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番外編 一方その頃
もう一組の旅立ち
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「この度は本当にありがとうございました。おかげで、こんなに良い武器と巡り会う事が出来ました」
宝物殿の扉前。ラクウンが扉を閉め終わると、聖一は“フォアリーフ”を片手にお礼を述べた。
「いえいえ、私は何もしていません。お礼なら王に述べてください。その剣を貰えるのは他でもない、王のおかげなのですから……」
「はい、分かっています」
聖一とラクウンが会話をしていると……。
「あれー、聖一さん。こんな所で何しているんですか?」
愛子と舞子の二人が聖一達に近づいてきた。
「あれ、二人ともどうしてここに?」
「私達は、聖一さんを呼びに来たんですよ。そろそろ魔王討伐に向かう時間だから早く私の自室に来てほしいと、シーリャから伝言を頼まれたんです。そう言う聖一さんは何をしていたんですか?」
「それ「それは、私が説明しましょう」」
聖一が答える前に、ラクウンが間に割って入った。
「ラ、ラクウンさん!!」
「ラクウンさんが目の前にいる!」
愛子と舞子の二人は、聖一と同じくらいタイプのラクウンと出会って、少し興奮している。
「確かあなた達は……アイコ様とマイコ様ですね?」
「私達の名前を覚えてくれていたんですか~?」
「様、だなんて……感激です~」
二人の猫なで声に苦笑いを浮かべながらも、何とか答えようとするラクウン。
「……聖一様は魔王討伐の足掛かりとして、魔族について聞かれていたのですよ」
「流石聖一さん!行動が早いですね!」
「私も見習いたいです!」
「あ、うん……そうだね」
聖一は歯切れの悪い返事をする。
「それでは、お二人は先にシーリャ様の下へとお戻りください。こちらもすぐ向かわせて頂きます」
「分かりました。それじゃあ、私達は戻りますね」
「なるべく遅くならないでくださいね」
愛子と舞子のふたりは、聖一達に手を振って戻って行った。
「ああいう人達には、下手に本当の事を話すより嘘で会話を進める方が面倒な事にはなりません」
「確かに……そうですね」
宝物殿で聖一だけがユニーク武器を譲って貰ったと知られたら、確実にあの二人も武器を要求してきたであろう。そうならない様にする為に、ラクウンは聖一と二人の会話に割って入ったのだ。その事に気が付いた聖一は苦笑いをしながら、戻って行く二人を見つめる。
「では、私達も行くとしましょう」
「はい」
聖一とラクウンは一呼吸置くと、シーリャの自室へと歩き出した。
***
シーリャの自室は一言で言い表すのであれば“豪華”である。部屋全体がきらびやかで、支える四つの柱それぞれに異なった装飾が施され、カーテンの模様は金粉で彩られている。カルド王の自室とは正反対の部屋と言えるであろう。そんな部屋に聖一とラクウンがいるのだが、目の前には目を疑う光景があった。
「セイイチ様!来てくれたのですね!」
「あ……うん、呼ばれたからね……それよりもその格好は……」
部屋の中ではシーリャ、愛子と舞子の三人が出迎えた。しかし、シーリャの服装がいつものふんわりとしたドレスと違い、しっかりと形を維持している動きやすそうなドレスに身を包み、腰にはメイスがぶら下がっていた。
「はい、実はセイイチ様にサプライズがあるのです」
「何と~……」
「何と~……」
愛子と舞子がシーリャの前に出て、目を見合わせる。
「この度、私達のパーティーにシーリャが加わる事になりました!」
「わー、パチパチパチー」
「えっ、つまり……えっ?」
愛子と舞子が拍手する中、未だに状況が飲み込めない聖一。
「つまり、シーリャも魔王討伐を手伝ってくれるんです!」
「本当なのシーリャ!?」
「はい……ご迷惑でしょうか?」
シーリャは困った表情をしながら、上目遣いで聖一を見てくる。
「いや、迷惑ではないんだけど……シーリャは一国の王女様だろ、大丈夫なのかい?」
「それは大丈夫です!父上の許可はちゃんと頂きました!」
「王が!?」
“バカ娘”と罵っていたあのカルド王が、こうもあっさり魔王討伐の同行を許すなんて、信じられないラクウンであった。
「それならよかった。仲間が一人増えて、僕も嬉しいよ」
「セイイチ様。不束者ですが、どうぞよろしくお願いします」
「!!」
「!?」
この時愛子と舞子は、その言葉は結婚相手に言うものだろう!と同じ事を思っていた。いくら仲が良くなったとはいえ、恋敵には変わらない。二人はシーリャを睨み付ける。
「ああ、こちらこそよろしく頼むよ。……そういえばシーリャの職業は何かな?」
「私は“バトルクレリック”です!」
“バトルクレリック”メイスなどの鈍器系の武器を主とした職業。攻撃力に特化されており回復魔法も扱える。その代わり、防御面の薄さが難点となっている。
「意外だね、てっきり舞子の様に“聖女”だと思ったよ」
「“聖女”は魔法が使える分、基本的な攻撃力は期待できません。私は魔法よりも物理の方が好きなんです!」
バゴン!!という音が突然響き渡る。シーリャがメイスを握りしめ、力任せに壁を殴ったのだ。殴られた壁はその一部だけボロボロに砕けていた。
「あ、すみません。私ったらセイイチ様のパーティーになれた事が、つい嬉しくて……」
「そうか、頼もしい限りだよ」
「……あ……あ……あ」
「恐ろしい子……!」
睨み付けていた愛子と舞子は、壁の一部を破壊したシーリャに恐怖を覚えた。
「それでは早速行きましょう!荷物などは、こちらの方で準備させて頂きました」
「本当かい?それは助かるよ」
「ほら、アイコさん、マイコさんも行きましょう!」
「は、はい!畏まりました!」
「十秒で支度します!」
愛子と舞子は敬礼をすると、急いで外へと走り出した。
「どうしたんでしょうか?」
「さあ?」
シーリャと聖一は感覚が鈍いのか、理解していなかった。
「さあ、私達も行きましょう。留守は任せますね」
「畏まりました」
シーリャは、ラクウンに留守を命じると、聖一の手を引っ張りながら外へと向かった。こうして、聖一達四人の魔王討伐への旅は始まった。
***
「失礼致します……」
カルド王の自室にラクウンが訪ねてきた。
「……ラクウンか、いったい何の用だ?」
「今しがた、シーリャ様を含めたセイイチ様一行が旅立ちました」
「おお、そうか……もうそんな時間だったか……」
カルド王は持っていたペンを置き、ラクウンに顔を向ける。
「お聞きしてもよろしいでしょうか?」
「何だ?」
「何故、シーリャ様を行かせたのですか?」
ラクウンはカルド王の、シーリャに対するパーティー加入の許可がどうしても納得出来ずにいた。
「……知っているか?井の中の蛙大海を知らず……という言葉を……」
「確か……視野が狭くありきたりの知識しかない……ですよね?」
「ああ、あの“バカ娘”にピッタリの言葉じゃないか。外の世界を知らない哀れな小娘が、痛い目を見る良いチャンスだ」
「しかし、もしもの事があっては……」
シーリャの安否を心配するラクウンだが、カルド王はそれを聞いてニヤリと笑う。
「死んだら死んだで万々歳……不安材料が一つ無くなるのだからな……くくく……あっははははは!!!」
この日、カルド王の恐ろしい高笑いは城中に響き渡ったという……。
シーリャ・アストラス・カルド Lv15
種族 人間
年齢 16
性別 女
職業 バトルクレリック
HP 180/180
MP 90/90
STR 200
DEX 80
VIT 20
AGI 100
INT 50
MND 100
LUK 75
スキル
ヘビースマッシュ
魔法
回復魔法
称号
世間知らずな狂暴娘
宝物殿の扉前。ラクウンが扉を閉め終わると、聖一は“フォアリーフ”を片手にお礼を述べた。
「いえいえ、私は何もしていません。お礼なら王に述べてください。その剣を貰えるのは他でもない、王のおかげなのですから……」
「はい、分かっています」
聖一とラクウンが会話をしていると……。
「あれー、聖一さん。こんな所で何しているんですか?」
愛子と舞子の二人が聖一達に近づいてきた。
「あれ、二人ともどうしてここに?」
「私達は、聖一さんを呼びに来たんですよ。そろそろ魔王討伐に向かう時間だから早く私の自室に来てほしいと、シーリャから伝言を頼まれたんです。そう言う聖一さんは何をしていたんですか?」
「それ「それは、私が説明しましょう」」
聖一が答える前に、ラクウンが間に割って入った。
「ラ、ラクウンさん!!」
「ラクウンさんが目の前にいる!」
愛子と舞子の二人は、聖一と同じくらいタイプのラクウンと出会って、少し興奮している。
「確かあなた達は……アイコ様とマイコ様ですね?」
「私達の名前を覚えてくれていたんですか~?」
「様、だなんて……感激です~」
二人の猫なで声に苦笑いを浮かべながらも、何とか答えようとするラクウン。
「……聖一様は魔王討伐の足掛かりとして、魔族について聞かれていたのですよ」
「流石聖一さん!行動が早いですね!」
「私も見習いたいです!」
「あ、うん……そうだね」
聖一は歯切れの悪い返事をする。
「それでは、お二人は先にシーリャ様の下へとお戻りください。こちらもすぐ向かわせて頂きます」
「分かりました。それじゃあ、私達は戻りますね」
「なるべく遅くならないでくださいね」
愛子と舞子のふたりは、聖一達に手を振って戻って行った。
「ああいう人達には、下手に本当の事を話すより嘘で会話を進める方が面倒な事にはなりません」
「確かに……そうですね」
宝物殿で聖一だけがユニーク武器を譲って貰ったと知られたら、確実にあの二人も武器を要求してきたであろう。そうならない様にする為に、ラクウンは聖一と二人の会話に割って入ったのだ。その事に気が付いた聖一は苦笑いをしながら、戻って行く二人を見つめる。
「では、私達も行くとしましょう」
「はい」
聖一とラクウンは一呼吸置くと、シーリャの自室へと歩き出した。
