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最終章 笑顔の絶えない世界
リーマ&ゴルガ VS エピロ(後編)
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「こ、この私がダメージを負った…………!?」
自身の勝利を確信していたエピロだったが、自身がダメージを負った事によりその確信が揺らぎ始めた。
「リーマ、ヤッタナ!!」
「はい、少し希望の光が見えて来ました!!」
反対にリーマとゴルガの消え掛かっていた希望の光が、魔法が当たった事により、再びその輝きを取り戻した。
「このまま一気に畳み掛けます!!“ピュア・ウォーターキャノン”!!」
すると、リーマの目の前に大きな水の塊が形成され、その塊はエピロ目掛けて放たれた。
「きっと、さっきのは何かの間違いよ……私が……この私がダメージを負う筈が無いわ!!“雷弾”!!」
リーマの魔法に対抗して、エピロは迫り来る水の塊に片手を突き出し、雷魔法を唱えた。すると掌から電気を帯びた弾が生成され、迫り来る水の塊目掛けて放った。
「な、何ですって!?がはぁ!!」
放たれた弾は、見事に水の塊に命中した。しかし水の塊は失速する事無く、その勢いのままエピロへと直撃した。
「イイゾ!!ソノチョウシダ!!」
「ごほっ!!がはぁ!!はぁ……はぁ……はぁ……」
二度に渡って、リーマの魔法をまともに食らってしまったエピロ。息を切らしながら、リーマとゴルガを睨み付ける様に立ち上がった。
「一度ならず二度までも……どう言う事……いったい何をしたの!?」
「何をした……別に大した事はしていません……只、水魔法で生成する水を“純水”に変化させただけです」
「じゅ、純水ですって……!?」
純水。それは通常の水とは異なる言わば、不純物が全く入っていない水の事を表す。また純水の性質として、電気を非常に通しにくい。その為、エピロの雷魔法に対して、純水に変化したリーマの水魔法は効果的である。
「もう、エピロさんの雷魔法は通用しませんよ」
「……なにそれ……純水に変換出来たからって、それで私の雷魔法が通用しない事にはならないわ!!」
その瞬間、エピロは自身の速度を雷並みに変化させ、その場から姿を消した。
「例え、あなたの水魔法が純水に変化したとしても、私の速度には反応出来ないでしょ!!」
「リーマ、ウシロダ!!」
雷並みの速度で移動したエピロは、リーマの背後に回り込み、リーマに向けて片手を突き出した。
「焼け死になさい!!“雷弾”!!」
エピロの掌から、電気を帯びた弾がリーマ目掛けて放たれた。
「“ピュア・ウォーターアーマー”」
「「!!!」」
するとリーマの体を、純水がまるで鎧の様に包み込んだ。それによって、エピロが放った雷魔法が直撃するも、リーマには全くダメージは入らなかった。
「確かに、今の私ではエピロさんの速度に追いつくのは不可能です。ですが、対策は出来ます。魔法は想像力、なれば土の鎧同様に水でも鎧が出来るのではないかと考えました」
「だからと言って、そんなぶっつけ本番で試みるだなんて……正気なの!?」
失敗する可能性も充分にあり得た。しかし、それを恐れずに挑戦したリーマ。そんなリーマの勇気ある行動がエピロには理解出来なかった。
「グォオオオ!!リーマカラ……ハナレロ!!」
「っ!!」
リーマの“ピュア・ウォーターアーマー”に気を取られていると、その真横からゴルガがエピロ目掛けて、拳を叩き込んで来た。
「…………クソ……ノガシタカ……」
しかし、エピロは持ち前の反射神経を生かして、ゴルガの攻撃を回避した。
「ゴルガさん!!その腕では危険です!!ここは私に任せて下さい!!」
「……イヤ、オレモイッショニタタカウ……」
リーマは、片腕を失ったゴルガを心配して、一旦身を引く様に声を掛けるが、ゴルガは一緒に戦うと公言した。
「ですが……!!」
「リーマ……オレハナサケナイ……」
「えっ…………?」
「ゴーレムトシテ、スサマジイチカラトカタサガ、ジマンデアッタノニ、イマノオレハマッタク、リーマノヤクニタッテイナイ…………」
「ゴルガさん…………」
「調子に乗ってるんじゃないわよ!!!」
「「!!!」」
そんな中、エピロがリーマとゴルガの二人に声を荒げながら叫んだ。
「年長者として、少しは手加減してあげようと思っていたけど、その必要も無さそうね!!あんた達はここで、跡形も無くなる程に消し去ってあげるわ!!」
そう言うとエピロは今までと違い、両手をリーマとゴルガに突き出した。
「消えて無くなりなさい!!“大雷弾”!!」
するとエピロの両手から、“雷弾”の時より数百倍大きい弾が放たれた。
「避けて!!」
「グッ……!!」
リーマの咄嗟の呼び掛けに、ゴルガは迫り来る巨大な弾を避ける事が出来た。しかしその代わりに、リーマが食らってしまった。
「うっ……きゃああああ!!!」
「リーマ、ダイジョウブカ!!?」
「え、えぇ……何とか……鎧のおかげで助かりました……」
「あははは!!どうやら“大雷弾”程の電力なら、純水であろうとも電気を通す様だね!!これで分かっただろう、この世には完全に電気を通さない物は存在しない。あんたの純水も、あくまでも通しにくくなっているだけ、絶対に通らない訳ではないのさ!!」
早くも弱点を見抜かれてしまった。リーマの純水は、あくまでも電気を“通しにくい”という性質、完全に電気を通さない訳では無いのだ。
「不味いですね……もう一度あんな電気を食らってしまったら……」
「リーマ、オレノカラダニ、ジュンスイヲカケテクレ……」
「ゴルガさん!?いったい何をするつもりなんですか!?無茶は止めて下さい!!」
次食らったら終わり、そんな状況下でゴルガが、リーマに純水を掛けて欲しいと申し出た。しかし、無茶をしようとしているのは明確であった。その為、リーマはゴルガの申し出を断った。
「…………オトコニハ……ヤラネバナラヌトキガアル……」
「……ゴルガさんはゴーレムだから、性別は無いですよね?」
「…………タノム……」
「…………分かりました。けど、無理だと思ったらすぐに逃げて下さいね。“ピュア・ウォーター”」
ゴルガの覚悟に、リーマは半ば納得すると、ゴルガの体に純水を掛けた。
「さぁ……出来ましたよ」
「カンシャスル…………デハ、イッテクル!!!」
一言礼を述べると、ゴルガはエピロに向かって走り出した。
「あははは!!そんな事をしても無駄よ!!本気の私を倒すだなんて、あんた達には不可能なのよ!!」
迫り来るゴルガに向けて、エピロは両手を突き出した。
「あの世で後悔するのね!!“大雷弾”!!!」
エピロが雷魔法を唱えると、両手から電気を帯びた巨大な弾が生成され、そのまま迫り来るゴルガ目掛けて放たれた。
「ゴルガさん!!」
「当たった!!これで終わりよ!!」
「グッ……コ、コレクライノイタミ……ガマンデキル!!」
「な、何ですって!!?」
放たれた巨大な電気の弾は、見事ゴルガに命中したが、ゴルガはその痛みを耐え抜き、勢いを落とさずにエピロの元まで迫った。
「クラエ!!グォオオオオオオ!!!」
「し、しまっ……おげぇえええ!!!」
そして、巨大な拳を振り上げゴルガはエピロの腹部に拳を叩き込んだ。拳に叩かれたエピロは、そのまま勢い良く壁にめり込んだ。
「や、やりましたねゴルガさん!!ゴルガさんの根性が、この勝利を導きましたね!!」
「アリガトウリーマ、コレモオマエガオレヲシンジテ、ジュンスイヲカケテクレタオカゲダ」
「そ、そんな私は只、ゴルガさんが傷ついて欲しくなかったから……それで…………」
「…………」
リーマとゴルガの二人が、勝利の余韻に浸っている中、壁にめり込んでいたエピロは、壁が崩れたと同時に仰向けに倒れていく。
「(そんな……この私が負けた……そんな……そんなのあり得ない……エジタス様……私は……私は…………)」
薄れゆく意識の中、エピロはエジタスとの出来事を思い出していた。
“エジタス様。私、エジタス様の事を思うと胸がドキドキします。これが恋という奴なのですね!?”
“エピロさ~ん、考え過ぎですよ~。恐らく風邪でも引いたのでしょう。ゆっくり安静にしていて下さいね~”
“エジタス様、どうでしょうかこの服?胸が強調されて、とてもセクシーなんですけど、似合っていますか?興奮しましたか?”
“エピロさん、とてもよく似合っていますよ~。それと興奮はしませんからね~”
“エピロさん、あなたに頼みたい事があります”
“は、はい!!何なりとご命令下さい!!”
“実はクラウドツリーの頂上に、かつての仲間だった魔法使いの女性がいます。その彼女に弟子入りをし、内部から監視をする様にお願いします”
“分かりました!!必ず、エジタス様のご期待に添える様に頑張ります!!”
“えぇ、期待していますからね。しっかり監視をお願いしますよ”
“はい!!”
「(…………あれから千年……エジタス様のご期待に添える様、頑張って来た……もっと……エジタス様の為に働きたい……こんな所で倒れる訳には……いかない!!)」
仰向けに倒れる最中、エピロは目を見開くと、片足を一歩踏み出して倒れるの防いだ。
「まだだぁああああ!!!」
「「!!?」」
エピロの叫び声に、リーマとゴルガは動揺が隠せなかった。
「あんた達を、エジタス様の元に向かわせる訳にはいかない!!!」
そう言いながらエピロは、両腕を大きく広げた。
「“特雷弾”!!!」
「「!!!」」
エピロが雷魔法を唱えると、両腕に“大雷弾”よりも数千倍大きい弾が生成された。その大きさはゴルガを軽く越え、部屋の半分以上を埋め尽くす程であった。
「コ、コレホドノマリョクヲカンジタノハ……マオウサマイライダ……!!」
「これだけ離れているのに……肌が痺れています…………!!」
「きゃははは!!これこそが、私のエジタス様に対する想いそのもの!!…………うっ!?」
するとその時、エピロの両腕が“特雷弾”の熱に耐えきれず、肌を焼き始めた。
「うっ……くっ……!!」
「エピロさん!!もう止めて下さい!!このままでは、エピロさんの体が…………ゴルガさん!?」
エピロが苦しむ姿を見て、心配するリーマにゴルガが制止させる。
「ナニヲイッテモムダダ……」
「でも!!」
「アイツニモ……アイツノシンネンガアル……ユズレナイシンネンガ……ソレヲオレタチガ、ヒテイスルコトナドデキルハズモナイ…………」
「…………」
ゴルガの言い分は最もだった。自分達に真緒達と合流するという信念がある様に、エピロにもエジタスの命令を遂行するという信念がある。その信念を否定する程、リーマは愚か者では無い。
「こ、これで……今度こそ……終わりよ……!!」
「エピロさん……私、エピロさんの事……同じ魔法使いとして、誇りに思っていました……出会う時代が違えば、もしかしたら友達になれていたかもしれませんね…………」
リーマは一人、エピロの方へと歩み寄って行く。
「くたばれぇええええ!!!」
自身の体を傷つけながら、エピロは歩み寄って来るリーマ目掛けて、“特雷弾”を放とうとする。それに対して、リーマは鼻から大きく息を吸い込んだ。そして、口から叫び声をあげた。
「“きゃああああああああああああ!!!!!”」
「!!!」
音魔法。魔導書では無い、リーマ自身が唯一扱う事の出来る魔法。部屋全体が揺れ、その叫び声によってエピロの鼓膜は破れ、傷ついていた両腕の血管が裂けてしまい、血が吹き出した。
「あ……あ……ああ……」
“特雷弾”は支える両腕の力を失い、徐々に落ち始める。
「あぁ、エジタス様……申し訳ありません…………」
その言葉を最後に、エピロは自身の生成した“特雷弾”によって、死に絶えたのだった。
「さようなら……エピロさん……」
自身の勝利を確信していたエピロだったが、自身がダメージを負った事によりその確信が揺らぎ始めた。
「リーマ、ヤッタナ!!」
「はい、少し希望の光が見えて来ました!!」
反対にリーマとゴルガの消え掛かっていた希望の光が、魔法が当たった事により、再びその輝きを取り戻した。
「このまま一気に畳み掛けます!!“ピュア・ウォーターキャノン”!!」
すると、リーマの目の前に大きな水の塊が形成され、その塊はエピロ目掛けて放たれた。
「きっと、さっきのは何かの間違いよ……私が……この私がダメージを負う筈が無いわ!!“雷弾”!!」
リーマの魔法に対抗して、エピロは迫り来る水の塊に片手を突き出し、雷魔法を唱えた。すると掌から電気を帯びた弾が生成され、迫り来る水の塊目掛けて放った。
「な、何ですって!?がはぁ!!」
放たれた弾は、見事に水の塊に命中した。しかし水の塊は失速する事無く、その勢いのままエピロへと直撃した。
「イイゾ!!ソノチョウシダ!!」
「ごほっ!!がはぁ!!はぁ……はぁ……はぁ……」
二度に渡って、リーマの魔法をまともに食らってしまったエピロ。息を切らしながら、リーマとゴルガを睨み付ける様に立ち上がった。
「一度ならず二度までも……どう言う事……いったい何をしたの!?」
「何をした……別に大した事はしていません……只、水魔法で生成する水を“純水”に変化させただけです」
「じゅ、純水ですって……!?」
純水。それは通常の水とは異なる言わば、不純物が全く入っていない水の事を表す。また純水の性質として、電気を非常に通しにくい。その為、エピロの雷魔法に対して、純水に変化したリーマの水魔法は効果的である。
「もう、エピロさんの雷魔法は通用しませんよ」
「……なにそれ……純水に変換出来たからって、それで私の雷魔法が通用しない事にはならないわ!!」
その瞬間、エピロは自身の速度を雷並みに変化させ、その場から姿を消した。
「例え、あなたの水魔法が純水に変化したとしても、私の速度には反応出来ないでしょ!!」
「リーマ、ウシロダ!!」
雷並みの速度で移動したエピロは、リーマの背後に回り込み、リーマに向けて片手を突き出した。
「焼け死になさい!!“雷弾”!!」
エピロの掌から、電気を帯びた弾がリーマ目掛けて放たれた。
「“ピュア・ウォーターアーマー”」
「「!!!」」
するとリーマの体を、純水がまるで鎧の様に包み込んだ。それによって、エピロが放った雷魔法が直撃するも、リーマには全くダメージは入らなかった。
「確かに、今の私ではエピロさんの速度に追いつくのは不可能です。ですが、対策は出来ます。魔法は想像力、なれば土の鎧同様に水でも鎧が出来るのではないかと考えました」
「だからと言って、そんなぶっつけ本番で試みるだなんて……正気なの!?」
失敗する可能性も充分にあり得た。しかし、それを恐れずに挑戦したリーマ。そんなリーマの勇気ある行動がエピロには理解出来なかった。
「グォオオオ!!リーマカラ……ハナレロ!!」
「っ!!」
リーマの“ピュア・ウォーターアーマー”に気を取られていると、その真横からゴルガがエピロ目掛けて、拳を叩き込んで来た。
「…………クソ……ノガシタカ……」
しかし、エピロは持ち前の反射神経を生かして、ゴルガの攻撃を回避した。
「ゴルガさん!!その腕では危険です!!ここは私に任せて下さい!!」
「……イヤ、オレモイッショニタタカウ……」
リーマは、片腕を失ったゴルガを心配して、一旦身を引く様に声を掛けるが、ゴルガは一緒に戦うと公言した。
「ですが……!!」
「リーマ……オレハナサケナイ……」
「えっ…………?」
「ゴーレムトシテ、スサマジイチカラトカタサガ、ジマンデアッタノニ、イマノオレハマッタク、リーマノヤクニタッテイナイ…………」
「ゴルガさん…………」
「調子に乗ってるんじゃないわよ!!!」
「「!!!」」
そんな中、エピロがリーマとゴルガの二人に声を荒げながら叫んだ。
「年長者として、少しは手加減してあげようと思っていたけど、その必要も無さそうね!!あんた達はここで、跡形も無くなる程に消し去ってあげるわ!!」
そう言うとエピロは今までと違い、両手をリーマとゴルガに突き出した。
「消えて無くなりなさい!!“大雷弾”!!」
するとエピロの両手から、“雷弾”の時より数百倍大きい弾が放たれた。
「避けて!!」
「グッ……!!」
リーマの咄嗟の呼び掛けに、ゴルガは迫り来る巨大な弾を避ける事が出来た。しかしその代わりに、リーマが食らってしまった。
「うっ……きゃああああ!!!」
「リーマ、ダイジョウブカ!!?」
「え、えぇ……何とか……鎧のおかげで助かりました……」
「あははは!!どうやら“大雷弾”程の電力なら、純水であろうとも電気を通す様だね!!これで分かっただろう、この世には完全に電気を通さない物は存在しない。あんたの純水も、あくまでも通しにくくなっているだけ、絶対に通らない訳ではないのさ!!」
早くも弱点を見抜かれてしまった。リーマの純水は、あくまでも電気を“通しにくい”という性質、完全に電気を通さない訳では無いのだ。
「不味いですね……もう一度あんな電気を食らってしまったら……」
「リーマ、オレノカラダニ、ジュンスイヲカケテクレ……」
「ゴルガさん!?いったい何をするつもりなんですか!?無茶は止めて下さい!!」
次食らったら終わり、そんな状況下でゴルガが、リーマに純水を掛けて欲しいと申し出た。しかし、無茶をしようとしているのは明確であった。その為、リーマはゴルガの申し出を断った。
「…………オトコニハ……ヤラネバナラヌトキガアル……」
「……ゴルガさんはゴーレムだから、性別は無いですよね?」
「…………タノム……」
「…………分かりました。けど、無理だと思ったらすぐに逃げて下さいね。“ピュア・ウォーター”」
ゴルガの覚悟に、リーマは半ば納得すると、ゴルガの体に純水を掛けた。
「さぁ……出来ましたよ」
「カンシャスル…………デハ、イッテクル!!!」
一言礼を述べると、ゴルガはエピロに向かって走り出した。
「あははは!!そんな事をしても無駄よ!!本気の私を倒すだなんて、あんた達には不可能なのよ!!」
迫り来るゴルガに向けて、エピロは両手を突き出した。
「あの世で後悔するのね!!“大雷弾”!!!」
エピロが雷魔法を唱えると、両手から電気を帯びた巨大な弾が生成され、そのまま迫り来るゴルガ目掛けて放たれた。
「ゴルガさん!!」
「当たった!!これで終わりよ!!」
「グッ……コ、コレクライノイタミ……ガマンデキル!!」
「な、何ですって!!?」
放たれた巨大な電気の弾は、見事ゴルガに命中したが、ゴルガはその痛みを耐え抜き、勢いを落とさずにエピロの元まで迫った。
「クラエ!!グォオオオオオオ!!!」
「し、しまっ……おげぇえええ!!!」
そして、巨大な拳を振り上げゴルガはエピロの腹部に拳を叩き込んだ。拳に叩かれたエピロは、そのまま勢い良く壁にめり込んだ。
「や、やりましたねゴルガさん!!ゴルガさんの根性が、この勝利を導きましたね!!」
「アリガトウリーマ、コレモオマエガオレヲシンジテ、ジュンスイヲカケテクレタオカゲダ」
「そ、そんな私は只、ゴルガさんが傷ついて欲しくなかったから……それで…………」
「…………」
リーマとゴルガの二人が、勝利の余韻に浸っている中、壁にめり込んでいたエピロは、壁が崩れたと同時に仰向けに倒れていく。
「(そんな……この私が負けた……そんな……そんなのあり得ない……エジタス様……私は……私は…………)」
薄れゆく意識の中、エピロはエジタスとの出来事を思い出していた。
“エジタス様。私、エジタス様の事を思うと胸がドキドキします。これが恋という奴なのですね!?”
“エピロさ~ん、考え過ぎですよ~。恐らく風邪でも引いたのでしょう。ゆっくり安静にしていて下さいね~”
“エジタス様、どうでしょうかこの服?胸が強調されて、とてもセクシーなんですけど、似合っていますか?興奮しましたか?”
“エピロさん、とてもよく似合っていますよ~。それと興奮はしませんからね~”
“エピロさん、あなたに頼みたい事があります”
“は、はい!!何なりとご命令下さい!!”
“実はクラウドツリーの頂上に、かつての仲間だった魔法使いの女性がいます。その彼女に弟子入りをし、内部から監視をする様にお願いします”
“分かりました!!必ず、エジタス様のご期待に添える様に頑張ります!!”
“えぇ、期待していますからね。しっかり監視をお願いしますよ”
“はい!!”
「(…………あれから千年……エジタス様のご期待に添える様、頑張って来た……もっと……エジタス様の為に働きたい……こんな所で倒れる訳には……いかない!!)」
仰向けに倒れる最中、エピロは目を見開くと、片足を一歩踏み出して倒れるの防いだ。
「まだだぁああああ!!!」
「「!!?」」
エピロの叫び声に、リーマとゴルガは動揺が隠せなかった。
「あんた達を、エジタス様の元に向かわせる訳にはいかない!!!」
そう言いながらエピロは、両腕を大きく広げた。
「“特雷弾”!!!」
「「!!!」」
エピロが雷魔法を唱えると、両腕に“大雷弾”よりも数千倍大きい弾が生成された。その大きさはゴルガを軽く越え、部屋の半分以上を埋め尽くす程であった。
「コ、コレホドノマリョクヲカンジタノハ……マオウサマイライダ……!!」
「これだけ離れているのに……肌が痺れています…………!!」
「きゃははは!!これこそが、私のエジタス様に対する想いそのもの!!…………うっ!?」
するとその時、エピロの両腕が“特雷弾”の熱に耐えきれず、肌を焼き始めた。
「うっ……くっ……!!」
「エピロさん!!もう止めて下さい!!このままでは、エピロさんの体が…………ゴルガさん!?」
エピロが苦しむ姿を見て、心配するリーマにゴルガが制止させる。
「ナニヲイッテモムダダ……」
「でも!!」
「アイツニモ……アイツノシンネンガアル……ユズレナイシンネンガ……ソレヲオレタチガ、ヒテイスルコトナドデキルハズモナイ…………」
「…………」
ゴルガの言い分は最もだった。自分達に真緒達と合流するという信念がある様に、エピロにもエジタスの命令を遂行するという信念がある。その信念を否定する程、リーマは愚か者では無い。
「こ、これで……今度こそ……終わりよ……!!」
「エピロさん……私、エピロさんの事……同じ魔法使いとして、誇りに思っていました……出会う時代が違えば、もしかしたら友達になれていたかもしれませんね…………」
リーマは一人、エピロの方へと歩み寄って行く。
「くたばれぇええええ!!!」
自身の体を傷つけながら、エピロは歩み寄って来るリーマ目掛けて、“特雷弾”を放とうとする。それに対して、リーマは鼻から大きく息を吸い込んだ。そして、口から叫び声をあげた。
「“きゃああああああああああああ!!!!!”」
「!!!」
音魔法。魔導書では無い、リーマ自身が唯一扱う事の出来る魔法。部屋全体が揺れ、その叫び声によってエピロの鼓膜は破れ、傷ついていた両腕の血管が裂けてしまい、血が吹き出した。
「あ……あ……ああ……」
“特雷弾”は支える両腕の力を失い、徐々に落ち始める。
「あぁ、エジタス様……申し訳ありません…………」
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