっと攻めたかったんだけど…。
「私も納得はしておりませんが、さりとて今…ガルドベンダ公爵家を向こう岸に回すのは危険すぎます」
「というと?」
「人はやることが多いときに、さらなる荷物を抱えれば…どんなに力を持っている者でも、潰れて
しまいます。
ガルドベンダ公爵家は…片手間で相手をするには、大きすぎる」
「やること…が、それほど多いですかな…?
いつものように、皆で手分けすれば…」
「いえ…私の判断では、今回それは難しいです」
エマが用意してくれたお茶をすすりつつ、
「エリオット卿…あなたに管理を任せている土地…というか山でもうすぐ収穫が、最盛期を迎える
でしょう?
トールレィ卿も…少し前に渡した、手に入れて欲しい物リストの半分も、まだ手に入れていない
でしょ?」
「すべて手配はしてあります」
2人の有能さは、半端ないよ。
「それを疑っているわけではありません…ですが、万全を期している時に限って、予想外の事が起こる
のです。
それに…、今収穫しようとしているものは…手に入れようとしている物はみな、他のもので代用できない
ものがほとんど。
この期を逃せば、手に入るのは来年になってしまう…いいえ、気候変動によっては数年どころか永久に
手に入らないこともありうる」
エリオット卿は黙ってしまった。
トールレィ卿もしかりだ。
わかるよ、気持ち。
「スタリュイヴェ侯爵の独り勝ちのようになってしまった事…、納得ができないのはわかります。
でも、一時の感情のために、大局を見失い、本願が達成できないでは、本末転倒もいい所です」
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