***
シーリャの自室は一言で言い表すのであれば“豪華”である。部屋全体がきらびやかで、支える四つの柱それぞれに異なった装飾が施され、カーテンの模様は金粉で彩られている。カルド王の自室とは正反対の部屋と言えるであろう。そんな部屋に聖一とラクウンがいるのだが、目の前には目を疑う光景があった。
「セイイチ様!来てくれたのですね!」
「あ……うん、呼ばれたからね……それよりもその格好は……」
部屋の中ではシーリャ、愛子と舞子の三人が出迎えた。しかし、シーリャの服装がいつものふんわりとしたドレスと違い、しっかりと形を維持している動きやすそうなドレスに身を包み、腰にはメイスがぶら下がっていた。
「はい、実はセイイチ様にサプライズがあるのです」
「何と~……」
「何と~……」
愛子と舞子がシーリャの前に出て、目を見合わせる。
「この度、私達のパーティーにシーリャが加わる事になりました!」
「わー、パチパチパチー」
「えっ、つまり……えっ?」
愛子と舞子が拍手する中、未だに状況が飲み込めない聖一。
「つまり、シーリャも魔王討伐を手伝ってくれるんです!」
「本当なのシーリャ!?」
「はい……ご迷惑でしょうか?」
シーリャは困った表情をしながら、上目遣いで聖一を見てくる。
「いや、迷惑ではないんだけど……シーリャは一国の王女様だろ、大丈夫なのかい?」
「それは大丈夫です!父上の許可はちゃんと頂きました!」
「王が!?」
“バカ娘”と罵っていたあのカルド王が、こうもあっさり魔王討伐の同行を許すなんて、信じられないラクウンであった。
「それならよかった。仲間が一人増えて、僕も嬉しいよ」
「セイイチ様。不束者ですが、どうぞよろしくお願いします」
「!!」
「!?」
この時愛子と舞子は、その言葉は結婚相手に言うものだろう!と同じ事を思っていた。いくら仲が良くなったとはいえ、恋敵には変わらない。二人はシーリャを睨み付ける。
「ああ、こちらこそよろしく頼むよ。……そういえばシーリャの職業は何かな?」
「私は“バトルクレリック”です!」
“バトルクレリック”メイスなどの鈍器系の武器を主とした職業。攻撃力に特化されており回復魔法も扱える。その代わり、防御面の薄さが難点となっている。
「意外だね、てっきり舞子の様に“聖女”だと思ったよ」
「“聖女”は魔法が使える分、基本的な攻撃力は期待できません。私は魔法よりも物理の方が好きなんです!」
バゴン!!という音が突然響き渡る。シーリャがメイスを握りしめ、力任せに壁を殴ったのだ。殴られた壁はその一部だけボロボロに砕けていた。
「あ、すみません。私ったらセイイチ様のパーティーになれた事が、つい嬉しくて……」
「そうか、頼もしい限りだよ」
「……あ……あ……あ」
「恐ろしい子……!」
睨み付けていた愛子と舞子は、壁の一部を破壊したシーリャに恐怖を覚えた。
「それでは早速行きましょう!荷物などは、こちらの方で準備させて頂きました」
「本当かい?それは助かるよ」
「ほら、アイコさん、マイコさんも行きましょう!」
「は、はい!畏まりました!」
「十秒で支度します!」
愛子と舞子は敬礼をすると、急いで外へと走り出した。
「どうしたんでしょうか?」
「さあ?」
シーリャと聖一は感覚が鈍いのか、理解していなかった。
「さあ、私達も行きましょう。留守は任せますね」
「畏まりました」
シーリャは、ラクウンに留守を命じると、聖一の手を引っ張りながら外へと向かった。こうして、聖一達四人の魔王討伐への旅は始まった。
***
「失礼致します……」
カルド王の自室にラクウンが訪ねてきた。
「……ラクウンか、いったい何の用だ?」
「今しがた、シーリャ様を含めたセイイチ様一行が旅立ちました」
「おお、そうか……もうそんな時間だったか……」
カルド王は持っていたペンを置き、ラクウンに顔を向ける。
「お聞きしてもよろしいでしょうか?」
「何だ?」
「何故、シーリャ様を行かせたのですか?」
ラクウンはカルド王の、シーリャに対するパーティー加入の許可がどうしても納得出来ずにいた。
「……知っているか?井の中の蛙大海を知らず……という言葉を……」
「確か……視野が狭くありきたりの知識しかない……ですよね?」
「ああ、あの“バカ娘”にピッタリの言葉じゃないか。外の世界を知らない哀れな小娘が、痛い目を見る良いチャンスだ」
「しかし、もしもの事があっては……」
シーリャの安否を心配するラクウンだが、カルド王はそれを聞いてニヤリと笑う。
「死んだら死んだで万々歳……不安材料が一つ無くなるのだからな……くくく……あっははははは!!!」
この日、カルド王の恐ろしい高笑いは城中に響き渡ったという……。
シーリャ・アストラス・カルド Lv15
種族 人間
年齢 16
性別 女
職業 バトルクレリック
HP 180/180
MP 90/90
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DEX 80
VIT 20
AGI 100
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