33 / 300
第三章 冒険編 オオラカ村の笑わない少女
笑わない少女
しおりを挟む
ハイゴブリンとの戦闘を終えた真緒達は、現在七色に輝く玉とポーションを探している。
「見つからないなー」
「オラ、腰が痛ぐなっできだよ……」
「私もです……」
「しかし、よくこんなに集めたな」
「まさに、お宝の山ですね~」
真緒達は宝物庫と思われる、大量の盗品が積み重なった場所を捜索していた。
「んー……あっ、あった!」
「本当か!?」
真緒が一番上の部分を探していると、七色に輝く玉を見つけた。手に取ると玉はオレンジ色に変化した。
「本当だ……感情によって色が変化するんだ」
「マオぢゃんは今、どんな気持ぢなの?」
「……大変だったけど、取り返せて嬉しいって気持ちかな?」
「何だか暖かみのある色だな」
真緒の色に素直な感想を述べるフォルスの横で、リーマが必死に探していると……。
「あ、こっちも見つけました!」
お宝の山に埋もれるように、いくつものポーションが隠されていた。
「本当!?」
「よかったですね~」
「一、二、三……うん、ちゃんと全部あります!」
一つ一つ確認をして、全てあることが分かると、次々と袋の中へ入れていく。
「これで、取り戻す物はあと一つだけですね」
あと一つ、それが何なのか分からない者はいない。真緒の言葉に仲間全員が頷く。
「さぁ、行きましょう。アメリアちゃんの笑顔を取り戻しに!」
真緒パーティー ゴブリンの洞穴 攻略!!
***
オオラカ村──村長の家。
村長は真緒達の帰りを待っていた。ソワソワと辺りを歩き回って、忙しない。
「どうするか……あの子達に任せたはいいが、こうやって只じっと待っているのも、父親としてどうなんだ……」
色々と千思万考していると、玄関のドアが勢いよく開く。
「ただいま戻りました!」
「おお!戻ってきましたか!」
村長の心配を他所に、意気揚々と戻ってきた真緒達。
「それで、どうでしたか?」
「この通り、取り戻しました」
真緒は袋から七色に輝く玉を、取り出して見せた。
「おお!これです、この玉に間違いありません!本当に、ありがとうございます!!」
村長は玉を受けとると、何度も頭を下げた。その時、玉は黄色に輝いていた。
「いえいえ、いいんですよ。私達も盗まれた物を取り戻せましたので………それよりも、早く娘さんに持っていってあげてください」
「ああ、そうですよね!皆さん、この度は本当に、本当に、ありがとうございました」
村長は再び、真緒達にお礼を述べると足早に、アメリアの居る部屋へと向かった。
「村長さん、娘さんの事になると必死ですね」
「ほ~ら、突っ立ってないで私達も、アメリアさんの笑顔を見に行きましょうよ~」
「そうですね」
真緒達は、アメリアの部屋へと向かった村長を追いかける。
村長の後を追いかける真緒達は、少しドアが開いて、光が漏れでる部屋を見つけた。
「……あそこでしょうか?」
「確かめて見ましょう」
リーマの言葉に頷くと、真緒はドアノブに手を掛けようとする……。
「何で!何でなんだ!」
中から村長の声が聞こえる。その声には、行き場のない怒りが込められていた。
「どうしたんですか!?」
真緒達は村長の叫びを聞き、急いでドアを開ける。するとそこには、泣き崩れる村長と、椅子に座り玉を両手に持ったアメリアがいたのだが、玉の色は薄汚れていて、とても綺麗とはほど遠かった。そして、肝心のアメリアは……。
「…………」
笑顔ではなかった。玉を取り戻した筈なのに、その顔からは喜びは一切見られなかった。
「アメリアちゃん……」
真緒はアメリアに近寄る。
「マオ?」
アメリアの前まできた真緒は、しゃがみこんで目を合わせる。
