300 / 300
エピローグ
笑顔の絶えない世界
しおりを挟む
師匠へ
私は今カルド王国の一室で、あの世にいる師匠に向けて手紙を書いています。師匠は『あの世が存在するかどうかも分からない』って言いましたが、私はあると信じています。だってそうじゃないと、この手紙の意味が無くなってしまいますから……。
師匠との戦いから一週間、色々な事がありました。まず、人間と魔族は正式に友好関係条約を結ぶ事になりました。サタニアの話によると、今までカルド王国の国王と非公式に停戦協定を結んでいたらしいのですが、カルド王国の国王は何者かに暗殺されており、王位を継ぐ筈だった第一王女のシーリャさんも行方不明との事です。まさかこの一連の事件、師匠が関わっていたりして……まぁ、それは兎も角、二人の王族を失ったカルド王国は、シーリャさんの妹である第二王女のリリヤさんを後釜に置いて、今後カルド王国を治めて行く事になりました。それを聞いたサタニアは、この機に乗じて人間と魔族の友好関係条約を正式な形で結びました。そして何と私達は、人間と魔族の仲介役として抜擢されました!!……これで少しは、師匠の望む“笑顔の絶えない世界”に近付ければ良いなと願っています。
そんな友好関係条約を結んだサタニアは、現在進行中で崩れた魔王城の復興に精を出しています。
「ほらそこ!!サボってないで、ゴルガのB班と一緒に撤去作業を手伝う!!A班も、新しい魔王城の設計図は書き終えたの!?クロウトに頼っちゃ駄目だからね!!自分自身の力で成し遂げないと、いつまで経っても成長出来ないよ!!」
「おいお前ら!!魔王様のご命令が聞こえなかったのか!?逆らう奴は、この私が八つ裂きにしてやるからな!!」
まるで現場監督の様に、あちこち指示を出しているみたいです。そうそうサタニア、アルシアさんの骨を加工してネックレスとして、肌身離さず身に付けているんですよ。サタニア言わく『こうすれば、アルシアが僕の側にいてくれる気がするんだ』との事です。サタニアは本当に、部下への愛が強いですよね。
そんなサタニア達が魔王城の復興で頑張っている中、私達はカルド王国で注目の的にされています。師匠との戦いが世界中に伝わっていたらしく、カルド王国に立ち寄った際、国民の人々から“世界の危機を救った英雄”として褒め称えられました。私達は別に、世界の危機を救う為に戦った訳じゃ無いのに……更に、人間と魔族の友好関係条約の仲介役を抜擢した事も相まって、ほぼ毎日各国の著名人との交流パーティーです。正直、とても面倒臭いです。私自身、人前に立って喋るのは苦手で、中々師匠の様な立ち回りの上手い人間になれません。
そうそう師匠聞いて下さい。実はあの戦いの後、ジェドさんが人魚の女王様に、“告白”したんです!!本当にびっくりしました。そんな素振り全く見せていなかったのに、突然ジェドさんが人魚の女王様の両手を掴んで、思いの丈をぶつけました。
「お前が母なる海ならば、俺は父なる大地となって、永遠にお前を支え続けると約束しよう!!」
告白の台詞はちょっとあれでしたけど……それでも、愛のある言葉には違いありません。ジェドさんの告白を受け取った人魚の女王様は、優しく微笑み返して告白を受理しました。
「大地が海を支える様に、海もまた大地を支えています。大地と海は供に歩むべき存在、私の深い海とあなたの広い大地、供に歩んで行きましょう」
あれこそ、愛する者同士の会話なんだなと思いました。私も師匠と一緒に愛し合いたかったです。えっと、私情を挟みましたが、つまりジェドさんと人魚の女王様は“恋人”になったという訳です。結婚式には是非とも呼んで欲しいと思いました。
この一週間、目まぐるしい出来事の数々で、疲労がピークに達しています。ですが、そんな疲労している私を気遣ってか、リリヤさんが三日間の休暇を与えてくれました。この休暇を利用して、サタニア達と一緒に“幻の茸”を探しに出掛けようと思っています。サタニアから聞いた話では、その“幻の茸”は師匠とサタニアが、出会う切っ掛けとなった代物らしいですね。とても珍しく、たった三日間で見つけられるかどうか不安ですが、出来る限りの事はしてみるつもりです。
「マオ、そろそろ出掛ける時間だぞ?」
真緒が手紙を書いていると、部屋の扉越しからフォルスの声が聞こえて来た。
「あっ、はい。今行きます」
その声に返事をしながら、真緒は執筆し終えた手紙を、自身のポケットに仕舞い込んだ。
「師匠……行って来ます」
そう言いながら真緒は、部屋を後にするのであった。
***
人間が治めるカルド王国、魔族が治めるヘラトス魔族国家、二つの国の中心に位置するグラフィス大森林。
鬱蒼とした木々が光を遮り、一寸先は闇。葉のざわめきは人の悲鳴のように聞え、枝の一本一本が鋭利な刃物を思わせるほど尖っている。深くなればなるほど構造は複雑になっており、一度入ってしまえば二度と出られなくなってしまう。
その事から誰一人として足を踏み入れる者はいない。そして、生きとし生ける者達は子供が決して近づかないように恐怖の戒めとしてこう呼んでいる。“迷いの森”と……。
そんな迷いの森で、八人の少年少女達が低姿勢になりながら、必死に幻の茸を探していた。
「無いなぁ……おい、本当にあるのかよ?」
「貴様、魔王様の言う事を疑うのか!?」
目的の物が見つからず、文句を垂れるフォルスにシーラが怒りを向ける。
「はいはい、無駄口叩く暇があるなら黙って探して下さい。サタニア様を見習って、もっと真剣に探しましょう」
「“幻の茸”って言われてる位なんですから、中々見つからないのは当然ですよ。マオさんを見て下さい、あんなに真剣になって探していますよ。フォルスさんも見習わないといけませんね」
「「……はい……」」
クロウトとリーマに叱られ、フォルスとシーラは探すのを再開する。
「……ソレニシテモ、ココマデミツカラナイトハ……」
「うーん、オラの鼻にも反応は無いだなぁ……茸なら臭いは強いと思っだんだげどなぁ……」
巨大な体格から広い視野を持つゴルガや、研ぎ澄まされた嗅覚と計り知れない程の食い意地を持つハナコの二人を持ってしても、幻の茸を見つける事は出来ていなかった。
「何処だ……何処だ……絶対に見つけるんだ……エジタスとの大切な思い出なんだ……」
サタニアは、探す八人の中で最も力を入れていた。それもその筈、八人の中で唯一幻の茸を食した事のある人物なのだから。幻の茸の形状も、サタニアの記憶だけが頼りなのだ。
「……うん?あれって……?」
その時サタニアは見逃さなかった。必死で探す真緒の足下に、幻の茸“たらふく茸”が生えているのを。
「見つけたぁあああああ!!!」
「「「「「「「!!?」」」」」」」
大声を上げたサタニアは、脇目も振らずに真緒の足下に生えているたらふく茸目掛けて走り出した。しかしそこは下り坂、また急に走り出した為、両足が絡み合い、転がりながらたらふく茸に向かって頭から突っ込んだ。
「えっ、ちょっ、サタニア!?」
「「うわぁああああああ!!!」」
真緒は、急に転がって来たサタニアに反応する事が出来ず、そのまま激しくぶつかり合ってしまった。
「痛てて……ごめんマオ……怪我は無い?」
「私は大丈夫……サタニアの方こそ大丈夫?」
「うん……こっちも大丈夫……って、それよりも見つけた!!見つけたんだよ!!」
「えっ!?」
驚きの表情を浮かべる真緒を尻目に、サタニアが側に生えているたらふく茸を引っこ抜いた。
「これが探していた幻の茸“たらふく茸”だよ!!」
「これが……」
「…………」
「……あれ、どうしたの?嬉しくないの?」
漸く見つける事の出来た幻の茸たらふく茸。しかし肝心のサタニアは、たらふく茸を思い詰めた表情で、じっと見つめていた。そんなサタニアに、堪らず真緒が問い掛ける。
「えっ、あっ、いや嬉しいよ……でもそれよりも、凄く懐かしいなって……」
「…………」
サタニアの脳裏には、エジタスと初めて出会った時の記憶が過っていた。そんな思い出深い過去を、たらふく茸を通して思い返していたのだ。
「そっか…………ねぇ、良かったら聞かせてよ!!師匠と初めて出会った時の話を!!」
「……うん、良いよ……あれはまだ僕が、魔王としての覚悟が無かった時の事……魔王の重圧に堪えかねて、城を飛び出したんだ……飛び出した先で運悪く、人間の冒険者二人に見つかった。僕は慌ててこの森に逃げ込んだんだ……そしてそこで…………」
サタニアは真緒に語る。あの時の出来事を、忘れられない大切な思い出を、サタニアにとってエジタスがどれだけ大切な存在だったのか。
***
「……さすが師匠、人身掌握術の達人だね」
「本当に……今考えれば、あの時の全ての出来事がエジタスの作戦だったのかもしれない……」
