20 / 40
ニホニア編 Side空
4日目 爽やかな朝
しおりを挟む
ぼくは、日記を書き終えると、A4ノートを閉じた。
ホステルの客室。
初日にここにいたメンバーは、ぼく以外、もう誰もいなかった。
少しばかり寂しいが、そんなことを言ったって、ユアンさん達にも、ゾーイさんにも、そのほかの無愛想な旅行者たちにも、それぞれ、やりたいことややるべきことがあるのだろう。
昨日は、楽しい夜を過ごすことが出来た。
ぼくも、ジェンナーロさんも、レジのおにいさん、ジョヴァンニさんも、みんな美味しい料理を食べて、お酒を飲みまくった。
あの後、ジェンナーロさんはぼくにボウル一杯のたらこスパゲティを作ってくれたし、ぼくがこれから旅行をすると言うと、「俺もニホニアに来るまでの間に、世界中を周ったな~」と、楽しくて興味深い昔話をたくさん聞かせてくれた。
厨房に入れてくれて、キャンプの際に知っていると便利なレシピをたくさん教えてくれた。
「やっぱりパスタだな。日持ちする。あとは塩と胡椒みたいな調味料は持っておくに越したことがない」
また、彼は、食べられる野草や、それを使った料理などについても教えてくれたけど、それについては、話を聞いているふりをするに留めた。
ジョヴァンニさんは、故郷で作られたワインボトルをお土産に持たせてくれたし、昨夜はなんだか紳士を装っていたけれど、お調子者な人柄だったので、化けの皮が剥がれた後は、ただお話をしているだけでも十分に楽しかった。
今日は、ニホニアの街を見て周って、ウェスタン・ニホニアで、ティムさんのステーキを食べるつもりだった。
今晩ニホニアを出るか、もう一泊するかは、それまでの間に決めるつもりだ。
ぼくは、窓の外を見た。
朝日が登っている。
鳥のさえずり、早朝の街を歩く観光客達の話し声。
静かで、天気も良くて、朝日も浴びれる。
良い朝だ。
ぼくは、シャワーを浴び、服を着替え、荷物をまとめ、リュックサックを背負った。
談話室へ向かうと、朝食が並んでいた。
冒険者風の人たちや、バックパッカー風の人たち。
いずれも、国際色豊かな顔立ちや服装をしている。
みんな、黙々と、安っぽい朝食を食べていた。
ぼくも、トレイを持ち、クロワッサンと、サラダと、目玉焼き、ラムソーセージなどを皿に乗せ、コーヒーとオレンジジュースと共に、テーブルに着いた。
食事をしていると、隣の席の会話に気を引かれた。
「クラリッサみたいな女の姿を見たって」
「えっ! マジかよ……、あのストーカー……」
「怖いよな」
「冗談じゃないぜ。いや、でも、一緒に酒飲みたいな……」
「懲りねーな……。その話を聞いた時、俺考えたんだ。クラリッサがここに来たのはなんでかって。ニホニアにヴェルが来ているってことじゃないか?」
「まさか。それなら、とっくにヴェルは逃げちまってるよ。あのストーカーの気まぐれか、ちょっと前までここにヴェルが居たってことだろ。それか誤情報だな」
ぼくは、隣の席のテーブルを見た。
男性が二人座っていた。
いずれも、Tシャツにデニム。
片方は不健康なほどに痩せていて、痩けた頬に芝生のような髭が生えていた。
もう一人は、ほっそりとしていたが、不健康というほどではなく、笑顔も健康的だった。
ガイコツさんと爽やかさん、と、ぼくは心の中であだ名をつけた。
爽やかさんが、ぼくに気がついて、笑顔を浮かべた。「よう、お嬢ちゃん。なにか?」
「ヴェルって聞こえたんですけど……」
爽やかさんは、ガイコツさんを見て、にっこりと、笑顔を交わした。
「噂だよ」と、ガイコツさん。「ヴェルじゃない。クラリッサだ。クレイジーサイコレズのクラリッサの噂は知ってるか?」
「ちょっとだけ」クラリッサのあんまりな呼ばれ方に、ぼくは同情しつつ心の中で笑った。「ヴェルのことが好きだって言うことしか」
「俺はクラリッサに会ったことがあるんだ」と、爽やかさんが言った。「良い女だったぜ。ボーイッシュな美女だった。肌がきめ細やかで、笑顔も可愛い。ほっそりとしてたんだが、背が高くて、力強くてな」
ガイコツさんは、呆れたように笑った。「こいつは、そのクラリッサに言い寄ったんだ」
爽やかさんは笑った。「可愛いね、って言って、バーで酒を奢ったんだ。ボディタッチも多かったから、好かれてると思ったんだが、勘違いだったみたいでな」
「お前はすぐ勘違いするからなー」
「うるせぇな、愛を探してんだよ」
ガイコツさんはぼくを見た。「こいつは、嫁さん探しの旅の途中なんだ。俺は、こいつの幼馴染で、ついて行ってんのさ。こいつはよくやらかすから、見てて楽しいんだ」
「やらかす?」
「クラリッサの時なんか」
「やめろって。ところで、君可愛いね」
「あ、無理です」
爽やかさんはがっかりしたような顔をして、ガイコツさんを見た。
ガイコツさんは、声をあげて笑った。「クラリッサの時もそうだよ。首筋にキスしただけで、ボコボコにされちまった」
「ありゃ」ぼくは愛想笑いをしながら言った。「そりゃ、きついですよ」
「にしたってさ、首にキスしただけで、ありゃないぜ。ぼくの体はヴェルさんのものなんだから、触らないでよ、って。あの目、たまんねーよな……、ゾクゾクしちまった」
「うへー……」爽やかさんの目が全然爽やかじゃなかったので、率直に嫌悪感を抱いてしまった。
しっかりしろよ爽やかさん、お前から爽やかを奪ったら何が残るんだ。
「いや、でもさ」と、爽やかさんはぼくを見た。「そんだけキレるってことは、あっちも感じちゃってたってことだよな。俺のキスのせいでヴェルを忘れちゃうのが怖かったんだよな」
「いや、その、キツかっただけじゃないですか?」そのポジティブ思考を、もっと別の方向に使った方が良いんじゃないでしょうか。「いきなりキスするんじゃなくて、もうちょっと、指先に触れてみるとか、そんなところから……」アドバイスをしようと思ったけれど、ぼくはぼくで、生まれてこの方恋愛をしたことなんてなかったからわからなかった。
「わかってるねー」と、ガイコツさん。「もっと言ってやってくれよ。こいつ、俺のアドバイスなんか聞きゃしねーんだ。いきなりキスなんて、いきなりパンツに手を突っ込むようなもんだぜ」
「いきなりパンツはまずいだろ……」と、爽やかさん。
ぼくの頭の中では、鉄板の上でジュージューいっているステーキの上にトランクスが乗っていて、爽やかさんがそのトランクスにキスをしていた。
ステーキ食いたいな……、と思いながら、ぼくはラムソーセージを食べた。
「それはわかるのに、キスは分からなかったんだな」とガイコツさん。
「いや、だってさ、キスはあいさつじゃん?」
「そんなもん俺たちの故郷だけだって何度言ったらわかんだよ」
ぼくは二人を見た。「どこ出身なんですか?」
「セウェードゥンの田舎だよ。ジェリヴァール」と、爽やかさん。
「ジェリヴァールですか」そこには絶対行かないようにしよう……、と、ぼくは、頭の中の記憶の引き出しを開けて、絶対行かないリストのファイルの中に、ジェリヴァールの名前の書かれたメモ帳を挟み込んで、そっと引き出しを閉めた。
「オーロラの見える良い街だぜ。君、オーロラは好きか?」
「好きですよ」でも、村人全員がお互いの首筋の味を知っているような変態の名産地になんか行きたくない。「でも、先にラシアで見ることになるかも」
「ラシアか……」と、爽やかさんは顔をしかめたが、あるいは、それはラシア美人に股の間を踏み潰されたのを思い出して恍惚に浸っている顔かもしれない。「あの国はやめとけよ」
「なんでですか?」
「あの国の女は性格が悪い」
ぼくは笑った。「ありがとう。でも、それは自分で確かめます」
ホステルの客室。
初日にここにいたメンバーは、ぼく以外、もう誰もいなかった。
少しばかり寂しいが、そんなことを言ったって、ユアンさん達にも、ゾーイさんにも、そのほかの無愛想な旅行者たちにも、それぞれ、やりたいことややるべきことがあるのだろう。
昨日は、楽しい夜を過ごすことが出来た。
ぼくも、ジェンナーロさんも、レジのおにいさん、ジョヴァンニさんも、みんな美味しい料理を食べて、お酒を飲みまくった。
あの後、ジェンナーロさんはぼくにボウル一杯のたらこスパゲティを作ってくれたし、ぼくがこれから旅行をすると言うと、「俺もニホニアに来るまでの間に、世界中を周ったな~」と、楽しくて興味深い昔話をたくさん聞かせてくれた。
厨房に入れてくれて、キャンプの際に知っていると便利なレシピをたくさん教えてくれた。
「やっぱりパスタだな。日持ちする。あとは塩と胡椒みたいな調味料は持っておくに越したことがない」
また、彼は、食べられる野草や、それを使った料理などについても教えてくれたけど、それについては、話を聞いているふりをするに留めた。
ジョヴァンニさんは、故郷で作られたワインボトルをお土産に持たせてくれたし、昨夜はなんだか紳士を装っていたけれど、お調子者な人柄だったので、化けの皮が剥がれた後は、ただお話をしているだけでも十分に楽しかった。
今日は、ニホニアの街を見て周って、ウェスタン・ニホニアで、ティムさんのステーキを食べるつもりだった。
今晩ニホニアを出るか、もう一泊するかは、それまでの間に決めるつもりだ。
ぼくは、窓の外を見た。
朝日が登っている。
鳥のさえずり、早朝の街を歩く観光客達の話し声。
静かで、天気も良くて、朝日も浴びれる。
良い朝だ。
ぼくは、シャワーを浴び、服を着替え、荷物をまとめ、リュックサックを背負った。
談話室へ向かうと、朝食が並んでいた。
冒険者風の人たちや、バックパッカー風の人たち。
いずれも、国際色豊かな顔立ちや服装をしている。
みんな、黙々と、安っぽい朝食を食べていた。
ぼくも、トレイを持ち、クロワッサンと、サラダと、目玉焼き、ラムソーセージなどを皿に乗せ、コーヒーとオレンジジュースと共に、テーブルに着いた。
食事をしていると、隣の席の会話に気を引かれた。
「クラリッサみたいな女の姿を見たって」
「えっ! マジかよ……、あのストーカー……」
「怖いよな」
「冗談じゃないぜ。いや、でも、一緒に酒飲みたいな……」
「懲りねーな……。その話を聞いた時、俺考えたんだ。クラリッサがここに来たのはなんでかって。ニホニアにヴェルが来ているってことじゃないか?」
「まさか。それなら、とっくにヴェルは逃げちまってるよ。あのストーカーの気まぐれか、ちょっと前までここにヴェルが居たってことだろ。それか誤情報だな」
ぼくは、隣の席のテーブルを見た。
男性が二人座っていた。
いずれも、Tシャツにデニム。
片方は不健康なほどに痩せていて、痩けた頬に芝生のような髭が生えていた。
もう一人は、ほっそりとしていたが、不健康というほどではなく、笑顔も健康的だった。
ガイコツさんと爽やかさん、と、ぼくは心の中であだ名をつけた。
爽やかさんが、ぼくに気がついて、笑顔を浮かべた。「よう、お嬢ちゃん。なにか?」
「ヴェルって聞こえたんですけど……」
爽やかさんは、ガイコツさんを見て、にっこりと、笑顔を交わした。
「噂だよ」と、ガイコツさん。「ヴェルじゃない。クラリッサだ。クレイジーサイコレズのクラリッサの噂は知ってるか?」
「ちょっとだけ」クラリッサのあんまりな呼ばれ方に、ぼくは同情しつつ心の中で笑った。「ヴェルのことが好きだって言うことしか」
「俺はクラリッサに会ったことがあるんだ」と、爽やかさんが言った。「良い女だったぜ。ボーイッシュな美女だった。肌がきめ細やかで、笑顔も可愛い。ほっそりとしてたんだが、背が高くて、力強くてな」
ガイコツさんは、呆れたように笑った。「こいつは、そのクラリッサに言い寄ったんだ」
爽やかさんは笑った。「可愛いね、って言って、バーで酒を奢ったんだ。ボディタッチも多かったから、好かれてると思ったんだが、勘違いだったみたいでな」
「お前はすぐ勘違いするからなー」
「うるせぇな、愛を探してんだよ」
ガイコツさんはぼくを見た。「こいつは、嫁さん探しの旅の途中なんだ。俺は、こいつの幼馴染で、ついて行ってんのさ。こいつはよくやらかすから、見てて楽しいんだ」
「やらかす?」
「クラリッサの時なんか」
「やめろって。ところで、君可愛いね」
「あ、無理です」
爽やかさんはがっかりしたような顔をして、ガイコツさんを見た。
ガイコツさんは、声をあげて笑った。「クラリッサの時もそうだよ。首筋にキスしただけで、ボコボコにされちまった」
「ありゃ」ぼくは愛想笑いをしながら言った。「そりゃ、きついですよ」
「にしたってさ、首にキスしただけで、ありゃないぜ。ぼくの体はヴェルさんのものなんだから、触らないでよ、って。あの目、たまんねーよな……、ゾクゾクしちまった」
「うへー……」爽やかさんの目が全然爽やかじゃなかったので、率直に嫌悪感を抱いてしまった。
しっかりしろよ爽やかさん、お前から爽やかを奪ったら何が残るんだ。
「いや、でもさ」と、爽やかさんはぼくを見た。「そんだけキレるってことは、あっちも感じちゃってたってことだよな。俺のキスのせいでヴェルを忘れちゃうのが怖かったんだよな」
「いや、その、キツかっただけじゃないですか?」そのポジティブ思考を、もっと別の方向に使った方が良いんじゃないでしょうか。「いきなりキスするんじゃなくて、もうちょっと、指先に触れてみるとか、そんなところから……」アドバイスをしようと思ったけれど、ぼくはぼくで、生まれてこの方恋愛をしたことなんてなかったからわからなかった。