「………もしかして、笑うのが恐いの?」
「!!」
この時初めて、アメリアの顔に驚きの表情が浮かび上がった。
「マオさん、それはどういう……「すみません、少し静かにしていただけませんか?」……あ、はい。分かりました」
村長が意味を聞こうとするも、真緒は、アメリアと目線を外そうとしない。
「アメリアちゃん……あなたは笑うのを恐れている。笑ってしまったら、この玉が誰かにまた盗まれてしまうかも知れないから……でもね、お母さんが本当に守りたかった物って何だか分かる?」
「?」
アメリアは答えが見つからず、首を横に振った。
「……それはね、アメリアちゃんの笑顔その物だよ」
「え?」
この時初めて、アメリアの口から声が漏れた。
「この七色に輝く玉は、持っている人の感情によって、色が変化する。つまり、アメリアちゃんの笑顔には、盗まれるほどの価値があるってことだよ」
「…………」
「……お母さんが、この玉をアメリアちゃんにあげた理由は、この玉がアメリアちゃんの身代わりになってくれるようにって、想いがあったからなんだよ」
「…………」
「……お母さんが本当に綺麗だと思ったのは、アメリアちゃんの笑顔だったんだよ」
「……ほんと?」
遂に、アメリアの口から言葉が発せられた。
「うん、本当だよ。だって、アメリアちゃんのお母さんが言ってたでしょ?“笑顔の素敵な女性になってね”って、これって玉の輝きを失わない位の、素敵な笑顔をずっと見ていたいっていう、お母さんの願いなんだと思う」
「……おかーさん」
アメリアの記憶に甦るのは、母親が七色に輝く玉を渡した時の事。玉が光輝いてる中で母親がずっと見ていたのは、娘──アメリアの顔だった。
「……おねーちゃん、おかーさんはぬすまれたこと、うらんでないかな?」
「恨んでるわけないよ!だって、一番大切なアメリアちゃんの事を玉が守ってくれて、その玉も取り返すことが出来たんだから!」
「そっか、そうだよね……」
薄汚れていた玉が、徐々に輝き始める。
「おねーちゃん、わたしのえがおをとりもどしてくれて、ありがとう!」
玉は、これまで見たことがない位の輝きを放った。
「!……綺麗だね」
「綺麗だなぁ……」
「美しいです……」
「俺、こんな気持ち初めてだ……」
「おお、アメリア!!」
「おやおや、これは確かに盗まれるほど、素敵な笑顔ですね~」
アメリアの笑顔は、玉の輝きよりも素敵な笑顔だった。
***
「こっちこっちー!!」
「こら待て、逃がすか」
「フォルスさん、こっちですよ」
「フォルスさん、こっちですよこっち」
「クソ、皆逃げるのが上手いな」
現在、村長の家。ぜひ、お礼をさせて頂きたいと言う村長の言葉から、今晩泊めてもらうことになった真緒達。村長の手料理が出来るまでの間、アメリアと一緒に遊ぶ真緒と、リーマと、フォルスの三人。
「すみませんね、娘の相手だけでなく、料理の手伝いまでさせてしまって……」
「いいんですよ~、これくらいは当然ですよ」
村長とエジタスは供に料理をしていた。
「それにしても、師匠って料理が出来たんですね」
「ふふふ、元々私は一人旅をしていましたからね~料理位、簡単に出来ますよ」
「そうだったんですか……」
「マオおねーちゃん、はやくつづきはじめようよ」
「ああゴメンゴメン、今行くよ」
真緒は再び、アメリア達と遊び始めた。すると、真緒はハナコがいないことに気づく。
「あれ、ハナちゃんは?」
「そういえば、いないな……」
「ちょっと、私探してくるよ」
「夕御飯までには戻ってこいよ」
「はーい!」
真緒はハナコを探すため、村長の家を出た。……しばらく、村を捜索していると、大会があった場所で座り込んでいるハナコを発見した。
「あ、いたいた。探したよー」
「マオぢゃんが……」
「いったいどうしたの?もうすぐ、夕御飯出来るよ」
「うん、分がっだ」
しかし、ハナコはその場を離れようとせず、ボーっと夜空を眺めていた。
「ハナちゃん?」
「マオぢゃん……オラ、全然役に立でながっだ……」
「え?」
「笑わせ大会でも、ハイゴブリンとの戦闘でも、全然役に立つごどが出来ながっだ……」
「ハナちゃん……」
「オラって駄目な奴だと思っでだげど、ごごまで駄目な奴だなんでな……」
「そんなことない!ハナちゃんは役に立ってくれたよ!」
「気休めは止めでぐれ!……誰もオラの事なんが必要とじで無いんだ……」
「…………」
気まずい沈黙が流れる。この沈黙を破ったのは……。
「ああー、いたー!!」
遠くの方から、アメリアが走ってきた。それに遅れてくるように、他の皆もやって来た。
「マオおねーちゃん、もうごはんができてるよ!はやくいこー」
「う、うん……」
真緒の腕を引っ張っていると、アメリアはハナコがいることに気がつく。
「ん?ああ!くまのおねーちゃんだ!ねぇねぇ、わたしにあのくすぐりを、おしえてよー」
「え?」
アメリアはハナコの腕を引っ張る。
「ほら、ハナちゃんを必要としてくれる人は必ずいるんだよ。勿論、私もハナちゃんが必要だよ。だって、ハナちゃんは私の初めての友達だもん!」
「マオぢゃん……」
真緒とハナコはお互いを、必要とし合っていることが分かった。
「ねぇねぇ、おねがーい。わたしにもくすぐりをおしえて」
「よーじ、詳じぐ教えでやるだぁよ!」
「ほんと!?」
「ああ、まずば爪の先を利用じで……」
「おーい、話は夕御飯を食べてからにしてくれないかー?」
「そうだねぇ、じゃあ行ごっが……」
「うん!」
ハナコとアメリアは手を繋ぎ、戻っていった。
「ほら、マオも行くぞ!」
「待ってくださいよー」
それに続くように真緒も駆け足で、家へ戻る。その光景をエジタスが一人眺めていた。そして、“ボソリ”と呟く。
「笑顔は素晴らしいですね~。やはり、笑顔こそがこの世界を平和に導く鍵。私の考えは間違ってはいない……」
エジタスの呟きを聞いた者は誰も居らず、夜空へと溶け込んだ。
「師匠ー!何やってるんですかー!早く夕御飯食べましょうよー!」
遠くの方から真緒の声が聞こえてくる。
「は~い!今行きま~す!」
エジタスは駆け足で戻っていく。
「見つからないなー」
「オラ、腰が痛ぐなっできだよ……」
「私もです……」
「しかし、よくこんなに集めたな」
「まさに、お宝の山ですね~」
真緒達は宝物庫と思われる、大量の盗品が積み重なった場所を捜索していた。
「んー……あっ、あった!」
「本当か!?」
真緒が一番上の部分を探していると、七色に輝く玉を見つけた。手に取ると玉はオレンジ色に変化した。
「本当だ……感情によって色が変化するんだ」
「マオぢゃんは今、どんな気持ぢなの?」
「……大変だったけど、取り返せて嬉しいって気持ちかな?」
「何だか暖かみのある色だな」
真緒の色に素直な感想を述べるフォルスの横で、リーマが必死に探していると……。
「あ、こっちも見つけました!」
お宝の山に埋もれるように、いくつものポーションが隠されていた。
「本当!?」
「よかったですね~」
「一、二、三……うん、ちゃんと全部あります!」
一つ一つ確認をして、全てあることが分かると、次々と袋の中へ入れていく。
「これで、取り戻す物はあと一つだけですね」
あと一つ、それが何なのか分からない者はいない。真緒の言葉に仲間全員が頷く。
「さぁ、行きましょう。アメリアちゃんの笑顔を取り戻しに!」
真緒パーティー ゴブリンの洞穴 攻略!!
***
オオラカ村──村長の家。
村長は真緒達の帰りを待っていた。ソワソワと辺りを歩き回って、忙しない。
「どうするか……あの子達に任せたはいいが、こうやって只じっと待っているのも、父親としてどうなんだ……」
色々と千思万考していると、玄関のドアが勢いよく開く。
「ただいま戻りました!」
「おお!戻ってきましたか!」
村長の心配を他所に、意気揚々と戻ってきた真緒達。
「それで、どうでしたか?」
「この通り、取り戻しました」
真緒は袋から七色に輝く玉を、取り出して見せた。
「おお!これです、この玉に間違いありません!本当に、ありがとうございます!!」
村長は玉を受けとると、何度も頭を下げた。その時、玉は黄色に輝いていた。
「いえいえ、いいんですよ。私達も盗まれた物を取り戻せましたので………それよりも、早く娘さんに持っていってあげてください」
「ああ、そうですよね!皆さん、この度は本当に、本当に、ありがとうございました」
村長は再び、真緒達にお礼を述べると足早に、アメリアの居る部屋へと向かった。
「村長さん、娘さんの事になると必死ですね」
「ほ~ら、突っ立ってないで私達も、アメリアさんの笑顔を見に行きましょうよ~」
「そうですね」
真緒達は、アメリアの部屋へと向かった村長を追いかける。
村長の後を追いかける真緒達は、少しドアが開いて、光が漏れでる部屋を見つけた。
「……あそこでしょうか?」
「確かめて見ましょう」
リーマの言葉に頷くと、真緒はドアノブに手を掛けようとする……。
「何で!何でなんだ!」
中から村長の声が聞こえる。その声には、行き場のない怒りが込められていた。
「どうしたんですか!?」
真緒達は村長の叫びを聞き、急いでドアを開ける。するとそこには、泣き崩れる村長と、椅子に座り玉を両手に持ったアメリアがいたのだが、玉の色は薄汚れていて、とても綺麗とはほど遠かった。そして、肝心のアメリアは……。
「…………」
笑顔ではなかった。玉を取り戻した筈なのに、その顔からは喜びは一切見られなかった。
「アメリアちゃん……」
真緒はアメリアに近寄る。
「マオ?」
アメリアの前まできた真緒は、しゃがみこんで目を合わせる。
「………もしかして、笑うのが恐いの?」
「!!」
この時初めて、アメリアの顔に驚きの表情が浮かび上がった。
「マオさん、それはどういう……「すみません、少し静かにしていただけませんか?」……あ、はい。分かりました」
村長が意味を聞こうとするも、真緒は、アメリアと目線を外そうとしない。
「アメリアちゃん……あなたは笑うのを恐れている。笑ってしまったら、この玉が誰かにまた盗まれてしまうかも知れないから……でもね、お母さんが本当に守りたかった物って何だか分かる?」
「?」
アメリアは答えが見つからず、首を横に振った。
「……それはね、アメリアちゃんの笑顔その物だよ」
「え?」
この時初めて、アメリアの口から声が漏れた。
「この七色に輝く玉は、持っている人の感情によって、色が変化する。つまり、アメリアちゃんの笑顔には、盗まれるほどの価値があるってことだよ」
「…………」
「……お母さんが、この玉をアメリアちゃんにあげた理由は、この玉がアメリアちゃんの身代わりになってくれるようにって、想いがあったからなんだよ」
「…………」
「……お母さんが本当に綺麗だと思ったのは、アメリアちゃんの笑顔だったんだよ」
「……ほんと?」
遂に、アメリアの口から言葉が発せられた。
「うん、本当だよ。だって、アメリアちゃんのお母さんが言ってたでしょ?“笑顔の素敵な女性になってね”って、これって玉の輝きを失わない位の、素敵な笑顔をずっと見ていたいっていう、お母さんの願いなんだと思う」
「……おかーさん」
アメリアの記憶に甦るのは、母親が七色に輝く玉を渡した時の事。玉が光輝いてる中で母親がずっと見ていたのは、娘──アメリアの顔だった。
「……おねーちゃん、おかーさんはぬすまれたこと、うらんでないかな?」
「恨んでるわけないよ!だって、一番大切なアメリアちゃんの事を玉が守ってくれて、その玉も取り返すことが出来たんだから!」
「そっか、そうだよね……」
薄汚れていた玉が、徐々に輝き始める。
「おねーちゃん、わたしのえがおをとりもどしてくれて、ありがとう!」
玉は、これまで見たことがない位の輝きを放った。
「!……綺麗だね」
「綺麗だなぁ……」
「美しいです……」
「俺、こんな気持ち初めてだ……」
「おお、アメリア!!」
「おやおや、これは確かに盗まれるほど、素敵な笑顔ですね~」
アメリアの笑顔は、玉の輝きよりも素敵な笑顔だった。
***
「こっちこっちー!!」
「こら待て、逃がすか」
「フォルスさん、こっちですよ」
「フォルスさん、こっちですよこっち」
「クソ、皆逃げるのが上手いな」
現在、村長の家。ぜひ、お礼をさせて頂きたいと言う村長の言葉から、今晩泊めてもらうことになった真緒達。村長の手料理が出来るまでの間、アメリアと一緒に遊ぶ真緒と、リーマと、フォルスの三人。
「すみませんね、娘の相手だけでなく、料理の手伝いまでさせてしまって……」
「いいんですよ~、これくらいは当然ですよ」
村長とエジタスは供に料理をしていた。
「それにしても、師匠って料理が出来たんですね」
「ふふふ、元々私は一人旅をしていましたからね~料理位、簡単に出来ますよ」
「そうだったんですか……」
「マオおねーちゃん、はやくつづきはじめようよ」
「ああゴメンゴメン、今行くよ」
真緒は再び、アメリア達と遊び始めた。すると、真緒はハナコがいないことに気づく。
「あれ、ハナちゃんは?」
「そういえば、いないな……」
「ちょっと、私探してくるよ」
「夕御飯までには戻ってこいよ」
「はーい!」
真緒はハナコを探すため、村長の家を出た。……しばらく、村を捜索していると、大会があった場所で座り込んでいるハナコを発見した。
「あ、いたいた。探したよー」
「マオぢゃんが……」
「いったいどうしたの?もうすぐ、夕御飯出来るよ」
「うん、分がっだ」
しかし、ハナコはその場を離れようとせず、ボーっと夜空を眺めていた。
「ハナちゃん?」
「マオぢゃん……オラ、全然役に立でながっだ……」
「え?」
「笑わせ大会でも、ハイゴブリンとの戦闘でも、全然役に立つごどが出来ながっだ……」
「ハナちゃん……」
「オラって駄目な奴だと思っでだげど、ごごまで駄目な奴だなんでな……」
「そんなことない!ハナちゃんは役に立ってくれたよ!」
「気休めは止めでぐれ!……誰もオラの事なんが必要とじで無いんだ……」
「…………」
気まずい沈黙が流れる。この沈黙を破ったのは……。
「ああー、いたー!!」
遠くの方から、アメリアが走ってきた。それに遅れてくるように、他の皆もやって来た。
「マオおねーちゃん、もうごはんができてるよ!はやくいこー」
「う、うん……」
真緒の腕を引っ張っていると、アメリアはハナコがいることに気がつく。
「ん?ああ!くまのおねーちゃんだ!ねぇねぇ、わたしにあのくすぐりを、おしえてよー」
「え?」
アメリアはハナコの腕を引っ張る。
「ほら、ハナちゃんを必要としてくれる人は必ずいるんだよ。勿論、私もハナちゃんが必要だよ。だって、ハナちゃんは私の初めての友達だもん!」
「マオぢゃん……」
真緒とハナコはお互いを、必要とし合っていることが分かった。
「ねぇねぇ、おねがーい。わたしにもくすぐりをおしえて」
「よーじ、詳じぐ教えでやるだぁよ!」
「ほんと!?」
「ああ、まずば爪の先を利用じで……」
「おーい、話は夕御飯を食べてからにしてくれないかー?」
「そうだねぇ、じゃあ行ごっが……」
「うん!」
ハナコとアメリアは手を繋ぎ、戻っていった。
「ほら、マオも行くぞ!」
「待ってくださいよー」
それに続くように真緒も駆け足で、家へ戻る。その光景をエジタスが一人眺めていた。そして、“ボソリ”と呟く。
「笑顔は素晴らしいですね~。やはり、笑顔こそがこの世界を平和に導く鍵。私の考えは間違ってはいない……」
エジタスの呟きを聞いた者は誰も居らず、夜空へと溶け込んだ。
「師匠ー!何やってるんですかー!早く夕御飯食べましょうよー!」
遠くの方から真緒の声が聞こえてくる。
「は~い!今行きま~す!」
エジタスは駆け足で戻っていく。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
おばさんは、ひっそり暮らしたい
蝋梅
恋愛
30歳村山直子は、いわゆる勝手に落ちてきた異世界人だった。
たまに物が落ちてくるが人は珍しいものの、牢屋行きにもならず基礎知識を教えてもらい居場所が分かるように、また定期的に国に報告する以外は自由と言われた。
さて、生きるには働かなければならない。
「仕方がない、ご飯屋にするか」
栄養士にはなったものの向いてないと思いながら働いていた私は、また生活のために今日もご飯を作る。
「地味にそこそこ人が入ればいいのに困るなぁ」
意欲が低い直子は、今日もまたテンション低く呟いた。
騎士サイド追加しました。2023/05/23
番外編を不定期ですが始めました。
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
本の知識で、らくらく異世界生活? 〜チート過ぎて、逆にヤバい……けど、とっても役に立つ!〜
あーもんど
ファンタジー
異世界でも、本を読みたい!