「……嫌いになりました?」
「ううん、寧ろそこまでして僕の心を手に入れようとしてくれたのかって、ますます好きになったよ」
「だよね!!」
二人は、常人の思考から外れているのかもしれない。だがそうだとしても、二人のエジタスに対する気持ちに嘘偽りは存在しない。
「おぉーい!!マオ!!大丈夫かぁ!?」
「サタニア様!!お怪我はありませんか!?」
するとその時、遠くの方からフォルス達、クロウト達の六人が二人の安否を心配して駆け寄って来た。
「あっ、フォルスさん達です。私達なら大丈夫です!!」
「クロウト!!ほら見て!!やっと見つけたよ!!」
「おぉ!!やったな!!それじゃあ、調理器具の準備を……」
「大丈夫だぁ。もう既にごっぢで準備を整えでおいだだぁ」
漸く採れたたらふく茸を、美味しく調理しようとするフォルス。調理器具の準備に取り掛かろうと後ろを振り返ると、既にハナコが調理器具のセッティングを終わらせていた。
「いや、速いな!!?」
「さ、さすがはハナちゃん……食べる事に関しては、右に出る者はいないね……」
ハナコの食い意地の凄さに圧倒されながらもマオ達、サタニア達は調理を開始するのであった。
***
「わぁー、良い匂い」
森中に、たらふく茸の焼ける香ばしい匂いが広がる。きつね色まで焼き上がったたらふく茸に、フォルスが塩を振り掛ける。
「茸本来の味を、最大限引き出せる様に、味付けは塩だけだ」
「旨そうだなぁ!!」
「これは……匂いだけでこれ程まで幸福感を得られるなんて……さすがは幻の茸……」
「は、早ぐ食べるだぁ!!」
血走った眼で、一人だけ獲物を狙う獣の様な鋭い目付きのハナコは、早く食べようと急かし始める。
「ふふ、そうだね。それじゃあそろそろ、均等に分けて皆で食べよう」
急かすハナコに笑みを浮かべながら、真緒はたらふく茸を均等に八当分する。
「……さすがに……八当分すると殆ど原型が残らないな……」
「まぁ、一口サイズって思えば気にならなくなるんじゃないか?」
「そ、そうですね。珍しい食材ですから、よく噛んで食べましょう」
八当分され薄っぺらくなった、たらふく茸に若干の不安を残しつつも、全員口元へと運ぶ。
「それじゃあ皆さん……せーの!!」
「「「「「「「「いただきます!!!」」」」」」」」
真緒の合図と共に、八人全員がたらふく茸を口に含んだ。
「お、美味しい!!」
「これが幻の茸か……凄いな、心が満たされるのを感じる……」
「腹の底から幸せが溢れ出して来る……あんな一口サイズだったのに、満腹感を感じるよ……」
「ウマイ……ウマイ……」
「オラ……オラ……今まで生ぎで来だ人生で、一番幸せだぁ……」
「本当に美味しい……美味しいですねサタニアさ…………サタニア様?」
たらふく茸に対して、各々が好評価を述べる中、真緒とサタニアの眼から涙が流れているのに気が付いた。
「サタニア様!!ど、どうしたんですか!?」
「マ、マオさんも急にどうしたんですか!?やっぱり何処か怪我していたんじゃ!?」
「ううん、違う……違うんだ……只……」
「堪らなく涙が溢れ出てしまうんだ……幸せな筈なのに……とても悲しいんだ……」
その瞬間、六人は理解した。二人の涙は、エジタスを失った事に対する哀しみの涙であると。エジタスが亡くなって一週間、目まぐるしい周りの変化に泣く余裕すら無かった。それが今、たらふく茸の幸せによって今まで溜め込んでいた哀しみが、涙として一気に吐き出されたのだ。
「師匠……師匠……ぁあああああ……ぁあああああ……」
「エジタス……エジタス……ぁあああああ……ぁあああああ……」
真緒とサタニアは、まるで子供の様に声を上げながら泣いた。それは一晩中、涙が枯れるまでずっと……。
***
「「…………」」
「どうやら二人供、泣き疲れて眠ってしまったみたいですね……」
「本当に子供みたいだな」
「泣ける時に泣いた方が良い。おとなになるにつれ、素直に泣くのが難しくなる。そう言う意味では、マオ達が羨ましい……」
一晩中、涙が枯れるまで泣き続けた真緒とサタニアは、二人寄り添いながら静かな寝息を立てていた。すると、真緒とサタニアの口元が動き出し、寝言を言い始めた。
「……師匠……私……頑張ります……頑張って……」
「……エジタス……僕……頑張るよ……頑張って……」
「「私(僕)なりの“笑顔の絶えない世界”にして見せ……る……」」
「「「「「「!!?」」」」」」
あまりにハッキリとした寝言に、六人は目を丸くしながら、各々が目を合わせる。
「「「「「「…………ぷっ、あはははははははははははは!!!」」」」」」
そして一旦間を置いてから、大声で笑い始めた。
「おいおい、何だ今の寝言は!?」
「もしかして、本当は起きているんじゃないですか!?」
「試しに擽って見るか!?」
「い、いけませんよ!!サタニア様にそんな……でも……今日は特別、許可しちゃいます!!」
「ぞれなら、オラの爪先で脇腹を擽っでやるだぁ!!」
「ニゲラレナイヨウ、オレガオサエテヤロウ」
そう言いながらゴルガは、二人の体を指先で確りと押さえ付ける。更にそこから、ハナコが爪先を絶妙な力加減で、二人の脇腹を擽り始めた。
「ぞーれ、ごぢょごぢょごぢょごぢょ…………」
「「!!?えっ、あっ、ちょっ、あっははははははははははははははははははははははははは!!!」」
突然脇腹を擽られた事により、真緒とサタニアが飛び起きた。しかし、ゴルガに確りと押さえ付けられている為、全く身動きが取れず、くすぐったい感覚が永遠と続いていた。
「ちょ、ちょっとハナちゃん……これは一体どう言う……あっははははははははははははははははははははは!!!」
「な、何して……あっははははははははは!!!ちょっと三人も黙って見てないで……あっはははははははははははははははは!!!」
二人の笑い声は、森中に木霊していく。この出来事を切っ掛けに、“迷いの森”は“笑いの森”として周囲の人々から呼ばれる様になった。
***
「「…………」」
真緒とサタニアの二人は、長閑な草原に来ていた。人気は全く無く、小さな丘だけが存在していた。そんな丘の上に、小さなお墓が立てられていた。お墓には、“道楽の道化師エジタス ここに眠る”と刻まれていた。そんなお墓の前に、真緒とサタニアが二人並んで立っていた。
「エジタス……ここ綺麗で静かな場所だよね。この場所は、僕とマオしか知らないんだよ」
「ここなら、ゆっくりと眠る事が出来ると思いますよ……あっ、そうそうこれ……」
何かを思い出したかの様に、真緒は自身のポケットから一通の手紙を取り出した。
「私、師匠宛の手紙を書いたんです。届くかどうかは分かりませんが、ここに置いて置きますね…………」
そう言いながら真緒は、エジタスのお墓の前に手紙を置いた。
「僕からはこれ……花……ほら、お墓には花が必要だと思って……」
するとサタニアは懐から、花を一本だけ取り出した。
「これから毎年、マオと一緒にエジタスの墓参りするから……その時花を一本ずつ持って来る……千本、二千本、エジタスに負けない位長生きして、この草原を一面花畑にして見せる……」
そう言いながらサタニアは、懐から取り出した一本の花をエジタスのお墓の前に供えた。
「本当はもっと話していたいけど、もう行かないと……」
「そうだね……師匠、私達は私達なりの“笑顔の絶えない世界”を目指して、毎日頑張っています」
「まだまだエジタスの様に、上手くは立ち回れないけど……いつかこの世界を、エジタスも納得出来る程の世界にして見せるよ」
「師匠……私達の活躍、ここで見守っていて下さいね……行こうサタニア」
「うん……それじゃあねエジタス、また来年……」
そう告げると真緒とサタニアは、エジタスのお墓から離れて行った。それからしばらくすると、エジタスのお墓から小さな若葉が芽を出していた。まるで、真緒とサタニアの想いに答える様に……。
END
「~~♪~~~~♪」
若葉が芽を出したエジタスのお墓。そこに見知らぬ女性がやって来た。鼻歌混じりにやって来た彼女。白と黒で、ゆったりした袖のついたくるぶし丈のワンピース。裾が大きい頭巾。そして“逆十字架”が先端に付いたネックレス。その特徴的な服装から、“修道女”という事が見て取れる。しかし、その女性は普通の修道女とは異なり、片目に黒色の眼帯を着けていた。
「…………」
そんな片目に眼帯を着けた修道女は、エジタスのお墓の前に座り込むと、両手を組み合わせ祈りの構えを取る。
「……あぁ……偉大なる神エジタス様……あなた様の意志は、この私が引き継ぎます……うふふ……」
口元を歪ませながら修道女はゆっくりと立ち上がり、芽が出たばかりの若葉を踏みにじった。
「うふふ……うふふ……うふふふふ……」
END……?
私は今カルド王国の一室で、あの世にいる師匠に向けて手紙を書いています。師匠は『あの世が存在するかどうかも分からない』って言いましたが、私はあると信じています。だってそうじゃないと、この手紙の意味が無くなってしまいますから……。
師匠との戦いから一週間、色々な事がありました。まず、人間と魔族は正式に友好関係条約を結ぶ事になりました。サタニアの話によると、今までカルド王国の国王と非公式に停戦協定を結んでいたらしいのですが、カルド王国の国王は何者かに暗殺されており、王位を継ぐ筈だった第一王女のシーリャさんも行方不明との事です。まさかこの一連の事件、師匠が関わっていたりして……まぁ、それは兎も角、二人の王族を失ったカルド王国は、シーリャさんの妹である第二王女のリリヤさんを後釜に置いて、今後カルド王国を治めて行く事になりました。それを聞いたサタニアは、この機に乗じて人間と魔族の友好関係条約を正式な形で結びました。そして何と私達は、人間と魔族の仲介役として抜擢されました!!……これで少しは、師匠の望む“笑顔の絶えない世界”に近付ければ良いなと願っています。
そんな友好関係条約を結んだサタニアは、現在進行中で崩れた魔王城の復興に精を出しています。
「ほらそこ!!サボってないで、ゴルガのB班と一緒に撤去作業を手伝う!!A班も、新しい魔王城の設計図は書き終えたの!?クロウトに頼っちゃ駄目だからね!!自分自身の力で成し遂げないと、いつまで経っても成長出来ないよ!!」
「おいお前ら!!魔王様のご命令が聞こえなかったのか!?逆らう奴は、この私が八つ裂きにしてやるからな!!」
まるで現場監督の様に、あちこち指示を出しているみたいです。そうそうサタニア、アルシアさんの骨を加工してネックレスとして、肌身離さず身に付けているんですよ。サタニア言わく『こうすれば、アルシアが僕の側にいてくれる気がするんだ』との事です。サタニアは本当に、部下への愛が強いですよね。
そんなサタニア達が魔王城の復興で頑張っている中、私達はカルド王国で注目の的にされています。師匠との戦いが世界中に伝わっていたらしく、カルド王国に立ち寄った際、国民の人々から“世界の危機を救った英雄”として褒め称えられました。私達は別に、世界の危機を救う為に戦った訳じゃ無いのに……更に、人間と魔族の友好関係条約の仲介役を抜擢した事も相まって、ほぼ毎日各国の著名人との交流パーティーです。正直、とても面倒臭いです。私自身、人前に立って喋るのは苦手で、中々師匠の様な立ち回りの上手い人間になれません。
そうそう師匠聞いて下さい。実はあの戦いの後、ジェドさんが人魚の女王様に、“告白”したんです!!本当にびっくりしました。そんな素振り全く見せていなかったのに、突然ジェドさんが人魚の女王様の両手を掴んで、思いの丈をぶつけました。
「お前が母なる海ならば、俺は父なる大地となって、永遠にお前を支え続けると約束しよう!!」
告白の台詞はちょっとあれでしたけど……それでも、愛のある言葉には違いありません。ジェドさんの告白を受け取った人魚の女王様は、優しく微笑み返して告白を受理しました。
「大地が海を支える様に、海もまた大地を支えています。大地と海は供に歩むべき存在、私の深い海とあなたの広い大地、供に歩んで行きましょう」
あれこそ、愛する者同士の会話なんだなと思いました。私も師匠と一緒に愛し合いたかったです。えっと、私情を挟みましたが、つまりジェドさんと人魚の女王様は“恋人”になったという訳です。結婚式には是非とも呼んで欲しいと思いました。
この一週間、目まぐるしい出来事の数々で、疲労がピークに達しています。ですが、そんな疲労している私を気遣ってか、リリヤさんが三日間の休暇を与えてくれました。この休暇を利用して、サタニア達と一緒に“幻の茸”を探しに出掛けようと思っています。サタニアから聞いた話では、その“幻の茸”は師匠とサタニアが、出会う切っ掛けとなった代物らしいですね。とても珍しく、たった三日間で見つけられるかどうか不安ですが、出来る限りの事はしてみるつもりです。
「マオ、そろそろ出掛ける時間だぞ?」
真緒が手紙を書いていると、部屋の扉越しからフォルスの声が聞こえて来た。
「あっ、はい。今行きます」
その声に返事をしながら、真緒は執筆し終えた手紙を、自身のポケットに仕舞い込んだ。
「師匠……行って来ます」
そう言いながら真緒は、部屋を後にするのであった。
***
人間が治めるカルド王国、魔族が治めるヘラトス魔族国家、二つの国の中心に位置するグラフィス大森林。
鬱蒼とした木々が光を遮り、一寸先は闇。葉のざわめきは人の悲鳴のように聞え、枝の一本一本が鋭利な刃物を思わせるほど尖っている。深くなればなるほど構造は複雑になっており、一度入ってしまえば二度と出られなくなってしまう。