「わかってるねー」と、ガイコツさん。「もっと言ってやってくれよ。こいつ、俺のアドバイスなんか聞きゃしねーんだ。いきなりキスなんて、いきなりパンツに手を突っ込むようなもんだぜ」
「いきなりパンツはまずいだろ……」と、爽やかさん。
ぼくの頭の中では、鉄板の上でジュージューいっているステーキの上にトランクスが乗っていて、爽やかさんがそのトランクスにキスをしていた。
ステーキ食いたいな……、と思いながら、ぼくはラムソーセージを食べた。
「それはわかるのに、キスは分からなかったんだな」とガイコツさん。
「いや、だってさ、キスはあいさつじゃん?」
「そんなもん俺たちの故郷だけだって何度言ったらわかんだよ」
ぼくは二人を見た。「どこ出身なんですか?」
「セウェードゥンの田舎だよ。ジェリヴァール」と、爽やかさん。
「ジェリヴァールですか」そこには絶対行かないようにしよう……、と、ぼくは、頭の中の記憶の引き出しを開けて、絶対行かないリストのファイルの中に、ジェリヴァールの名前の書かれたメモ帳を挟み込んで、そっと引き出しを閉めた。
「オーロラの見える良い街だぜ。君、オーロラは好きか?」
「好きですよ」でも、村人全員がお互いの首筋の味を知っているような変態の名産地になんか行きたくない。「でも、先にラシアで見ることになるかも」
「ラシアか……」と、爽やかさんは顔をしかめたが、あるいは、それはラシア美人に股の間を踏み潰されたのを思い出して恍惚に浸っている顔かもしれない。「あの国はやめとけよ」
「なんでですか?」
「あの国の女は性格が悪い」
ぼくは笑った。「ありがとう。でも、それは自分で確かめます」
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
拾われ子のスイ
蒼居 夜燈
ファンタジー
【第18回ファンタジー小説大賞 奨励賞】
記憶にあるのは、自分を見下ろす紅い眼の男と、母親の「出ていきなさい」という怒声。
幼いスイは故郷から遠く離れた西大陸の果てに、ドラゴンと共に墜落した。
老夫婦に拾われたスイは墜落から七年後、二人の逝去をきっかけに養祖父と同じハンターとして生きていく為に旅に出る。
――紅い眼の男は誰なのか、母は自分を本当に捨てたのか。
スイは、故郷を探す事を決める。真実を知る為に。
出会いと別れを繰り返し、命懸けの戦いを繰り返し、喜びと悲しみを繰り返す。
清濁が混在する世界に、スイは何を見て何を思い、何を選ぶのか。
これは、ひとりの少女が世界と己を知りながら成長していく物語。
※週2回(木・日)更新。
※誤字脱字報告に関しては感想とは異なる為、修正が済み次第削除致します。ご容赦ください。
※カクヨム様にて先行公開(登場人物紹介はアルファポリス様でのみ掲載)
※表紙画像、その他キャラクターのイメージ画像はAIイラストアプリで作成したものです。再現不足で色彩の一部が作中描写とは異なります。
※この物語はフィクションです。登場する人物・団体・名称等は架空であり、実在のものとは関係ありません。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
異世界に転移したらぼっちでした〜観察者ぼっちーの日常〜
キノア9g
ファンタジー
※本作はフィクションです。
「異世界に転移したら、ぼっちでした!?」
20歳の普通の会社員、ぼっちーが目を覚ましたら、そこは見知らぬ異世界の草原。手元には謎のスマホと簡単な日用品だけ。サバイバル知識ゼロでお金もないけど、せっかくの異世界生活、ブログで記録を残していくことに。
一風変わったブログ形式で、異世界の日常や驚き、見知らぬ土地での発見を綴る異世界サバイバル記録です!地道に生き抜くぼっちーの冒険を、どうぞご覧ください。
毎日19時更新予定。
今夜は帰さない~憧れの騎士団長と濃厚な一夜を
澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
ラウニは騎士団で働く事務官である。
そんな彼女が仕事で第五騎士団団長であるオリベルの執務室を訪ねると、彼の姿はなかった。
だが隣の部屋からは、彼が苦しそうに呻いている声が聞こえてきた。
そんな彼を助けようと隣室へと続く扉を開けたラウニが目にしたのは――。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる