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番外編3 事情
3 ルナという子
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相変わらず叫ぶルナだが…その矛先は…。
「う~ん…どうもルナは…オレに対して怒ってるみたいだな…」
と言う。
「え…そ、そんなこと…無いと思います…。
だって何も…していないですよね?」
「もちろん」
ローカス卿がそういう人間で無いことは、施設にいるみんなが知っている。
そして実際に、ルナに何もしていない。
結局、収まらないルナをマギーが抱きかかえ、連れて行った。
ローカス卿は、狐につままれたような気分になったが、ひとまず他の子たちの
所に行った。
「ローカス様、どうしたの?」
剣を教えていた子の一人が、尋ねてきた。
「え?」
「だって…なんか別の事考えてるみたい…」
子供って…そういうところ鋭いんだよね…。
「あ、いや…すまん。
昼間ルナが…オレに対して…凄い怒鳴って来たから…ちょっと気になって…」
すると子供たちは顔を見合わせ、
「ローカス様…ひょとして、マギー先生のこと、何か悪く言った?」
「へ?」
これもローカス卿としては、寝耳に水だったのだが…。
「う~ん、言われてみれば…。
単純に感想を言っただけなんだが…人によっては…悪口に聞こえなくもない…かな、うん」
「じゃあ、理由はそれだよ」
あっさりと答える子供たち。
「そうなのか?」
「うん、前にも見たことあるし」
「へ~」
すっごく意外そうなローカス卿。
「あいつ…普段は物陰に隠れているけれど…刺繍がすごく気に入って…マギー先生の事
大好きだから…」
「前にマギー先生と言い合っている人に対して、そういう態度取ったことあった」
「太陽のおねえちゃんに対しても、そうだよな」
「そーそー」
子供たちの話は、わりと正確だ。
言葉が喋れない分、私の表情の変化をよく見ている。
私がギリアムに対し、怒ったら…一緒になって叫んだんだよね…普段は男の人来ると
逃げるのに…。
そんなことを話しながら、稽古を終えた子供たちと、ワイワイしながら食堂に戻って来た。
「あれ…?」
食堂の前に…マギーが立っていた。
「あの…少しお話…いいですか?」
「ん?ああ…」
そう言うとローカス卿は、マギーと一緒にまた庭へ…。
「先ほどは…すみませんでした…」
「別に…アンタが謝ることじゃないよ」
マギーはやっぱり落ち着きなく、膝の上で組んだ手を、動かしている。
「でも…」
「逆に悪いのはオレの方だ」
「え…?」
マギーはびっくりしたようだ。
「オレが言った一言は…ともすれば悪口に聞こえるようなものだった。
親しい人間や好きな人間が聞けば、怒って当然だよ。
こちらこそ…」
ローカス卿は改めてマギーの方を向き、
「すまなかった」
頭を下げた…。
「そそそ、そんな!!顔を上げてください、ローカス様!!」
マギーは慌てふためくが、ローカス卿は気にもせず、
「これからは気をつける」
とだけ言った。
「あ、は、はい…、あの…えっと…」
どうしていいかわからず、言葉も見つからずでいると、
「一つ聞いていいか?」
「は、はい?はい!!」
精一杯の対応だった。
「答えたくなければ、答えなくていいが…」
という、前置きの後、
「アンタはどうして…男が苦手になったんだ?
もともとか?それとも…何か理由があるのか?」
それを聞かれると…途端にマギーはそっぽを向くが…。
「むっ、昔から…私…」
話は始める。
「すごく…過敏で…」
「肌に触られると…すごく…過剰に反応してしまうんです」
「へぇ…」
ちょっと意外そうなローカス卿。
「だから…私をつつくと反応が面白かったみたいで…、よく追い掛け回されて…。
嫌だって言っても、止めてくれなくて…それで…」
マギーはどぎまぎしながらも、ハッキリとした口調で語る。
「だ…だから…、ルナよりずっと…マシだし…だから私…しっかりしなきゃって…」
「アンタは偉いよ」
「え、え?」
びくつくように、きょどる。
「自分だって色々あったのに、何だかんだって人のために動いているじゃないか。
それ…できない奴、結構多いんだぜ」
「そ…そうなんですか…?」
「ああ」
ローカス卿は仕事上、犯罪者と接する。
当然、環境や背景も知ることになるだろう。
自分が酷い目にあったから、他人にもやっていい…とか、他人も自分と同じ目にあうべきだ…
そう思っている人間は、それなりにいる。
「あ…ありがとうございます」
マギーは…真っ赤になりながら、お礼を言った…。
そして…。
「あ、すみません!!そろそろ帰らないと、本当にマズいので…失礼いたします!!」
ローカス卿の返事を聞かず、去っていった。
その後ろ姿を見つつ…
「変だけど…いい人間だな…うん」
などと、ポツリと呟いた。
それからというもの…ローカス卿は結構頻繁に、太陽の家に訪れるようになった。
何が目的…というワケではなかったのだが、子供たちに会うのは楽しかったし、特に休日に
やりたいこともなかったし…。
そして、もうすぐ近衛騎士団が忙しくなることもあり、少し多めに休みを取るようにしていた