その事から誰一人として足を踏み入れる者はいない。そして、生きとし生ける者達は子供が決して近づかないように恐怖の戒めとしてこう呼んでいる。“迷いの森”と……。
そんな迷いの森で、八人の少年少女達が低姿勢になりながら、必死に幻の茸を探していた。
「無いなぁ……おい、本当にあるのかよ?」
「貴様、魔王様の言う事を疑うのか!?」
目的の物が見つからず、文句を垂れるフォルスにシーラが怒りを向ける。
「はいはい、無駄口叩く暇があるなら黙って探して下さい。サタニア様を見習って、もっと真剣に探しましょう」
「“幻の茸”って言われてる位なんですから、中々見つからないのは当然ですよ。マオさんを見て下さい、あんなに真剣になって探していますよ。フォルスさんも見習わないといけませんね」
「「……はい……」」
クロウトとリーマに叱られ、フォルスとシーラは探すのを再開する。
「……ソレニシテモ、ココマデミツカラナイトハ……」
「うーん、オラの鼻にも反応は無いだなぁ……茸なら臭いは強いと思っだんだげどなぁ……」
巨大な体格から広い視野を持つゴルガや、研ぎ澄まされた嗅覚と計り知れない程の食い意地を持つハナコの二人を持ってしても、幻の茸を見つける事は出来ていなかった。
「何処だ……何処だ……絶対に見つけるんだ……エジタスとの大切な思い出なんだ……」
サタニアは、探す八人の中で最も力を入れていた。それもその筈、八人の中で唯一幻の茸を食した事のある人物なのだから。幻の茸の形状も、サタニアの記憶だけが頼りなのだ。
「……うん?あれって……?」
その時サタニアは見逃さなかった。必死で探す真緒の足下に、幻の茸“たらふく茸”が生えているのを。
「見つけたぁあああああ!!!」
「「「「「「「!!?」」」」」」」
大声を上げたサタニアは、脇目も振らずに真緒の足下に生えているたらふく茸目掛けて走り出した。しかしそこは下り坂、また急に走り出した為、両足が絡み合い、転がりながらたらふく茸に向かって頭から突っ込んだ。
「えっ、ちょっ、サタニア!?」
「「うわぁああああああ!!!」」
真緒は、急に転がって来たサタニアに反応する事が出来ず、そのまま激しくぶつかり合ってしまった。
「痛てて……ごめんマオ……怪我は無い?」
「私は大丈夫……サタニアの方こそ大丈夫?」
「うん……こっちも大丈夫……って、それよりも見つけた!!見つけたんだよ!!」
「えっ!?」
驚きの表情を浮かべる真緒を尻目に、サタニアが側に生えているたらふく茸を引っこ抜いた。
「これが探していた幻の茸“たらふく茸”だよ!!」
「これが……」
「…………」
「……あれ、どうしたの?嬉しくないの?」
漸く見つける事の出来た幻の茸たらふく茸。しかし肝心のサタニアは、たらふく茸を思い詰めた表情で、じっと見つめていた。そんなサタニアに、堪らず真緒が問い掛ける。
「えっ、あっ、いや嬉しいよ……でもそれよりも、凄く懐かしいなって……」
「…………」
サタニアの脳裏には、エジタスと初めて出会った時の記憶が過っていた。そんな思い出深い過去を、たらふく茸を通して思い返していたのだ。
「そっか…………ねぇ、良かったら聞かせてよ!!師匠と初めて出会った時の話を!!」
「……うん、良いよ……あれはまだ僕が、魔王としての覚悟が無かった時の事……魔王の重圧に堪えかねて、城を飛び出したんだ……飛び出した先で運悪く、人間の冒険者二人に見つかった。僕は慌ててこの森に逃げ込んだんだ……そしてそこで…………」
サタニアは真緒に語る。あの時の出来事を、忘れられない大切な思い出を、サタニアにとってエジタスがどれだけ大切な存在だったのか。
***
「……さすが師匠、人身掌握術の達人だね」
「本当に……今考えれば、あの時の全ての出来事がエジタスの作戦だったのかもしれない……」
「……嫌いになりました?」
「ううん、寧ろそこまでして僕の心を手に入れようとしてくれたのかって、ますます好きになったよ」
「だよね!!」
二人は、常人の思考から外れているのかもしれない。だがそうだとしても、二人のエジタスに対する気持ちに嘘偽りは存在しない。
「おぉーい!!マオ!!大丈夫かぁ!?」
「サタニア様!!お怪我はありませんか!?」
するとその時、遠くの方からフォルス達、クロウト達の六人が二人の安否を心配して駆け寄って来た。
「あっ、フォルスさん達です。私達なら大丈夫です!!」
「クロウト!!ほら見て!!やっと見つけたよ!!」
「おぉ!!やったな!!それじゃあ、調理器具の準備を……」
「大丈夫だぁ。もう既にごっぢで準備を整えでおいだだぁ」
漸く採れたたらふく茸を、美味しく調理しようとするフォルス。調理器具の準備に取り掛かろうと後ろを振り返ると、既にハナコが調理器具のセッティングを終わらせていた。
「いや、速いな!!?」
「さ、さすがはハナちゃん……食べる事に関しては、右に出る者はいないね……」
ハナコの食い意地の凄さに圧倒されながらもマオ達、サタニア達は調理を開始するのであった。
***
「わぁー、良い匂い」
森中に、たらふく茸の焼ける香ばしい匂いが広がる。きつね色まで焼き上がったたらふく茸に、フォルスが塩を振り掛ける。
「茸本来の味を、最大限引き出せる様に、味付けは塩だけだ」
「旨そうだなぁ!!」
「これは……匂いだけでこれ程まで幸福感を得られるなんて……さすがは幻の茸……」
「は、早ぐ食べるだぁ!!」
血走った眼で、一人だけ獲物を狙う獣の様な鋭い目付きのハナコは、早く食べようと急かし始める。
「ふふ、そうだね。それじゃあそろそろ、均等に分けて皆で食べよう」
急かすハナコに笑みを浮かべながら、真緒はたらふく茸を均等に八当分する。
「……さすがに……八当分すると殆ど原型が残らないな……」
「まぁ、一口サイズって思えば気にならなくなるんじゃないか?」
「そ、そうですね。珍しい食材ですから、よく噛んで食べましょう」
八当分され薄っぺらくなった、たらふく茸に若干の不安を残しつつも、全員口元へと運ぶ。
「それじゃあ皆さん……せーの!!」
「「「「「「「「いただきます!!!」」」」」」」」
真緒の合図と共に、八人全員がたらふく茸を口に含んだ。
「お、美味しい!!」
「これが幻の茸か……凄いな、心が満たされるのを感じる……」
「腹の底から幸せが溢れ出して来る……あんな一口サイズだったのに、満腹感を感じるよ……」
「ウマイ……ウマイ……」
「オラ……オラ……今まで生ぎで来だ人生で、一番幸せだぁ……」
「本当に美味しい……美味しいですねサタニアさ…………サタニア様?」
たらふく茸に対して、各々が好評価を述べる中、真緒とサタニアの眼から涙が流れているのに気が付いた。
「サタニア様!!ど、どうしたんですか!?」
「マ、マオさんも急にどうしたんですか!?やっぱり何処か怪我していたんじゃ!?」
「ううん、違う……違うんだ……只……」
「堪らなく涙が溢れ出てしまうんだ……幸せな筈なのに……とても悲しいんだ……」
その瞬間、六人は理解した。二人の涙は、エジタスを失った事に対する哀しみの涙であると。エジタスが亡くなって一週間、目まぐるしい周りの変化に泣く余裕すら無かった。それが今、たらふく茸の幸せによって今まで溜め込んでいた哀しみが、涙として一気に吐き出されたのだ。
「師匠……師匠……ぁあああああ……ぁあああああ……」
「エジタス……エジタス……ぁあああああ……ぁあああああ……」
真緒とサタニアは、まるで子供の様に声を上げながら泣いた。それは一晩中、涙が枯れるまでずっと……。
***
「「…………」」
「どうやら二人供、泣き疲れて眠ってしまったみたいですね……」
「本当に子供みたいだな」
「泣ける時に泣いた方が良い。おとなになるにつれ、素直に泣くのが難しくなる。そう言う意味では、マオ達が羨ましい……」
一晩中、涙が枯れるまで泣き続けた真緒とサタニアは、二人寄り添いながら静かな寝息を立てていた。すると、真緒とサタニアの口元が動き出し、寝言を言い始めた。
「……師匠……私……頑張ります……頑張って……」
「……エジタス……僕……頑張るよ……頑張って……」
「「私(僕)なりの“笑顔の絶えない世界”にして見せ……る……」」
「「「「「「!!?」」」」」」
あまりにハッキリとした寝言に、六人は目を丸くしながら、各々が目を合わせる。
「「「「「「…………ぷっ、あはははははははははははは!!!」」」」」」
そして一旦間を置いてから、大声で笑い始めた。
「おいおい、何だ今の寝言は!?」
「もしかして、本当は起きているんじゃないですか!?」
「試しに擽って見るか!?」
「い、いけませんよ!!サタニア様にそんな……でも……今日は特別、許可しちゃいます!!」
「ぞれなら、オラの爪先で脇腹を擽っでやるだぁ!!」
「ニゲラレナイヨウ、オレガオサエテヤロウ」
そう言いながらゴルガは、二人の体を指先で確りと押さえ付ける。更にそこから、ハナコが爪先を絶妙な力加減で、二人の脇腹を擽り始めた。
「ぞーれ、ごぢょごぢょごぢょごぢょ…………」
「「!!?えっ、あっ、ちょっ、あっははははははははははははははははははははははははは!!!」」
突然脇腹を擽られた事により、真緒とサタニアが飛び起きた。しかし、ゴルガに確りと押さえ付けられている為、全く身動きが取れず、くすぐったい感覚が永遠と続いていた。