ミレイのそんな願いにより、生まれた“あらゆる文書を閲覧出来るタブレット”
ミレイとしては、『小説や漫画が読めればいい』くらいの感覚だったが、思ったよりチートみたいで?
異世界で知り合った仲間達の窮地を救うキッカケになったり、敵の情報が筒抜けになったりと大変優秀。
チートすぎるがゆえの弊害も多少あるものの、それを鑑みても一家に一台はほしい性能だ。
「────さてと、今日は何を読もうかな」
これはマイペースな主人公ミレイが、タブレット片手に異世界の暮らしを謳歌するお話。
◆小説家になろう様でも、公開中◆
◆恋愛要素は、ありません◆
「キヅイセ。」 ~気づいたら異世界にいた。おまけに目の前にはATMがあった。異世界転移、通算一万人目の冒険者~
あめの みかな
ファンタジー
秋月レンジ。高校2年生。
彼は気づいたら異世界にいた。
その世界は、彼が元いた世界とのゲート開通から100周年を迎え、彼は通算一万人目の冒険者だった。
科学ではなく魔法が発達した、もうひとつの地球を舞台に、秋月レンジとふたりの巫女ステラ・リヴァイアサンとピノア・カーバンクルの冒険が今始まる。
凡人がおまけ召喚されてしまった件
根鳥 泰造
ファンタジー
勇者召喚に巻き込まれて、異世界にきてしまった祐介。最初は勇者の様に大切に扱われていたが、ごく普通の才能しかないので、冷遇されるようになり、ついには王宮から追い出される。
仕方なく冒険者登録することにしたが、この世界では希少なヒーラー適正を持っていた。一年掛けて治癒魔法を習得し、治癒剣士となると、引く手あまたに。しかも、彼は『強欲』という大罪スキルを持っていて、倒した敵のスキルを自分のものにできるのだ。
それらのお蔭で、才能は凡人でも、数多のスキルで能力を補い、熟練度は飛びぬけ、高難度クエストも熟せる有名冒険者となる。そして、裏では気配消去や不可視化スキルを活かして、暗殺という裏の仕事も始めた。
異世界に来て八年後、その暗殺依頼で、召喚勇者の暗殺を受けたのだが、それは祐介を捕まえるための罠だった。祐介が暗殺者になっていると知った勇者が、改心させよう企てたもので、その後は勇者一行に加わり、魔王討伐の旅に同行することに。
最初は脅され渋々同行していた祐介も、勇者や仲間の思いをしり、どんどん勇者が好きになり、勇者から告白までされる。
だが、魔王を討伐を成し遂げるも、魔王戦で勇者は祐介を庇い、障害者になる。
祐介は、勇者の嘘で、病院を作り、医師の道を歩みだすのだった。
【完結】スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜
かの
ファンタジー
世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。
スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。
偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。
スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!
冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!
【完結】おじいちゃんは元勇者
三園 七詩
ファンタジー
元勇者のおじいさんに拾われた子供の話…
親に捨てられ、周りからも見放され生きる事をあきらめた子供の前に国から追放された元勇者のおじいさんが現れる。
エイトを息子のように可愛がり…いつしか子供は強くなり過ぎてしまっていた…
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる