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最終章 笑顔の絶えない世界
ぶつかり合う感情
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「最後の希望って……いったい何だよ?」
「……恐らく、今の師匠には並大抵のスキルや魔法は通用しません……あの巨体な体から発せられる衝撃波によって、全て掻き消されてしまうでしょう……ですが、それは各々が放った場合です」
「つまり……私達それぞれのスキルや魔法を組み合わせて放つという事ですか?」
人魚の女王の答えに対して、真緒は静かにゆっくりと首を横に振った。
「組み合わせるにしても、必ず限界があります。私の言う最後の希望とは、そうした限界が無い物です」
「それで……それはいったい……」
「……私には、皆さんの感情を一纏めにして放つ事の出来るスキルを持っています」
「「「……“フィーリングストライク”」」」
ハナコ、リーマ、フォルス。真緒と旅を供にして来た三人が、その答えに辿り着いた。
「何だよそれ?」
そんな中、ジェドが“フィーリングストライク”の詳細を問い掛ける。
「“フィーリングストライク”はこの純白の剣に、特定の感情を注ぎ込んで放つスキル。その威力は、人数が多ければ多い程に高まります」
「つまり人数さえいれば理論上、無限に威力を高められる……という事ですか?」
「……はい、その通りです」
「ほほ。それは凄い。そのスキルを使えば……「只……」……?」
唯一残された最後の希望に、ジェド達が歓喜する中、真緒が不安の声を発する。
「注ぎ込む感情が全員一致しなければ、その真価を発揮する事は出来ません……そこで皆さんにお願いがあります!!」
「ど、どうした?急に改まったりして……」
危機的状況の中、真緒の改まった態度に対して、ジェド達は困惑の表情を浮かべていた。
「師匠を助けたいという感情を……私の純白の剣に注ぎ込んで欲しいんです!!」
「「「「!!!」」」」
その瞬間、ジェド達は押し黙った。頭を下げてまで頼む真緒の申し出に、誰一人として声を上げる事は無かった。
「お願いします!!」
真緒は再び深く頭を下げる。
「「「「…………」」」」
だがしかし、真緒の誠意も虚しくジェド達は一言も言葉を発せず、目を合わせない様にその場で俯いてしまった。
「お願いします!!」
「「「「…………」」」」
三度、深く頭を下げる。しかし誰一人として言葉を発しなかった。真緒の言葉だけが周囲に響き渡る。
「皆さん…………」
「無駄だよ……マオ……」
「…………サタニア」
非協力的なジェド達に、何度も頭を下げようとする真緒。そんな真緒の肩に、サタニアの手が乗せられる。真緒が、視線をサタニアの方に向けると、サタニアは残念そうな表情を浮かべていた。
「この人達とのやり取りを見れば、どれだけ信頼されているのか分かる……だけど、この人達がここまでしてくれているのはマオ……君だけの為だよ……」
「…………」
薄々、気がついていた。だが認めたくなかった。皆がここまで頑張ってくれていたのは、あくまで恩返しであるという事を。そして元よりエジタスを助ける気など皆無である事を……。
「……君達が本当にマオの為に動いているのなら……マオのやろうとする事に協力するべきじゃないかな?」
「「「「…………」」」」
「肝心な時に非協力的になるなんて……ちょっと自己中心的だよ……君達は、本当にマオの為に動いているの?」
「「「「…………」」」」
サタニアの皮肉が効いた言葉攻めは、ジェド達の心に深く突き刺さる。
「…………殺意じゃ……駄目か?」
「「えっ?」」
そんな中、スゥーが静かに口を開いた。それは、ジェド達の気持ちを代弁した素直な言葉であった。
「あなたの言う通り……私達に“あいつ”を助けたいという感情は無い……」
「…………」
「だけど……“あいつ”を殺したいという感情は全員持ち合わせている……この世界を混乱に陥れている元凶を、このまま見過ごす訳には行かないからね」
綺麗事では世界を救えない。ジェド達は、一致するであろう殺意という感情でエジタスを倒そうと提案する。
「…………駄目だよ」
「マオ……気持ちは分かるけ「駄目だよ!!絶対に駄目!!」……どうして!!?」
スゥーの提案を、大声で否定する真緒。頭ごなしの否定に苛立ちを覚えたスゥーは、真緒に激しい剣幕で問い掛ける。
「……殺意では……勝てません……」
「えっ?」
「殺意では……師匠に勝つのは不可能です……師匠の殺意は、私達が束になっても敵いません……」
「…………」
数十人近くいるこちらに対して、たった一人だけのエジタス。この人数差にも関わらず、殺意での感情においては束にしても敵わないと断言する。そんな真緒の発言に、信じられない様子のスゥー。
「マオの言う通りだよ」
真緒の言い分を肯定する様に、サタニアはスゥー達に話し掛けて来た。
「エジタスは二千年間ずっと、この世界の現状に不満を抱いていた。そしてその不満は僕達と渡り合った事で、そっくりそのまま殺意へと変化した。君達には悪いけど、僕も殺意ではエジタスに勝つのは不可能だと思う」
「で、でもだからって……」
「あぁー、ぐちぐちぐち……うるさい奴らだな!!」
サタニアの話に、尚も突っ掛かろうとするスゥー達。そんな中、痺れを切らしたシーラが頭を掻きながら大声を上げる。
「魔王様が、殺意では不可能って言っているんだ。だったら、他の感情で立ち向かうしか無いだろう……まぁ、端から殺意なんかじゃ、エジタスの奴を倒せないと思っていたけどな」
そう言うとシーラは、マオの目の前に移動した。仁王立ちする彼女に対して、真緒は息を飲み込む。
「協力するぜ……勇者」
「…………えっ?」
予想外の言葉に一瞬、思考が停止してしまった真緒。
「だから……協力してやるって言ってんだよ……お前の剣に、私の……エジタスの奴を救いたい感情を注いでやる」
「ほ、本当ですか!!?」
改めて協力すると発言したシーラに、真緒は喜びのあまり、大きな声を張り上げる。
「あぁ、騙された分の借りが、まだ返して貰っていないからな」
そう言うとシーラは、純白の剣に向けて自身の感情を注ぎ始めた。純白の剣が光輝く。
「勿論、僕も協力するよ!!」
「サタニア……ありがとう!!」
シーラに続き、さも当然の様にサタニアも真緒の協力を申し出た。サタニアの感情が純白の剣に注ぎ込まれ、より一層輝きが増した。
「魔王様が協力するなら、私達も協力しない訳には行きません」
「センセイニタイスル、オレタチノカンジョウ、オマエニタクソウ」
魔王であるサタニアが協力する事により、配下であるクロウトとゴルガも真緒の協力に申し出た。二人の感情が、純白の剣に注ぎ込まれる。
「あ、ありがとうございます!!」
「当然、俺達も手伝うぞ」
「私達は一心同体、マオさんの感情は私達の感情です」
「マオぢゃん、オラ達の感情も使っでぐれだぁ」
そして当たり前の様にフォルス、リーマ、ハナコの三人も真緒の協力に申し出た。三人の感情が純白の剣に注ぎ込まれる。純白の剣は、これまで類を見ない程、光輝いていた。
「皆……ありがとう!!……よし、私も……」
お礼ばかり言ってはいられない。まだ、自身の感情を注ぎ込んでいない。真緒は柄を強く握り直し、純白の剣に自身の感情を注ぎ込む。注ぎ込まれた感情により、純白の剣の光は強く光輝き始めた。
「さてと……これで残るはお前達だけになったぜ?」
「「「「…………」」」」
沈黙。真緒達、サタニア達の視線がスゥー達に突き刺さる。
「……ほほ、そうだな……若い世代が名乗り出てくれたんだ……ワシ達、年長者達が手を貸さんでどうする……なぁ、そうだろう?」
沈黙を破ったのは、鳥人族の族長だった。族長の問い掛けにトハ、ビント、クク、他の鳥人族全員が首を縦に振る。その瞬間、純白の剣の光が更に強くなった。
「かぁー、先に言われちまったな……まぁ、協力するのに順番も何も関係無いよな……マオ!!俺達、ジェド海賊団も協力するぜ!!」
「“旅は道連れ世は情け”、私達人魚も最後までお供します」
族長の言葉を皮切りに、ジェド率いる海賊団と人魚の女王率いる人魚達全員が、真緒の協力に申し出た。純白の剣の輝きが鮮烈され始める。
「…………」
「それで……お前はどうするんだ?」
最後に残ったスゥー。他の者達が真緒に協力を申し出る中、未だに一人だけ申し出る事が出来ずにいた。そんなスゥーにジェドが問い掛ける。
「別に無理にとは言わない……だが、少しでもエジタスに対する良心が残っているのなら……「あぁ、もう!!分かりました分かりましたよ!!」……!?」
ジェドが説得を試みようとすると、突然大声を上げたスゥー。
「仕方無いから協力するわ。でも、勘違いしないで、私は“あいつ”を救いたいから救うんじゃない……罪を償わせたいから救うんだからね!!」
「スゥーさん……ありがとうございます!!」
素直になれないスゥーは、ふてくされた態度を取りながらも、真緒の純白の剣に感情を注ぎ込んだ。純白の剣の光がより一層、強く輝きを放ち始める。
「これが……私達全員の感情を一つにした結果……」
「凄いだぁ……今までに無い程の強ざを感じるだぁ……」
「「…………」」
「魔王様……?」
「マオ……どうかしたのか?」
仲間達の感情を集結させたのにも関わらず、真緒とサタニアは浮かない顔であった。
「確かに……今までに無い程の強さは感じる……だけど……」
「この強さで、エジタスを止められるかどうかを考えると……少し不安が残る……」
心許ない。これまでのエジタスの強さを考慮すると、これだけの強さで止められるかどうか非常に怪しい。その怪しさが、真緒とサタニアの不安を煽った。
「そうは言っても……これ以上、感情を注ぎ込める奴なんて……!!?」
周囲の不安が高まりそうになったその時、純白の剣の光が一段と輝きを放ち始めた。
「こ、これはいったい…………!?」
「やれやれ……エジタスを殺すつもりで蘇ったのに……まさか助ける事になるなんて……私って奴は運が無いね」
聞き覚えのある声。真緒達は、咄嗟に声のした方向に顔を向ける。
「「「「ア、アーメイデさん!!?」」」」
そこに立っていたのは、エジタスに腹を貫かれた筈のアーメイデであった。腹の穴からは、大量の青白い光が漏れ出ていた。また、貫かれた腹から広がる様に、体全体の皮膚がひび割れ始めていた。そして、皮膚の中は腹の穴と同様に青白い光が漏れ出ていた。
「アーメイデさん……その姿は……」
「あぁ、もうあまり時間が無いみたいね……」
そう言いながらアーメイデは、青白い光が漏れ出ている自身の体を見つめる。そしてゆっくりと真緒達の方へと顔を向ける。
「残された時間で何が出来るのか……私なりに出した答えが、その“剣”に注ぎ込んだ感情さ」
「アーメイデさん……」
アーメイデが注ぎ込んだ感情によって純白の剣は、只眩しいだけでは無く、とても暖かい優しい光を放つ様になった。
「行ける……この強さなら……師匠を止める事が出来ます!!」
全員の目に希望の光が灯る。
「…………だが……」
そんな中、水を差す様にフォルスが否定的な言葉を発する。全員の目線が、フォルスに集中する。
「充分な力は手に入ったが、エジタスさんの所まで、いったいどうやって飛んで行くつもりなんだ?」
「えっ……それは勿論、マオさんの“虚空”の力で……」
「ごめん……“虚空”の使用時間、切れちゃってるんだ……」
「えっ!?」
一日に使える“虚空”の使用時間、十分。真緒はもう既に飛べなくなっていた。
「それなら、僕の“翼”でマオをエジタスの所まで届けるよ!!」
そう言うとサタニアは、スキル“エンジェルウィング”を発動させる。サタニアの背中から、白い翼が生えて来る。
「……エジタスさんは、地上に向けて凄まじい速度で落下している……例えマオを運べたとしても、エジタスさんから発せられる衝撃波によって、近付いた瞬間全て吹き飛ばされてしまうだろう……」
「つまり……その衝撃波に負けない威力で、あなた達の勇者をエジタスの元まで飛ばさないといけない……そう言う訳ですか」
「あぁ……」
「そんな…………」
クロウトの冷静な分析に頷くフォルスに、サタニアは落胆してしまった。
「サタニア……そんなに落ち込まなくても大丈夫だよ」
落ち込み俯いてしまったサタニアに、真緒が優しい言葉を投げ掛ける。
「マオ…………」
「だって今ここには、沢山の仲間達がいるんだよ。皆で力を合わせれば、出来ない事は無いよ」
そう言うと真緒は、その場にいる全員を手招きして、一ヶ所に集め始めるのであった。
***
そんな真緒達が話し合っている中、遥か上空ではエジタスが巨大な隕石となって、地上に向けて落下していた。
「(吐き気がする……大声でペラペラ……相手に聞こえる程の大声で話し合うな。蛆虫どもが……)」
真緒達の作戦は、全て丸聞こえであった。スゥー達を説得する為とは言え、あんな大声で話していれば、嫌でも耳に入って来てしまう。
「(この俺を助けたい……その為に力を貸して欲しい……あぁ、気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い……)」
テープレコーダーの様に、同じ言葉を繰り返すエジタス。しかし、その言葉は決して機械的では無く、確りと殺意が込められていた。
「(大きな障害も、皆の力を合わせれば乗り越えられる……そんなのは、あくまで理想に過ぎない!!結局、一番重視されるのは自分自身!!他人なんて二の次!!協力なんて言葉は存在しない!!)」
真緒達、サタニア達に対する怒りから、地上に向けて落下する威力と速度が高まる。
「(大体、遅いんだよ!!何もかもが!!俺が巨大化した時にでも、肉を削り落とした時にでも、“フィーリング・ストライク”を放つ機会は幾らでもあった!!それを今更、自分達の命が危うくなっているから放とうだなんて……調子がよすぎるんだよ!!)」
エジタスの、更なる怒りが落下する威力と速度を高まらせる。
「(どうせ、全てが終わったら皆で手を取り合ってこう言う『上手く行ったのは、皆で力を合わせたからだよ』……浅い!!浅いぬるま湯に浸かっている気分だ!!肩を寄せ合い、苦労を労う……甘ったるい!!現実は甘くないんだよ!!現実はいつも辛く、厳しく、残酷な物なんだよ!!)」
エジタスは真緒達、サタニア達の想いが浅く生ぬるいと罵倒する。
「(俺は二千年間ずっと、この世界を笑顔の絶えない世界にしたいと望み、下準備を整えて来た!!お前らの数時間ぽっちの望みとは天と地の差があるんだよ!!)」
“……に……ん……なの?”
「(な、何だ!!?)」
その時、何処からか声が聞こえて来た。遠くでは無い、ハッキリと耳元で囁く様に聞こえた。
「(誰だ!!何処にいる!?)」
辺りを見回すも、近くには誰もいなかった。それもその筈、現在エジタスは隕石となって地上に向けて落下している。そんなエジタスの側にいれば、熱と衝撃波により一瞬にして、消し炭になってしまう。
“本……に……れを望んで……るの?”
「(!!?)」
また聞こえた。先程よりもハッキリとした言葉で。エジタスは、静かにゆっくりと耳を傾ける。
“本当にそれを望んでいるの?”
「(こ、これは!!?)」
そのフレーズには聞き覚えがあった。隕石として落下する直前、地上でスゥーに問い掛けられた内容と、酷似していたのだ。
「(だが……この声は……)」
しかしその声はスゥーでは無かった。もっと若々しい。まるで少年の様な声をしていた。
“君は本当に、“笑顔の絶えない世界”を望んでいるの?”
「(…………黙れ)」
エジタスは、その声に聞き覚えがあった。しかし、敢えて触れずに黙らせた。そして地上に向けての落下に全神経を集中させる。
「(最後に笑うのは……この俺だ……)」
***
「皆!!準備は良い!!?」
一方、地上では真緒が仲間達に準備は整ったのか確認していた。真緒の側にはサタニア、フォルス、シーラの三人しかいなかった。
「マオぢゃん!!オラ達の方は準備バッヂリだぁ!!」
真緒の確認に答える様に、ハナコとゴルガが少し離れた位置で手を振っている。
「マオさん!!私達の方も準備万端です!!」
続けてリーマも少し離れた位置で、準備が整った事を知らせて来た。その周りにはアーメイデを始め、クロウト、スゥー、鳥人族、ジェド海賊団と人魚達が待機していた。
「……フォルスさん達も準備は大丈夫ですか?」
「あぁ……任せろ」
「いつでも行けるぜ」
そう言うとフォルスは、鉤爪で真緒の肩を掴み翼を大きく広げた。またシーラも、サタニアの脇の下に腕を差し込み、確りと掴み背中の翼を大きく広げた。
「……サタニア、覚悟はいい?」
「そんなの……言われるまでも無いよ!!」
「そうだよね……」
サタニアの覚悟を受け取った真緒は、ゆっくりと目を閉じて深呼吸をする。自身の覚悟を固める為に…………。
「……よし!!皆、作戦開始!!」
そして勢い良く目を見開き、仲間達全員に作戦開始の合図を送った。
「まずは土台作りから……スゥーさん!!」
「今、やってるよ!!」
作戦開始の合図と同時に、スゥーが巨大な氷の土台を生成していた。
「簡単そうに見えるけど、結構MP消費するんだからね!!」
「お手伝いします!!」
するとクロウトがスゥーの背中に、両手を乗せて来た。その瞬間、クロウトのMPがスゥーの方へと流れ込み始めた。
「あ、あんた……」
「昔、サタニア様に“魔力譲渡”を教わった時期がありました。だけど、私のMPが極端に少ない問題から、使う機会は来ないだろうと思っていました。それがこんな形で役に立つだなんて……人生、何が起こるのか分かりませんね」
「全く……その通りだね」
クロウトの“魔力譲渡”により、追加のMPを得たスゥーは、氷の土台生成を急ピッチで進めた。
「よし、完成だ!!後は頼んだよ伝説の魔法使いさん!!」
「言われなくても、分かっているよ!!」
巨大な氷の土台が完成すると、スゥーは大声で待機していたアーメイデに、合図を送った。
「“クリスタルハンド”」
その瞬間、地面の中から結晶型の巨大な両腕が生えて来た。その大きさは、生成した巨大な氷の土台に匹敵する大きさであった。
「はぁ……はぁ……」
残された時間の中、アーメイデは息遣いを荒くしながら、結晶型の巨大な両腕を操り、生成した巨大な氷の土台を持ち上げた。
「はぁ……はぁ……ほら!!あんた達、速く乗りなさい!!」
「マオ、行くぞ」
「はい」
「魔王様、確りと掴まって下さいね」
「分かったよ」
すると真緒、サタニアを掴んでいるフォルスとシーラは翼を羽ばたかせ、空中へと舞い上がる。そして、アーメイデが持ち上げた巨大な氷の土台の上へと移動した。
「アーメイデさん!!移動完了しました!!」
「了解!!それじゃあ、思い切り行かせて貰うよ!!舌を噛まない様に注意しなさい!!」
そう言うとアーメイデは、持ち上げた巨大な氷の土台を、遥か上空にいるエジタス目掛けて勢い良く投げ飛ばした。
「「「「ぐ……ぐぐっ!!」」」」
巨大な氷の土台の上に立っている四人の全身に、倍以上の重力が重くのし掛かる。
「……来だだぁ!!ゴルガざん、よろじぐお願いじまずだぁ!!」
「ワカッタ……」
そんな巨大な氷の土台が、ハナコとゴルガの真上を通り過ぎ様としていた。するとハナコは、ゴルガに声を掛ける。その声に反応する様に、ゴルガはハナコを掌に乗せた。
「まだだぁ……まだだぁ……今だぁ!!」
「ウォオオオオオ!!!」
真緒達、サタニア達を乗せた巨大な氷の土台がハナコ達の真上を通り過ぎたその瞬間、ハナコの合図と共にゴルガは通り過ぎた巨大な氷の土台目掛けて、掌に乗ったハナコを勢い良く投げ飛ばした。
「ぐぐぐ……マ、マオぢゃん……い、行ぐだよぉ……」
ゴルガに投げ飛ばされたハナコと、巨大な氷の土台の上に乗っている真緒達、サタニア達が丁度重なり合う。そして飛ばされたハナコは、重なった巨大な氷の土台の背後目掛けて、両腕を引いて構える。
「スキル“インパクト・ベア”!!」
ハナコの放った渾身の一撃が真緒達、サタニア達を乗せた巨大な氷の土台を更に高く打ち上げさせる。
「後は頼んだだよぉ!!」
そう言いながらハナコは、地上へと落下していく。役目を終えて、落下していくハナコはゴルガに優しく受け止められた。
「うぐっ……か、体がバラバラになりそうだ……」
「こ、これ位……我慢しろ……」
アーメイデの投げ飛ばしに、ハナコの後ろからの支援。四人に更なる負荷が襲い掛かる。特に翼を広げているフォルスとシーラへの負荷は計り知れない。
「も、もうすぐ……最頂点に到達する筈だよ……」
「あ、合図を送らないと……“ライト”!!」
体に掛かる負荷に耐えながら、真緒は掌から光輝く玉を生成した。その光によって、地上に残っている者達に合図を送った。
「合図です!!女王様、行きますよ!!」
「分かりました!!あなた達も、準備は良いですね!?」
「「「「「はい!!」」」」」
真緒からの合図を受け取ったリーマは、人魚の女王及び人魚達と供に、一斉に魔法を唱える。
「「“タイダルウェイブ”!!」」
リーマと人魚の女王達の魔法により、巨大な津波が生成された。そしてその津波は真緒達、サタニア達の方では無く、向かい側に立っていたジェド達目掛けて押し寄せる。
「ジェドさん!!後はよろしくお願いします!!」
「任せろ!!さぁ、お前ら!!一生にあるかないかの大一番!!ここで失敗すれば男が廃る!!失敗は許されない……分かってるな!!」
「「「「「おぉ!!」」」」」
「ほほ。それじゃあ、ワシ等も全力を尽くそうかの……頑張ろうなドラゴン?」
「グォオオオオオ!!!」
「あんた達、分かってるだろうね!!鳥人族の意地を……空の支配者の実力を見せてやるんだよ!!」
「「「「「はい!!」」」」」
迫り来る巨大な津波。ジェド海賊団は、それぞれ腰に携えた剣を引き抜き、鳥人族達はドラゴンと供に大きく翼を広げて、迫り来る巨大な津波を迎え撃った。
「「「「「“ウィンド”!!」」」」」
ジェド達、鳥人族達が放った風魔法が巨大な津波を巻き上げた。水と風、二種類の魔法が組合わさり、より強大な魔法へと変化した。その姿はまるで、大量に水を含んだ巨大な竜巻であった。
「よし!!上手く行ったぞ!!」
「速く!!その竜巻をマオさんの元へ!!」
リーマに急かされながら、ジェド達は巻き上げた巨大な竜巻を、エジタス目掛けて飛んでいる真緒達、サタニア達に向けて運んで行く。
「ぐぐっ……!!体に掛かる負荷が弱まって行くのを感じる……勢いが無くなって来ているぞ!!」
地上に向けて落下して行くエジタス目掛けて飛んでいた真緒達、サタニア達。そんな中、フォルスが体に掛かる負荷が弱まっている事を感じ取る。もうすぐ、巨大な氷の土台が最頂点に到達する。
「後ろからの支援はまだ来ないのか!!?」
「もうすぐの筈……あっ!!来た!!」
焦るシーラを尻目に、聞き耳を立てる真緒。すると下の方から吹き荒れる風の音と流れる水の音が聞こえて来た。
「マオさん!!お待たせしました!!」
「お前ら、後は頼んだぞ!!」
リーマとジェドの声を聞きながら、四人を乗せた巨大な氷の土台は、巨大な竜巻によって更に押し上げられる。
「ぐぐぐ……も、もうすぐだ……み、見えて来たぞ!!」
「デ、デカイ……今までの大きさとは比較にならないぞ……」
そして遂に真緒達、サタニア達は地上に向けて落下して行くエジタスの近くまで辿り着いた。それと同時に、押し上げていた竜巻の効力が切れる。
「竜巻が消えた!!いよいよ大詰めだ!!行くぞマオ!!」
「はい!!」
「魔王様、準備はよろしいですか?」
「いつでも大丈夫だよ!!」
真緒とサタニアの言葉を機に、フォルスとシーラは巨大な氷の土台を蹴り上げ、同時に飛び上がった。
「「ぐぉおおおおおお!!!」」
真緒とサタニア、それぞれを掴みながら飛んでいるフォルスとシーラ。体に掛かる負荷に耐えながら、己の限界まで飛び上がる。
「も、もうこれ以上は……そ、そろそろマオを投げる……シーラの方はどうだ……?」
「ざ、残念だが……わ、私も……これ以上はキツイ……魔王様……後はよろしくお願いします……」
「皆、ここまで運んでくれてありがとう……最後は私達で決着を着けます!!」
「皆の想い……絶対無駄にしない!!必ずエジタスを助け出して見せるよ!!」
「「それじゃあ行くぞ!!せーの!!」」
限界まで飛び上がったフォルスとシーラは、掴んでいた真緒とサタニアをエジタス目掛けて同時に投げ飛ばした。
「スキル“エンジェルウィング”!!」
投げ飛ばされたその瞬間、サタニアは“エンジェルウィング”を発動させ、背中から白い翼を生やした。そして生やした翼を羽ばたかせて、一緒に投げ飛ばされた真緒を抱き抱えた。
「マオ、行くよ!!」
「うん!!私達で全てを終わらせよう!!」
「「はぁあああああ!!!」」
真緒とサタニアは自身の両手を、皆の感情が一つになった純白の剣の柄に伸ばして強く握り締める。そして、地上に向けて落下して行くエジタス目掛けて突き出した。
「「スキル“フィーリング・ストライク”!!!」」
愛する人を助けたいという感情と、世界を平和にしようとする感情が勢い良くぶつかり合う。
「……恐らく、今の師匠には並大抵のスキルや魔法は通用しません……あの巨体な体から発せられる衝撃波によって、全て掻き消されてしまうでしょう……ですが、それは各々が放った場合です」
「つまり……私達それぞれのスキルや魔法を組み合わせて放つという事ですか?」
人魚の女王の答えに対して、真緒は静かにゆっくりと首を横に振った。
「組み合わせるにしても、必ず限界があります。私の言う最後の希望とは、そうした限界が無い物です」
「それで……それはいったい……」
「……私には、皆さんの感情を一纏めにして放つ事の出来るスキルを持っています」
「「「……“フィーリングストライク”」」」
ハナコ、リーマ、フォルス。真緒と旅を供にして来た三人が、その答えに辿り着いた。
「何だよそれ?」
そんな中、ジェドが“フィーリングストライク”の詳細を問い掛ける。
「“フィーリングストライク”はこの純白の剣に、特定の感情を注ぎ込んで放つスキル。その威力は、人数が多ければ多い程に高まります」
「つまり人数さえいれば理論上、無限に威力を高められる……という事ですか?」
「……はい、その通りです」
「ほほ。それは凄い。そのスキルを使えば……「只……」……?」
唯一残された最後の希望に、ジェド達が歓喜する中、真緒が不安の声を発する。
「注ぎ込む感情が全員一致しなければ、その真価を発揮する事は出来ません……そこで皆さんにお願いがあります!!」
「ど、どうした?急に改まったりして……」
危機的状況の中、真緒の改まった態度に対して、ジェド達は困惑の表情を浮かべていた。
「師匠を助けたいという感情を……私の純白の剣に注ぎ込んで欲しいんです!!」
「「「「!!!」」」」
その瞬間、ジェド達は押し黙った。頭を下げてまで頼む真緒の申し出に、誰一人として声を上げる事は無かった。
「お願いします!!」
真緒は再び深く頭を下げる。
「「「「…………」」」」
だがしかし、真緒の誠意も虚しくジェド達は一言も言葉を発せず、目を合わせない様にその場で俯いてしまった。
「お願いします!!」
「「「「…………」」」」
三度、深く頭を下げる。しかし誰一人として言葉を発しなかった。真緒の言葉だけが周囲に響き渡る。
「皆さん…………」
「無駄だよ……マオ……」
「…………サタニア」
非協力的なジェド達に、何度も頭を下げようとする真緒。そんな真緒の肩に、サタニアの手が乗せられる。真緒が、視線をサタニアの方に向けると、サタニアは残念そうな表情を浮かべていた。
「この人達とのやり取りを見れば、どれだけ信頼されているのか分かる……だけど、この人達がここまでしてくれているのはマオ……君だけの為だよ……」
「…………」
薄々、気がついていた。だが認めたくなかった。皆がここまで頑張ってくれていたのは、あくまで恩返しであるという事を。そして元よりエジタスを助ける気など皆無である事を……。
「……君達が本当にマオの為に動いているのなら……マオのやろうとする事に協力するべきじゃないかな?」
「「「「…………」」」」
「肝心な時に非協力的になるなんて……ちょっと自己中心的だよ……君達は、本当にマオの為に動いているの?」
「「「「…………」」」」
サタニアの皮肉が効いた言葉攻めは、ジェド達の心に深く突き刺さる。
「…………殺意じゃ……駄目か?」
「「えっ?」」
そんな中、スゥーが静かに口を開いた。それは、ジェド達の気持ちを代弁した素直な言葉であった。
「あなたの言う通り……私達に“あいつ”を助けたいという感情は無い……」
「…………」
「だけど……“あいつ”を殺したいという感情は全員持ち合わせている……この世界を混乱に陥れている元凶を、このまま見過ごす訳には行かないからね」
綺麗事では世界を救えない。ジェド達は、一致するであろう殺意という感情でエジタスを倒そうと提案する。
「…………駄目だよ」
「マオ……気持ちは分かるけ「駄目だよ!!絶対に駄目!!」……どうして!!?」
スゥーの提案を、大声で否定する真緒。頭ごなしの否定に苛立ちを覚えたスゥーは、真緒に激しい剣幕で問い掛ける。
「……殺意では……勝てません……」
「えっ?」
「殺意では……師匠に勝つのは不可能です……師匠の殺意は、私達が束になっても敵いません……」
「…………」
数十人近くいるこちらに対して、たった一人だけのエジタス。この人数差にも関わらず、殺意での感情においては束にしても敵わないと断言する。そんな真緒の発言に、信じられない様子のスゥー。
「マオの言う通りだよ」
真緒の言い分を肯定する様に、サタニアはスゥー達に話し掛けて来た。
「エジタスは二千年間ずっと、この世界の現状に不満を抱いていた。そしてその不満は僕達と渡り合った事で、そっくりそのまま殺意へと変化した。君達には悪いけど、僕も殺意ではエジタスに勝つのは不可能だと思う」
「で、でもだからって……」
「あぁー、ぐちぐちぐち……うるさい奴らだな!!」
サタニアの話に、尚も突っ掛かろうとするスゥー達。そんな中、痺れを切らしたシーラが頭を掻きながら大声を上げる。
「魔王様が、殺意では不可能って言っているんだ。だったら、他の感情で立ち向かうしか無いだろう……まぁ、端から殺意なんかじゃ、エジタスの奴を倒せないと思っていたけどな」
そう言うとシーラは、マオの目の前に移動した。仁王立ちする彼女に対して、真緒は息を飲み込む。
「協力するぜ……勇者」
「…………えっ?」
予想外の言葉に一瞬、思考が停止してしまった真緒。
「だから……協力してやるって言ってんだよ……お前の剣に、私の……エジタスの奴を救いたい感情を注いでやる」
「ほ、本当ですか!!?」
改めて協力すると発言したシーラに、真緒は喜びのあまり、大きな声を張り上げる。
「あぁ、騙された分の借りが、まだ返して貰っていないからな」
そう言うとシーラは、純白の剣に向けて自身の感情を注ぎ始めた。純白の剣が光輝く。
「勿論、僕も協力するよ!!」
「サタニア……ありがとう!!」
シーラに続き、さも当然の様にサタニアも真緒の協力を申し出た。サタニアの感情が純白の剣に注ぎ込まれ、より一層輝きが増した。
「魔王様が協力するなら、私達も協力しない訳には行きません」
「センセイニタイスル、オレタチノカンジョウ、オマエニタクソウ」
魔王であるサタニアが協力する事により、配下であるクロウトとゴルガも真緒の協力に申し出た。二人の感情が、純白の剣に注ぎ込まれる。
「あ、ありがとうございます!!」
「当然、俺達も手伝うぞ」
「私達は一心同体、マオさんの感情は私達の感情です」
「マオぢゃん、オラ達の感情も使っでぐれだぁ」
そして当たり前の様にフォルス、リーマ、ハナコの三人も真緒の協力に申し出た。三人の感情が純白の剣に注ぎ込まれる。純白の剣は、これまで類を見ない程、光輝いていた。
「皆……ありがとう!!……よし、私も……」
お礼ばかり言ってはいられない。まだ、自身の感情を注ぎ込んでいない。真緒は柄を強く握り直し、純白の剣に自身の感情を注ぎ込む。注ぎ込まれた感情により、純白の剣の光は強く光輝き始めた。
「さてと……これで残るはお前達だけになったぜ?」
「「「「…………」」」」
沈黙。真緒達、サタニア達の視線がスゥー達に突き刺さる。
「……ほほ、そうだな……若い世代が名乗り出てくれたんだ……ワシ達、年長者達が手を貸さんでどうする……なぁ、そうだろう?」
沈黙を破ったのは、鳥人族の族長だった。族長の問い掛けにトハ、ビント、クク、他の鳥人族全員が首を縦に振る。その瞬間、純白の剣の光が更に強くなった。
「かぁー、先に言われちまったな……まぁ、協力するのに順番も何も関係無いよな……マオ!!俺達、ジェド海賊団も協力するぜ!!」
「“旅は道連れ世は情け”、私達人魚も最後までお供します」
族長の言葉を皮切りに、ジェド率いる海賊団と人魚の女王率いる人魚達全員が、真緒の協力に申し出た。純白の剣の輝きが鮮烈され始める。
「…………」
「それで……お前はどうするんだ?」
最後に残ったスゥー。他の者達が真緒に協力を申し出る中、未だに一人だけ申し出る事が出来ずにいた。そんなスゥーにジェドが問い掛ける。
「別に無理にとは言わない……だが、少しでもエジタスに対する良心が残っているのなら……「あぁ、もう!!分かりました分かりましたよ!!」……!?」
ジェドが説得を試みようとすると、突然大声を上げたスゥー。
「仕方無いから協力するわ。でも、勘違いしないで、私は“あいつ”を救いたいから救うんじゃない……罪を償わせたいから救うんだからね!!」
「スゥーさん……ありがとうございます!!」
素直になれないスゥーは、ふてくされた態度を取りながらも、真緒の純白の剣に感情を注ぎ込んだ。純白の剣の光がより一層、強く輝きを放ち始める。
「これが……私達全員の感情を一つにした結果……」
「凄いだぁ……今までに無い程の強ざを感じるだぁ……」
「「…………」」
「魔王様……?」
「マオ……どうかしたのか?」
仲間達の感情を集結させたのにも関わらず、真緒とサタニアは浮かない顔であった。
「確かに……今までに無い程の強さは感じる……だけど……」
「この強さで、エジタスを止められるかどうかを考えると……少し不安が残る……」
心許ない。これまでのエジタスの強さを考慮すると、これだけの強さで止められるかどうか非常に怪しい。その怪しさが、真緒とサタニアの不安を煽った。
「そうは言っても……これ以上、感情を注ぎ込める奴なんて……!!?」
周囲の不安が高まりそうになったその時、純白の剣の光が一段と輝きを放ち始めた。
「こ、これはいったい…………!?」
「やれやれ……エジタスを殺すつもりで蘇ったのに……まさか助ける事になるなんて……私って奴は運が無いね」
聞き覚えのある声。真緒達は、咄嗟に声のした方向に顔を向ける。
「「「「ア、アーメイデさん!!?」」」」
そこに立っていたのは、エジタスに腹を貫かれた筈のアーメイデであった。腹の穴からは、大量の青白い光が漏れ出ていた。また、貫かれた腹から広がる様に、体全体の皮膚がひび割れ始めていた。そして、皮膚の中は腹の穴と同様に青白い光が漏れ出ていた。
「アーメイデさん……その姿は……」
「あぁ、もうあまり時間が無いみたいね……」
そう言いながらアーメイデは、青白い光が漏れ出ている自身の体を見つめる。そしてゆっくりと真緒達の方へと顔を向ける。
「残された時間で何が出来るのか……私なりに出した答えが、その“剣”に注ぎ込んだ感情さ」
「アーメイデさん……」
アーメイデが注ぎ込んだ感情によって純白の剣は、只眩しいだけでは無く、とても暖かい優しい光を放つ様になった。
「行ける……この強さなら……師匠を止める事が出来ます!!」
全員の目に希望の光が灯る。
「…………だが……」
そんな中、水を差す様にフォルスが否定的な言葉を発する。全員の目線が、フォルスに集中する。
「充分な力は手に入ったが、エジタスさんの所まで、いったいどうやって飛んで行くつもりなんだ?」
「えっ……それは勿論、マオさんの“虚空”の力で……」
「ごめん……“虚空”の使用時間、切れちゃってるんだ……」
「えっ!?」
一日に使える“虚空”の使用時間、十分。真緒はもう既に飛べなくなっていた。
「それなら、僕の“翼”でマオをエジタスの所まで届けるよ!!」
そう言うとサタニアは、スキル“エンジェルウィング”を発動させる。サタニアの背中から、白い翼が生えて来る。
「……エジタスさんは、地上に向けて凄まじい速度で落下している……例えマオを運べたとしても、エジタスさんから発せられる衝撃波によって、近付いた瞬間全て吹き飛ばされてしまうだろう……」
「つまり……その衝撃波に負けない威力で、あなた達の勇者をエジタスの元まで飛ばさないといけない……そう言う訳ですか」
「あぁ……」
「そんな…………」
クロウトの冷静な分析に頷くフォルスに、サタニアは落胆してしまった。
「サタニア……そんなに落ち込まなくても大丈夫だよ」
落ち込み俯いてしまったサタニアに、真緒が優しい言葉を投げ掛ける。
「マオ…………」
「だって今ここには、沢山の仲間達がいるんだよ。皆で力を合わせれば、出来ない事は無いよ」
そう言うと真緒は、その場にいる全員を手招きして、一ヶ所に集め始めるのであった。
***
そんな真緒達が話し合っている中、遥か上空ではエジタスが巨大な隕石となって、地上に向けて落下していた。
「(吐き気がする……大声でペラペラ……相手に聞こえる程の大声で話し合うな。蛆虫どもが……)」
真緒達の作戦は、全て丸聞こえであった。スゥー達を説得する為とは言え、あんな大声で話していれば、嫌でも耳に入って来てしまう。
「(この俺を助けたい……その為に力を貸して欲しい……あぁ、気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い……)」
テープレコーダーの様に、同じ言葉を繰り返すエジタス。しかし、その言葉は決して機械的では無く、確りと殺意が込められていた。
「(大きな障害も、皆の力を合わせれば乗り越えられる……そんなのは、あくまで理想に過ぎない!!結局、一番重視されるのは自分自身!!他人なんて二の次!!協力なんて言葉は存在しない!!)」
真緒達、サタニア達に対する怒りから、地上に向けて落下する威力と速度が高まる。
「(大体、遅いんだよ!!何もかもが!!俺が巨大化した時にでも、肉を削り落とした時にでも、“フィーリング・ストライク”を放つ機会は幾らでもあった!!それを今更、自分達の命が危うくなっているから放とうだなんて……調子がよすぎるんだよ!!)」
エジタスの、更なる怒りが落下する威力と速度を高まらせる。
「(どうせ、全てが終わったら皆で手を取り合ってこう言う『上手く行ったのは、皆で力を合わせたからだよ』……浅い!!浅いぬるま湯に浸かっている気分だ!!肩を寄せ合い、苦労を労う……甘ったるい!!現実は甘くないんだよ!!現実はいつも辛く、厳しく、残酷な物なんだよ!!)」
エジタスは真緒達、サタニア達の想いが浅く生ぬるいと罵倒する。
「(俺は二千年間ずっと、この世界を笑顔の絶えない世界にしたいと望み、下準備を整えて来た!!お前らの数時間ぽっちの望みとは天と地の差があるんだよ!!)」
“……に……ん……なの?”
「(な、何だ!!?)」
その時、何処からか声が聞こえて来た。遠くでは無い、ハッキリと耳元で囁く様に聞こえた。
「(誰だ!!何処にいる!?)」
辺りを見回すも、近くには誰もいなかった。それもその筈、現在エジタスは隕石となって地上に向けて落下している。そんなエジタスの側にいれば、熱と衝撃波により一瞬にして、消し炭になってしまう。
“本……に……れを望んで……るの?”
「(!!?)」
また聞こえた。先程よりもハッキリとした言葉で。エジタスは、静かにゆっくりと耳を傾ける。
“本当にそれを望んでいるの?”
「(こ、これは!!?)」
そのフレーズには聞き覚えがあった。隕石として落下する直前、地上でスゥーに問い掛けられた内容と、酷似していたのだ。
「(だが……この声は……)」
しかしその声はスゥーでは無かった。もっと若々しい。まるで少年の様な声をしていた。
“君は本当に、“笑顔の絶えない世界”を望んでいるの?”
「(…………黙れ)」
エジタスは、その声に聞き覚えがあった。しかし、敢えて触れずに黙らせた。そして地上に向けての落下に全神経を集中させる。
「(最後に笑うのは……この俺だ……)」
***
「皆!!準備は良い!!?」
一方、地上では真緒が仲間達に準備は整ったのか確認していた。真緒の側にはサタニア、フォルス、シーラの三人しかいなかった。
「マオぢゃん!!オラ達の方は準備バッヂリだぁ!!」
真緒の確認に答える様に、ハナコとゴルガが少し離れた位置で手を振っている。
「マオさん!!私達の方も準備万端です!!」
続けてリーマも少し離れた位置で、準備が整った事を知らせて来た。その周りにはアーメイデを始め、クロウト、スゥー、鳥人族、ジェド海賊団と人魚達が待機していた。
「……フォルスさん達も準備は大丈夫ですか?」
「あぁ……任せろ」
「いつでも行けるぜ」
そう言うとフォルスは、鉤爪で真緒の肩を掴み翼を大きく広げた。またシーラも、サタニアの脇の下に腕を差し込み、確りと掴み背中の翼を大きく広げた。
「……サタニア、覚悟はいい?」
「そんなの……言われるまでも無いよ!!」
「そうだよね……」
サタニアの覚悟を受け取った真緒は、ゆっくりと目を閉じて深呼吸をする。自身の覚悟を固める為に…………。
「……よし!!皆、作戦開始!!」
そして勢い良く目を見開き、仲間達全員に作戦開始の合図を送った。
「まずは土台作りから……スゥーさん!!」
「今、やってるよ!!」
作戦開始の合図と同時に、スゥーが巨大な氷の土台を生成していた。
「簡単そうに見えるけど、結構MP消費するんだからね!!」
「お手伝いします!!」
するとクロウトがスゥーの背中に、両手を乗せて来た。その瞬間、クロウトのMPがスゥーの方へと流れ込み始めた。
「あ、あんた……」
「昔、サタニア様に“魔力譲渡”を教わった時期がありました。だけど、私のMPが極端に少ない問題から、使う機会は来ないだろうと思っていました。それがこんな形で役に立つだなんて……人生、何が起こるのか分かりませんね」
「全く……その通りだね」
クロウトの“魔力譲渡”により、追加のMPを得たスゥーは、氷の土台生成を急ピッチで進めた。
「よし、完成だ!!後は頼んだよ伝説の魔法使いさん!!」
「言われなくても、分かっているよ!!」
巨大な氷の土台が完成すると、スゥーは大声で待機していたアーメイデに、合図を送った。
「“クリスタルハンド”」
その瞬間、地面の中から結晶型の巨大な両腕が生えて来た。その大きさは、生成した巨大な氷の土台に匹敵する大きさであった。
「はぁ……はぁ……」
残された時間の中、アーメイデは息遣いを荒くしながら、結晶型の巨大な両腕を操り、生成した巨大な氷の土台を持ち上げた。
「はぁ……はぁ……ほら!!あんた達、速く乗りなさい!!」
「マオ、行くぞ」
「はい」
「魔王様、確りと掴まって下さいね」
「分かったよ」
すると真緒、サタニアを掴んでいるフォルスとシーラは翼を羽ばたかせ、空中へと舞い上がる。そして、アーメイデが持ち上げた巨大な氷の土台の上へと移動した。
「アーメイデさん!!移動完了しました!!」
「了解!!それじゃあ、思い切り行かせて貰うよ!!舌を噛まない様に注意しなさい!!」
そう言うとアーメイデは、持ち上げた巨大な氷の土台を、遥か上空にいるエジタス目掛けて勢い良く投げ飛ばした。
「「「「ぐ……ぐぐっ!!」」」」
巨大な氷の土台の上に立っている四人の全身に、倍以上の重力が重くのし掛かる。
「……来だだぁ!!ゴルガざん、よろじぐお願いじまずだぁ!!」
「ワカッタ……」
そんな巨大な氷の土台が、ハナコとゴルガの真上を通り過ぎ様としていた。するとハナコは、ゴルガに声を掛ける。その声に反応する様に、ゴルガはハナコを掌に乗せた。
「まだだぁ……まだだぁ……今だぁ!!」
「ウォオオオオオ!!!」
真緒達、サタニア達を乗せた巨大な氷の土台がハナコ達の真上を通り過ぎたその瞬間、ハナコの合図と共にゴルガは通り過ぎた巨大な氷の土台目掛けて、掌に乗ったハナコを勢い良く投げ飛ばした。
「ぐぐぐ……マ、マオぢゃん……い、行ぐだよぉ……」
ゴルガに投げ飛ばされたハナコと、巨大な氷の土台の上に乗っている真緒達、サタニア達が丁度重なり合う。そして飛ばされたハナコは、重なった巨大な氷の土台の背後目掛けて、両腕を引いて構える。
「スキル“インパクト・ベア”!!」
ハナコの放った渾身の一撃が真緒達、サタニア達を乗せた巨大な氷の土台を更に高く打ち上げさせる。
「後は頼んだだよぉ!!」
そう言いながらハナコは、地上へと落下していく。役目を終えて、落下していくハナコはゴルガに優しく受け止められた。
「うぐっ……か、体がバラバラになりそうだ……」
「こ、これ位……我慢しろ……」
アーメイデの投げ飛ばしに、ハナコの後ろからの支援。四人に更なる負荷が襲い掛かる。特に翼を広げているフォルスとシーラへの負荷は計り知れない。
「も、もうすぐ……最頂点に到達する筈だよ……」
「あ、合図を送らないと……“ライト”!!」
体に掛かる負荷に耐えながら、真緒は掌から光輝く玉を生成した。その光によって、地上に残っている者達に合図を送った。
「合図です!!女王様、行きますよ!!」
「分かりました!!あなた達も、準備は良いですね!?」
「「「「「はい!!」」」」」
真緒からの合図を受け取ったリーマは、人魚の女王及び人魚達と供に、一斉に魔法を唱える。
「「“タイダルウェイブ”!!」」
リーマと人魚の女王達の魔法により、巨大な津波が生成された。そしてその津波は真緒達、サタニア達の方では無く、向かい側に立っていたジェド達目掛けて押し寄せる。
「ジェドさん!!後はよろしくお願いします!!」
「任せろ!!さぁ、お前ら!!一生にあるかないかの大一番!!ここで失敗すれば男が廃る!!失敗は許されない……分かってるな!!」
「「「「「おぉ!!」」」」」
「ほほ。それじゃあ、ワシ等も全力を尽くそうかの……頑張ろうなドラゴン?」
「グォオオオオオ!!!」
「あんた達、分かってるだろうね!!鳥人族の意地を……空の支配者の実力を見せてやるんだよ!!」
「「「「「はい!!」」」」」
迫り来る巨大な津波。ジェド海賊団は、それぞれ腰に携えた剣を引き抜き、鳥人族達はドラゴンと供に大きく翼を広げて、迫り来る巨大な津波を迎え撃った。
「「「「「“ウィンド”!!」」」」」
ジェド達、鳥人族達が放った風魔法が巨大な津波を巻き上げた。水と風、二種類の魔法が組合わさり、より強大な魔法へと変化した。その姿はまるで、大量に水を含んだ巨大な竜巻であった。
「よし!!上手く行ったぞ!!」
「速く!!その竜巻をマオさんの元へ!!」
リーマに急かされながら、ジェド達は巻き上げた巨大な竜巻を、エジタス目掛けて飛んでいる真緒達、サタニア達に向けて運んで行く。
「ぐぐっ……!!体に掛かる負荷が弱まって行くのを感じる……勢いが無くなって来ているぞ!!」
地上に向けて落下して行くエジタス目掛けて飛んでいた真緒達、サタニア達。そんな中、フォルスが体に掛かる負荷が弱まっている事を感じ取る。もうすぐ、巨大な氷の土台が最頂点に到達する。
「後ろからの支援はまだ来ないのか!!?」
「もうすぐの筈……あっ!!来た!!」
焦るシーラを尻目に、聞き耳を立てる真緒。すると下の方から吹き荒れる風の音と流れる水の音が聞こえて来た。
「マオさん!!お待たせしました!!」
「お前ら、後は頼んだぞ!!」
リーマとジェドの声を聞きながら、四人を乗せた巨大な氷の土台は、巨大な竜巻によって更に押し上げられる。
「ぐぐぐ……も、もうすぐだ……み、見えて来たぞ!!」
「デ、デカイ……今までの大きさとは比較にならないぞ……」
そして遂に真緒達、サタニア達は地上に向けて落下して行くエジタスの近くまで辿り着いた。それと同時に、押し上げていた竜巻の効力が切れる。
「竜巻が消えた!!いよいよ大詰めだ!!行くぞマオ!!」
「はい!!」
「魔王様、準備はよろしいですか?」
「いつでも大丈夫だよ!!」
真緒とサタニアの言葉を機に、フォルスとシーラは巨大な氷の土台を蹴り上げ、同時に飛び上がった。
「「ぐぉおおおおおお!!!」」
真緒とサタニア、それぞれを掴みながら飛んでいるフォルスとシーラ。体に掛かる負荷に耐えながら、己の限界まで飛び上がる。
「も、もうこれ以上は……そ、そろそろマオを投げる……シーラの方はどうだ……?」
「ざ、残念だが……わ、私も……これ以上はキツイ……魔王様……後はよろしくお願いします……」
「皆、ここまで運んでくれてありがとう……最後は私達で決着を着けます!!」
「皆の想い……絶対無駄にしない!!必ずエジタスを助け出して見せるよ!!」
「「それじゃあ行くぞ!!せーの!!」」
限界まで飛び上がったフォルスとシーラは、掴んでいた真緒とサタニアをエジタス目掛けて同時に投げ飛ばした。
「スキル“エンジェルウィング”!!」
投げ飛ばされたその瞬間、サタニアは“エンジェルウィング”を発動させ、背中から白い翼を生やした。そして生やした翼を羽ばたかせて、一緒に投げ飛ばされた真緒を抱き抱えた。
「マオ、行くよ!!」
「うん!!私達で全てを終わらせよう!!」
「「はぁあああああ!!!」」
真緒とサタニアは自身の両手を、皆の感情が一つになった純白の剣の柄に伸ばして強く握り締める。そして、地上に向けて落下して行くエジタス目掛けて突き出した。
「「スキル“フィーリング・ストライク”!!!」」
愛する人を助けたいという感情と、世界を平和にしようとする感情が勢い良くぶつかり合う。
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