「ちょ、ちょっとハナちゃん……これは一体どう言う……あっははははははははははははははははははははは!!!」
「な、何して……あっははははははははは!!!ちょっと三人も黙って見てないで……あっはははははははははははははははは!!!」
二人の笑い声は、森中に木霊していく。この出来事を切っ掛けに、“迷いの森”は“笑いの森”として周囲の人々から呼ばれる様になった。
***
「「…………」」
真緒とサタニアの二人は、長閑な草原に来ていた。人気は全く無く、小さな丘だけが存在していた。そんな丘の上に、小さなお墓が立てられていた。お墓には、“道楽の道化師エジタス ここに眠る”と刻まれていた。そんなお墓の前に、真緒とサタニアが二人並んで立っていた。
「エジタス……ここ綺麗で静かな場所だよね。この場所は、僕とマオしか知らないんだよ」
「ここなら、ゆっくりと眠る事が出来ると思いますよ……あっ、そうそうこれ……」
何かを思い出したかの様に、真緒は自身のポケットから一通の手紙を取り出した。
「私、師匠宛の手紙を書いたんです。届くかどうかは分かりませんが、ここに置いて置きますね…………」
そう言いながら真緒は、エジタスのお墓の前に手紙を置いた。
「僕からはこれ……花……ほら、お墓には花が必要だと思って……」
するとサタニアは懐から、花を一本だけ取り出した。
「これから毎年、マオと一緒にエジタスの墓参りするから……その時花を一本ずつ持って来る……千本、二千本、エジタスに負けない位長生きして、この草原を一面花畑にして見せる……」
そう言いながらサタニアは、懐から取り出した一本の花をエジタスのお墓の前に供えた。
「本当はもっと話していたいけど、もう行かないと……」
「そうだね……師匠、私達は私達なりの“笑顔の絶えない世界”を目指して、毎日頑張っています」
「まだまだエジタスの様に、上手くは立ち回れないけど……いつかこの世界を、エジタスも納得出来る程の世界にして見せるよ」
「師匠……私達の活躍、ここで見守っていて下さいね……行こうサタニア」
「うん……それじゃあねエジタス、また来年……」
そう告げると真緒とサタニアは、エジタスのお墓から離れて行った。それからしばらくすると、エジタスのお墓から小さな若葉が芽を出していた。まるで、真緒とサタニアの想いに答える様に……。
END
「~~♪~~~~♪」
若葉が芽を出したエジタスのお墓。そこに見知らぬ女性がやって来た。鼻歌混じりにやって来た彼女。白と黒で、ゆったりした袖のついたくるぶし丈のワンピース。裾が大きい頭巾。そして“逆十字架”が先端に付いたネックレス。その特徴的な服装から、“修道女”という事が見て取れる。しかし、その女性は普通の修道女とは異なり、片目に黒色の眼帯を着けていた。
「…………」
そんな片目に眼帯を着けた修道女は、エジタスのお墓の前に座り込むと、両手を組み合わせ祈りの構えを取る。
「……あぁ……偉大なる神エジタス様……あなた様の意志は、この私が引き継ぎます……うふふ……」
口元を歪ませながら修道女はゆっくりと立ち上がり、芽が出たばかりの若葉を踏みにじった。
「うふふ……うふふ……うふふふふ……」
END……?
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
25
この作品の感想を投稿する
みんなの感想(3件)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。
ご返信、ありがとうございます!早速 アルファポリスオススメ図書館で紹介させて頂きました!
これからどんどこ読み進めて、最新話まで追いつきたいとおもいます!
紹介して頂き、ありがとうございます。ちゃばしらさんの紹介文を読んで、少しでも多くの方々に興味を持って頂ければ嬉しいです。改めまして紹介文を書いて頂き、ありがとうございます。
これからも応援よろしくお願いします。
お手本みたいな丁寧な描写で大変すばらしい作品だと思いました。いきなりで不躾とは思いますが、よろしければこちらでも紹介文を書かせていただきたいのですが、ご検討のほど、よろしくおねがいします。
ご愛読ありがとうございます。
こちらとしても、より多くの人に読んで貰いたいと思っていますので、どうぞよろしくお願いします。ちゃばしらさんの紹介文を楽しみにお待ちしております。
これからも応援よろしくお願いします。
大変読みやすい小説。描写がしっかりしていて感情移入できる。質の良い映画の脚本のようでした。
ご愛読ありがとうございます。
そうして言葉にして褒めて頂けると、これからの話によりいっそう熱が入ります。
これからも応援よろしくお願いします。