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第八章 冒険編 狂乱の王子ヴァルベルト
贖罪
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「…………んっ」
「あっ、目を覚ましたよ!!」
ヴァルベルトが目を開けると、そこには真緒、エジタス、フォルスの三人が顔を覗き込んでいた。
「気分はどうですか?」
「…………夢を見ていた。懐かしい夢であり、甘酸っぱい夢でもあり、そして最も忌まわしき夢を……」
ヴァルベルトは仰向けに倒れており、見ると干からびていた筈の体は、元通りになっていた。
「そうか……我は負けたのだな……」
ヴァルベルトは、倒れていた体をゆっくりと起こした。
「……何故止めを刺さなかった?」
「それは……私達の話を聞いて貰う為です」
「話……?」
「ですがその前に、確かめたい事があります」
真緒はヴァルベルトの目を見つめると、その口を開いた。
「ヴァルベルトさん……もしかしてあなたは、あの肉人形が本物のエルさんじゃない事に気がついていたんじゃ無いですか?」
「!!…………どうしてそう思うのだ?」
「何となく……です。エルさんと接している時のあなたは、何処かよそよそしく本当に愛し合っているとは思えなかったんです」
真緒から見て、ヴァルベルトと肉人形であるエルの関係は一線を引いている。そんな感じがしたのだ。
「愛し方など、人それぞれだろう?」
「そうかもしれません。ですが少なくとも、愛する人を“様”付けで呼ぶのは不自然です」
肉人形のエルはずっと、ヴァルベルトの事を様付けで呼んでいた。
「偏見だな…………」
そう言うヴァルベルトの脳裏には、一年前の出来事がフラッシュバックしていた。
『おお!やった!やったぞ!!エルが蘇った!!』
『…………』
『エル!分かるか!?俺だヴァルベルトだ!!』
『ヴァルベルト“様”おはようございます』
『エル……?』
『どうかなさいましたか?』
『本当にエルなのか……?』
『はい、あなたの“妻”のエルでございます』
『そう……か……なら、良かった……』
「…………」
ヴァルベルトは分かっていた。あれが本当のエルでは無い事を……。しかし、それを認めてしまうと今までやって来た事が、全て無駄となってしまう。ヴァルベルトは自分自身に無理矢理言い聞かせ、本物のエルだと思い込んだ。
「確かに偏見です。だからこれは私の個人的な意見にしか過ぎません。決めるのはヴァルベルトさん自身です」
「…………滑稽だな」
「えっ?」
「ずっと……愛する人を求め続けた結果、あんな木偶に弄ばれてしまうのだから滑稽と言わず、何と言うんだ?」
ヴァルベルトは気が抜けたかの様に、ガックリとうなだれてしまった。
「ヴァルベルトさん…………」
「憐れむ必要は無いぞ。これは我の自業自得なのだからな……」
「ヴァルベルトさんは、今でもエルさんの事を愛しているんですか?」
「勿論だ。エルが亡くなってから約二百年……一日たりとも忘れた事など無い。エルは我にとって、掛け替えの無い大切な人だからな……」
うなだれていた顔を上げ、はっきりと答えた。
「ではそれを、本人の前で伝えて下さい」
「何を言って…………まさか……そんな…………!?」
真緒が体を退けると、ヴァルベルトの目線の先には青い人魂がいた。その人魂はヴァルベルトにゆっくりと近づくにつれて、その姿を現した。
「エ、エル…………」
「久し振りねヴァルベルト……」
半透明でふわふわと実体は無かったが、その姿は紛れもなくエルだった。
「見守っていたのよ……亡くなった日からずっと……」
「そんな……ならどうして、俺の前に現れてくれなかったんだ?」
「だって……あなたずっと私を蘇らせようと躍起になって、全然気づいてくれなかったじゃない?」
「えっ……あ……」
恋は盲目とはよく言ったものだ。しかし、約二百年の間ずっと側にいたのにも関わらず気づかないとは、どれだけエルの事を好きだったのかが伺える。
「あの肉人形を手に入れてからも、心ここにあらずって状態で心配したんだからね!」
「ご、ごめん…………」
「…………良かった」
「えっ?」
「あなたのいつもの言葉遣いを見れて安心したわ!最初ビックリしたわよ!!急に“我”とか“~してやろう”とか言い出したんだから!?」
「あ、あれは……そのキャラ付けって言うか……昔の吸血鬼ってこんな感じに喋るんじゃないかなーって……」
本物のエルに再会出来た為か、急に今までの言葉遣いが恥ずかしくなり、思わず頭をかくヴァルベルト。
「でも安心したわ。これなら、心置きなく“あっち”に逝く事が出来る……」
「えっ、それってどういう……」
すると突然、エルの体が光輝き始めた。
「エル!!?どうしたんだ!?」
「残念だけどお別れの時間よ。元気そうなあなたを見られたから、私は安心して逝く事が出来るのよ」
「そんな!!嫌だ!折角エルと会えたのにまた別れるだなんて、そんなのあんまりだ!!」
ヴァルベルトの目から、大粒の涙がボロボロと流れ落ちる。
「大丈夫よ。別に永遠の別れでは無い訳だから、ちょっと先にあの世に逝っているだけだから……」
「なら!俺もお前と一緒に!「だーめ」……えっ?」
エルは意地悪そうな顔をして、ヴァルベルトの口を人差し指で押さえる。
「あなたにはまだやるべき事が残っている筈よ」
「やるべき事?」
エルは、押さえていた人差し指を離した。
「これまであなたは私の為とはいえ、多くの人の命を奪って来た。その罪を償わないといけない……でも別に人助けをしろだとか、人に感謝される事をしろだとかそんな大層な事は言わない。ヴァルベルト…………生き続けなさい!」
「!!」
「亡くなってしまった人達の分まで生き続けなさい!何年、何十年、何百年、何千年掛かろうともその寿命が尽きるまで生き続けなさい!!それがあなたが果たすべき贖罪よ!」
「…………そうだよな……分かった。俺、生き続けるよ……この命燃え尽きるまで、生き抜いて見せる!!」
そう宣言するヴァルベルトの目には、決意の炎が宿っていた。
「だからそれまで、あっちで待っててくれるか?」
「ええ、いつまでもずっと待っててあげる……だけど、もし生きている間に浮気でもしようものなら……覚悟しておく事ね……!!」
「は、はい!浮気はしません!絶対に!!」
強気に迫るエルに、尻込みするヴァルベルト。
「…………じゃあね」
「エル…………」
そんなヴァルベルトを見届け終わると、エルは静かに別れを告げて小さな光の魂となって、天高く舞い上がりそして消えた。
「ありがとう……」
「ヴァルベルトさん……」
「ああ、お前達か……お前達には随分迷惑を掛けてしまったな。謝って済む話でも無いが……本当にすまなかった」
ヴァルベルトは、真緒達に深々と頭を下げた。
「エルさんと再会出来て、良かったですね」
「ああ、これも全てお前達のお陰だ。ありがとう」
「いえ、そんな私達は只「うっ、うう……」リーマ!!」
今まで気を失っていたリーマが目を覚まし、真緒達は急いで側まで駆け寄る。
「あ……あ……ああ……」
「リーマ!大丈夫!?」
「しっかり気を持つんだ!!」
「寝たら駄目ですよ~」
目を覚ましたとは言え、全身の骨が粉砕しているせいで気を保つのが精一杯だった。
「私が回復魔法を使えれば…………」
「マオ…………」
「…………」
「俺が助けるよ」
「「「えっ?」」」
真緒達が悩んでいると、ヴァルベルトから意外な声が掛かる。
「エルには人助けしなくてもいいって言われたけど……元を正せば、俺が全ての元凶みたいなものだ……助ける責任がある」
「ヴァルベルトさん……」
「少し……場所を空けてくれるか?」
真緒達が、場所を空けるとヴァルベルトが膝を折って座り込む。自身の指先を剣の先で少し刺して血が出たのを確認する。そして、流れ出る血の一滴をリーマの口に注いだ。
「何しているんだ!?」
「フォルスさん!!信じましょう……ヴァルベルトさんを……」
突然の狂気的な行動に、怒りを示すフォルスだが真緒が止めた。
「…………“血の恵み”」
すると、リーマの体が赤い光に包まれて次第にかいていた汗は消えて無くなり、落ち着いた呼吸になった。
「これでもう大丈夫だ」
「本当ですか!?」
「ああ、“血の恵み”は俺自身の血を口から受け入れる事で、全ての怪我や病気を治してくれるんだ」
「まった!!」
ここで、フォルスは一つの疑問を投げ掛ける。
「そんな便利な技を、どうして使わなかったんだ?」
「それは簡単だ。この技の弱点として、自分自身には使えないんだ。仲間が傷ついた時限定なんだ…………二百年前の悲劇を繰り返さない為に開発したんだ……」
二百年前の出来事によって作られた技だからこそ、その扱いが非常に困難である。
「う、ううん……マ、マオさん?」
「リーマ!大丈夫!?何処か痛む!?」
気を保つのが精一杯だったリーマは、会話が出来る所まで回復した。
「いえ……今の所は大丈夫です。それよりも……どうなったんですか?」
「全て丸く収まったよ。もうヴァルベルトさんと戦わなくてもいいんだよ」
「良かった…………」
ホッと胸を撫で下ろすリーマ。
「リーマ!本当に無事でよかった!!」
「リーマさん、生きていて嬉しいですよ~」
「フォルスさん……エジタスさん……ご心配をお掛けしてすみませんでした」
リーマが、フォルスとエジタスに謝罪の言葉を述べた。
「気にするな。困った時はお互い様だろ?」
「持ちつ持たれつですよ~」
「皆さん、ありがとうございます……」
リーマが、フォルスとエジタスにお礼を述べているその時だった。
「…………ふわぁーあ、よぐ寝だだぁ……」
「「「「!!?」」」」
部屋中に巨大なあくびが響き渡った。声のする方向に顔を向けると、先程まで獣を越えた存在になっていたハナコが目を覚ました。そして、その姿は元に戻っていた。
「あれー、皆ごんな所で何をじでいるんだぁ?」
「「「「…………ぷっ、あははは!!!」」」」
「?」
呑気な事を言うハナコに、思わず仲間の四人は顔を見合せて笑ってしまうのであった。
「あっ、目を覚ましたよ!!」
ヴァルベルトが目を開けると、そこには真緒、エジタス、フォルスの三人が顔を覗き込んでいた。
「気分はどうですか?」
「…………夢を見ていた。懐かしい夢であり、甘酸っぱい夢でもあり、そして最も忌まわしき夢を……」
ヴァルベルトは仰向けに倒れており、見ると干からびていた筈の体は、元通りになっていた。
「そうか……我は負けたのだな……」
ヴァルベルトは、倒れていた体をゆっくりと起こした。
「……何故止めを刺さなかった?」
「それは……私達の話を聞いて貰う為です」
「話……?」
「ですがその前に、確かめたい事があります」
真緒はヴァルベルトの目を見つめると、その口を開いた。
「ヴァルベルトさん……もしかしてあなたは、あの肉人形が本物のエルさんじゃない事に気がついていたんじゃ無いですか?」
「!!…………どうしてそう思うのだ?」
「何となく……です。エルさんと接している時のあなたは、何処かよそよそしく本当に愛し合っているとは思えなかったんです」
真緒から見て、ヴァルベルトと肉人形であるエルの関係は一線を引いている。そんな感じがしたのだ。
「愛し方など、人それぞれだろう?」
「そうかもしれません。ですが少なくとも、愛する人を“様”付けで呼ぶのは不自然です」
肉人形のエルはずっと、ヴァルベルトの事を様付けで呼んでいた。
「偏見だな…………」
そう言うヴァルベルトの脳裏には、一年前の出来事がフラッシュバックしていた。
『おお!やった!やったぞ!!エルが蘇った!!』
『…………』
『エル!分かるか!?俺だヴァルベルトだ!!』
『ヴァルベルト“様”おはようございます』
『エル……?』
『どうかなさいましたか?』
『本当にエルなのか……?』
『はい、あなたの“妻”のエルでございます』
『そう……か……なら、良かった……』
「…………」
ヴァルベルトは分かっていた。あれが本当のエルでは無い事を……。しかし、それを認めてしまうと今までやって来た事が、全て無駄となってしまう。ヴァルベルトは自分自身に無理矢理言い聞かせ、本物のエルだと思い込んだ。
「確かに偏見です。だからこれは私の個人的な意見にしか過ぎません。決めるのはヴァルベルトさん自身です」
「…………滑稽だな」
「えっ?」
「ずっと……愛する人を求め続けた結果、あんな木偶に弄ばれてしまうのだから滑稽と言わず、何と言うんだ?」
ヴァルベルトは気が抜けたかの様に、ガックリとうなだれてしまった。
「ヴァルベルトさん…………」
「憐れむ必要は無いぞ。これは我の自業自得なのだからな……」
「ヴァルベルトさんは、今でもエルさんの事を愛しているんですか?」
「勿論だ。エルが亡くなってから約二百年……一日たりとも忘れた事など無い。エルは我にとって、掛け替えの無い大切な人だからな……」
うなだれていた顔を上げ、はっきりと答えた。
「ではそれを、本人の前で伝えて下さい」
「何を言って…………まさか……そんな…………!?」
真緒が体を退けると、ヴァルベルトの目線の先には青い人魂がいた。その人魂はヴァルベルトにゆっくりと近づくにつれて、その姿を現した。
「エ、エル…………」
「久し振りねヴァルベルト……」
半透明でふわふわと実体は無かったが、その姿は紛れもなくエルだった。
「見守っていたのよ……亡くなった日からずっと……」
「そんな……ならどうして、俺の前に現れてくれなかったんだ?」
「だって……あなたずっと私を蘇らせようと躍起になって、全然気づいてくれなかったじゃない?」
「えっ……あ……」
恋は盲目とはよく言ったものだ。しかし、約二百年の間ずっと側にいたのにも関わらず気づかないとは、どれだけエルの事を好きだったのかが伺える。
「あの肉人形を手に入れてからも、心ここにあらずって状態で心配したんだからね!」
「ご、ごめん…………」
「…………良かった」
「えっ?」
「あなたのいつもの言葉遣いを見れて安心したわ!最初ビックリしたわよ!!急に“我”とか“~してやろう”とか言い出したんだから!?」
「あ、あれは……そのキャラ付けって言うか……昔の吸血鬼ってこんな感じに喋るんじゃないかなーって……」
本物のエルに再会出来た為か、急に今までの言葉遣いが恥ずかしくなり、思わず頭をかくヴァルベルト。
「でも安心したわ。これなら、心置きなく“あっち”に逝く事が出来る……」
「えっ、それってどういう……」
すると突然、エルの体が光輝き始めた。
「エル!!?どうしたんだ!?」
「残念だけどお別れの時間よ。元気そうなあなたを見られたから、私は安心して逝く事が出来るのよ」
「そんな!!嫌だ!折角エルと会えたのにまた別れるだなんて、そんなのあんまりだ!!」
ヴァルベルトの目から、大粒の涙がボロボロと流れ落ちる。
「大丈夫よ。別に永遠の別れでは無い訳だから、ちょっと先にあの世に逝っているだけだから……」
「なら!俺もお前と一緒に!「だーめ」……えっ?」
エルは意地悪そうな顔をして、ヴァルベルトの口を人差し指で押さえる。
「あなたにはまだやるべき事が残っている筈よ」
「やるべき事?」
エルは、押さえていた人差し指を離した。
「これまであなたは私の為とはいえ、多くの人の命を奪って来た。その罪を償わないといけない……でも別に人助けをしろだとか、人に感謝される事をしろだとかそんな大層な事は言わない。ヴァルベルト…………生き続けなさい!」
「!!」
「亡くなってしまった人達の分まで生き続けなさい!何年、何十年、何百年、何千年掛かろうともその寿命が尽きるまで生き続けなさい!!それがあなたが果たすべき贖罪よ!」
「…………そうだよな……分かった。俺、生き続けるよ……この命燃え尽きるまで、生き抜いて見せる!!」
そう宣言するヴァルベルトの目には、決意の炎が宿っていた。
「だからそれまで、あっちで待っててくれるか?」
「ええ、いつまでもずっと待っててあげる……だけど、もし生きている間に浮気でもしようものなら……覚悟しておく事ね……!!」
「は、はい!浮気はしません!絶対に!!」
強気に迫るエルに、尻込みするヴァルベルト。
「…………じゃあね」
「エル…………」
そんなヴァルベルトを見届け終わると、エルは静かに別れを告げて小さな光の魂となって、天高く舞い上がりそして消えた。
「ありがとう……」
「ヴァルベルトさん……」
「ああ、お前達か……お前達には随分迷惑を掛けてしまったな。謝って済む話でも無いが……本当にすまなかった」
ヴァルベルトは、真緒達に深々と頭を下げた。
「エルさんと再会出来て、良かったですね」
「ああ、これも全てお前達のお陰だ。ありがとう」
「いえ、そんな私達は只「うっ、うう……」リーマ!!」
今まで気を失っていたリーマが目を覚まし、真緒達は急いで側まで駆け寄る。
「あ……あ……ああ……」
「リーマ!大丈夫!?」
「しっかり気を持つんだ!!」
「寝たら駄目ですよ~」
目を覚ましたとは言え、全身の骨が粉砕しているせいで気を保つのが精一杯だった。
「私が回復魔法を使えれば…………」
「マオ…………」
「…………」
「俺が助けるよ」
「「「えっ?」」」
真緒達が悩んでいると、ヴァルベルトから意外な声が掛かる。
「エルには人助けしなくてもいいって言われたけど……元を正せば、俺が全ての元凶みたいなものだ……助ける責任がある」
「ヴァルベルトさん……」
「少し……場所を空けてくれるか?」
真緒達が、場所を空けるとヴァルベルトが膝を折って座り込む。自身の指先を剣の先で少し刺して血が出たのを確認する。そして、流れ出る血の一滴をリーマの口に注いだ。
「何しているんだ!?」
「フォルスさん!!信じましょう……ヴァルベルトさんを……」
突然の狂気的な行動に、怒りを示すフォルスだが真緒が止めた。
「…………“血の恵み”」
すると、リーマの体が赤い光に包まれて次第にかいていた汗は消えて無くなり、落ち着いた呼吸になった。
「これでもう大丈夫だ」
「本当ですか!?」
「ああ、“血の恵み”は俺自身の血を口から受け入れる事で、全ての怪我や病気を治してくれるんだ」
「まった!!」
ここで、フォルスは一つの疑問を投げ掛ける。
「そんな便利な技を、どうして使わなかったんだ?」
「それは簡単だ。この技の弱点として、自分自身には使えないんだ。仲間が傷ついた時限定なんだ…………二百年前の悲劇を繰り返さない為に開発したんだ……」
二百年前の出来事によって作られた技だからこそ、その扱いが非常に困難である。
「う、ううん……マ、マオさん?」
「リーマ!大丈夫!?何処か痛む!?」
気を保つのが精一杯だったリーマは、会話が出来る所まで回復した。
「いえ……今の所は大丈夫です。それよりも……どうなったんですか?」
「全て丸く収まったよ。もうヴァルベルトさんと戦わなくてもいいんだよ」
「良かった…………」
ホッと胸を撫で下ろすリーマ。
「リーマ!本当に無事でよかった!!」
「リーマさん、生きていて嬉しいですよ~」
「フォルスさん……エジタスさん……ご心配をお掛けしてすみませんでした」
リーマが、フォルスとエジタスに謝罪の言葉を述べた。
「気にするな。困った時はお互い様だろ?」
「持ちつ持たれつですよ~」
「皆さん、ありがとうございます……」
リーマが、フォルスとエジタスにお礼を述べているその時だった。
「…………ふわぁーあ、よぐ寝だだぁ……」
「「「「!!?」」」」
部屋中に巨大なあくびが響き渡った。声のする方向に顔を向けると、先程まで獣を越えた存在になっていたハナコが目を覚ました。そして、その姿は元に戻っていた。
「あれー、皆ごんな所で何をじでいるんだぁ?」
「「「「…………ぷっ、あははは!!!」」」」
「?」
呑気な事を言うハナコに、思わず仲間の四人は顔を見合せて笑ってしまうのであった。
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