時期でもあったのだ。
私も太陽の家には、時間があれば行くようにしていたから、それなりに会った。
ルナは私が行くと、私にべったりになる。
「随分と…なついてますね。
オルフィリア嬢に…」
「あ~、うん。
最初に抱きしめて…なにされても私が抵抗しないし、手も出さなかったのが、良かったみたい…」
「私は気が気じゃなかった。
フィリーにどんどん擦り傷が増えていったし…」
不満そうなギリアムの声は…無視。
「あ、ローカス卿…マギーとルナを連れて、近状確認してくるから、ギリアム様のお世話
お願いしまーす」
と言った瞬間、超×10の勢いで、嫌そ~~~~~な、顔をした。
…こっちも無視。
いがみ合う男二人残して、私はルナとマギーをつれ、奥へと消える。
「最近、ルナはどう?」
「だいぶ良くなりました…。
私が見た限り、男の人が近くに来ても、あまり気にしなくなって…。
ただ…」
「まだ故意に近づかれると…ダメみたいです…」
そっかー。
「まあでも…前は視界に入っただけで、凄い叫んで暴れていたから…たいした進歩だよ」
「そうですね…」
「ローカス卿ともひと悶着あったって?」
「あ…はい…。
すみません…ルナの話を勝手にして…」
「何言ってんの、必要な事だったと思うよ。
マギーには、感謝してる。
私があまり来れないから…面倒見てくれていて…医務室の先生も、最初は投げ出すと思ってたし、
私もどこまでやれるか未知数だったから…本当に凄いなって思った」
「そ、そんな…私…ルナの事放っておけなくて…。
刺繍が好きで…頑張ってくれて…最近針の使い方も、大分うまくなったんです」
マギーはとても楽しそうだ。
「そ、それに…。
私も…比べ物にならないくらい軽いけど…色々されて男の人が苦手になって…。
だから…余計…」
この話をするときのマギーは…やっぱ複雑な表情やね。
近況報告をしつつ、刺繍の図柄やイベントの事など…楽しく話し合い、この日は終了した。
ギリアムとローカス卿は…終わりまでずっといがみ合っていた…。
ひまか?
暇だね…。
キミら…。
「う~ん…どうもルナは…オレに対して怒ってるみたいだな…」
と言う。
「え…そ、そんなこと…無いと思います…。
だって何も…していないですよね?」
「もちろん」
ローカス卿がそういう人間で無いことは、施設にいるみんなが知っている。
そして実際に、ルナに何もしていない。
結局、収まらないルナをマギーが抱きかかえ、連れて行った。
ローカス卿は、狐につままれたような気分になったが、ひとまず他の子たちの
所に行った。
「ローカス様、どうしたの?」
剣を教えていた子の一人が、尋ねてきた。
「え?」
「だって…なんか別の事考えてるみたい…」
子供って…そういうところ鋭いんだよね…。
「あ、いや…すまん。
昼間ルナが…オレに対して…凄い怒鳴って来たから…ちょっと気になって…」
すると子供たちは顔を見合わせ、
「ローカス様…ひょとして、マギー先生のこと、何か悪く言った?」
「へ?」
これもローカス卿としては、寝耳に水だったのだが…。
「う~ん、言われてみれば…。
単純に感想を言っただけなんだが…人によっては…悪口に聞こえなくもない…かな、うん」
「じゃあ、理由はそれだよ」
あっさりと答える子供たち。
「そうなのか?」
「うん、前にも見たことあるし」
「へ~」
すっごく意外そうなローカス卿。
「あいつ…普段は物陰に隠れているけれど…刺繍がすごく気に入って…マギー先生の事
大好きだから…」
「前にマギー先生と言い合っている人に対して、そういう態度取ったことあった」
「太陽のおねえちゃんに対しても、そうだよな」
「そーそー」
子供たちの話は、わりと正確だ。
言葉が喋れない分、私の表情の変化をよく見ている。
私がギリアムに対し、怒ったら…一緒になって叫んだんだよね…普段は男の人来ると
逃げるのに…。
そんなことを話しながら、稽古を終えた子供たちと、ワイワイしながら食堂に戻って来た。
「あれ…?」
食堂の前に…マギーが立っていた。
「あの…少しお話…いいですか?」
「ん?ああ…」
そう言うとローカス卿は、マギーと一緒にまた庭へ…。
「先ほどは…すみませんでした…」
「別に…アンタが謝ることじゃないよ」
マギーはやっぱり落ち着きなく、膝の上で組んだ手を、動かしている。
「でも…」
「逆に悪いのはオレの方だ」
「え…?」
マギーはびっくりしたようだ。
「オレが言った一言は…ともすれば悪口に聞こえるようなものだった。
親しい人間や好きな人間が聞けば、怒って当然だよ。
こちらこそ…」
ローカス卿は改めてマギーの方を向き、
「すまなかった」
頭を下げた…。
「そそそ、そんな!!顔を上げてください、ローカス様!!」
マギーは慌てふためくが、ローカス卿は気にもせず、
「これからは気をつける」
とだけ言った。
「あ、は、はい…、あの…えっと…」
どうしていいかわからず、言葉も見つからずでいると、
「一つ聞いていいか?」
「は、はい?はい!!」
精一杯の対応だった。
「答えたくなければ、答えなくていいが…」
という、前置きの後、
「アンタはどうして…男が苦手になったんだ?
もともとか?それとも…何か理由があるのか?」
それを聞かれると…途端にマギーはそっぽを向くが…。
「むっ、昔から…私…」
話は始める。
「すごく…過敏で…」
「肌に触られると…すごく…過剰に反応してしまうんです」
「へぇ…」
ちょっと意外そうなローカス卿。
「だから…私をつつくと反応が面白かったみたいで…、よく追い掛け回されて…。
嫌だって言っても、止めてくれなくて…それで…」
マギーはどぎまぎしながらも、ハッキリとした口調で語る。
「だ…だから…、ルナよりずっと…マシだし…だから私…しっかりしなきゃって…」
「アンタは偉いよ」
「え、え?」
びくつくように、きょどる。
「自分だって色々あったのに、何だかんだって人のために動いているじゃないか。
それ…できない奴、結構多いんだぜ」
「そ…そうなんですか…?」
「ああ」
ローカス卿は仕事上、犯罪者と接する。
当然、環境や背景も知ることになるだろう。
自分が酷い目にあったから、他人にもやっていい…とか、他人も自分と同じ目にあうべきだ…
そう思っている人間は、それなりにいる。
「あ…ありがとうございます」
マギーは…真っ赤になりながら、お礼を言った…。
そして…。
「あ、すみません!!そろそろ帰らないと、本当にマズいので…失礼いたします!!」
ローカス卿の返事を聞かず、去っていった。
その後ろ姿を見つつ…
「変だけど…いい人間だな…うん」
などと、ポツリと呟いた。
それからというもの…ローカス卿は結構頻繁に、太陽の家に訪れるようになった。
何が目的…というワケではなかったのだが、子供たちに会うのは楽しかったし、特に休日に
やりたいこともなかったし…。
そして、もうすぐ近衛騎士団が忙しくなることもあり、少し多めに休みを取るようにしていた
時期でもあったのだ。
私も太陽の家には、時間があれば行くようにしていたから、それなりに会った。
ルナは私が行くと、私にべったりになる。
「随分と…なついてますね。
オルフィリア嬢に…」
「あ~、うん。
最初に抱きしめて…なにされても私が抵抗しないし、手も出さなかったのが、良かったみたい…」
「私は気が気じゃなかった。
フィリーにどんどん擦り傷が増えていったし…」
不満そうなギリアムの声は…無視。
「あ、ローカス卿…マギーとルナを連れて、近状確認してくるから、ギリアム様のお世話
お願いしまーす」
と言った瞬間、超×10の勢いで、嫌そ~~~~~な、顔をした。
…こっちも無視。
いがみ合う男二人残して、私はルナとマギーをつれ、奥へと消える。
「最近、ルナはどう?」
「だいぶ良くなりました…。
私が見た限り、男の人が近くに来ても、あまり気にしなくなって…。
ただ…」
「まだ故意に近づかれると…ダメみたいです…」
そっかー。
「まあでも…前は視界に入っただけで、凄い叫んで暴れていたから…たいした進歩だよ」
「そうですね…」
「ローカス卿ともひと悶着あったって?」
「あ…はい…。
すみません…ルナの話を勝手にして…」
「何言ってんの、必要な事だったと思うよ。
マギーには、感謝してる。
私があまり来れないから…面倒見てくれていて…医務室の先生も、最初は投げ出すと思ってたし、
私もどこまでやれるか未知数だったから…本当に凄いなって思った」
「そ、そんな…私…ルナの事放っておけなくて…。
刺繍が好きで…頑張ってくれて…最近針の使い方も、大分うまくなったんです」
マギーはとても楽しそうだ。
「そ、それに…。
私も…比べ物にならないくらい軽いけど…色々されて男の人が苦手になって…。
だから…余計…」
この話をするときのマギーは…やっぱ複雑な表情やね。
近況報告をしつつ、刺繍の図柄やイベントの事など…楽しく話し合い、この日は終了した。
ギリアムとローカス卿は…終わりまでずっといがみ合っていた…。
ひまか?
暇だね…。
キミら…。
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